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紡ぐ夢 綴る夢

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タロット占い師ASのブログです。

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異世界の島の物語。



サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー           ・・・60歳   ???
メラニー               ・・・33歳   科学者
長老                 ・・・??    ???
レゼンダ               ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ                ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス              ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト                ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング                ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クィーン               ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者         




第六十二話 「  千年城へ  」


皆が驚いてリリアを見た。

「それは、どういうこと??」
サカマキがエリックの顔とリリアを交互に見ながら、質問した。

「つまり・・・・

エリックの能力を、忘れていたってことなの。
エリックは、見たことのあることは、出来るのよ。

だから、エリックがもしも、このダンジョンに入って、ここと同じものを
みんなに見せたいと思ったら―――」

―――その映像を、PCに投影することも可能、ということですか?―――

「PC、珍しく声のトーンが高くない???」
―――皆さんに合わせてみました。―――

「PC、に映すだけ????

僕、おんなじもの、作れたら作りたいな~~~~!!!!」


皆がその答えに、ぎょっとした。

「まてまてっっ?!
そんなことが出来るって??????」
「あ~~~??カネムラ~~~??出来たらどーする??

そうしたらさ、みんなで遊べるよね~~~!!!!」

今度は、リリアが唖然とする番だった。

「それは!!・・・・考えてもみなかったわ!!!

それは・・・・ちょっと待って。」

エリックは嬉しそうにPCにしゃべりかけている。
「もしさあ、おんなじお城が作れたら、ここにダンジョン出現!!!
だねっっ!!!!」

―――そうなるんでしょうね―――

リリアは今までのことを総括しつつ、仮定を立ててそれを自分の
頭脳の中で検証していた。そして、ひとつの結論に達した。

「エリック。それは危険だわ。

まず、城というと前回同様、巨大なダンジョンだと想定できるわ。
私達は見ていなかったけど、エリックには大体の大きさがわかる
でしょ?
もしもそれを出現させる事が可能な場所を見つけられたとしても
現実には、その中を全て、見てからじゃないと、完成しない。
それは私がエリックを助けたいということとは違う意味になるわ。
エリックが見ている範囲の、ダンジョンの謎を、一緒に考えて
―――」

―――リリア、クィーンからまた新しいメールが届きました。―――

「 愚者 と その仲間達よ。

どのような世界であろうとも 創造主の特権ともいうべき法は存在する。

それを護りそれに則って ゲームを戦うのならば 我に会えるであろう。

愚者よ。

我と戦いたいか?」


「うん!!!!!!」
「そうだろーーーな~~~~!!!」
「はは、そうきましたか。」
「そうね。」

―――結論が出たようですね。―――

「ねえ、PC~~~~!!!僕の返事、クィーンに届けてくれる?」

―――OK。/(・。・)  返信する内容を声に出して言ってください。―――

「 戦いたいよ~~~~!!!

ゲーム大好きなんだ~~!!それで、僕は見たものをみんなに
見せることができるんだけど、それでもいい?」

リリアは頷いた。
「それが一番いい方法だと思うわ。」

―――クィーンのメールです―――


「 愚者の能力を 一部封印するが それでもよいか?



封印するのは 見たものをそのまま取り込む能力。

この戦いで見える全てのものは そちらで再構築できない。

仲間に見せることは許可しよう。」


「もちろん~~~~!!!それでもいいよ~~~~!!!!」


クィーンのメールが続けて送られてきた。

「 ・・・・・それでは・・・・・


 愚者よ。

自分のカードを この前のように 称号を読み込ませるのだ。

すぐに  この城の中へ 導かれるだろう。」



カードの裏面の称号と言われた模様を 上にして PCに読み込ませると
そのカードの上に3Dホログラムのようなエリックが浮かんだ。

エリックの周りから仲間達の気配が消えた。そして極彩色の熱帯植物が
広がる世界が現れた。

「 凄いっっ!!!!!きれい~~~~~!!!!」
エリックは早速、リリアに言った。

「これね、僕、この部屋全体に映してみたいなっ!!!!」
「そんなことが出来るの?」「やってみる。」

エリックは手を広げて、その森の感じることができる奥行きまで
掴もうとするようにぐるっと回った。



あっという間に、部屋の中に透明で奥まで透けている森が出現した。
「うわ   ああああっっ?!」
「すごい!!!!!!!」
「ここは一体・・・・・・実在する場所なんですか???」

―――そのようです。送られてきたメールはかなりのタイムラグが
ありますので、ほぼ地球の裏側ではないかと推測されます―――

「そうだよ、それで場所特定できないの?」

―――それがこの場所は、実在するとしたら検索不可能な場所
なんです―――

「どういうことですか?」
サカマキはそれに興味をもって話そうとしていたが、部屋の中は
次々に見える動物や植物への歓声で埋まっていった。

「カネムラ~~~!!!こっちにあの城が見えるよ!!!

それじゃ、僕行ってみるね!!!」
 

「ジャングルみたいだな!!!エリック、気をつけるんだぞ!!」
「カネムラさん、私たちの声も姿も、エリックには聴こえないと思うわ。


エリック!時計の声は聴こえてる?聴こえたら返事して?」

「うん!!時計大丈夫だよ~~~!!!

凄いなあ~~~~!!!ここさあ、まるでジャングルみたいだ!!!!
触ってみたいなあ!!!!本物みたいだ~~~~~!!!!」

「触れないのは良かったわ。」
リリアは大きな陸イグアナが横切るのを見ながら、言った。
「やっぱりここには映像だけで十分よ!」
「ええ??僕、ここに行きたい!!!!
そーだ、ここの城で勝ったら、この城の場所、教えても~~らおっと!」

「それにしても・・・・この生物達は???なんだか、見たことの無い植物も
沢山ありますね。私はその辺を調べてみます。」
「エリック、もう少しこの森の中を見て廻れる?」

「え~~~~~????

もう少しでお城だよ?!僕、そっちに行きたい。後でもう一度
来ればいいじゃん!!!

じゃあね~~~~!!!」

エリックは気持ちが高まっているのを感じていた。
もうすぐだ!!!!



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2014-01-22 00:00 | SFサウザンドアイランド
異世界の島の物語。



サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー           ・・・60歳   ???
メラニー               ・・・33歳   科学者
長老                 ・・・??    ???
レゼンダ               ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ                ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス              ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト                ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング                ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クィーン               ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者         



~いままでのあらすじ~

「ここにきて、あらすじですか??」「まあな、マドックスもよくは知らないだろ?」「ええそれはそうなんですが」

「戦略地図にすりゃ、わかりやすいだろ?
まずは、こちらの陣営。
キング、はリドル帝国次期総帥で、俺達の最高司令だと考えてくれ。イムズ将軍、これが俺。
元々は空軍の兵士だったんだが、異次元移動能力のおかげで、革命を成功させて今に至る。
それで、マドックス、お前も空軍の隠れテレパシストとして俺の傘下にいるな。
キングのもうひとつの顔、それがゲーム世界のキングだ。そっちには俺とは違うカードマスター
の能力者レゼンダがいて、そいつは俺の知り合いだ。キングの下にはナイト、クィーンがいる。
クィーンは予知夢を見るという能力と、精神だけがどこかへ飛んでいけて、身体は眠っている
よくはわからんが、眠り姫のような状態だ。今は、そのクィーンを探しているところだ。」
「敵っていうのは、エリックの陣営のことですよね。」
「そうだ。あっちは、マーマレード・リリアという最強のアンドロイドがいて、そのアンドロイドに
どうやら指示を出しているのがワインバーガーじゃないかと思う。それは、キングが会議で
くってかかっていたからだがね。リリアの他にはサカマキとカネムラという能力者がいる。
カネムラは俺と同じ異次元移動能力者だ。こんなところだな?」
「絶海の楽園、探せるといいですね。」「おまえ、今完全に他人事のように言ったな?!」
「え・・・・・?そんなことないですよ~~~!!」「おまえ、嘘下手だな~~~~!!」
「そんなことより、エリックを仲間にするって・・・・ほんとにできるんでしょうか??」
「それができるかどうか、を、知っているのが、クィーンじゃないかって話だからな。」
「予知夢の能力って、考えてみたら、最強ですよね!」「う~~~~ん・・・・俺にも
よくわからない。俺達が動くのを知っていて、あんな場所に移動したんだとしたら、もう
お手上げだな!」「今からクィーンとエリックの戦いが楽しみです。」
「・・・・マドックス???おまえいつからそんな傍観者になったの???」


第六十一話 「  招待状  」


エリック達がPCに夢中になって検索を続けている内に、PCが受信メールを開示するか
尋ねてきた。

「メール?? 発信者は誰?」
―――クィーンより、となっています。―――

皆が一気に興奮状態になったのがPCにもわかった。

―――皆さん、落ち着いてください。―――

「落ち着いているわ。だから教えてちょうだい。」
―――というより、エリックを落ち着かせてください。―――

エリックは真っ赤な顔でわーわー言っている。

「あ、ほんとにわーわー言ってる。

・・・・じゃなかった、カネムラさん、エリックに
今開けるから、静かにしてって言って・・・・」
「静かにって言ってるんですが!!!」
「おまえもうるさいくらいだからな。

エリック、聞いてくれ。


静かにしてくれたら、メールを開ける。」

サカマキの一言は効いた。

真っ赤な顔のエリックは口をへの字に曲げて、手のひらで押さえている。

―――これです。―――


PCの中に、美しい自然の風景が広がった。
動画である。
木々の間に光が落ちて、原生林のような不思議なたたずまいの森に
ゆっくりと大きなヌーのような生物達が移動していく。尾羽が長い朱色の鳥が
手前側から奥へと素早く飛んで消えたかと思えば、高い木の枝をくるくる回り
ながら木の実を落とすリス。リスの目は地上から空へと動き、巨大な鷲が
太陽を横切る姿を捉えた。
鷲は悠々と空からこの島を見ている・・・・その眼がそこに、巨大な石積みの遺跡が
出現するのを目撃したのだ。

女性の声がPCから聴こえてきた。

「 新参の 愚者よ。

我は クィーン。

我は この絶海の楽園にある 千年城に そなたを 招待する。

ここが 我々にとっての 最後の楽園となるか それとも

最初の楽園 となるか ・・・・


そなたと 逢えるのを 愉しみに している 」


エリックは大声でイエス!!!!と言った。

「やったああああ!!!!!!!!

こんなお城、僕見たことないよ!!!!!

すげ~~~~~~~~!!!!すぐいきたいっっ!!!」

リリアがPCを操作しながら言った。
「 これって、またエリックにだけ入れるダンジョンよね?」

―――そうです。残念ながら―――

「まってくれ、PC。ここに受信できたってことは、前のようなエリックの
カードの情報じゃないんだから、PCなら解析可能じゃないのか??」
「サカマキさん、それが・・・・」

―――詳しくご説明致しますと、このデータは管理者がクィーンで
データへの干渉、つまり他の誰かが入れるようにするというデータ
改ざんは、データそのものを崩壊させる等のシステムが組まれて
おり、以前のダンジョンと基本構造は似ています。―――

リリアが何か考えている・・・・PCはリリアの意見を聞きたいと言った。

「もう少し待って。今、どうしたらいいか考えているところなの。」

「カネムラ~~~~~~!!!!

えっへっへ~~~~~~~!!!!

今度はカネムラも見れるといいねっっ!!!」

「エリック、今、他の人間は入れないって言ってただろ?聞いてなかったのか?」
「大丈夫だよね?!リリアならなんでも出来るさ~~~~!!!」

リリアはそれを聞いて、はっと閃いた。



「出来るのは、エリック、あなたよ!!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2014-01-18 00:00 | SFサウザンドアイランド
第 4 話 「 巫女と魔法使い 」

 
ミーリアは歌い終えると神殿の仕事があるからと、皆に手を振って戻っていった。
子供達はぞろぞろとミーリアについて神殿へと入ろうとしたが、神官見習いの若者
達が、子供達を引きとめ帰るように促していた。

その中の若者のひとりが、ミーリアに小さな花束を差し出した。
「こどもが、あなたにと言って持ってきていました。」
「ありがとうございます。可愛いお花・・・・その子は?」
「急いで帰っていきました。」
「そう・・・・今度は、その子に直接会いたいです。見かけたら、教えてください。」
「・・・・・・・はい・・・・・・・」若者は困ったような笑顔で、修行に戻っていった。



「ふうん・・・・・意外だな。

ミーリア、巫女のミーリア。

なんにも知らぬ乙女よ。」

声が聴こえて、ミーリアは神殿のエントランスで振り返った。
だが、辺りはしんとして人影も無かった。

ふわり   と ひとつ 黒い羽根が天井から落ちてきた。

「 言葉を疑わず 人を疑わず 心も疑わず、か・・・・」

ミーリアは羽根を拾うと、スイッと歩き始めた。

「 ついでに 見えるものも疑わない わけか。」

ミーリアは突然立ち止まった。
ミーリアの目は、真直ぐ前を見ていた。

「 どうした? 反論は 無しか?」

ミーリアはふいに横に数歩動いた。

「 ?? どうした? 」

「 ・・・・ごめんなさい。そこを通してください。」

ラウムグルーズは、その言葉を聞いて、驚いたように言った。

「 見えないものが 見えるのか?」

それには答えず、ミーリアは後に下がると、外へ出ようとした。


腕が伸びて、ミーリアの肩を引き止めた。

「 それは大変失礼した。

私は、大魔法使いブラックウィザード ラウムグルーズだ。

精霊の加護を受けている巫女よ。

私は、そなたに会いに来たのだ。」


ラウムグルーズはミーリアの前で姿を現した。
ミーリアはその姿にひるむことなく、じっと見つめた。

「銀色の髪、そして大理石のような白い肌。
母親ゆずりだな。

巫女よ。

私は神官であるそなたらの一族と近い関係にあった。
神々があってこその、魔法・・・・我々の魔法の大元は
自然のエネルギーだからだ。

神々の話は、そなたらに任せるが、神々は魔法を肯定して
くれる存在なのだ。
神々がいて、初めて我々も魔法が使えるようになった。

それをまず、巫女には理解してもらいたい。」

ミーリアは黙って聞いていた。

巫女の周りの空気がくるくる渦を巻くと、小さな精霊が二人
巫女の耳元に現れて、話しかけ始めた。

「みーりあ~~!!こいつこいつ、ぼくしってる~~!!
らうむぐるーずってね、すげえまほうつかうんだよ!
かみさまもおどろいてたからね。」

「神様は魔法使いの言うことを聞くわけじゃないわ。
神様達は人間と魔法使いは違う種族だって言ってるし。
精霊は神様とお話できるけど、魔法使いは驕った存在よ。
火の精霊のくせになんにも知らないバカのカグウ!!」

「なんだよお!いっつももんくしかいわないんだな!!
みずのせいれいとはなしなんかしてないよーーーだ!!」

火の精霊はぷんぷんしながら火花を散らしていた。火が燃えている
ような透明な光の髪と黒い体の手のひらくらいの精霊だ。
水の精霊は水が渦巻くような盛り上がった水色の流れる髪で、白い
体の同じような大きさの精霊だった。

「随分と可愛い精霊達だな。・・・・だがその力は知っている。

巫女を護る為に姿を現した、というところか。

巫女よ、私が怖いか?」

「みーりあ~~~!!へんじしなくていいよ~~!!
こいつね、きっとじゅばくのまほうかけてくるから~~!!」

「巫女に用事だなんて今更魔法使いの考えそうなことは
私達にはお見通しだから。さあ魔法使い、私達の力知っている
ならすぐにここから消えて!」

「ふたりとも、ありがとう。

でも私は、この人の話が聞きたいわ。
ちょっとだけ、時間をくださいな。」

巫女ミーリアは魔法使いに笑いかけると、ゆっくり中庭へと
歩き始めた。

「私には見えますから、姿を消していてください。
他の方々が怖がられると思います。」

ラウムグルーズはその言葉にふっと笑い、姿を消した。

中庭の中央には庭園があり、今はバラのつぼみが沢山膨らみ
始めていた。そこにあるテーブルと椅子まで来ると、ラウムグルーズは
再び姿を現した。

「ちょうどいい。お茶でも飲みたいと思っていたところだ。」

羽根の先でテーブルを撫でると、そこにお茶の入ったティーポットと
ふたつの紅茶カップが現れた。

ミーリアは驚きながらも、すぐにポットからお茶を注いで、椅子に
座った。

「・・・・神殿の中には、久しく入っていなかった。
精霊、お茶には毒など入っていないぞ。」

火の精霊がくるくるお茶の回りを廻っているのを見て、魔法使いは
そういいながらお茶を飲んだ。

「ラウムグルーズ様は、父のことをご存知なんですか?」

「・・・・そうだな。

そなたの父は私に会いに来た。」

ああそれで・・・とミーリアはお茶に手を伸ばした。

「驚かないのか?」

「はい。

父は、この世のことを憂いておりましたから。」


魔法使いはじっとミーリアを見つめた。

「そなたが生まれた日のことを覚えている。

バラの香りがする部屋から、そなたの産声が響いてきた。

そなたの母が産後の熱で亡くなったことも、知っている。

・・・・この紅茶は、そなたと同じだけ生きてきた樹の紅茶だ。
16年・・・・

長いと思うか短いと思うか?」


そよそよと春先の風が庭園に吹いていた。

「 思い出すには短くて 忘れるには長い年月、ですね・・・・」

「 そういうものか。」

ふむ・・・・とラウムグルーズは頷いた。

「 そういうもの、だな。


忘れていたよ。 魔法使い以外の者と、会話をするということを。

ミーリアは 素直な娘だな。

なかなかに父と、良い関係なのだろう。」



・・・・・・バサッ・・・・・・・・

巨大な黒い鳥が、庭園から飛び立った。

紅茶のセットは夢のように消え、ミーリアは飛んでゆく鳥を
眼で追っていた。

「 また 逢おう・・・・」


不思議と、心が温かかった。
ミーリアもその言葉を待っていたと思った。

「 ええ・・・・また、逢いましょう。」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2014-01-12 00:29 | ブラックウィザード