SF小説 ジェームズ・ビンセント博士の憂鬱 13

 登場人物 

 ジェームズ・ビンセント博士   38歳    科学者 アンドロイド製作・研究 の第一人者
 
 執事                 80歳    ジェームズ博士の執事

 T・W                 ??    ザ・フー  博士の助手

 リョウ・ロバートソン        38歳    日系アメリカ人 探偵 

 トンボ                12歳    本名 アレックス・K・ロートレックス 天才少年
                            リョウの相棒

 リンダ                ??    元国際警察・犯罪捜査官

 アオイ                ??    ジェームズ博士のアンドロイド

 山藤所長              ??    ザ・フーのメンバー 博士の友人




  第 13 話  「 トンボの頭脳戦 」



研究所の周辺は、工事関係者のような男達がうろうろし、シェードから連絡が入った
らしく、すぐにリンダ達はその男達の銃の脅しによって、ニーノの所まで連れて行かれた。
「・・・あんたが、フー、か?戻って来るとは思わなかったよ。今までの話で我々もよ~く
わかった。あんた達が、交渉には応じないということをね。・・・しかし、我々にも国防省の
意地があるもんでね」

「・・・・計画の、全容を聞いた時・・・」フーが静かに語りだした。
「アンドロイドを、他国に売る意味が、よく理解出来た。アンドロイドは、その目や耳を通じて
・・・独立したロボットでありながら、その脳を別人が管理する事が出来る。
それを、もし他国には知らせずに、外国の要人や政府関係者へ売れば・・・そこからの
情報の有益性は無尽蔵と言える。まさに、最終兵器だ。・・・博士はその人工頭脳の性能を
大統領に教えてしまった事を、本当に後悔していた。・・・あの、セキュリティーサービスとの
一件のせいだが。大統領やまた国防省はそこまでの計画は考えなかったが、1人・・・・・
シェード事務次官だけが、そのことに気がついたんだ。

アオイ・・・今まで博士が、君に言わなかった事実だ。最初から博士はアオイを、完全に独立
した1人の女性・・・意思を持ち、自分で判断出来るアンドロイドを超えたアンドロイドとして
創り上げたんだ。

我々ザ・フーは、他国にスパイとして送り込む為にアンドロイドを創った訳ではない。
量産するのもいいだろう。だが・・・博士の意思である人工頭脳の設計図だけは、あなた達に
渡さない。その設計図をそのまま渡すことを、博士は拒否している」

ニーノはいらいらと手にした銃を持ち替えた。「・・・・おい!上との連絡はまだか?!」
「やっと、携帯に連絡がきました。お願いします」ニーノはすぐに代わった。
「・・・・あなたがこちらに来るんですか??一体何が?・・・・はい・・・・え??


・・・・・・長官?!・・・はっ!!!いえ、何も・・・・・何もありません!!
え・・・・・・・・そんな・・・まさか?・・・・今の話を、全て聞いていたんですか???
どうやって・・・・・・・・・・・はい・・・・・・・・・はい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



・・・・長官が、おみえになる。もうすぐ、もうすぐそこまで来ているそうだ」

いままで銃を構えていた連中が、いきなり慌てて逃げ出そうとするのを、ニーノは
大声で静止した。
「馬鹿者ども!!!!どこに逃げるつもりだ?いいか、そこにじっとしていろ!」



長官はシェード事務次官、それと数名のSPを伴ってやってきた。
その場の部下達は一斉に敬礼をした。長官は真っ直ぐにフーの方へ歩んできた。

「・・・君が、ザ・フーのリーダーだね?ジェームズ博士から伺っていたよ。
ミスター・ヤマフジ、君からの連絡が早かったのは、なによりだ。おかげで、この
我々の部下の暴走を、止められる。シェード次官が大変ご迷惑をおかけした。
・・・・国防省としては、この事態を政府に知られたくは無い。

君達が、人工頭脳の設計図を渡さないとした理由も、よく理解したつもりだ。
しかし、このままではお互いの信頼関係は修復出来ないだろう。

だから、どうだろうか?私は、1つ提案したい。

君達が、博士をこの窮地から救えたなら・・・つまり爆弾を外す、ということだが
・・・それが出来たら、以後、君達の計画を遵守する。これは今、正式な誓約として
ミスター・ヤマフジにこの映像を撮影してもらっている。国防省としての声明だ。
いかがだろうか?」


全員が、シーンとなった。「・・・科学班の見解は、これを外すパスワードは、
1日かかっても終わらない・・・そして、1日が、解除のタイムリミットだと・・・」
ニーノが言うと、フーも同じく発言した。「そうです。博士は、我々にも伝えなかった。
・・・尋問を恐れたんです。ですから、ここにいる誰も、博士のパスワードを知らない」

「僕が、やります」

「!!トンボ・・・・お前・・・」「・・・このままじゃ、博士は永久に眠り続けるだけだ。
僕は、博士にアンドロイドの研究を継ぐって約束したんだ。僕のPCで、計算してみるよ。
リンダ、フーさん、2人は爆弾の見える所のロックを解除していって下さい」

「わかったわ」「OK」「・・・・・それから、アオイ・・・
アオイはここで僕の手伝いをしてくれない?・・・・・・・手が、震えてるんだ」
アオイはにっこりと微笑んだ。「大丈夫、私も博士も、トンボを信じてるから」「うん・・・」


トンボはずっとPCから目を離さず、その性能を上げたPCはカタカタと物凄い勢いで
数字の羅列を映し込んでいた。皆が息詰まる緊張の中にいて、その男は少しずつ移動
しながら様子を伺っていた。


「・・・・・・・おっと、どこに行くつもりだ?」リョウがそれを見逃すはずが無かった。
「シェード次官、この事態の張本人を、俺が逃がすと思ってるのか?悪いが、あんたが
大人しくないなら、縛り付けるだけだ。いいな?」そこにあった縄で、腕を縛ると、テーブル
の足に結わえた。「1日だけの辛抱だよ。もしダメなら、みんな揃って天国だな」

いよいよ24時間にあと数分というところで、トンボが声を上げた。
「・・・・・・・・!コンプリートだ!パスワードが完了した!」

全員がほっとしたのもつかの間、止まった筈のタイマーが、再び動き出した。
「・・・・・・・・・・・?!何故?止まらない??」

「・・・・2重のパスワードです」アオイが言った。「もう一度パスワードを入れるんです。
そうすれば、OKです」トンボは同じパスワードを入力した。しかし、止まらない・・・・・・

時間は刻々と過ぎてゆく。トンボは、博士の言葉を思い出していた。
何か・・・・・・・・何かヒントがあった筈だ!





「アオイ、君・・・なんでパスワードをもう一度入れるって知っていたの?


・・・・・・・・・・・・まさか?!」





トンボはパスワードを逆に・・・最初と最後をひっくり返して入れた。

タイマーは止まり・・・・そして、残り1分のところで爆弾は解除された。


「・・・そうです。KOされましたね」
アオイは笑っていた。


「アオイ~~~~~~~!!もうだめだ・・・・眠いよ」

トンボはそのままアオイの腕の中に倒れこんで、眠ってしまった。
「よくやったな!!相棒、やっぱりおまえじゃなきゃ無理だったよ!」





・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2010-02-26 23:59 | SFジェームズ博士の憂鬱

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