SF小説 ジェームズ・ビンセント博士の憂鬱 12

 登場人物 

 ジェームズ・ビンセント博士   38歳    科学者 アンドロイド製作・研究 の第一人者
 
 執事                 80歳    ジェームズ博士の執事

 T・W                 ??    ザ・フー  博士の助手

 リョウ・ロバートソン        38歳    日系アメリカ人 探偵 

 トンボ                12歳    本名 アレックス・K・ロートレックス 天才少年
                            リョウの相棒

 リンダ                ??    元国際警察・犯罪捜査官

 アオイ                ??    ジェームズ博士のアンドロイド

 山藤所長              ??    ザ・フーのメンバー 博士の友人




  第 12 話  「 シェードの計画 」



国防省へそのトレーラーは吸い込まれるように入って行き、リョウ達は意識の無いまま
シェードが統括するエリアに監禁された。リンダは自分の車でやって来ると、そのまま
シェードの司令室へと通された。

「・・・ご苦労だったな」その男はサイドの毛だけを白髪にして、神経質そうな細い眉毛に
暗い瞳でリンダを見ながら言った。「それにしても、その看護士のスタイルは目立つが?」
「では、ここの制服を貸していただけます?私はここでは一応スパイですから、どんな
格好でも見咎められることはないですけど・・・外での活動には、差し障りますものね?」

「大きな声で言わないように。まあ、君の行動は逐一チェックさせて頂いたよ。合格、だな」
「ありがとうございます」「仲間に疑われずに、そこまで行動出来る・・・流石は元犯罪捜査官だ。

・・・・それでは、最終任務だ。ザ・フーから、博士の眠っているコールド・スリーパーとやら
の解除方法を聞きだしてくれたまえ。ニーノと科学班、どちらの話からも、全く不可能という
言葉しか返ってこないのでね。すぐにかかってくれたまえ。こちらの軍が動く前に」
「猶予は何時間ですか?」「・・・何時間?そんなにありはしないよ。せいぜい30分だ。
その答えをすぐに研究所の中に伝えねばならない。すぐ博士を救助する」「わかりました」

リンダに制服を与え、フー達の部屋を教えると、シェード事務次官もその部屋を出て行った。
リンダはその制服に着替えると、すぐに司令室を出て、そこに通りかかった男に尋ねた。
「私はシェード事務次官に、今連行された4名を尋問するように言われているの。どこにいるか
教えてくれないかしら?」「・・・こちらへ」

その執務室はそのエリアではかなり奥の方にあり、リンダが中に入ると、その男は外で待機
しているようだった。中には、リョウ達が手を縛られて互いも近づけないように、重いデスクの
足に縛られていた。リンダは監視カメラを確認し、口元に指を1本立てると、カメラからは顔が
映らない方向から、ジェスチャーをした。(しゃべらないで!私の動作でわかってね)

「ザ・フーとその仲間に聞きたい事があるわ。コールド・スリーパーの解除方法、そのパスワード
よ!それがないと、解除出来ないと聞いたわ。博士は私にはそれを教えていなかった。
あなた達、自分の命と引き換えに、そのパスワードを教えるのよ!教えさえすれば、このまま
あなた達を解放するわ!!・・・・・言いなさい!!!」(ダメよ、しゃべらないでね!)

リンダはまた指を口に当てた。「頑固な人達ね!!!博士に何か預かったものがあるでしょう?」
トンボが、はっとしたような顔をして、リョウを見た。リョウが苦々しげにつぶやいた。
「・・・・・・リンダ、お前を信じた俺が、馬鹿だったよ!!」「言いたいことは、それだけ?それじゃあ
もうさようならかしら?永遠に?」リンダはリョウの胸ポケットから、データメモリーを抜き出した。
そして・・・ウインクし、笑った。

「これに秘密があることぐらい、調べはついているのよ!」「待て!!!リンダ、お前、それを
どうするつもりだ?!」「パスワード、ここに入っているからって、博士が言っていたのを、私が
聞いてないとでも?ご苦労様、あなた達はもうお払い箱よ」リンダは見えないように小型ナイフを
落として蹴飛ばした。「じきに、みんな片付いたらあなた達も解放されるわ、よかったこと!」
「待て!!リンダ!!!」「ああ、そうね、まあ10分もしたら、片付くわね!」「リンダ!!!」


リンダはメモリーを外の男に渡しながら、言った。「簡単だったわ。これに解除方法の
パスワードが入っている筈よ」「・・・・・・わかった。それじゃあ、あなたも一緒に同行するように」
「ここを見張っていなければ、危ないでしょう?あなたがそれをシェード次官に届けてね?」
「いいだろう」男はそれを持って行った。リンダは、自分の携帯で急いで山藤所長に連絡した。

「上手くいったわ。あの博士のコピー・データはパスワード入力を10秒以内でしなければ
ウイルスをばら撒くのよね?感染して問題が起きたら、シェードはPCで連絡が出来なくなる。
・・・それから私達はそちらに戻るわ。まだ、内部に変化はないわよね?」
「こちらは壁の1部が破壊されて、皆があのコールドスリーパーの前で、仁王立ちしているよ」


「シェード次官、これにパスワードが入っていると、あの女が言っていました」
「ご苦労」次官は、それをすぐにPCに差し込んだ。
「・・・・???なんだ?これは・・・・データがかなり大容量で・・・・待て、これにもパスワード
が必要じゃないか!!女はどこだ?!」「今見張りに立っていますが?」「早く連れて来い!!」

そうしているうちに、PCの画面におかしなマークが浮かんで消えた。
PCのデータが、次々と消失し始め、正常に作動しなくなった。「・・・・・・・!!!!やられた?!
あの、女!!!!早く!!」「はい!!」


リョウ達は、その騒ぎをよそに、リンダの車のある駐車場へと向かっていた。
何度か、ガードマンに止められたが、リョウとアオイのコンビネーションによる(?)攻撃で
すぐに道を開ける事になった。
「リョウ、今度止められたら、なんていうの?」「そうだな、先にアオイが、この人最新型の
インフルエンザに感染してますから、そこを通して下さい!っていうのはどうだ?」
「じゃあ、マスクしていて」「OK。それでどけたところで、皆が通って・・・」「さっきのように?」
「ガードマンが慌てて追いかける、俺とアオイでWエルボーだな」
「・・・・・いつのまに、プロレス技覚えたの?」「リョウの趣味です」「いい趣味だこと!」

皆が車に乗ると、すぐに発進した。

「人間、焦ると良い事無いわね。リョウ、あなた私がほんとに裏切ったと思ったの?」
「・・・・ああ。リンダがここまで演技が上手いなんて、思いもしなかったからな!」
「僕も・・・・・まさか、そんなことに、あの博士のデータを使うなんて、思ってもいなかったんだ!」
「シェードが焦っていてくれて、よかったわ。そうじゃなきゃ、あの冷徹な男、騙せそうも無かった」
「研究室はどうなんだ?」「フー、大丈夫よ!誰も手出し出来ないから」

「さて、それじゃ・・・・全ての計画の、仕上げといこうか!!」フーは、やっと笑いかけた。
「博士が風邪ひかないうちにね!」





・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(この お話はフィクションです) 
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by f-as-hearts | 2010-02-25 23:59 | SFジェームズ博士の憂鬱

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