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サウザンドアイランド 119

異世界の島の物語


サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー          ・・・60歳  サウザンド・アイランド連邦国
                       科学技術省総裁
メラニー             ・・・33歳   科学者
長老               ・・・??    ???
レゼンダ             ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ              ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス             ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト               ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング               ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クイーン              ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者  
       
ディラルド・ジェイントン博士      ・・・???  超遺伝子科学者 エリックの父



第百十九話 「  夢 」


・・・・・・・・・・・・・・・・レゼンダの部屋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


レゼンダはエリックが新たなクイーンを夢の世界に創ったのを見て
驚きのあまり、PCの前で固まっていた。

「なるほど、これでれぜんだちゃんの役割がわかりました。」

レゼンダは声もでない。

「エリックに気づかせる為だったんですね。
クイーンが夢の世界を離れられない理由などを。」

レゼンダは紅茶を一口飲んだ。

「クイーンはこれで夢のゲームの仮想空間にもいることができますね。」

レゼンダはごくんと紅茶を飲み込んだ。

「これで今まで通りということです。」


・・・・・・・・・・・・・・・サウザンドアイランド・・・・・・・・・・・・・・・・・


エリックは夢の中でキングとクイーンが抱き合うのを笑顔で見守っていた。

ニーソックスはエリックの周りでそわそわしながら言った。

「えりっくのとうちゃんは すごい・・・ 

おれにクイーンの ところへいけって いったけど

ほんとは おれ くいーんにころされるか と おもったんだ・・・」

「やっぱりすごいや、ニーソックス!!

僕、ニーソックスがいなかったら ずっとクイーンとゲームしてたよ!!」

れぜんだがふふんと鼻を鳴らした。

「クイーンはラスボスだからねっ!!!!

何が何でも、倒れたりしないのさっ!!!

エリックうううう~~~!!

もうクイーンに勝ったんだから、今度こそあたしと戦え~~~!!!」 


ひゅうーーーーーーーーっと 島に風が吹き渡って

上空に大鷲が羽根を広げた。

クイーンは大きく腕を伸ばすと、その腕は大鷲の羽に変わった。

「・・・エリック・・・

    ・・・フール 愚者の子よ・・・


私は ずっとキングのそばにいる為に 一番遠い この島にいた。

しかし 意識が離れた後の体の衰えは キングにもどうしようもなかった。


エリックに この島と ゲームと 夢の世界を 好きになってもらわなければ

この たったひとつの答えに 辿りつかなかった・・・


     ありがとう エリック 

 そして ニーソックス  ディラルド博士  れぜんだ ・・・

 私は ずっと この世界と・・・      ともに ある・・・」

バサッ・・・・・・・・・

クイーンはその姿のまま空へと飛び上がった。

羽が 空から落ちてきた。

エリックは手を伸ばして、その羽を掴んだ。


・・・・・・・・・・・・・ワインバーガーの研究所・・・・・・・・・・・・・・・・・・

メラニーがワインバーガーに連絡していた。

「ディラルド博士が、キングの元にいるそうです。
そこの研究所にリリアとクイーンが・・・はい、博士はキングに協力して
クイーンを助けたようです。

エリックは能力でクイーンの意識を取り戻せたようです。
夢の中にPCを出現させて、父親と会話しながら、答えを導いたという
ことです。」

「エリックの、見たことのあるものを完全にコピーする能力か!」
「はい。」
「リリアは、その時のエリックの脳波を記録したかね?」
「しています。」
「クイーンの脳波は?」
「大丈夫です。」
「それでは、それらのデータの解析、及び能力の発動結果を新たに分析して
グランドクロスへの移植を急いでくれたまえ。」

皆が慌しく動いていた。
「わかりました。
それから、キングの元にリリアもいるのですが、離れるように伝えますか?」

ワインバーガーは少し考えてから答えた。
「大丈夫だろう。
リリアには護るべきものがあるからな。」

ワインバーガーはおびただしい数のビル群の一角から、地上を見下ろしていた。

「阻止できるはずだ。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・新・研究所・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

キングはクイーンの傍にいるように博士に言われたが、ニーソックス達が
いた時のようには、クイーンとの意思疎通はできないことも、すぐに理解した。

博士はまだまだ移植手術も不可能だとした上で、14年の長さを理解して欲しいと告げた。

「ですが、私達は新しいデータを手に入れました。

ニーソックス達がクイーンの脳に直接関わることで、得られたものです。
脳細胞、脳幹脳神経やそこから繋がる筋肉組織など、失われた組織がどこなのか
どこを繋げばよいのか、それを同一個体で比較できるという、データです。
それが、大きな進展をもたらします。
クイーンの予知夢は、きっと現実になるでしょう。」

クイーンは意識が戻っても思うように動かせない体に、いらだっているように感じていたが
それも含めて、予知での言葉を思い出していた。

(・・・いいの・・・頑張るから・・・)

「博士・・・その言葉を、クイーンにかけてやってくれますか?
今が一番辛いのではないかと思いますから。」

博士はうなずいた。

リリアがクイーンの傍から博士の元へ来た。

「博士、エリックのことですけど」
キングは席を立つと、黙って隣の検査室へと歩いて行った。

「まだエリックは目覚めないようです。
クイーンの夢にとらわれているのでしょうか?」

「そうだな・・・

おーい、エリック!聴こえるか?」

PCの中ではエリックがれぜんだとゲームに興じているところだった。

「なあに?」

「どうだい、そろそろこっちに戻って来ないか?」

「まってよ、今れぜんだちゃんのろぼっちがーーー

わわわっずるいや!!僕、父さんと話してるんだからっ!!」

「そんなこと言って、逃げる気だろ~~~~~!!」

「違うよ~~~~~!!ひどいなっ!!ニーソックス~~~~!!

れぜんだちゃんのろぼっちを止めて!!」

「いいぞ・・・ みんないくぞ・・・せえの・・・」
お化けは一斉にれぜんだとろぼっちに吹雪を吹きかけた。

「きゃあ~~~~~~~~!!こらこらこら、あたしをゆきだるまにする気???」

「エリック、その夢の中でも能力を発動していただろ?

・・・多分、かなり脳が疲労していると思うんだ。

一度、クイーンの夢から出て、自分の体に戻れるように意識してみてくれないか?出来る?」

「れぜんだちゃん、ちょっと待ってて。

わかった、やってみる。」

「だめだめ~~~~~~!!!エリック逃げる気?!あたしと遊ぶの!!!」

「うん、大丈夫だよっ!すぐ戻ってくる。」


PCの中のエリックが消えた。

その瞬間、サカマキが、エリックの目が覚めたとリリアに連絡してきた。
カネムラはエリックに話しかけていた。

「エリック、おはよう。

夢は面白かったかい?」

「?ううん?・・・ここ、どこ?

僕お腹すいた。」

「えっ?

夢の中にいたの覚えていないのかい?」

「??夢?カネムラ、僕、夢みてたの?」
「そうだよ、仮想空間のゲームで・・・その後クイーンの夢の中で」
「??見てないよ、そんなの。

お腹すいたああ~~~!!リリア~~~~!!」

リリアはサカマキに電話を代わる様に言った。

「エリック、私は今あなたのお父さんと一緒にいるのよ。
すぐには戻れないから、カネムラさん達とご飯食べていてね。」

「お父さん??お父さんに会ったの?お父さんどこにいるの?
わかった、リリアすぐに帰ってきてね。」

電話を切るとリリアが博士に言った。

「博士、エリックは仮想空間のゲームと夢の中の出来事を忘れているようです。
戻って詳しく確認しなければなりませんが、私達のことは覚えていて、博士のことは
わからないようです。」

「・・・そうか・・・


これは、クイーンの夢の・・・」
 

カネムラとサカマキは驚きを隠せなかった。

「本当に、あの、長い・・・・・・・今までの夢を全部、忘れているのか??」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです。)
by f-as-hearts | 2016-07-31 17:13 | SFサウザンドアイランド

タロット占い師ASのブログです。


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