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召喚師 ミンクの冒険 38

・・・昔々、召喚師が大勢いた頃のお話。


ミンク・デリーシュア       ・・・20歳        召喚師

アーカディ・カッシ         ・・・19歳        魔法使い

ホワン・イーリイ          ・・・28歳        武術師範

ガウル               ・・・???        召喚獣 火炎妖魔 

カロン・デリーシュア      ・・・51歳         ミンクの父 召喚師

セト伯爵              ???        時間城の謎の人物

エル・シェラタイン        ・・・???      森のドライアドの妖精王




第  38 話   「 ガウルとの再会 」



「ガウル????本物の???」
「そこをどけっ!!!ミンク、油断して喰われそうになってんじゃねえ!!!
おまえは幻影の魔法使いを知ってるだろうが!!!」

ガウルは背中の弓を手にして引き絞ると、次々その矢を打ち込んだ。
矢じりはすぐに燃え上がり、幻影のガウルを燃やそうとした。幻影は笑うとガウルの矢
をゆらりと避けた。「ハハハハ、ミンク・・・オマエハマッタクバカダカラ、イイ」
「てめええ!!!!!てめえに言わせるかよっっ!!!!」ガウルは手に剣を持つと
幻影に切り込んだ。そこに、ユニコーン達の軍がやってきた。「おせえぞ!!!」
「こいつが魔法使いか?」「馬鹿言えっ!!!ただの幻影だ、だがこいつは幻影のくせに
魔法を使う!」


「ゴメイトウ」

幻影のガウルは身体をぶるぶるっと震わせると、そのまま巨大な炎を纏い膨れ上がった。
「オマエノトクイワザダッタナ!!ハハハハ!!!!モリトトモニモエツキロ!!!!」

ユニコーンがずらっとその幻影を取り巻いた。
「ガウル!!お前も下がっていろ!!!!

面白いではないか、これが本当に幻影か、魔法使い、お前の炎と我らの氷、どちらが
勝つか、勝負だ!!」

ガウルはあっという間にミンクを抱きかかえると、その輪の中から逃げた。
ユニコーンはその前足の蹄で力いっぱい大地を蹴った。
大地から激しい水柱が上がると、燃え上がる森の炎を一瞬で消し去った。そして、その水は
幻影へと激しい吹雪に変化しぶつけられた。
「我は水の眷属、水の神ウンディーネよ、この者を氷の結界に閉じ込めたまえ!!!」
「うおっ!!!・・・あぶねえっっ!!!俺まで凍りつくところだったぜ!!!」

幻影は炎を最大にして避けようとしたが、ユニコーン達は上空に巨大な氷の結晶を呼び出し
槍のように降らせた。幻影はひとたまりもなくその結晶に閉じ込められた。

ミンクはガウルの腕から地面に降りると、言った。

「もうっ!!!!なんでいっつも驚かせるのよ!!!!ガウルの馬鹿!!!!!!
死んじゃったかと思ったんだからあああ!!!!!」「ああ、死んだよ??悪かったな!!!」
「え・・・・・・・・・」「だから、死んだんだよっ!!!めんどくせえ奴だな!!!いいか、おめえに
説明すんのが一番めんどくせえから、今まで誰にも言わせなかったんだろうが!!!」


「・・・・・・痴話げんかは済んだか?こいつを始末するぞ!」

ユニコーン達がその蹄で氷の結晶を粉砕した。しかし、そこには影も形も、魔法使いの姿は
無かった。「やっぱり・・・か!!!!いや・・・・・」ガウルはその嗅覚に何かを感じてその方向を
探った。「!・・・・・くそっ!!影だ!!!奴は、影を分離できるんだ!!!・・・信じられんが」
「影??影に臭いがあるの??」「けっ!!異常なモノには特有の臭いがあるんだよっ!!!
お前も妖精族なら、わかる筈だぞ!!」「わかんない」「ばーーーーーか、ばーーーーか!!」
「うわっ・・・・・・・・・なんか今までの・・・百倍憎たらしい~~~~~!!!!!」


「・・・・・もういいか?」「・・・・は~~~い」
「ユニコーン、俺もこいつと一緒に行動する。背中に乗せてくれ」「・・・・・・・・・仕方ないな」

ガウルとミンクはユニコーンの背に乗り、火の鳥の待つ宮殿へ向かうことになった。
そこで、魔法陣を創らねばならない・・・ユニコーンが言った。
「そこが、王の・・・再生の宮殿だからだ。ゆくぞ!!!」


ユニコーン達の先頭を行くのは、その群れでも若く力がある2頭だった。その者達が常に
左右に気を配り、また後続にガウルとミンクの乗ったユニコーンが続いた。

先頭の2頭は何度も木々の間を右へ左へと道を変えた。
しかしとうとう、巨大な敵が行く手を阻んでいる場所に来た。
「よいか、我々が囮となる。お前達は迂回して宮殿へ!!」リーダーがそういうと、先頭の
とガウル達のユニコーン4頭は、さっと向きを変え走り出した。
ミンクはその巨大な敵がなんなのか、振り返ろうとした。ガウルは唸り声をあげた。
「見るんじゃねえ!!!あいつはカトブレパスだ!!!!」
ミンクは慌ててガウルの言う通りにした。ガウルはもう何も言わなかった。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
by f-as-hearts | 2010-11-01 23:59 | ファンタジー小説Ⅵ

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