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サウザンドアイランド 123

異世界の島の物語


サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー          ・・・60歳  サウザンド・アイランド連邦国
                       科学技術省総裁
メラニー             ・・・33歳   科学者
長老               ・・・??    ???
レゼンダ             ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ              ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス             ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト               ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング               ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クイーン              ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者  
       
ディラルド・ジェイントン博士      ・・・???  超遺伝子科学者 エリックの父



第百二十三話 「  リリア危機一髪 」


ワインバーガーは司令官から説明を求められていた。
「・・・つまり、あのアンドロイドは、リドル帝国との共同開発だった訳ですね?
しかし、あの行動といいアンドロイドを奪う手際といい、どうみても
リドル側が一方的にアンドロイドの開発阻止に動いているとしか思えませんが?」
ワインバーガーはうなずいた。
「まさしく、我々もそういう見解です。」
「リドル帝国は残りのアンドロイドを破壊しに来ますか?」
「その件について、直接次期総帥に連絡を取ります。」
「では早急に報告を。
そこの警備員、ここの地図を兵士全員に持たせるので、PCのデータを
開いてくれ。」
「イエッサー!」
マドックスはPCを開くとすぐに地図を司令官の小型PCに送った。

メラニーがワインバーガーに言った。
「キングが電話にでるとは思えません。」
「だが、出ないとも言い切れない。


・・・繋がったぞ・・・

キング、ワインバーガーです。
貴方の部下がアンドロイド・グランドクロスを奪って逃走しましたが
ご存知でしょうな。
すぐにご返答いただきたい。」

キングの声がはっきりと響いてきた。

「ワインバーガー総裁。
私が何故部下にそのような命令をしたのか、おわかりでしょうね?」
「いいえ。」
「グランドクロスの重大な設計ミスを発見しましてね。
事前に渡された人工頭脳の資料を精査して、やっと見つけました。」

会議室の外の廊下が騒がしくなった。
ドアが開くと、そこにはキングが立っていた。
キングは持っていた電話を切ると、そのまま自然に会話を続けた。

「あまりに堂々と記されていて、こちらがその問題点に気づくのが
遅かった・・・

アンドロイド5原則。

今すぐ、この5原則を消すか、改定してください。」


・・・・・・・・・・・・異次元のイムズ達・・・・・・・・・・・・・・


「リフをどうするつもりか、話して。」
リリアはイムズが人工頭脳のリセットをすると聞いて、様々な予測を立てていた。

「それはあんたが知らなくてもいいことだ。」
「それは私が予測した未来が、当たっているからでしょうね。」
「非常に残念だが、俺はアンドロイドの頭ん中までは読めないんでね。
当たっていようが当たっていなかろうが、俺が焦ることはない。」

リリアはうなずいた。
「そう。
それは残念だわ。」

リリアは捕まれた腕を信じられない方向にねじると、イムズの手を振り払った。
「リフ!!今よ!!」

リフはリリアの声に瞬時に反応して、イムズを撃った。
イムズはその瞬間、姿を消した。
「ここをどこだと思ってる?異次元で俺に敵うと思っているのか?」

弾丸は奇妙な光跡を描いてどこかへ飛んで行った。
その後、イムズは再びリリアの背後に現れると、その首を掴んだ。
「アンドロイドのことはわからないが、自由に動けるというのと
空間を支配するというのは、別次元の話でね。
さて、このままあんたらをこの次元に置き去りにするということも
できる。

リリア、いくら予測を立てても、ここから出る方法は
俺との約束を守ることが大前提だ。
まさか、それくらいは理解してくれるだろうな?」

リリアは顔を上に向けると、イムズに目だけを向けた。
「イムズ将軍。

貴方にもひとつ、理解して欲しいことがあります。
それは、私しかクラウン博士の場所を知らないという事です。
私は、貴方のような異次元移動能力者から、この空間で移動する時の
方法を聞いています。

この多次元で、出発地点と目的地までの地図を描ける者。
それが異次元移動能力者だと。
貴方は、私を殺すこともここに置き去りにすることもできない筈です。」

「はっ!!ははははは!!」
イムズは笑った。

「いやあ、流石だな!!

本当に、リリア、あんたが人間だったら、俺は仲間にするよ。
間違いなく。

いいだろう、リリアの質問に答える。
その代わり、リリアにももう一度、約束してもらいたい。

リフは元々、リドル帝国に来る筈のアンドロイドだ。
だが、それにはとんでもない罠があったってわけだ。
アンドロイド・グランドクロス。

どうしてキングがこんなにもリリアやエリックに接触させるのか
俺はわからなかったが、その答えは・・・
リリアにはない、グランドクロスのみに作られたアンドロイド5原則にあったんだ。」

イムズはリリアの反応を観たが、一切表情の変化はなかった。

「やっぱり、な、知らないんだろう?
リリア、リフの人工頭脳に刻まれた5原則は、キングには邪魔なんだそうだ。
だからその5原則ごと、リセットするんだよ!」

リフは銃をもう一度構えた。
「そんなことはさせない。」
「そうだな。
それも、5原則の内か!
だが、ここではそんなものは役に立たないぞ?
銃を降ろせ。」


・・・・・・・・・・エリックの部屋・・・・・・・・・・・

エリックはカネムラとリリアが突然部屋から出て行ったっきり、戻らないと
サカマキに不満を言っていた。
サカマキは今の状態ではエリックに説明することさえ難しいと思い、言葉を
濁した。
「そのうち、帰ってくるよ。」
「サカマキさん、嘘言ってるよね。
だって目が泳いでいるもん。」
サカマキは慌てて目を閉じた。
「何かあったの?」
サカマキが何も言わないので、エリックはうなだれて部屋を出て行った。

カネムラの部屋に入ったエリックはすぐにPCを開くと話しかけた。

「PC~~~~!!
リリアはどうしてるの?答えてよ。」
ーーーリリアはでかけています。
「そうなんだ~~~!どこにいったのか教えて!」
ーーーわかりません。
「え?PC、それなんの冗談?」
ーーー本当に場所がわからないんです。
「だって、繋がってるって言ってたよね?」
ーーーはい、でも今は場所を特定できません。
「あ、そうか!カネムラと一緒に異次元にいるんだねっ!!
ずるいや、僕も行きたかったのに!
じゃあさ、カネムラの場所もわからないんだね?」
ーーーいいえ、カネムラさんは今ワインバーガー研究所にいます。
「え??どういうこと??」

ガタンッ!!
ダダダダダッ!

エリックはサカマキに言った。
「おかしいよ?!リリアがどこにもいないんだ!!
カネムラと一緒じゃないんだ!!」
エリックはPCの言ったことを話した。
「なんだって?!」

サカマキはすぐにワインバーガーに連絡を入れようとしたが、ワインバーガーは
電話には出なかった。

エリックは父親に相談した。
PCの中で父ディラルドは頭を掻いた。
「異次元移動能力??リリアだけが行方不明??」

ディラルド博士はクイーンの顔を覗き込んだが、反応はなかった。
「エリック、そこに誰かいるかい?
その人もそばに呼んでくれないか。」

サカマキはディラルド博士と話をした。
「サカマキさんはリリアがどうしていなくなったのか、わかりますか?」
「さっき、アンドロイド・グランドクロスが盗まれた件で、ワインバーガー氏から
リリアとカネムラ君に要請があったんです。
でも今はワインバーガー氏と連絡がとれないんです!」

サカマキはディラルド博士に詳しく説明した。
「PCに聞いてもわからないんだ!!
お父さん!!リリアを助けて!!」

PCの画面が揺らいだ。

「ばっかじゃないの!!

いつまでたっても戻ってこないとおもったら、こーんなことになってんのかあ~~~!!」

そこには大きな顔文字が浮かぶ帽子をかぶった女の子が映っていた。

「れぜんだちゃん!!」
サカマキが叫んだ。

「おおい、エリックううううう~~~~??
リリアさがしてんの??

なあんだあああ~~~~!!それじゃあすぐにさがしてやるよっ!!

ほら、おばけ~~~~~~~!!でてこいってばっ!!!」

ひゅううううううううう~~~~~~~ん!!

PCからおばけが飛び出してきた。

「えりっく どうした・・・りりあ いないのか・・・

またか ・・・おれってふこう・・・

さがしたら また いっしょに あそべるな・・・」

エリックはびっくりしてそのおばけの顔をじっと見つめた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・   

・・・・・・・・ニーソックス ??」

「ははは・・・

なんだ・・・えりっく おもいだしたんだな・・・

じゃ りりあを さがせば いいんだな・・・」

おばけ達が、PCから溢れ出した。

「さあ りりあ を さがして たすけるぞ ・・・」


・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです。)

by f-as-hearts | 2016-09-13 17:00 | SFサウザンドアイランド

タロット占い師ASのブログです。


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