SF 小説 Eagle.0 -イーグル.ゼロ ・ 1- 15

鷹島尋   達真  (タカトウジン タツマ)  ・・・16歳  高校1年

山藤(ヤマフジ)所長               ・・・59歳  科学研究所 所長

高ノ宮(タカノミヤ)博士              ・・・37歳  ロボット工学博士

時舟(トキフネ)リエ子               ・・・28歳  高ノ宮博士の助手

鷹島尋   晃太  (タカトウジン コウタ)  ・・・14歳  中学2年

レイリー・ミラー博士                ・・・39歳  科学者

サー・ヴァイズ                   ・・・47歳  サーの称号をもつ科学者
                                    テロリストの首謀者

ヤン老主                       ・・・78歳  アジアの超能力者(予言者)

リ・スウフォン                    ・・・14歳  ヤン老主の小姓

リー大公                       ・・・75歳  中国皇帝一族の末裔



第  15  話  「 空  」


サー・ヴァイズがまた消息を絶ってから、2週間・・・・・・・・
国際警察の捜査をあざ笑うかのように、古城の中に残された証拠物からは
何の手がかりも得られなかった。巧妙に作られた罠やフェイクに翻弄された。
偽装された物や偽の人物を用意する周到さで、いつでも逃げられる用意が
してあったことが、あきらかになっていった。

「・・・レイリー博士、サー・ヴァイズはリー大公のところからすぐに逃げるつもり
だったのでしょうか?」「・・・わからない。しかしリー大公の方は、それを知らなかった
だろうと思う」「そうですね、逃げられる訳が無いですよね」「・・・・・・・山藤所長は?」
「まだ会議が続くとかで・・・・・お戻りになられていません」「そうか・・・・・」

「・・・・・あの、サー・ヴァイズとヤン老主の最後の会話・・・不自然じゃなかったか?」
「?サー・ヴァイズが、ですか?」「・・・いや、ヤン老主は何故、言い残すことは?
と訊かれて、君にかね?それともリー大公にかね?といったんだろう・・・・」
「とっさに浮かばなかったとか?」「いや・・・・普通は誰に何か言い残すかという意味
にとらないか?」「そうですね」「そうだとすると・・・ヤン老主はどちらかがいなくなる未来
も見えていたことになる。だから、サー・ヴァイズは・・・これも、研究対象になりそうだな」

「・・・よく、意味がわからないんですけど?」
レイリー博士はレポートの手を止めて、高ノ宮博士を見た。

「生き残るのは、誰だ?と、ヤン老主は、サー・ヴァイズに訊いたんだよ。

・・・多分、サー・ヴァイズは、ヤン老主を殺すことを考えていただろう。
そして、携帯を持っていったら・・・リー大公はサー・ヴァイズをどうするか・・・
国際警察に引き渡すのも、彼を殺してからでいい。むしろ、口封じが全てだったとしたら
生かしておく方がおかしい。・・・マウス君のマイクが拾ったリー大公の声は、ヤン老主を
殺す、それだけが今回の最大の目的だったという証言のようなものだったろう?
・・・・・・だが、もしヤン老主を殺さなかったら?サー・ヴァイズはリー大公にすぐに
捕まっただろう。それで、サーはきっと今回のような手を考えたんじゃないか」

「まさか!!あんなことを、その一瞬の間で??」「サー・ヴァイズも凄いが・・・・
そんな未来を、たった1言で言い表わしたのが、ヤン老主なんだ・・・・・・・」
「未来を見るというのは・・・一体どんなことなのか、私には想像もつきません」
「・・・・・・・ヤン老主を、追いかけていくしかない。私は、明日中国に行こうと思う」



「スウフォン!!!もう帰っちゃうって??」コウタは慌ててスウフォンが荷造りしている
部屋に入った。「コウタ!・・・・いろいろとお世話になりました」
「・・・本当に、帰るんだ・・・・うそだろ・・・・」「コウタ、マジです」「マジかよ~~~~~!!」
「明日、レイリー博士と一緒に」「・・・・・・・・・・」「コウタ、沢山お話したね」

「・・・・・・まだ、なんにも知らないよ、俺、スウフォンのことさ・・・・
どこに住んでるのか、誰といつも遊んでるかとか・・・
なんで、ヤン老主の弟子になったとか・・・・さ・・・
スウフォンが・・・・・・・

俺さ、スウフォンのおかげでなんか自信が出てきたんだ・・・
スウフォン、日本にいてよ!!友達だろ?」

「・・・コウタ、約束 忘れないよ」
「・・・・・・・・・・・・・」
「コウタ、指きり」




コウタは部屋を飛び出した。
スウフォンを笑って見送れる自信がなかった。
自分の部屋に戻ったコウタは、マウスに話しかけた。



「・・・・マウス・・・俺、馬鹿だ・・・・スウフォンは・・・・
帰りたいんだ・・・・そんなのわかってる!!  けど・・・

だけどさ・・・・・・マウス、なんとかしてよ・・・・
なんかいってよ・・・・・・・・・


うあああ~~~~~!!!!」




スウフォンとレイリー博士は空港で出発を待っていた。
コウタは一緒に来ていた筈だったが、いつの間にか姿が見えなかった。タツマは
コウタの気持ちはわかったので、博士達に心配しなくて大丈夫だと伝えた。
「スウフォン、ごめんな。コウタはまだ、さよならが言いたくないんだよ」
「・・・・・・わかってます。皆さん、ありがとうございました」
「気をつけてね。いつでも日本に来てね!!」「リエ子さんも中国に来てください」
「ありがと♪ 絶対行くわ!!」

ゲートの中に2人が消えても、コウタの姿はなかった。
タツマは、外の飛行機が発着するのが見えるエントランスに、コウタがいるのを
見つけた。
「コウタ・・・・・・・・・」





「スウフォン!!!」後ろからコウタの声が聞こえた。「コウタ?」

タラップの下で、マウスがスウフォンを見上げていた。
「コウタ!!」スウフォンは大急ぎで降りながら叫んだ。「コウタ!!!」
「・・・・・・・俺さ、俺さ・・・・・スウフォンの顔、見れないよ・・・・
だって・・・・・・・・・」スウフォンがマウスを手の中にすくい上げた。

コウタは、それ以上言えなかった。


「コウタ・・・・・・・また会える」スウフォンの涙がマウスの目を濡らした。
「会えるって約束・・・・指きり・・・・・」

「指きり げんまん、うそついたら だめよ・・・ゆびきった!」

「またね、コウタ!!!」「またね、スウフォン!!!!」




コウタのマウスはいつまでも 空を見上げていた。
飛行機雲が 遠い空へ続いていた。




・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(この お話はフィクションです)
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by f-as-hearts | 2010-01-27 23:59 | SFイーグル・ゼロ1

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