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サウザンドアイランド 128

異世界の島の物語


サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー          ・・・60歳  サウザンド・アイランド連邦国
                       科学技術省総裁
メラニー             ・・・33歳   科学者
長老               ・・・??    ???
レゼンダ             ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ              ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス             ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト               ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング               ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クイーン              ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者  
       
ディラルド・ジェイントン博士      ・・・???  超遺伝子科学者 エリックの父



第百二十八話 「 超・理論?  」



キングはイムズと合った後、エリックの父であり今はクイーンの専属の医者兼
研究者であるディラルド博士と電話で話をした。

「アンドロイド・グランドクロスのことはわからないのですが・・・

クイーンに変化はまだみられません。

キング、リリアがグランドクロスと関係があるというのは、本当ですか?」

「私の調査では。」

「どういうことなんでしょう・・・」

「ひとつはっきりしているのは、エリックとリリアは、偶然一緒にいる訳ではない

ということですね。

エリックの能力とリリアの頭脳・・・それがグランドクロスに必要だったらしい。」


ディラルド博士の思考をキングはテレパスで読み解きながら、それを更に深く
追求しようとしていた。

(成程、博士はある程度はその事実に気がついていたのか。

エリックが能力を発動させやすくなったのも、リリアがいたからだ、そして

ワインバーガーがリリアというアンドロイドとエリックの相性を観ていたという

ことも予測できるんだな。だが、グランドクロスにエリックの能力は生かせる訳が

ない・・・人間の能力として・・・)

キングはそこで気がついた。

(コピーなら、すでに機械にできる能力だ。だが現実問題としてリリアがいなければ

というのは、そうか!)

キングがとうとうその事に気がついた。

「博士、ようやくこのアンドロイドの意図が見えてきました。

またクイーンの報告をお願い致します。」



・・・・・・・・・・・エリック達のいる研究所・・・・・・・・・・・・・


次の日、エリックはリフに頼まれて、ろぼっちを動かすことになった。

リリアが呆れたようにリフに言った。

「ろぼっちで来たっていうのも、とんでもないのに、リフ、何故

あなたがこれに興味を持つの?」

眠い目をこすりながら、カネムラもうなずいた。

「そうだぞ、こんな朝早くから。」

「はい、ろぼっちというのがどうして動くのか興味があるんです。」

「そうね。

動力もエンジンも、あげくは可動部分も、いーかげんな作りだものね。」

エリックがぷーーーーっとふくれて、文句を言った。

「あーーーーーっ!!ろぼっちは、ぼくを乗せて飛んできたんだぞっ!!

いいかげんな作りなんかじゃないもん!!」


エリックはそう言うと、ろぼっちに乗り込んで、エンジンをかけた。

リフが中を観たいと言ったので、エリックが渋々リフを乗せた。

リフは、こんなの観たことも聞いた事もないと言って、その座席で固まった。

ほとんどが手描きの絵のような、パネルが貼られたものだったのだ。


リフはろぼっちが飛ぶのを、じっと中で見つめていた。

「観ても、理屈があわない。」

空を飛んで戻ってきたリフが、真顔で言った。

「まるで異空間でした。」


カネムラは激しく同意していた。

「そうそう!まったくその通り!異空間だからなんでも出来るんだよ!」

「そうね、飛行する物体ではないわよね。」

「え~~~~~~~~??どうして??」


ろぼっちの中のパネルから、れぜんだの声が響いた。

「しっつれいしちゃうわったら、まったくまったくしつれいだわっ!!

ろぼっち、こぴってもいいって言ったけど、けなすんだったらかーーさないっ!!

返してっ!!エリック!!」

「やだあ~~~~~!!もっとろぼっちで遊ぶんだっ!!」

エリックはひとりでろぼっちを操縦して、空を飛ぶのだった。



ワインバーガーはその様子を研究所から見上げていた。

メラニーが真面目な顔で言った。

「あの、ロボットの飛行許可はどうします?」

「いや、いい。

あれを観て、ロボットで戦闘機能があると誰が思うんだね?」

「間違って誰かが打ち落とそうとしたらどうします?」

「打ち落とされてから考えよう。」

「あのう、アンドロイドがリフと知識の共有をした為、驚いて

連絡をいれてきましたが」

「聞きたいことは、リリアに聞いてくれと伝えればいい。」

「ワインバーガー氏、大丈夫ですか?」

「全く大丈夫だ。」



・・・・・・・・・・・レゼンダの部屋・・・・・・・・・・・


しゃかしゃかしゃか・・・

レゼンダは歯磨きをしながら、ろぼっちが研究所の上空を飛んで映している

映像を眺めていた。

それでエリックとリフ、リリア、れぜんだの会話を聞いて、思わず噴出しそうになった。

慌てて洗面所に駆け込むレゼンダ。


「一体何をしているのかしら??」

執事がフェイスタオルを渡しながら言った。

「レゼンダ様こそ。」

「こそって何?私は、れぜんだが馬鹿なことをしでかさないか、見張っているのよ!」

「そうでしょうか。」

「そうでしょうよ。」

「ろぼっち飛んでました。」

「飛んだわよ?悪い?」

(開き直りました。)

「キング様はろぼっちが来たタイミングで逃げることができたのよっ!

これは快挙じゃないかしら!そうよ、れぜんだのおかげだと言っても過言ではないわ!」

「れぜんだちゃんを褒め称えましょう。」

レゼンダの顔が鬼のように見えた。

「ち・が・う・わ!れぜんだは私の分身!だから私が褒められるべきよ!」

(超・理論展開中。)


久しぶりにレゼンダが出かけようとした時、電話にメールが届いた。

「あら、イムズじゃない・・・えっ?


キングが召集をかけたって・・・ええっゲームの中じゃないの?

・・・わかったわ、行きます。

執事、申し訳ないけど、れぜんだを見張っていてね。」

「かしこまりました。」


バタン・・・

執事はドアに向かって、ガッツポーズをした。

いきなりドアが開いて、レゼンダが忘れ物をしたと言いながら

執事の横を通り過ぎたが、執事は振り上げた手をすすすっと降ろして

何気ない顔で見送った。

「いってらっしゃいませ。」




・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです。)


by f-as-hearts | 2017-01-21 17:48 | SFサウザンドアイランド

タロット占い師ASのブログです。


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