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紡ぐ夢 綴る夢

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タロット占い師ASのブログです。

<   2011年 08月 ( 25 )   > この月の画像一覧

カシュク            ・・・ 21歳    美術品修復師・美術教会特別顧問 
                            アラバイン国出身 
                            予言者のリング所持者

レンカ             ・・・ 37歳    美術教会最高顧問 理事
                           特殊能力者

テグン             ・・・ 46歳    キンググランドオーケストラ指揮者
                            音楽家



第 2 話


指揮者であるテグンはノーザンクロスの演奏を観た事が一度だけあるというのが、
時々話す自慢のひとつだった。
放浪のバイオリニストは、その人生のほとんどを演奏旅行に費やしていた。

テグンにとってのノーザンクロスという演奏家は、一度でいいから自分が指揮する
キンググランドオーケストラに客演して欲しかった人であり、若かりし頃一度だけその
演奏を聴いて心酔した数少ない特別な人だった。

「3人、と言ったか?・・・・・・・・レンカ、俺はノーザンクロスと似たような印象を持つ
3人を知っている。あくまでも雰囲気であって、師も所属しているオケも違うんだが」
「それを、すぐに教えてください!カシュクに、事実を確認してもらいたいもので」
「どうして?」「いやあ、ちょっとね~~!」「ちょっとね、で済むか!!!!」
「参ったな~~!実は・・・・」

レンカがその楽曲を使って考えている芸術作品の話をすると、テグンは興味を示した。
「ノーザンクロスの遺作ということは、そのお披露目は確かにきちんとした形でしたい
ものだな」「そういうことで」「・・・・・・・まあいい。それなら、それに競演した3人には
必ず許可を得なければならないな。常識的な判断だ」「でしょ~!!」

テグンはレンカに言った。
「それじゃ、演奏を聴かせてくれ!私に対する礼儀として」



テグンはその演奏をじっと目をつぶり 聴いていた。
時折指が動いていた。指揮者としてその演奏家を今ここで見ているのではないかと
思えるような、動きだった。

演奏が終わると、テグンは拍手をした。
「素晴らしい!!!!これこそ、ノーザンクロスの最高傑作だ!!!」


「俺も、全くそう思う。

テグン、この演奏者達の実力はどうだ?誰なのかわかるか?」



しばらく沈黙が続いた。


「ひとりは、技巧派でどんな演奏だろうと独壇場にしてしまう程の実力者で、主にソロ
パートでは無敵だと言われている、チェロ奏者のコンコード。50歳だったか。
彼とは面識がある。話をしてみよう。

もうひとりは、素晴らしい感性と天性のひらめきでオケの作曲をよく担当しているという
ジュライ。バイオリニストだが、作曲者で多分ここでの唯一の女性だ。

それと・・・最後のひとりだが・・・
これほど瑞々しい音を響かせる演奏家を、俺は知らない。
多分、若いだろうが、ここではチェロの演奏を完璧なまでに引き立てている。

・・・・レンカ。俺はこの3番目の人物を知りたい。
俺が思っていた男とは違うが、なにかこう・・・・・・・この男の弾くバイオリンは、若い頃の
ノーザンクロスを思い起こさせるんだ」


テグンは2人から情報を聞くことを約束して、帰っていった。

レンカはテグンの言う3番目の男について、調べたいと思った。しかし、まずは他の2人
の話を聞くのが先か・・・
カシュクにはノーザンクロスの妻であるエメルダに3人の演奏者に心当たりは無いか
聞いてみるように電話で言った。

「いいか、美術教会であの録音された楽曲を、責任を持って世に送り出しますと
伝えるんだ!どうぞレンカ最高顧問にお任せ下さい!!と付け加えてくれ!!」
「・・・・レンカ宣伝部顧問って名前変えましょうか?」「それはいかんな!その通りだが」
「何かわかりましたら連絡します」「頼むよ!」


テグンは自宅に帰ると早速ノーザンクロスの曲を引っ張り出して聴いた。
今さっき聴いた、あの曲・・・・・・・今まで作曲された海の曲と、モチーフは少し似ているもの
もあるが、それはノーザンクロス的色彩というもので、弦楽4重奏の完成度は比類ないもの
だった。

「・・・・あれは是非、自分達のオーケストラで演奏したい。
なんとかならないものか・・・・」テグンはもう新しい構想を練り始めていた。

曲をかけながらテグンは電話をした。

「・・・・こんにちは。チェロ奏者のコンコードさん?
キンググランドオーケストラのテグンです。・・・ええそうです。何度かお会いしましたね。
実はノーザンクロスのことで伺いたいことが・・・ええ。

・・・・・・知らない? ・・・ああ、ご心配なく。
あなたがノーザンクロスと最後に競演した楽曲が、奥さんから美術教会に届けられまし
てね。それを知っているのは、ごく一部の人間です。誰も、それをまだ公表していません。

・・・・・・・もしかして、ノーザンクロス本人から、止められていたのですか??
何故??・・・・・・・・・事情がおありですか。

・・・今まで秘密にしていた理由を聞かせてくれませんか?現に奥さんがこれを
お持ちだったのですから。・・・許可?奥さんの?・・・それは美術教会に送られた時点で
・・・わかりました。ではまたご連絡致します」



電話を切って、テグンはしばらく考え込んでいた。

・・・そうだ・・・俺はそれを考えていなかった。

何故この楽曲が、彼が死んで数10年経っても世に出てこなかったのか・・・
一番考えられることは、ノーザンクロス本人が止めたことだったんだ。


頭の中を整理しながら、テグンはバイオリンの切ない音に耳を傾けていた。
遺作は大きな謎を呼び起こしていた。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2011-08-30 23:59 | ファンタジー・予言のリング
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印旛沼産 淡水真珠


先日 「印旛野菜いかだの会」美島先生とお会いしました。現在いかだの周りで
淡水真珠を産む池蝶貝を養殖し始めて数年になるそうです。毎年それらを
収穫していますが、私も数年前会員の皆様と真珠が開いた貝からこぼれる程
落ちるのを見ました。ピンクや薄いオレンジ色、黒っぽいもの、クリーム色・・・
様々な色の真珠が1つの貝から取れました。

それを加工しネックレスやブレスレット、ペンダント、携帯ストラップにして販売が
始まっています。

池蝶貝は沼の水を浄化するのに一役かっています。植栽野菜のいかだに吊るされて
数年かけて大きくなる真珠。6~7年でかなりの大きさに育つのです。


また詳しい話は後日ということで。
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by f-as-hearts | 2011-08-29 00:10 | 祈り
カシュク            ・・・ 21歳    美術品修復師・美術教会特別顧問 
                            アラバイン国出身 
                            予言者のリング所持者

レンカ             ・・・ 37歳    美術教会最高顧問 理事
                           特殊能力者

テグン             ・・・ 46歳    キンググランドオーケストラ指揮者
                            音楽家



第 1 話



カシュクは美術教会に戻ると、また預けられた絵画の修復、修繕に明け暮れていた。
レンカはカシュクの腕とそのわざにいつも賞賛の声をかけていたが、ルクール帝国での
あの絵画の修復に関しては、もう会う人間全てに言っていた。
「あれは神業だ。一度観て見たらいい」

カシュクはまったく意に関せず、それがレンカ最高顧問の戦略だからと笑った。
「美術教会にようこそ、あなたも絵を復元しませんか?って札でもぶら下げたらいいんですよ」
「生意気だな!その通りだが」「大げさな宣伝は逆効果です」「宣伝は私の命だ!」
「ずい分簡単なんですね」「簡単なようで奥深い、それがいい生き方だと思わないか?」
「返事はまた今度でいいですか?」「カタイな~~~~!!ははは!!!まあいい。
・・・それより、お前宛に手紙が届いているぞ」

それは、あの海辺の老婆からのものだった。




    カシュク様


先日は 亡夫の下を訪ねてくださいまして ありがとうございました。
美術教会でお勤めの旨 伺いましたので 筆をとりました。

リングのこと 大切にされているでしょうに あの時 私に返すと
おっしゃいましたこと 思えば 主人もそうでした。
予言のリングということを知って すぐに教会へ持って行ったような
主人です。

カシュク様には きっとリングがついておりますから。
またどうぞ何かのついでに お立ち寄りください。


         海辺の ノーザンクロスの妻 エメルダ



その手紙を覗き込んでいたレンカは驚いたような声をあげた。
「ノーザンクロス?!・・・あの、不慮の事故で亡くなった世界的バイオリニストか??
お前が持つリングの前所持者だったな?ルクール帝国にいたのか!」「はい」

その手紙には録音機である小さな機械が入っていた。
「それは何だ?」「多分その演奏家の」「曲か?!すぐに聴いてみよう!!」

レンカは興奮してそれを持つと建物内の視聴覚室にカシュクを連れて入った。
そこは芸術としての音楽を楽しむには最高の設備を備えていた。音響も再生能力も
芸術を後世に残す意味で必要とされ、世界最高技術の機械と環境が技術者の手に
よってその部屋には施されていた。それを美術教会は芸術の保全という目的の為に
いつでも使用できるのだった。

「今、音響担当者に渡してきた。すぐに始まるぞ」

それは海辺で聴いたバイオリンの楽曲の、弦楽4重奏だった。



あの時、聴いた曲は 基でしかなかったのだ。
それは衝撃だった。

カシュクは椅子から一ミリも動けなくなっていた。
レンカもいつの間にか目を閉じていた。


その演奏が流れている間、海の上と海の中を自在に泳いでいる自分の存在が
心に湧き上がっていた。生命の海は冷たい海流に乗ってこの星を巡っていた。
海と空の世界が、そこにあった。


音楽は終わった。

「ノーザンクロス!!!俺は、あの人が数曲の楽曲しか残していなかったことを
ずっと不思議に思っていた。

これは、最後の楽曲なんだろ?カシュク」

「はい。・・・そう奥さんは言っていました。その方の家で聴いたのは、バイオリンのソロ
でした」「・・・・・・・・・・・じゃ、これは完成形・・・か」「そうだと思います」

リングが鳴った。

「つまり、これは・・・美術教会に預けられた芸術作品だな?」
「そうですね・・・それで間違いないと思います」


レンカはいつになく真面目に言った。

「カシュク・・・俺はまたひとつ夢が出来たぞ~!聞きたいか?」
「はい」「この、音楽を元に、壮大な絵を描くことが出来る人物はいないかってことさ!
大きさも、そうだな・・・体育館や美術館の1辺の大きさ・・・いや、ぐるり全部でもいい!
それとも、映像か??どんな形でもいい!!この、音楽の具現化は芸術の極みだと
思う」「確かに。凄いことですね。それもすでに過去の人物の知られざる遺作ですから」
「そーだろ?!なっ!!!」

リングが鳴った。

「なんか俺、今日は頭が冴えてるな~~!!よし、その手のことに詳しい奴に
動いてもらおう!!」レンカは勢いよく部屋を飛び出して行った。
カシュクはしばらく動かずにいた。というより、脱力してしまっていたのだ。

こんな凄い楽曲を、バイオリンだけで・・・残りの3人はどういう人なんだろう?
カシュクはその中のひとりは女性だと思った。それはとても線が細い高く綺麗な音が
静かに流れているところが印象的だったからだ。
だが・・・その人達を捜せるものだろうか?

そう思った途端、電話が鳴った。
「カシュク!忘れるところだったが、演奏家3人に連絡を取るつもりだ。こっちで所在や
人物は調べるから、その人達に会いに行ってくれ。また連絡するよ~!!」
レンカ最高顧問はやることが早い・・・カシュクはそう言うと笑った。
「よろしくお願い致します」

レンカは次々とノーザンクロスの演奏活動と彼に関わりのある人物を特定していった。
彼らの情報網は主に芸術関係ではあったが、芸術の枠は果てしなく広く、世界を網羅して
いた。レンカがおおよそ知っていたのはノーザンクロスという人物が音楽業界の中では
異質で、所属する音楽団体がないことだった。なのでコンサートには個人名のみ、協賛
してくれる企業や地方団体の人々は彼をコマーシャルとしては使わなかった。
彼が予言のリングをまったく誰にも言わないのと相まって、その不思議さは他の演奏家に
旅でしか会えない放浪の演奏家という、噂までつけられていた。
レンカは音楽は詳しく無かったが、この音楽家の演奏が芸術だと評した文を目にしたことで
当時興味をもっていたのだ。それも10数年前だが。

「生きていたら、73歳か・・・亡くなられたのが12年前。61歳・・・その、少し前に演奏に
参加したのは誰と誰だ?」レンカは久しぶりに音楽家で変人と名高い友人に電話した。

「あのさあ・・・ノーザンクロスってバイオリニスト覚えてる?あっそう。でさ、その故人の
遺作の曲が俺んとこにあるんだが?

・・・へえ、聴きたいの?へえ・・・まあ条件つきで。いやなに、ちょっと教えてくれないかな
~~~なんてさ!」

その音楽家は大慌てで美術教会にやってきた。

「レンカ~~~~~~!!!さっきの話、本当だろうな?!嘘だったら俺はお前が
泣くまで美術教会のクソ野郎って世界中で叫び続けるぞ!!!」
「ずい分元気だな。本当だよ。じゃあ、そこにいる音響担当に聞いてみればいい」
「・・・・ちょっと訊ねるが、今の話本当なのか?」「はい、ノーザンクロスの曲でした」
「新曲???」「ええ、そうですね」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!ありえない!!!」
「今皆で確認中です。これは極秘事項ですので、よろしくお願い致します」
担当はさっさと仕事に戻ってしまった。

「何、あの淡々とした野郎は?!俺のこと知らないのか?」「いえいえまさか!
キンググランドオーケストラの指揮者テグンを知らない男は、ここにはいませんよ!!」
「淡々とした無礼者として、俺の中で奴は最高のクラスに入るな」「以後お見知りおき
ください。ははは、まあそこにジュースを用意しましたから、どうぞどうぞ!」

レンカはカシュク宛ての手紙もテグンに見せた。

「つまり、何?このカシュクは今予言のリングを持っているわけか。それが、レンカの
配下にいて、その繋がりでノーザンクロスの曲が届けられた訳か」「そーいうこと」
「・・・能力者は能力者を呼ぶってね。ふうん・・・・
何が聞きたいかわかったけど、いいたくないな!!」
「指揮者さんにもいい話だと思うが。もしも、ノーザンクロス並の演奏家が他に
いたらどうする?」「・・・・・・・・・・・・!!ありえないって!!!」
「少なくとも3人・・・ノーザンクロスと競演しているんだな~~!その曲でさ!!」

テグンは驚いて椅子をひっくり返して立ち上がった。
「ちょっと待て?!今、3人って言ったか??」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2011-08-28 23:59 | ファンタジー・予言のリング
環境と経済「ちば最大の環境活動見本市」

エコメッセ2011 が 幕張メッセ 国際会議場 で行なわれます。

10:00~17:00 入場無料  主催 エコメッセ2011 inちば実行委員会


ここに「NPO印旛野菜いかだの会」も参加致します。
今回、印旛沼産 淡水真珠を加工して作ったアクセサリーも販売致します。
環境と経済を支える団体の参加があり、またエネルギー問題、温暖化問題、循環型社会の推進問題など、多くの展示、発表があるようです。
私もいかだの会の一員として、参加しまた学びに行きたいと思っています。
よろしければ是非、お立ち寄りくださいませ。
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by f-as-hearts | 2011-08-25 14:37 | いかだの会ご報告
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ある晴れた日に
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by f-as-hearts | 2011-08-25 09:33 | 祈り

  占いのことで・・・・・・


 9月から毎週金曜日は 「印旛野菜いかだの会」の2Fにて 占いをさせて頂くように
 なりました。

 10:00より(要 予約)  

 場所     京成志津駅 北口 徒歩 5分 炉辺焼 美浜 2F

         お車の方は 美浜の前に駐車スペースがございますが
         一杯の場合は近隣に駐車場がございますのでご案内致します。

         これからもどうぞよろしくお願い致します。
  

More
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by f-as-hearts | 2011-08-25 01:46 | 占いの話
カシュク            ・・・ 21歳    美術品修復師・美術教会特別顧問 
                            アラバイン国出身 
                            予言者のリング所持者

ザワールガス教皇     ・・・ 70歳    ルクール帝国 ルクール教皇

エシュリー教官       ・・・ 24歳    ルクール帝国特殊警部補 女護衛官

オリランドー教官      ・・・ 53歳    ルクール帝国特殊警部  特別護衛官

レンカ             ・・・ 37歳    美術教会最高顧問 理事
                           特殊能力者

レイン             ・・・???    ルクール帝国  反宗教活動家


第 16 話




皇帝はカシュクとレンカをすぐに宮殿に招待し、この奇跡の話を詳しく知りたいと言った。

皇帝はその席でレンカが美術教会の最高顧問であり、牧師ではないこと、むしろ宗教が
苦手だと聞いて、信じられないという顔をした。

「あの大聖堂にいた牧師の中で、一番信仰心が篤そうなあなたが??
どうしてそうなるのでしょう?」「俺にもさっぱりです」「レンカ最高顧問、答えになってません」
「・・・・カタイな~~~!!いや、だからですね、つまり・・・・俺の主義っていうのがありまして」
「それは、どんな?」「ダメもとっていう・・・」カシュクが咳払いをした。
「つまり、説明が面倒なんですけど、人生ダメで当たり前で、上手くいったら上出来っていう
のが、俺の生き方なんで~!」「おお、なるほど」「・・・・いや、これ褒められるとこじゃない
ですよね?」「そうですね。宗教にはほど遠いです」「・・・カシュク!お前もだろうが?!」

皇帝は奇跡についてカシュクに訊ねた。

「本当の奇跡は、信じる心に宿るんだと思います。私はこの予言のリングを信じています。
これがあったから、私はこの国に呼ばれました。
教皇は、絵が真実の教皇を選ぶと信じていました。絵の起こす奇跡を信じることが、教皇
の信仰心を強くして、また絵を怖れさせてもいましたが」
「あの奇跡は、本当に起こったことなのですか?」「はい」「あの、水色の光の意味は?」
カシュクは、答えに詰まった。

「それは・・・いつか、わかることだと思います」「カシュク、実はおまえもわからんのだろう」
「・・・そうですね」「・・・・・・聖母の涙だと、護衛官が言っていましたね・・・」
「・・・わかっていることは、奇跡は人の、感じ方、考え方で変わるものだということです」
「もう少しくだいて言えば、気のせいと思おうが、奇跡と思おうが、自由ってことだろ~!」
「・・・・・・・・・ちょっと 違う気がしますが」「そうですね、ちょっと違います」


「・・・こうしてお話を伺っていると、カシュク殿はよく、我が国教を学んでこられましたね!
あんなに絵画と、カテドラル、教皇の歴史を把握されてきたとは!!全く素晴らしい!」
「カシュクは大変勉強熱心な修復師ですから。それで、皇帝陛下、今回の報酬は?」





皇帝との折衝でレンカは大いに満足していた。
美術教会にまた大いなる遺産が舞い込むとわかって、これ以上は無いという程の
笑顔で、帰り道 カシュクに話しかけた。
「レインを捕まえられたのも、俺のお陰なんだしな。当然だよな!!」
「・・・そういえばあのレインに見せた録音装置って」「あ、これ?」「証拠品じゃないんですか?」
「残念!トラップでした~!!」「まさか?!」「あの2人が一緒にいて、何の話もしない方が
おかしいだろ?頭は、使わなけりゃな!!」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」「やっぱ、カタイな~!」

道の反対側に、エシェリーが立っていた。

「そうだ、俺は早く帰るって約束したからな。じゃあな、カシュク!」レンカはさっさと自分の
車に乗って行ってしまった。


「エシェリー」「カシュク殿、もうお帰りになられるのですね」「はい」
「シスターの正装、似合ってましたよ」「そうねそうね」「あははは!・・・カシュク殿は
やっぱり面白い方ですね!」


「・・・エシェリー、疲れたでしょう?」



「・・・・・・・・いいえ。 大丈夫です。

ただ・・・なんだか、自分じゃないみたいで、変なんです。

カシュク殿が帰る前に、会いたいって思って・・・そんなことを考えて動くなんて。
奇跡を見ることができて、興奮しているってわかっているんです。

カシュク殿は 予言のリングのお陰で いつも奇跡を見ているんですか?」

「絵を見ている方が多いけどね」「そうですか・・・・・・・・・・」

エシェリーは思い切って訊ねてみた。

「・・・あの、聖母の涙のこと・・・カシュク殿はわかっていたんですか?」

カシュクはじっとリングを見つめた。




「・・・・・・・いいえ。

エシェリー、少し歩きませんか?」




2人は人通りの多い街並みを、公園の方へ歩いた。

公園のベンチに座り、カシュクはやっと話し始めた。

「・・・最初の絵の奇跡は・・・あのエドラ・カテドラルの窓を眺めていたら、気がつきました。
光が溢れ、そして絵が輝く・・・・・・・・

それに、孫娘のミランのことも、リングが教えてくれました。



だけど・・・・・・・・・

教皇の、最後の目覚めも、あの水色の光も・・・・・・


本当の、奇跡・・・です。



エシェリー・・・・

君は 何故、あれが、聖母の涙だと 思ったんですか?」

「・・・・・わからないんです・・・・・・自然に、口から出て・・・・」

「そうですか・・・・・・」




カシュクは、エシェリーの手を握った。「・・・・・ありがとう。エシェリー」

「・・・・・・・・・・また、会えますよね?」


リングが鳴った。


「・・・・・・・・はい。きっと会えます」

カシュクはエシェリーを抱きしめた。「今度会う時は、カシュク、と呼んで下さい」

「はい・・・・・・・」エシェリーは何度も頷いた。



エドラ・カテドラルの向こう側に、夕陽が沈んでいった。

誰かが 新教皇万歳と叫んでいた。



・・・カシュクの胸に 水色の光が いつまでも灯っていた。









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・E N D・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)

・・・・あとがき・・・・・・
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by f-as-hearts | 2011-08-23 23:59 | ファンタジー・水色の光
猫自慢な私

夜中 PCの前で眠りそうな私に ねえねえ と 肩に前足をかけて

爪はそっと出して けして強くはしない 

なんて 可愛いんだっ

ねえねえ そんな顔で 小さく鳴く


えさなの 遊んで欲しいの お話したいの?

順に聞いて 全部 だから 


息子が猫に いいつけたことを ちゃんとやってくれる

いいか お母さんにちゃんと寝るようにいいなさい

ここで寝てたら 起してね ちゃんとベッドにいくように

猫はちゃんと わかってる

この前は 寝てる唇に 前足で ちょんと触った


なんて可愛い 


ねえねえ 




どうしてそんな優しい顔で こっちをみるの

毎日 毎晩 忘れずに



きっと 家族の役目だって思ってるの


ねえねえ

ごはん食べてる時 みていてね


はいはい




そんな 日常
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by f-as-hearts | 2011-08-23 15:15 | 猫の話
カシュク            ・・・ 21歳    美術品修復師・美術教会特別顧問 
                            アラバイン国出身 
                            予言者のリング所持者

ザワールガス教皇     ・・・ 70歳    ルクール帝国 ルクール教皇

エシュリー教官       ・・・ 24歳    ルクール帝国特殊警部補 女護衛官

オリランドー教官      ・・・ 53歳    ルクール帝国特殊警部  特別護衛官

レンカ             ・・・ 37歳    美術教会最高顧問 理事
                           特殊能力者

レイン             ・・・???    ルクール帝国  反宗教活動家


第 15 話


レインは、こうして式典の最中に捕まった。オリランドーは激しい怒りを抑えるのに
苦労した。教皇の、あの心労の原因でもある男が、目の前にいるのだ。
エシェリーもそれは同じだった。警護官達がレインを拘束し外へと連れて行った。
大扉を閉めて、オリランドーは扉をどんっと殴った。皆はその教官が音を立てた
ことを、知らぬふりをしていた。


キャンドルの火は揺らめきながら、人々の顔を照らしていた。
皇帝が新教皇にその冠を授け、式典は最後の、新教皇の宣誓を待つだけになった。

突然、席に座っていた孫娘のミランが、立ち上がるとはっきりと言った。


「おじい様の、目が覚めたわ!!」

ミランは駆けだした。

シスター達は驚いた。「教皇様が?・・・・・・・・・おお!!!」
シスターが見ているうちに、教皇の目が少し開き、口元は微かに震えた。

「本当に・・・・・・・教皇様が、お目覚めです!・・・・・・」「・・・・・・おお!!神よ・・・!!」


シスター達が、静かに、ベッドをその祭壇のある方へ動かしていく。
ミランは嬉しそうに、教皇の手を握っていた。

新教皇のジェライドは、溢れる涙を拭わず、その様子を見守っていた。

新教皇はその足元の方にいて、懺悔の祈りの形に、手を合わせた。
そして、そのまま、宣誓をした。

「教皇・・・・・わたくしは、あなたに推薦して戴けるような人間ではありませんでした。
それを、今は、本当に後悔しております。どうか、許してほしいのです。

わたくしは、この、奇跡を、信じます。
そして、この一生をかけて、信心を貫きます。

教皇・・・・・・・・どうか、わたくしに、祝福を・・・・・・・・・・・・・・・」

その後の言葉は、嗚咽で言えなくなっていた。


教皇の手が少し動いた。ミランは、すっと、その手を支えて新教皇を見た。
新教皇はすぐに傍に寄った。

教皇の指が、新教皇の額を触って、ゆっくりと降りた。
「・・・・ありがとうございます・・・・・・・・」







カシュクのリングが、鳴った。







「・・・・・・・・・・・・・・・・・まさか?・・・・・・・・・・・・・・・」

カシュクは絵を振り返った。












「・・・・・・・教皇様!!!」

「おじい様!・・・おじい様・・・うわあ~~~~~ん・・・・・・!!」

「教皇様!!!」ジェライドは慌てて医者を呼んだ。

「何をしている!!早く、手当てを!!!」



医者は首を振った。「・・・・・・・・いえ・・・・・・たった今 お亡くなりに・・・」

「おじい様~~~~~~~~~!!!!」皆があまりのことに、涙していた。
レンカは、天を仰いだ。







カシュクは ひとり・・・絵を見つめていた。



「・・・・・・そう・・・・だったのか・・・・!教皇 は・・・・・・・・・・」



皆が、その変化に気がついた。

聖母の描かれているところに光が浮かんでいた。

水色の・・・・透明な光が、絵に浮かんでいた。




「・・・・・・・・・・・・・・・聖母の 涙 が !!・・・・・・・・・・」

エシェリーはそれが、聖母の涙だとわかった。


「教皇様の為に・・・泣いて・・・・・・・・・・・・!!!」







カシュクは、静かに頷いた。


「・・・・・そうだったんですね・・・・・・・

・・・教皇・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・奇跡を、ご覧になれましたか・・・・・・・・・」









式典は、教皇の崩御の報によってまた動いたが、様々な奇跡の出来事は皆の心に
大きな感動となって伝わり、いつまでも記憶の中に残っていった。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2011-08-22 23:59 | ファンタジー・水色の光
カシュク            ・・・ 21歳    美術品修復師・美術教会特別顧問 
                            アラバイン国出身 
                            予言者のリング所持者

ザワールガス教皇     ・・・ 70歳    ルクール帝国 ルクール教皇

エシュリー教官       ・・・ 24歳    ルクール帝国特殊警部補 女護衛官

オリランドー教官      ・・・ 53歳    ルクール帝国特殊警部  特別護衛官

レンカ             ・・・ 37歳    美術教会最高顧問 理事
                           特殊能力者

レイン             ・・・???    ルクール帝国  反宗教活動家


第 14 話



後世に「 審判 」と名付けられたその絵は、千年の時をずっとカテドラルの大聖堂と
共にあった。カシュクが修復しなければ、現れなかった色、筆のタッチが、今蘇った。

そこには柔らかな花びらのような淡い色の、聖母が見つめる世界が描かれていた。

皇帝は、「・・・私は、まるで今、初めて観たように、感動している」と述べた。
レンカは唸っていた。「カシュク!!お前って奴は・・・!!」
エシェリーは、審判の絵を何度も観ている筈なのに、涙が流れて驚いていた。
オリランドーも、大扉の前から、絵の方へ歩き出していた。

合唱団の皆の持つキャンドルに、ひとつ、ひとつ、火がつけられていった。
ひとりが、隣の者のキャンドルに火を移す、またその火はその隣の者へ・・・・・・・

その火は、牧師達の持つキャンドルへも灯されていった。
照明は消されていた。

その輪の中心に、カシュクは立っていた。


「・・・私は、このエドラ・カテドラルの、この絵が、この場所にかかげられた時を
想像しました。絵画が、教皇を導くという意味を。

ルクール教の始祖である聖ジファスの為に、彼を心から尊敬し敬愛した画家が
この絵を、このカテドラルに置いたのです」


天窓がきらりと光った。

太陽が天の高い場所へとゆっくりと移動し、光は天窓から斜めに差し込んできた。

天窓のガラスは縁がカットされて光はキラキラとそこで乱反射した。
そしてシャンデリアに全ての光は落ちてきた。
シャンデリアは鏡のように、この瞬間一番輝き、その光を審判の絵に集めた。

その光は眩い光の洪水のように絵を包み込んだ。
カシュクは見上げていた瞼を静かに閉じ、ゆっくり息を吸った。そのしぐさは
光を吸い込んでいるように見えた。そのまま、カシュクは客席の方へ身体を向けた。




「・・・さあ、ここに おいで」

まだ眼は閉じたままだった。 カシュクは片手を伸ばした。



その手に向かって女の子が近づいてきた。

カシュクは眼を開け微笑んだ。




「・・・教皇代理、この娘をご存知ですよね?

皆さん、この子は現教皇の孫娘のミランです。

・・・ミラン、あの絵を観て。 ミランなら、わかるだろう?」


カシュクはミランを抱き上げて、自分の胸より上に持ち上げた。



ミランは、絵を指差した。「私がいるよ!」


「そうだね、あれは聖母なんだ。聖女ファクターリアだよ。
ありがとう、ミラン」

ミランは可愛らしくカシュクに挨拶をすると、母親の待つ席へ戻った。



皆があまりのことに息をのんでいた。

その光景に、皇帝が、カシュクと絵とミランを順に眼で追っていた。
「カシュク殿、今 何と・・・・・・・・」


「はい。ミランは聖母の生まれ変わりです」


レインがたまらず大声を出した。

「な・・・・・・・何を馬鹿な?!そんないい加減なことが信じられるものか!!!
嘘をつくな!!!!」



「・・・奇跡は、いつも 突然起こるものです。

私は、ミランに会った瞬間、その顔が聖母そっくりなのに驚きました。
そして、予言のリングは鳴りました。

その時、奇跡は起こると思ったのです。

歴代の教皇の宣誓文の中で、6代目の教皇は書いていました。
絵は輝く ・・・私は光に導かれる・・・

絵が輝くと書いていたのは、その教皇だけでした。

私は最初に聞いた話を思い出しました。
ご神託を受けたのは、聖母、聖女ファクターリアだったと。
そうです、この絵に導かれるのは、聖ジファスの魂だったんです」


皇帝は、頷くと、言った。

「・・・現教皇が、あなたをこの国に招いたのも、奇跡だったのでしょう。
この絵が、そんな奇跡を起す・・・心からの感謝をあなたに。
・・・私は、是非あなたに次期教皇を、お決め戴きたいと思います」

レインは歯軋りをして下を向いていた。教皇代理は傍にある台座につかまって、かろうじて
立っていた。カシュクはだんだんと移動してゆく光を見つめた。




「皇帝陛下、そして皆さん。

私は、絵が教皇を選ぶという伝説の、その真実を探していたんだと思います。
ですが、真実は聖ジファスにしかわからないのです。この絵は聖ジファスに捧げられた
ものだったんです。聖ジファスの魂を導く、聖母の心がここにあります。

つまり・・・
この審判の絵は、教皇を選ぶ力があるのではないのです。
宣誓文に出てくる、絵と光の記述が、全ての誤解の始まりでした。

それからです。現教皇の思いが理解できたのは。
教皇は、絵を怖れていました。自分は、教皇に相応しくないと
いつも思っていたと、私に打ち明けられました。



教皇代理。

現教皇は、あなたに次期教皇になって戴きたかったのです。
あなたの信仰心は気高く尊い、そう認められていました」


代理は、その言葉に、床にひれ伏した。

「・・・・・・・・おお、おお・・・・・・・・おおおお・・・!!」



レインはその様子に、じりじりと隠し扉の方へ動いていった。
レンカは大きな声で言った。

「それでは、カシュク殿。
次期教皇は、教皇代理である、この・・・」

「・・・ジェライド牧師、あなたを新教皇に任命致します。

これは、現教皇の、願いです」



それは、この場の皆が、思いもしない結末だった。


レインは、この国の宗教自体を全て滅ぼすつもりで教皇代理と結託していたのだ。
(カシュク!!!!それを、防ぐ手立てをここに来て考えたというのか・・・・・?!)

レインはもう、ここまでだと思った。
レインは隠し持っていたスイッチを押した。



(・・・・・・・・・????なん・・・・だ?どうした??爆発は???)


レンカが、レインの方を見た。そしてひと言。



「どうかしましたか?レイン?」


ざわっ!!!!!!皆の間に恐怖が走った。

「レイン、だと?!どこに??あの、テロリストがここにいるのですか?!」
皇帝は慌てて辺りを見回した。

「ええ。それが、ですね。・・・レインは自首するそうです。
私が、これを持っているので」レンカは録音装置を見せた。
「小部屋で何か話していたらしいんですよ~?」

レインは、その時自分の完全な敗北を知った。
新教皇は振り向かない。

レインは吐き捨てるように言った。「・・・・・・・・覚えていろ!!!教皇!!!!」

カシュクは言った。

「レイン、あなたはこのカテドラルと共に皆の宗教心を破壊するつもりだったのでしょうね。

それが、どれ程怖ろしいことか、考えた方がいい」






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2011-08-21 23:59 | ファンタジー・水色の光