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サウザンド アイランド  89

異世界の島の物語。


サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー           ・・・60歳   ???
メラニー               ・・・33歳   科学者
長老                 ・・・??    ???
レゼンダ               ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ                ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス              ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト                ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング                ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クイーン               ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者         


第八十九話 「  You know  」

ー絶海の楽園ー

クイーンの孤島・・・

イムズとマドックスの二人は、長い時間船に揺られて、やっとその孤島に到着した。
情報と言えば、唯一テレパシーで得ることが出来た、島の様子と、そこに行ったことが
あるという兵士から収集した、おおよその距離や他には類を見ない絶滅した動物が
多数存在するという、雲を掴むような話だけだった。

だがそこに、キングからテレパシーが入り、クイーンがなんらかの理由で、その島を
探すように仕向けているのではないかという。
クイーンは今はそこから動く気配がないのだ、というのだ。

・・・それが何故なのか、イムズ達には理解できなかったのだが。
キングのイメージの中の女性が、妙に若いのも気になっていた。
そしてキングがクイーンとゲームで戦っているということにも、イムズは愕然としていた。

マドックスは島を指差しながら言った。
「・・・キングがテレパシーで送ってくる映像が本当なら、あの島だと思います。
かなりクイーンのイメージが鮮明になってきました。」
「俺はな、マドックス。

レゼンダっていうゲームマスターを知ってるからまだいいが、仮想空間を可視化するって
いう、ふざけたゲームを創った天才どもの、頭の中を見てみたいよ。」

マドックスはくすっと笑った。
「あのう・・・異空間移動できるあなたが、そんなこと言いますか??」
「能力的にはな、移動ってのがゲートをくぐるようなもんだとすると、だ。

・・・仮想空間を創り出すっていうのは、神の領域だと俺は思う。
それは、人が想像したものを、全人類が見えるようにできるってことだぞ?!
そしてその中で、出てくるモンスターを操れるし、戦うことも出来る。

クイーンが、どうしてこんな孤島を選んだんだか、俺は是非その理由を知りたいね!」

海風は時に激しく船を揺さぶった。
「こんな小型の漁船しかないのがくやしいですけど、イムズ将軍の言う通りに戦闘機
も入れない孤島では、時間がかかるって仕方ないですね。
それから、ここって絶滅危惧種の宝庫だそうですよね?だからわざわざ世界規模での
規制がかかって、衛星からでも探知できないようにダークゾーンにしたっていう・・・」

「それなんだが・・・さっきからキングのテレパシーが時々乱れているように感じる。
恐竜なんてもんを、クイーンが呼び出したからなんだろうが。」
「それに、神話のウロボロス!あんなものも、現実に出されたら、大笑いですね!!」
「いやそこ笑うところか?!」
「笑っちゃいませんか?生で観てみたいです!!」
ふたりはキングがテレパシーを繋ぎ、感覚を共有させてくれていることに感謝していた。
「ゲームにしても、迫力が違いそうですね!」

とうとう二人はその島に上陸した。

漁船の持ち主は、待機してくれると言うので、海岸をざばざばと二人は歩いて行った。

ギャーーーーーーギャーーーーーーーーーー!
上空を大鷲が飛んでいる。

気がつけば海岸からすぐのところに、海の風にも強いマングローブの木や松などの
林が、そのまま森の奥へと続いていた。
「植生からみて、このマングローブは後から漂着して育ったみたいですね。
奥の森の木は、熱帯地方のものとは明らかに違います。」
「そうだな。いかにもこの海岸線は波に削られてつくられたようだ。
それにいきなり森が広がるっていうのもー」

見上げた森は、とても深い緑で、ジャングルのようだった。
ふたりは兎に角森の奥へと進んで行った。

そして、同時に声を上げた。

「あれが、神殿か?!」
そこにあったのは、エリック達が見上げたのと同じ、遺跡だった。
イムズはすぐに、キングにテレパシーで神殿を発見したと伝えた。

キングはうなずいた。
(よくやってくれた。イムズ、すぐにクイーンらしき人物がそこにいないか
見つけてくれ!)
(わかりました。)
マドックスが質問した。
(キング、クイーンは精神のみ移動しているんですよね?そのう・・・
ここに人間がいるなんて、想像しづらいんですが・・・)
(人がいないということか?)
(いえ・・・その、なんていうか・・・人間に移っているのかな、と・・・)
(探してくれ。どんな小さな証拠でもいい。)

二人は神殿の中と外に分かれて探した。
イムズはマドックスの言っている意味に気がついた。
確かに・・・こんな状況で、普通の人間がここで住めるだろうか?!
水もなく、火を焚いた形跡も、ないぞ??

(やっぱりここじゃないのかな?)
(いや・・・キングのイメージと同じだったらしいぞ。間違いない。)
(ですが・・・さっきから人間の声は一切入ってこないんですよ?
テレパシーに・・・)

イムズもそれは感じていた。
人間の声か・・・テレパス能力のある者なら、拾うことができるのだが。

(?変だな・・・確かに人間がいない??)
(もしかして、予知能力で逃げられたんでしょうか?)
(いや、そうじゃなくて・・・テレパシストだというのを知ってるから、ブロック
してると考えた方がいい。それができるから、今まで誰にも見つけられなかった
んだろう。予知がどこまで完璧なのか、俺は知りたいね。)

ギャーーーーーーー・・・

「大鷲・・・


大鷲・・・?


まてよ?!  キング、大鷲が、クイーンの傍にいましたよね?!」

キングは再び頷いた。
(そこに大鷲がいるのか?・・・それが、もしかしたらクイーンが乗り移った・・・)

マドックスがあっけにとられて言った。
(ええええええ??クイーンは、大鷲に乗り移ったんですか?!)
(へえ?すげえな!!
そりゃあ、想像もできない能力だよ!!動物にまで精神だけ乗り移れるなんて!!)
(どうします?!あんな高いところ飛んでる鳥、捕まえられる気がしないっすけど?)
(同感・・・・・・・・・・・・・はああ~~~~~!!

仕方がない・・・大鷲が腹減らして、食い物を襲うところを、捕まえるしかないだろう。)

大鷲は悠々と空から二人を見下ろしていた。
クイーンはテレパシーを感受して悟られないようにブロックまでしていた。そして・・・

その時、まさに現実に大鷲の眼で、イムズとマドックスを捉えていたのだ。
ゲームとリアルとが、今交錯し始めていた。



月の女神はクイーンにあなたならできるでしょと言った。

冥界の門は開き始め、アンデッドのドラゴンゾンビが今、吸い込まれようとしていた。



クイーンは自分の持つカードを握った。

「ウロボロス!!

大地を司るもう一頭の大蛇よ、現れてあの冥界の門を閉じるのだ。

2つの蛇の その永遠にして永劫の標の名の示す通りに!」


エリックが驚きの声をあげた。

「ええっ ウロボロスが、2つもいる?!」

キングが唸った。

「・・・・・・!そうか、そんな手があったか!」

2頭の大地を取り巻く大蛇は、冥界の門をぐるりと囲み

互いの口で互いの尾を呑み込む形で、ギリギリと門を閉めた。


ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・・・・・

ウロボロスはそのまま冥界の門を大地へと沈めていき、姿を消した。


女神ヘカテはじっとクイーンを見つめた。

「・・・クイーン。

そのようなこどもの為に、大地の神ウロボロスを消してもよいのか。

そなたはいつから、勝負を捨てるような愚か者になったのだ。」


月の光が、クイーンの頭上を明るく照らした。

「ヘカテ~~~!!残念だったねwww

ウロボロスぐらいいなくてもいいじゃん!そーだ、れぜんだちゃん、あの娘達を
呼んでよ!!」

れぜんだちゃんが大声で言った。

「え??もしかして、これ??

     女戦士 アマゾネス軍団、でてこーーーーーーい!!」


ザザザザーーーーーーーーーーーー!!

女戦士達は、大弓や大剣を携えてクイーンの前に城壁のように現れた。
その数、数千。揃って、皆が剣を振りかざして雄たけびをあげた。

その様子を観ながら、アルテミスがクイーンに言った。

「女だからって、負ける気はしないわw」


レゼンダは自分の、アマゾネス軍団のカードを見つめた。
「これを、ここで使うの??れぜんだ~~~~~~~!!」

「月の女神アルテミスは、戦士のようにみえますが、月の女神、ですよね?!」
「執事。 神話ではね、アルテミスは狩りや自然を司る女神なのよ。
弓の名手で、おまけに処女神なの!

・・・アマゾネスだなんてっ!!クイーンにアルテミスにリリアでしょ!!

     女だらけじゃないっっ!!!」

「れぜんだちゃんもいますし。」
「アレを数にいれないで。」
「アレですが、アレはアレで有能ではないでしょうか。」
「ゆ う の う~~~~~~You know????意味知ってて言ってる???」
「有脳とも言いますね。」
「執事。おつかれ。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は  「ちょっと、今のは執事に言ったのよっっ!!」

・・・お疲れ様でした。フィクションです。)
by f-as-hearts | 2015-05-31 01:34 | SFサウザンドアイランド

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