人気ブログランキング | 話題のタグを見る

SF 小説 Eagle.0 -イーグル.ゼロー 25

鷹島尋   達真  (タカトウジン タツマ)  ・・・16歳  高校1年

山藤(ヤマフジ)所長               ・・・59歳  科学研究所 所長

高ノ宮(タカノミヤ)博士              ・・・37歳  ロボット工学博士

時舟(トキフネ)リエ子               ・・・28歳  高ノ宮博士の助手

鷹島尋   晃太  (タカトウジン コウタ)  ・・・14歳  中学2年

レイリー・ミラー博士                ・・・39歳  科学者

モニターの男  サー・ヴァイズ           ・・・???

ヤン老主                       ・・・??? 超能力者(予言者)


第  25  話   「 ヤン老主動く  」


大尉はそのロボットマウスをまず信じていいのか、レイリー博士を呼ぶことにした。
レイリー博士は息を切らせてやってくると、言った。
「はあはあ・・・・・・・・・大尉、うちのマウスが、何かしましたか?」
「博士、困りますな。ここに入る時に全て持ち物を見せるようにと伝達した筈ですが」
「・・・・ええ、確かに持ち物については伺いましたが。これは、持ち物ではないですから」
「・・・・兵士達には厳重に注意することにしましょう。さて・・・・・・・」

大尉は通信士に合図した。
「プロフェッサー高ノ宮、プロフェッサーレイリー、お二人にご説明頂きましょうか」

「こちら国防省、大尉、緊急連絡とはなんだ?」「はい、実はここにいる2人の科学者が、
テロリストについて情報があるということです」「了解した。情報は欲しい」

「国防省、私は日本の科学者、高ノ宮です。今は我々の開発したイーグルと、このマウス
が基地にいます。現在2つの国が緊迫した状況になったということですが、それは
テロリスト集団デスサイバーテロが仕掛けた罠だということを、先程我々の研究者が
調べ上げました。そして・・・テロの首謀者は、某国出身のサー・ヴァイズという、科学者
です。すぐに、その男を国際指名手配してください」

「・・・・・・!高ノ宮、それは本当か?」レイリー博士はその男を知っているようだった。

「レイリー博士、詳しくは後でお話します。・・・その研究者が言うには、大国同士の
大戦を引き起こそうとしていて、このテロによる仕掛けは、2つの国の問題から、この
国も巻き込んでの世界大戦へと突入させる、導火線です!
テロリストのように見せながら、その裏では緻密な計算があるんです。
迂闊に軍が出て行かない方が、いいです」

レイリー博士も続けた。
「国防省、私はサー・ヴァイズを知っている。彼はその頭脳だけでどこの国の軍でも
動かせる程の科学者だ。その男の為ならいくらでも兵器を作る科学者が、世界中にいる。
彼が、もしそんなことを考えたとしたら、急がねばならない。
彼がテロの首謀者・・・・・・・・嘘であって欲しいが。高ノ宮、真実なのか?」
「・・・・・・・・・・残念ながら・・・・・・」

「こちら国防省。了解した。・・・・・・・・その話は真実なのだな。
では政府にすぐ進言する。それからあなた達の我が国への貢献にこれからも期待する」

レイリー博士はその言葉に反発しそうになったが、堪えた。
「国防省、サー・ヴァイズをあなどらない様に。けして彼を殺さないでくれ!」
「どういう意味だ?レイリー博士?」大尉が驚いた。

「彼が死んだとわかれば、世界中で何が起こるかわからない。彼の人脈はすでに
テロリストという範囲を超えている。もう、一つの国の枠ではとらえきれないのだ」

「・・・つまり、彼には表の・・・別の顔があるということか」
「そうだ。サーという称号は、伊達じゃない。だから、怖ろしいのだ」
国防省との連絡は一旦切れた。

レイリー博士はサー・ヴァイズの顔を思い出していた。
どうして彼が、と何度もつぶやかずにはおれなかった。

と、そこにヤン老主が入ってきた。
「ヤン老主!」老主はすたすたとレイリー博士に近づくと言った。
「さて・・・・・私の仕事をさせていただきに参りました。
レイリー博士、大尉に私がサー・ヴァイズを追う、とお伝え下さい」
「!!!なんだって?!待ってください、そんな事をーーー」博士ははっとして
言葉を切った。
「そうですよ、私は彼の居場所を知っています。勿論誰が首謀者かも、知っています。
ですから今回私がここに来たのです」「いえ、そんな危険な目に、あなたをあわせる
訳にはいきません!ダメです、誰かをーーー」

ヤン老主は微笑んだ。
「・・・誰でも出来るわけではないようですねえ」

大尉が割って入った。
「レイリー博士、この方は何を言ってるんだね?どうしてこの事件の事を知っている?」
「・・・・・・信じられないでしょうが、彼は超能力者です。ヤン老主、予知なのですか?」
ヤン老主は頷いた。

「ふむむ・・・・・確かに今は推測だけで、サー・ヴァイズの容疑は何も・・・それでは
軍がそちらに動くという訳にはいかないな。しかし・・・ヤン老主には戦闘機を。すぐに
パイロットに連絡するように。
私は超能力者には初めて会うが、私は神は信じている。・・・きっと、何かがあるのだろう」

基地はにわかに騒がしくなった。
「戦闘機は1機、ヤン老主を乗せてヤン老主の言われる場所へ行くように。
レイリー博士、高ノ宮博士、お2人にはここで国防省と連絡を」

「待ってください」高ノ宮博士が言った。
「このマウスをヤン老主と一緒に行かせてください。そして、こことの連絡回線を教えて
下さい。そうすれば、我々はどちらの状況も把握できます」
「・・・そうか!!ヤン老主、この翻訳機を耳に入れてください。これで、マウスとも話せます」
レイリー博士は、少しほっとしたようにマウスを見た。
「いいかい?君は、初めて戦闘機に乗り込むロボットマウスだ!頑張ってくれ!!」
「うわあ!!!!ほ、本当に、マジで??レイリー博士、高ノ宮博士~~俺、頑張るよ!!」

ヤン老主はその手のひらにマウスを乗せて、笑った。
「ははは、君は素晴らしいマウスだよ。私はとても心強い」


その後、黒い戦闘機に乗り込んだ1人と1匹は、すぐに飛び立つと見えなくなった。
戦闘機を見送ったゼロは高ノ宮博士からの指示を受けて、飛び立った。

「・・・・・さあ、ここからが、本当の戦いだ。コウタ君、タツマ君、テロを阻止しような!!」
「了解!」「ラジャー!!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
by f-as-hearts | 2009-11-03 23:59 | SF イーグル・ゼロ

タロット占い師ASのブログです。


by f-as-hearts
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31