サウザンドアイランド 145

異世界の島の物語


サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー          ・・・60歳  サウザンド・アイランド連邦国
                       科学技術省総裁
メラニー             ・・・33歳   科学者
長老               ・・・??    ???
レゼンダ             ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ              ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス             ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト               ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング               ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クイーン              ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者  
       
ディラルド・ジェイントン博士      ・・・???  超遺伝子科学者 エリックの父



第百四十五話  「 もうひとつのアンドロイド 」


ジェット機の中でイムズはキングに送ったリリアのデータについての解析を、すでに専門家に頼んだと言った。
「なにせ、今まであれだけ苦労させられたリリアのデータですからね。
アンドロイドグランドクロスに使われてるとあっちゃあ、徹底的に調べてこっちの作戦に有利にもっていくのが正解ですね。」
キングは少々懐疑的だがと前置きしたうえで、話し始めた。
「リリアはエリックの母親のような役目だから、アンドロイドにどこまで活かされているかという疑問もあるが。」
マドックスは笑った。
「ですよね~~~!!あの性格、なーんか優しすぎるってか!」
イムズは笑わなかった。
「だが、あの適応力は脅威ですよ。」
「そうだな。
どうしてあそこまで人間の、それもあのエリックに合わせることができたのか・・・」

キングは電話をかけた。
「私だが、そちらの進捗状況はどうだ?
・・・研究所にリリアのデータが届いた筈だが。
・・・なるほど、元々が人の思考か。
わかった、すぐにそちらに行く。」

イムズは聴こえなかったふりで言った。
「なんですって?」
「リリアには人間の思考傾向をインプットしたらしい。
AIに。」
「へえ~~~!!さすがワインバーガー氏、考えがぶっとんでいますね!」
「それを言うなら、そこからさらに発展させるという考え方が、ぶっとんでいるよ。
通りであれだけ人間のような適応力が備わっていた訳だ。」
キングはあきらかに満足げだった。

研究所に着いた3人は、すぐに地下の第5研究室に降りた。
そこにアンドロイド製作研究部門担当の教授が待っていた。
「教授、すぐにあのデータを新しいアンドロイドに移植できるか試してくれないか。」
教授は明るい色のパーカーを着ていて、その上の白衣はまるで似合っていなかった。
歳も20代に見えた。
「えーと、もう試しました。」
「どうだった?」
皆で歩きながら話をしていると、次々と研究員が集まり始めていた。
「とてもいい段階、第5レベルに到達しています。」
イムズが微妙な表情で言った。
「わるい、それそんなにいい段階じゃないよな?」
「あーイムズ将軍、勝手に心を読まないでください。
・・・確かに、段階は50レベルまでありますけど。」

サッサッ・・・

アンドロイドの並ぶ研究室は、広くて綺麗でとても清潔な場所だった。
工場ではない、まるでホテルのロビーのような感じだ。
マドックスはぐるっと周りを見回した。

(これは・・・まるで3Dの映像みたいだ!)
イムズもそうだな、と言った。
(ここも仮想空間か!)

「でも第5レベルはいままでで一番良い状態です。」

キングはうなずいた。
「どのアンドロイドに移植したか彼らに見せたいのだが。」
研究員達が、さっとキング達に場所をあけると、目の前のアンドロイドを見せた。

イムズが驚きの声をあげた。

「これは!!  クイーン、じゃないですか!!」

研究員達と教授は真面目な顔でイムズの方を見た。
マドックスは頭を掻きながら、口を開けている。
キングは心を閉ざしたまま、イムズに話をした。

「大丈夫だ、人格まで移せるようなレベルには到達していない。
だから、この姿に驚かなくてもいい。」

教授はご説明致しますと言った。
「キングは、クイーンの治療と並行してアンドロイドの開発も着手されていました。
それはクイーンの為でもありました。
こちら側の研究結果でグランドクロスに、ロボットにはない意識というものが存在していて、キングもそれがリリアの頭脳に関係しそうだと言われまして。
だったら、それを手に入れる方法があれば、一挙にアンドロイド研究が進むことに気がついたわけです。」

イムズはそれはそうだが、と心でつぶやいた。
(あの、アンドロイドの原則、あれもリリアの頭脳に関係するのかどうか・・・)
「それはない、な。
あれはあくまでも、グランドクロスを他の者が利用することを防ぐ手立てにすぎない。
それじゃ、教授。
移植した結果を見せてくれないか。」

アンドロイドのクイーンは目を開けた。
「おはようございます、教授。」
「おはよう。
ご機嫌はいかがですか?」
「はい、今まで無かった記憶が増えていますね、教授。
キング、そしてイムズ将軍、マドックス。
これからエリックを攻略しにいくのですか?」
キングが笑った。
「どうしてそう思うのかな?」
「戦っていた記憶があるので、まだ続きがあるのではと考えました。」

イムズが教授に尋ねた。
「これはリリアの記憶だったんですよね、ということは我々は敵、ということですか?」
「いいえ、私達が味方だという元々のクイーンの脳の記憶に、新しく足したのです。」
マドックスがやっと声を出した。
「ええっと、それはつまり・・・リリアは起こった出来事を記録していた、感情は抜きで??
敵、味方関係なく見たまま記録しているってこと?」

研究員が補足した。
「アンドロイドですから、本当は感情というものが無い筈なんです。
状況に応じて自己判断ができる、それがアンドロイドグランドクロスの不思議なところでした。」

教授がまた説明した。
「アンドロイドリリアには感情、意思、意識があった。
なので、人間の頭脳の記憶を移植したものだという結論になりました。
リリアはアンドロイドになって多くを学びました。
それをまた、グランドクロスに移植したのです。」

イムズはキングの顔を見ずに言った。
「これで、あのグランドクロスを超えるものが作れるのでしょうか?」
科学者は首を振った。
「まだです。
リリアは常に実体験、経験から進化しつづけている。
クイーンはやっと今、リリアの初期段階に到達したにすぎません。」
キングはうなずいた。
「それでも、今までのアンドロイドに比べれば、雲泥の差だ。
クイーン、ひとつ質問してもいいかな?」
「はい、どうぞ。」
「エリックと戦うとして、君なら勝てるかな?」

イムズとマドックスは一瞬、顔を見合わせた。

「はい、私の能力があれば。」
「君の、能力?」
「アンドロイドリリアの能力です。」

キングも教授も、その場の皆がどういうことだろうと言い始めた。
教授が聞いた。
「アンドロイドリリアの能力、というのは、何だ?」



・・・こちらはワインバーガーの研究所敷地内。
朝から大盛り上がり中である。

「こんな感じでね、ここにね、ベルトコンベアーがあるんだ~~!」
「これがあの島にあった工場か!」
ワインバーガーはエリックが出した機械工場を見て、笑っていた。
「どうみても、ブロックの組み立てか何かのように見えるが。」

リリアがその中でエリックと何やら話している。
「ミニろぼっちをたくさん、作りたい~~~~~~!!」
「いいえ、そんなのよりもアンドロイドに新しい銃を。」
「いやだああああ!!そんなのすぐに出せるもん。」
「いいえ、皆が作りやすいものがいいわ。」
「じゃあさあ、ビックろぼっち!!」
「皆が乗りたがらないわ。」

リフはカネムラと戦車はもっと大きいタイプがいいとか、ここでの製造の限界について話し合っていた。
ワインバーガーはサカマキに話しかけた。
「キングに対抗するには、今のグランドクロスに、リフのような能力が必要だと思う。」
「でも、アンドロイド全員が同じ能力を持つことが可能なんですか?」
「エリックのコピー能力はとてつもないからね、ここまでの規模は難しいが。」
「カネムラの異次元移動能力なんかも、あれば無敵ですが。」
「それについては研究してもなかなか理解できないんだが。
一体、彼らの頭脳はどうなっているのか。
アンドロイド達は、人間と違い、限界を決めない。
だから出来るのだろう。
リフはリリアと同様に研究熱心だからね。」

リフはさっきの戦車をもう1機コピーしようとしていた。
だがすぐにエネルギー不足に陥った。

「できると思ったんですが・・・」
カネムラが首を振った。
「でかすぎるよ!」
「でもエリックは工場をコピーしましたよ?」
「エリックは別。」

リフはエリックの方に駆けていった。
「エリック、工場をコピーする時どうやったのですか?」

エリックは手を広げて、言った。
「こうやって、手の先からばばーーーーんって!」
リリア。
「リフ、説明は無理だと思うわ。」
「それじゃあ、恐竜の時は?」
「う~~~ん、恐竜の顔、こんな感じで、えいって引っ張るかんじで。」
「リフ、多分データにできることじゃないわ。
あなたも銃を出した時どうやったか言える?」
「ええ、細部まで見たままを手の先で」
「空中から出す、そんなことが説明できる?」

れぜんだが笑った。

「えりっく~~~~~う!!
ろぼっち、レベルあっぷしてよ~~~~!!
せっかくここに工場できたんだからさ、なんかこう、すっご~~~~~いの
つけて、もうすっご~~~~くはやくしてあげて!」





・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・
(このお話は フィクションです。)




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by f-as-hearts | 2018-04-15 22:22 | SFサウザンドアイランド

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