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SF 小説 Eagle.0 -イーグル.ゼロー 10

鷹島尋   達真  (タカトウジン タツマ)  ・・・16歳  高校1年

山藤(ヤマフジ)所長               ・・・59歳  科学研究所 所長

高ノ宮(タカノミヤ)博士              ・・・37歳  ロボット工学博士

時舟(トキフネ)リエ子               ・・・28歳  高ノ宮博士の助手

鷹島尋   晃太  (タカトウジン コウタ)  ・・・14歳  中学2年


第 10 話  「  マウスの活躍  」


夏休みに入って、何度か弟と一緒にゼロとマウスの訓練をしたタツマは、
コウタがかなり、ゼロに憧れの目を向けているのに嫌でも気がついた。

「あ~に~き~~~~!!!」「(うわっ!!うぜえ~~~)・・・何?」
「今日は、訓練やらないのかな~~?」「・・・・・・・・聞いてないな」
「ゼロってさ~~~すっげえ速いよね~~~!!俺達さ、飛行機でさ、もし
追いかけたとしたら、どっちが速いかな?」「それはー」

タツマが答えようとした時、携帯が鳴った。
「・・・博士だ。いくぞ」「了解!!!ひゃっほ~~!」「・・・・・・」

博士はリエ子助手に指示していた。「・・・・こういう場合を想定して・・・・・・・

あ、来たね、よし・・・・・・・コンビの初仕事だ。うん・・・・・・

いいかい、コウタ君、今日はすぐに終わるかどうかわからないんだ。
・・・・・・途中、疲れたら、遠慮なく言ってくれよ?」「はい!」

ゼロはマウスを掴んで飛び立った。
「二人とも、いつも通り声を掛け合っていこうな。モニタールームに戻ってくれ」

博士は今回の捜索について説明した。
「・・・今回は、山の中にある筈の証拠品を探す捜索なんだ。被害者は死亡が
確認されていて、ただ、その唯一の加害者の手がかりである携帯電話が、どこ
かに捨てられていて、それがないと殺人を立証出来ないんだそうだ。
・・・・・ずい分手の込んだ犯行だったらしい。

大体の携帯の行方はわかっていて、とんでもない山中の、崖の下らしい。
今、リエ子君に詳しい事を現場の県警や消防団と連絡してもらっている」
「博士、県警の本部です」「わかった」

「・・・・え~本部の結城巡査部長です。あ~~なんか、飛んでくるっていう話
でしたが、わしら、よく事情がわからんのですわ。あんたらが探しに来てくれる
っちゅう話じゃないんですかね?」「研究所の高ノ宮といいます。ええっと・・・・・
まあ、そっちに行くのは鳥のロボットでして」「はあ??」「ああ、わからないと
思うんで、実際大きな鳥が上空に着たら、教えて下さい」

ゼロはすぐにその地点に到着し、上空を旋回した。
「あっ!あれ、あれかな?」「それです」「それで、鷹が何するんですかね?」
「今から、崖の方に向かいますが、結城巡査部長、犯人が歩いたと思われる
道を誰か教えて下さい。・・・そこから崖に向かって、その人に石か何か投げて
もらっていいでしょうか?」「あ、ああ、そんなことでいいんですか?」

消防団の一人が、言われたように崖の端まで行き、石を投げた。
「タツマ君、ゼロで石が落ちた辺り、半径は・・・周囲200メートルくらいかな、
探索してみて」「博士」リエ子は付け加えた。
「時間によって谷底からの風があるから、それも現場の人に聞かないと」
「そうだな・・・巡査部長、事件現場からここまで車と歩きで何時間かかります?」
「う~ん・・・・おい、殺害現場からどんくらいかかるよ?ああ?そうか、夜だから
1時間30分くらいか・・・まあ、こんだけ山ん中だから、2時間はかかるねえ」
「そうすると夜中の1時だ・・・」「その時間は山に向かって吹き上げる風があるわ」
「そうか・・・・タツマ君。石が落ちたところの中心を手前5メートルくらいずらして」
「了解」崖は人が降りることを拒むように、その壁を大木が覆い隠していた。
「確かにこれじゃあ、どうやっても人間は下りられそうにないですね」

ゼロは慎重に崖の周りを飛びながら、その解像度を上げた。
「倍率50倍・・・これ以上は焦点を合わせるのが難しいです」
「やっぱり、これだけ木や草があると・・・・地面が見えないな。じゃあ、マウス君、出番だ」
「よっし!!携帯を探すんだよね?」「そう、大変だけど、頑張ってくれ!」

マウスは地面に降りた。「アニキ、ゼロも一緒に探してよ?」「木の上に止まり
ながら探してる」「どっちが早いか、競争だなっ」「ほんとガキだな!!」「ガキだも~ん」

コウタは笹の茂った中にどんどん入っていってすぐに見えなくなった。
「おおっすげえ~~~!!でっかいカエルがいた!邪魔邪魔!!」「おい、カエルって、
危ないんじゃないか?!」「大丈夫なんだな~~♪ ねっ?リエコ姫?」
「はあ??」
リエ子はそちらを観ずに言った。
「小動物が嫌がる低周波を出しているの。・・・まだ昆虫レベルは無理・・・」

「わー、すげ~!!きれいな色のキノコだ」「ベニテングダケだ。猛毒だよ」博士が教えた。


「あれ?なんか・・・・落ちてる」「え?」「あ、これ・・・ハンカチじゃねえ?」

「ハンカチ?・・・もしかしたら被害者のもんかもしれんわ!おい、家族の誰かに被害者の
ものか確認取れ!」「コウタ、そのハンカチを見せて」「うん、これだよ」
そこには、濡れてよく色はわからないが赤っぽいハンカチがあった。「うん、その画像を
すぐに県警へ送るから」
「・・・県警からです、母親に確認とれました。間違いありません」
「推測だけど・・・」博士が言った。
「ハンカチに携帯とか他の物を包んで、一緒に捨てたんじゃないかな。もしかしたら、その
ハンカチにも証拠につながる何かが・・・」「!血痕か!!」「・・・そうかもしれません。
コウタ君、その近く、よく探して!」

コウタとマウスの活躍で、そこからかなり離れた場所で携帯が発見された。
「包んでいても、風が強くて解けたんだな。ハンカチだけが、風で飛ばされたんだろう」

ゼロはハンカチと携帯、マウスをその両足に掴み、すぐに巡査部長の所に運んだ。
「・・・・・・・・・すごいな、おい!!あんなところ、探すなんてな・・・いや、すごいわ」

「すごいでしょ~~!!」「ねずみが言ってもな~~!!」「アニキ、今回は俺!
俺の勝ち!!」「まあそういう時もあるし」
「いや、ありがとう!どうなってるかわからんがな、まあ博士によろしくいってくれ!
よし!!撤収だ!早速戻って検証だ!!」



ゼロは帰り道、ずっとマウスの(いや、コウタの)ごきげんな鼻歌を聴いていた。
「やりぃ~~~!!仕事の後のジュースはうまいぜ!!」「はいはい」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)



いつも拙ブログにお越し頂きまして ありがとうございます。

さて・・・・・・

今回は鳥の視覚について・・・・・

鳥は視覚がとりわけ発達しているのはよく知られていますが
鷹の仲間のノスリでは視力は人の8倍、鷹では7・5倍だそうです。
例えば鷹は
人が100メートルから物を認識したとすると、鷹は750メートル前から
同じものを認識できるということらしいです。
またその大きな目玉はズームレンズの機能があるということで、
網膜細胞が人は20万個なのですが、鳥は120万個あるそうです。
鷹、ふくろうは、それに加え映像(網膜に映ったもの)を拡大する
櫛状体という増幅装置を目玉の中に持っています。

また鳥には人には見えない色が見えるそうで、網膜部分の光受容体に、
人の持つ赤・青・緑を感じる色の他に1~2つあり、紫外線を見ることが
できるそうです。


(参考資料  「鳥の雑学事典」 「図解雑学 鳥のおもしろ行動学」より)
  
・・・・・・以上 雑学でした。
by f-as-hearts | 2009-09-02 23:59 | SF イーグル・ゼロ

タロット占い師ASのブログです。


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