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サウザンド アイランド  47

異世界の島の物語。



サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー           ・・・60歳   ???
メラニー               ・・・33歳   科学者
長老                 ・・・??    ???
レゼンダ               ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ                ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス              ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

第四十七話 「 もうひとつの戦い 」


・・・・・・・・・・リドル帝国軍本部 執務室・・・・・・・・・・・・・

イムズ将軍は ワインバーガーが会議で発言した内容が気になっていた。

アンドロイド・グランドクロスのことよりも、異次元以外の世界という言葉が、
やたらと脳裏を駆け巡っていた。

執務室では、マドックスが雑用を片付けていた。

「マドックス、至急に調べねばならない事ができた。悪いがすぐに手伝ってくれ。」
「・・・・・それが・・・・・」

「ははあ・・・・・・この前の、始末書と報告書の類か。
・・・・・・・・私が、後で謝罪するとサインしておこう。

・・・・・・・・・・・・これでいいか?」

「それでは、こちらにもお願い致します。」
「・・・・・・・・・・・!!これ全部か????」
「はあ・・・・・・・命令違反、軍規約、法規違反、それらを合わせると
全部で38項目の違反だそうで・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・わかった。・・・・・・・・・・・・さて、こっちが本当に急いでいる
ことなんだ。サインしながらだが、テレパシーでいいな?」


「・・・・・・・・・・・キングが、そんなことを?」
「そうだ。我々が知らない世界を、キングは知っているということだな。
マドックス、それがなんだかわかるか?」

「流石に・・・・・・・・・キングの心はガードされているのでわかりません。」
「当然、か・・・・・・・私にも片鱗も見せなかったからな。
・・・・・・どうしても、その世界について知っておかねばならないようだ。」

マドックスはキングというのが次期総帥だと知っていたが、今その心へ
テレパスを試みて、あまりの壁の厚さに、キングは能力者かもしれない
と思った。イムズもそのマドックスの思考が読めたらしく、答えて言った。

「キングは、確かに能力者だ。だが、私にさえどんな能力なのか教えては
くれなかった。

・・・・テレパシストだとは思う。だが、何か・・・・・それ以上の何かが
あるんだと思う。・・・・想像もつかんがね。」

二人が廊下に出ると、巡回中の兵士が横向きに直立不動になり、二人に
道を空けた。
マドックスは通りながら兵士の心の声を聞いて、思わず兵士を殴りそうに
なった。そのマドックスの手を掴んで止めたのは、イムズだった。

その兵士が行過ぎてから、イムズがマドックスに言った。
「どうした?普段のお前なら、軽く流していただろうに。」
「・・・・・・・・いえ、あの兵士・・・・やっぱり殴らせてください!」
「これ以上始末書を増やしてどうする。」
「・・・・・・・・はい・・・・・・・・・」


マドックスは心を閉じて、あの兵士を罵った。
それは、イムズ将軍を、化け物扱いする言葉を、聞いたからだった。
ーーー気持ち悪い、不気味だ、化け物、化け物・・・・・!!!!

マドックスは、自分に向けられたように腹が立って、仕方が無かった。

「すみません。取り乱しました。」
「マドックス。

我々は、これこれこういう能力者だと理解されずに、これからも
生きていかねばならない。
まあ、嫌がられるのは、特別能力があるからばかりでもないがな、
俺の場合は。
今までに戦闘機を3機は、破壊したからな!!!
今となってみりゃ、そういう部下はいらんと思うぞ、はははは!!!!」
マドックスはうなずくだけで精一杯だった。

イムズはキングのことを調べるのを、マドックスに頼むことにした。
「マドックス、君のテレパスは驚異的な発達を遂げた。もう、相手が
どんな状況であろうと、その心を読むことができるだろう。
キングの側近には、能力者ではない者もいるのだ。

その者から、キングの隠している別の顔を探って欲しい。
できるか?」
「はい。・・・・・・ですがイムズ将軍、そちらの方が大変ではありませんか?」
「大丈夫だ。いつもの事だ。
君は、私と一緒に行動すると、また始末書が増えるからな。
確か、行動の規制のひとつに、私との軍事行動を禁止する項目が今回あったな?」
「・・・・・!はい。」「そういうことだ。まあ、異次元でならふたりで行動はできるから
何の心配もしてはいないが。」「はい!」
「それでは頼んだぞ。」

イムズ将軍はそう言うと、廊下の壁に消えた。

マドックスは静かに深呼吸をした。

「将軍・・・・・・・私は、あなたに出会えなければ、どんな人間になってた
でしょう・・・・・・・

どれだけあなたに救われたかわかりません。

テレパスの能力を、今は喜べるんです。

・・・・・将軍。

・・・・・お気をつけて。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
by f-as-hearts | 2013-08-15 00:00 | SFサウザンドアイランド

タロット占い師ASのブログです。


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