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湖と沼と・・・・生物多様性のことについて

はい、先程 daisakuさんの問いに、まだはっきりとは答えられませんが、今までの印旛沼の歴史と琵琶湖の問題で、重なるところもあるようなので、自分なりにまとめてゆきたいと思います。

ご興味のある方は どうぞご覧下さい。



まず、沼や湖にいた固有種、在来種が、なぜ激減したかということですが・・・

1・琵琶湖もそうであるが、印旛沼もその水を飲料に使うが、田畑や工場用水への利用が不可欠であり、またこの湖沼は閉じられていて、水位によって下流の河へ水を放流するという管理がなされている。昔は(工場や住宅地、田園などがあまり多くなかった頃)それによって、固有種が多く繁殖、そこでの生態系が形作られていたのだが、閉じられているということが、今度は逆に汚染による被害を大きくもしたともいえる。

2・しかし、では水を流れるようにすれば汚染は広がらないか、在来種は守れるかといえば、答えはNOである。なぜなら、もともとこの在来種達は、この緩やかな湖水の中で繁殖(つまり卵を産む事や稚魚が育つ環境)してきたのであるから、河水を導きいれるだけで全てが解決するような、簡単な話ではないのである。そして、それは下流域の問題にもなる(汚染の拡大)し、海まで続く問題でもある。

3・外来種が繁殖した理由について、ブラックバスやブルーギルは人の手によって外国から渡ってきたものであるが、その旺盛な繁殖力、湖水の汚染をものともしないところと、また他の魚を食す(魚食性)ので、在来種はダブルパンチだったという研究結果がでている。


・・・在来種と外来種の関係はそういうことが問題のようです。そして、印旛沼の取り組みの中で、私が所属している「NPO法人印旛野菜いかだの会」の研究と活動は、まず、様々な問題のある沼の水を「植物や生物の力できれいにする」ことを1番に考えています。

その方法は、一番簡潔な説明は「干潟の浄化力」といえばお分かりいただけるかと思います。野菜を水耕栽培(空心菜)するいかだを組み、その根による水の浄化(沼に含まれる過養分の栄養である窒素リンなどを吸収してもらう)そして、その根元には在来種で最近また探し出されたマシジミを育て、やはり養分を吸収してもらう。水が湖底まで澄んできたら、そこに水草をまた植える・・・・

全てが、循環するようになると、そのいかだの野菜の根の周りには、タナゴや川えび、貝類が戻ってきたそうです。そうです、そういう生物がまた、他の生物の食べ物や繁殖の場所になるのです。そうすると、そこには鳥も、もっと大きな魚も戻ってくるのです。それが生物多様性を可能にしているのです。それらがまた、水を活かしていく、そういうことです。

外来種には、そういう食物連鎖がないのです。バスは人も食物として最初繁殖させたのですが、バスを食す大型の猛禽類も、姿を消しています。ですから、増えすぎてどうしても駆除の対象になっています。ですが、他の湖沼では、「釣りの対象・レジャーとしてのバス釣り」を観光の目玉にしていくというのもあるようです。そして、可哀想ではありますが、ブラックバスは、釣られてまた、水に放されたとしても、長生きできないそうです。

・・・人が自分の勝手な都合で繁殖させた動植物です。それを忘れてはいけませんが、環境を変えてもなんとか頑張って生き延びている動植物を、元の湖沼に戻してあげたいですね。

蛇足ですが・・・

最近まで、印旛沼では絶滅していると思われていたマシジミですが、用水の、U字型の小さな側溝のようなところに溜まった泥の中で、生息しているのをいかだの会の方々が発見し、その場所は、保護指定になって農家の方々にもご協力頂き、泥はさらわないでもらうというようになったそうです。かなり沢山発見されて、生物の逞しさや素晴らしさを再確認いたしました。そのマシジミ達が、今 沼をまた綺麗にしてくれているのです。
by f-as-hearts | 2007-01-07 14:39 | 徒然

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