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夢に追いつく夢 19

・・・・・・・・登場人物・・・・・・・・・


オランティア     ・・・・・・・・???     3賢者の1人 発現のオランティア

シェリマ       ・・・・・・・・・29歳      魔法使い  ガラティアと黒竜の息子

ルナゲート王    ・・・・・・・・18歳      魔法王国カーライル国王

ユーリ王      ・・・・・・・・・29歳      ラインハルト国王

ツァーランガ    ・・・・・・・・・???     3賢者の1人 覚醒のツァーランガ

アズ         ・・・・・・・・・???     占い師     アズハートの子孫

カイト王       ・・・・・・・・・38歳      ディオリア国 国王

へクトール     ・・・・・・・・・???     3賢者の1人 深闇のへクトール
 
クオール卿     ・・・・・・・・・???     元老院 カーライルの魔法使い

スラー元帥     ・・・・・・・・・???     元老院 カーライルの魔法使い

ネリデ元帥     ・・・・・・・・・・???     元老院 カーライルの魔法使い

ジジッドー卿    ・・・・・・・・・・???     元老院 カーライルの魔法使い

ネミッサ       ・・・・・・・・・43歳      妖精国ヴァルヌス王妃 魔法使い

ミディ・ジック    ・・・・・・・・・27歳      カーライル魔法兵士




第  19  話


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ディオリア王国・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ユーリ王はその初めて聴く声に驚いた。
「シェリマ??お前、スラーの呪縛が解けたのか?」

「・・・・・・・・・ジュバク?・・・フフフ・・・ソウダナ・・・スラー モ ヤクニタッタ。
ユーリ・・・ワタシガダレダカ ワカルカ??ハハハハハハハハ!!!!!

ハハオヤトハ ヤハリオロカナモノダナ!!!!ニクシミトフクシュウ二 トラワレレバ
ココロナド カンタンニ クダケチル!!!!!!!!
イイゾ、モットニクメ!!!!!コイツハシェリマヲ コロソウトシタ!!!!
ウンメイハカエラレナイ!!ワタシガシェリマヲ マモッテヤロウ!!!!!!!!
ナニモデキナイ、オマエノカワリニナ!!ハハハハハハハハハハ!!!!」

黒竜の不気味な笑い声が響き渡り、ユーリ王は雷竜の姿のまま、シェリマの変わりように
何かを思い出していた。「こいつは誰だ??くそっっ!どうしてこんなことになったんだ?!」

その異常事態はネリデ元帥と元老院の2人にもすぐに伝わった。 
「スラー元帥からの返答がありません!!黒竜は何者かに奪われたようです!!!」
「ううむ?!あの鱗の術が解けることなどありえないのだが?そんなに強い魔法を、誰が
使ったのだ?」「スラー元帥の魔法を破るなど、ありえない!!そんなことが出来るのは
この世で3賢者のみだろう。3人のうち、誰かが動いたのではないか?ネリデ、すぐに
探索してくれ!」「クオール卿、お言葉を返すようですが3賢者ではないと思います」
「兎に角調べてくれ!」「はい」

「ドウシタ?ユーリ?モウ マホウリョクガ ツキタカ!!
オマエゴトキマホウツカイハ ワタシノアイテデハナイ!!!キエウセロ!!!!!」

黒竜はその口から火炎を吐いた。それは渦を巻いて雷竜にぶつかった。
(お兄様?!)「ふん、このくらい・・・耐えてみせる!!!!」
「ヤセガマンガ イツマデモツカナ?」



・・・・・ユーリは 炎の中で思い出していた。
そうだ・・・シェリマは泣きながら言っていた。
俺がシェリマを殺すという未来に怒っていた母親に、シェリマは・・・

「・・・お母さん、もう、やめようよ。僕は・・・・・友達を、初めての友達を・・・・
殺したくないんだよう!!!」


切れていた糸が繋がる様だった。ガラティアが見た未来は、俺とシェリマが竜に変化
していて、俺が雷を操り戦っていたところだったのだ!!


「冗談じゃない!!!俺は何があっても、シェリマを殺さない!!シェリマは死なない!!

聞いてくれ、ガラティア!!!!!

悪魔に心を乗っ取られるな!!!!!シェリマはスラー達に操られてるんだ!!!!」


しかしその声は届かなかった。
炎の渦の中でユーリ王は変化が解け、人間の姿に戻って落ちていった。

「ハハハハハ!!!!モウ オソイ !!!ナニモカモ オソイノダ!!!!!」



ツァーランガは黒竜がこちらに向かっているのを感じた。
ツァーランガは悪魔に対して激しい怒りが心に沸き起こるのを、冷静に抑えていた。


「へクトール、オランティア・・・我々で、悪魔を抑えます。いいですね?」

地下水脈、深い湖の中で、ヘクトールは返事をした。

「・・・当たり前 だ・・・こんどこそ 次は ・・・ない」

オランティアは遥か上空を飛んでいた。

「その通りね。 ヘクトール、ツァーランガ、我々は 三位一体の存在だから」

「・・・参ります。」ツァーランガの声は力強く塔の中に響いた。



「十重二十重天上地上地下を繋ぐ印の絆よ。表れし悪を封じん現れし魔を封じん隠れし恐怖を封じん。月に日に時に我々はあり我々にある力よ世界を護り給え。発現せよ時の結界よ!!」


月の塔へ飛ぶ黒竜の周りに突如、光の球体が現れた。
最初それは薄い皮膜のように見えたが、すぐに空気の色を変えた。
空中に浮かぶ巨大な水晶のようになったかと思ううちに、次々に光が水晶の中心へと向かい
始めた。黒き竜はその動きを完全に止めた。






「・・・・・・ソレデ オワリカ ?」

動かぬ筈の黒竜は笑った。

「ハハハハハハハ!!!!ワタシハ シナヌ!!!トキノケッカイナド二 トラワレヌ!!
へクトール、オランティア、ツァーランガ!!!!!

シンノ ゼツボウトハナニカ シルガイイ!!!!!!!!!!」


その黒竜の中から影のような者が現れ、巨大な結界から抜けた。影は叫んだ。

「イデヨ!!!ガラティア!!!!!サイキョウノ マジョ ヨ!!!!!」




ツァーランガはあまりのことに息を呑んだ。

「・・・・・・・・・・・・・・・・ガラティア?!・・・そんな、まさか!!!!!」
ツァーランガは見えぬ眼を窓の外に向けた。その唇は震えていた。
「何故??どうやって出てこられたんだ?!あの次元の狭間からーー」



影はあっという間にマントのように翻った。そこに黒衣の魔女が立っていた。
ガラティアの眼には光はなかった。ただ冷たい表情の、破壊者であった頃の魔女が、そこに
いたのだった。


「どうした?坊や達。 この私をお忘れかえ?

シェリマ、待っていなさい。今に、私がお前を自由にしてあげるよ。
この、3賢者を葬ってね」

その抑揚の無い声が響いて、辺りは真っ暗な闇となった。

「闇に統べる者どもよ・・・・我が僕よ。我の呼びかけに応えよ。
地獄よりいでよ、フェンリル、ケルベロス、数多の妖獣どもよ!!!!!
我は ガラティア!!!再びこの世に復讐する者なり!!!!!!
闇の軍勢よ、その姿を現せ!!!!!!!」

夜の闇に数千数万の燃えるような眼が浮かび上がり、ガラティアを囲んで四方にその
咆哮は巻き起こった。

「止めろ、ガラティア!!!!!
我々はシェリマもあなたも助けたいんだ、わかってくれ!!!!!」
ツァーランガは叫び続けた。

ツァーランガの心をオランティアは痛いほど感じていた。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
by f-as-hearts | 2011-06-16 23:59 | ファンタジー小説Ⅶ

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