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紡ぐ夢 綴る夢

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タロット占い師ASのブログです。

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海岸にて
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by f-as-hearts | 2010-10-31 15:01 | 祈り
・・・昔々、召喚師が大勢いた頃のお話。


ミンク・デリーシュア       ・・・20歳        召喚師

アーカディ・カッシ         ・・・19歳        魔法使い

ホワン・イーリイ          ・・・28歳        武術師範

ガウル               ・・・???        召喚獣 火炎妖魔 

カロン・デリーシュア      ・・・51歳         ミンクの父 召喚師

セト伯爵              ???        時間城の謎の人物

エル・シェラタイン        ・・・???      森のドライアドの妖精王




第  37 話   「 影 」



風神とホワン、ミンクは幻獣達の遥か上空を、白く輝く山の方へと飛んだ。
風神は一言も言葉を発しなかった。山へ向かう風神の行く手を阻む者はいなかった。
ホワンもミンクも、その山に何かがいると・・・とてつもない威圧感を感じていた。

その白い山々の上空に、何かが現れた。

風神はスピードを上げた。その者はじっと正面から3人を待ち構えていた。

「・・・・!ペガサス?!」ミンクが驚いて言った。
「そうだ・・・・・・・天馬、ペガサスの、ここは聖域だ」風神はペガサスに一礼をした。

ペガサスは空中に優雅にとまっていた、そしてその鼻を一度振ると、風神に挨拶をした。

「天馬よ、私が何を頼みに着たか、わかるだろうな」
天馬の目が瞬いた。「・・・ホワンを、頼む」



天馬が、高くいなないた。




白い山々から、数百頭の純白の天馬が、声に応えてその空へと駆け上ってきた。

「地上の青き神馬がユニコーンならば、天空の白き神馬はペガサスという。
神々と同格と、あまねく世界に知らぬものとて無い、その美しき獣よ」

風神のその言霊は、ペガサス達の軍に力を与えた。

風神に近づいた先程の大きく素晴らしい天馬は、ホワンにその背中を見せた。
ミンクはその美しく威厳に満ちた姿を見て、感激した。感激で涙が流れるということが
あるということを、初めて経験した。「すごくきれい!なんか・・・・光が・・・・・・」
「・・・・・・・・風神様・・・・・天馬は、なんて言っているのですか?」
ホワンは戸惑っていた。しかし、自分がその天馬に乗っても良いと心に響いてきた
声にならない言葉は光栄であり、事実と思えず現実離れした浮遊感から、天馬に触れ
られずにいた。

「無理も無い・・・天馬よ、人の子を乗せるのだ、声を聞かせてやってはくれぬか?」

「・・・いいだろう。・・・・・乗れ、人の子よ」


風神は風でホワンを持ち上げると、そのまま天馬の背中へと移らせた。
「!・・・・あたたかい・・・・・・・・」ホワンはその背中の感触と羽の力強さに驚いた。

「私達には、人にわかるような名前はないから、名乗らぬ。
ホワン、おぬしの頼みとはなんだ?」
「・・・・アーカディという魔法使いと、戦って・・・この戦争を終わらせることだ」
「わかった。・・・・・・ゆくぞ、しっかり掴まっていろ」
「私も、行きます!」「それは出来ぬ。ミンクそなたには役割があると申した筈だ」

天馬は首を真横に振ると、いななき、駆け出した。
全ての天馬が、一斉に主長であるその天馬に従い、天空を駆け出した。

「・・・必ず、後で会おう!ミンク!!!」ホワンは振り返りながら、叫んでいた。



風神は見届けると、言った。
「そなたにはもう一方の味方がいる。立ち止まっているヒマはないぞ!!」

地上の戦いは熾烈を極めていた。
風神の竜巻にちりぢりにされつつもエキドナ軍の怪物達は、火の鳥の軍と真正面から
魔法と牙でぶつかっていた。巨人や巨大なヒュドラ、また妖獣の軍団は不死ではないか
と思われる程、次々と襲い掛かってきていた。

あちこちで火柱があがり、ケルベロスやフェンリルが群れで敵を襲っていた。
ミンクは恐ろしさに悲鳴を上げそうだった。
「あそこだ」風神は急降下でその湖の傍の、滝へと突入した。「きゃあ!!!!」

その、滝の裏側には、青く光る角を持つ一団が待っていた。
「!!!ユニコーン?!」「そうだ、ユニコーンだ。彼らもまた、ミンク、おまえが来るのを
待っていたのだ」


「そなたがミンク、か。王の護衛団である我々は幻獣王よりミンクを護るように言われている」
ユニコーンの声は静かだった。「王の勅令、それは絶対命令なのだ」
「よろしく頼むぞ!」風神はそういうと、ミンクをその背から降ろした。

風神は何か言おうとしたが、ミンクの目を見て、やめた。
「よいか、ミンク!神々もそなたと共にある!!」ばさっと羽ばたくと風神の姿は掻き消えた。

「・・・ミンク、我々は妖精族と縁が深い。水の精霊は我が眷属だ。そして・・・・・」

次の瞬間角が光り、角から滝の天井へ稲妻が走った。
「我々は、雷も操れる。さあ、すぐにこの背中に乗るのだ」




その時滝の表側に、紅い炎が見えた。
ミンクの眼は、その姿に釘付けになった。「!!!・・・あれは?!」
ミンクは駆け出した。そしてその滝から出ると今の影を探した。

ゆらりとその姿が樹の後ろから現れた。

「ガウル!!!!!!」その姿は、最後に村で見たそのままだった。
「ガウル~~~~~!!!!」ガウルは、ミンクに自分の背中に乗れ!というように
首を回してみせた。「ガウル、生きていたのね!!!!」ガウルはふんというように
鼻を鳴らした。ミンクはガウルの背中に掴まった。ガウルは凄い勢いで走り出した。

後ろからユニコーンがついて来ていた。ミンクはガウルさえいれば大丈夫だと思った。
「よかった・・・・・・ガウルに会えて!!!」

ガウルはかなり走った。緑色の沼のところでやっとガウルは止まってミンクを降ろした。
「・・・あそこでは話ができなかったからな。ミンク、おまえ時間魔法が使えるんだな?」
「そうなんだよ、すごいでしょ!!」「誰に教わったんだよ?」「妖精王だけど?」


急に、木々の間で鳥が羽ばたいた。ミンクは驚いてそっちを見た。
次の瞬間ガウルの牙がミンクの首筋を狙って動いた。

その、鳥の後ろから大きな槍が飛んできて、ガウルを射抜こうとした。
ガウルはその槍を避けて後ろへ跳んだ。


「馬鹿チビ!!!!!おまえは、一体どこまで馬鹿なんだよっっっ!!!!」



ミンクは前から現れた人の姿に驚いた。
「簡単に騙されやがって!!!!!」ミンクは、はっとした。後ろに跳んだガウルを見て
そして・・・前にいるその人物をまじまじと見た。

「てめえっ!!!!この、くそ魔法使いっっっ!!!!てめえだけは、ぜってえ俺が
殺す!!!!!!」

それは、まぎれもないガウルの声だった。








・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2010-10-30 23:59 | ファンタジー小説Ⅵ
・・・昔々、召喚師が大勢いた頃のお話。


ミンク・デリーシュア       ・・・20歳        召喚師

アーカディ・カッシ         ・・・19歳        魔法使い

ホワン・イーリイ          ・・・28歳        武術師範

ガウル               ・・・???        召喚獣 火炎妖魔 

カロン・デリーシュア      ・・・51歳         ミンクの父 召喚師

セト伯爵              ???        時間城の謎の人物

エル・シェラタイン        ・・・???      森のドライアドの妖精王




第  36 話   「 幻獣界へ 」



ミンクは怪物達の咆哮を聞いた。夜中に、疲れ切った脳髄の片隅に、夢と現実の
狭間で・・・

「きゃあああ!!!!!」ミンクは自分の声で目が覚めて、驚いた。
傍でホワンが寝ていた。ホワンはミンクの悲鳴で同じく目が覚めたが、薄目でミンク
を見ると、声をかけた。「・・・うなされたのか?」
ホワンは身体を少し動かすと、横たわった姿勢のまま腕を上からまわして、ミンクを
抱きしめた。そうして、その手で背中をとんとんと軽く叩いた。「大丈夫だよ・・・・
みんないるから、安心して寝るといい・・・」ホワンの方がもう、寝てしまっていた。

ミンクはどうしてここで寝ているのか、覚えていなかった。
妖精王が魔法陣を創れと言って、確かそれを何度も繰り返して・・・
ホワンの手が背中にあった。こんなに近くで一緒に寝ていたのも気がつかない程
意識も消えてしまっていたのか・・・・・

ホワンの頬に、手で触れてみた。








・・・怪物の、咆哮が聴こえてきた。

カロンが目を覚ますと、2人に声をかけた。「起きているか?!怪物どもが動きだした!」
2人は起き上がると、上着を着て立ち上がった。「いくぞ!ホワン、ミンク!!」
「はい!」

妖精族の村は騒がしくなっていた。「大変だ、とうとうばけものがやってくる!!!」
「こわいこわい!!」「木の精霊、水の精霊、空気の精霊達が怖がってる!」「隠れようよ」
「逃げようよ」「大丈夫、私達が追い払ってくるよ!」「ミンク~~ホワン~~!!あぶないよ」
「うん、みんな心配しないで、やっつけてくるから!」「だめだよ、隠れようミンク!」
妖精のこども達は服のそでをひっぱった。ホワンはみんなの頭をなでて、隠れておいで、と
ひとりひとりに言った。

外の庭に、風神がその姿を現した。「乗るのだ!ミンク!ホワン!これから幻獣界へ飛ぶ!」
「はい、お願いします!!!!」
「カロン、おぬしはここで大召喚師を待て!!よいな!!」「はっ!!」


風神はその巨大な背中に2人を乗せると、一気に2000メートルの上空へと飛翔した。
「召喚師全てにこのことは伝達された。幻獣界との結界がもうすぐ壊れる。ミンク、お前の役目
わかっておろうな?」「はい」

「神々も参戦する。その為には召喚師達の結束が不可欠だった。
ホワンの村へおまえが修行に行った意味、ホワンとの出会い、そして・・・
おまえが強くあらねばならなかったこと・・・

その、すべての理由が、もうすぐわかるだろう・・・・・・・」



上空の風は身体を突き刺すかと思う程冷たく激しかった。ホワンとミンクは身体を
寄せ合って、互いの体温を保とうとしていた。巨大な雲を避けた先に、朝日を煌かせ
るようなひび割れが、空に光った。「・・・・・行くぞ!!!」

風神はスピードを上げた。その嘴から白い息が瞬時に雲になって後方へ流れ去った。
眩い光を感じて目を上げると、そこはもう幻獣界だった。

グワアアアアアア!!!!!グロオオオオオオ!!!!!
怪物同士の激しい戦闘が、そのひび割れた空の下、地上でも空中でも起こっていた。

風神の姿はすぐにエキドナやアーカディの目に留まった。
「きたか!!よいな、アーカディ!神々はじきに皆集結するであろう。かたまらせぬよう
その、戦力を分断させよ!!!

くっくっくっ・・・風神、このエキドナを忘れはしまいな?!可愛い子らよ、風神の相手を
しておいで!!!」

その山々を取り巻く巨体をドシンと激しく動かすと、エキドナは高くその上半身を持ち
上げた。指し示した指は風神へと、数百の怪物を向かわせた。

「エキドナ、大地の女神だった頃のそなたを、よく覚えているぞ!!
相変わらず美しい。・・・だが、何故いつも破壊神に身を捧げる?
こんな子ども騙しが、私に通じるとおもうてか!!!!」

風神はその羽をおもいっきり開いて風という風をその怪物達へとぶつけた。

その風は爆風となって怪物を襲った。甲羅や鎧のように皮膚が硬い者でも
その風の重さと爆発したような力の前に、地上へ吹き飛ばされた。
唯一風に抵抗出来る、同じ風属性の者でさえ、威力の違いに防御するのがやっと
だった。

「風神、おぬしも相変わらずのようだな!!年寄りのくせに!!!」
「おまえにいわれとうないわ!!!エキドナ、大地のエネルギーでいつまでも永遠に若く
いられるとおもうなよ!!!!」そう、言い放つと風神は詠唱始めた。

「全てを引き剥がせ!!!!荒れ狂え、数千億の風の軍よ!!!!」

その言霊と共に、巨大な竜巻が四方八方から地上へと降りてきた。
「ははは!!!エキドナ!!!それが私の軍だ、おまえは巨大竜巻と遊んでいろ!!!」


ホワンとミンクは、風神のその幻獣界すべてを粉々にしそうな竜巻に、自分達とは次元の
違う、その力に脅威を感じて、風神がいれば大丈夫だと安堵した。
「・・・ホワン、それは安易な考えだな。あやつらは、そんなにやわではない」
確かに、竜巻は弱い怪物をなぎ払いながらエキドナへと集結し始めていたが、エキドナの
周りには将軍と思しき巨人族が、竜巻の進路を防いでいた。

「・・・・・・!!!巨人が・・・あんなに・・・!!!」「流石はすべての怪物どもの母よの!」

ホワンは決心したように言った。
「風神様、私は・・・アーカディと直接対決したいのです」
ミンクは息を呑んだ。「ホワン!!!」「よう、言った!!!!ふむ・・・・だがしかし、エキドナ
でさえあのように護られている。ホワンがひとりで大軍に太刀打ちできるとは思えぬ。
・・・そうじゃ、あの者どもがおったな」








・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2010-10-28 23:59 | ファンタジー小説Ⅵ
・・・昔々、召喚師が大勢いた頃のお話。


ミンク・デリーシュア       ・・・20歳        召喚師

アーカディ・カッシ         ・・・19歳        魔法使い

ホワン・イーリイ          ・・・28歳        武術師範

ガウル               ・・・???        召喚獣 火炎妖魔 

カロン・デリーシュア      ・・・51歳         ミンクの父 召喚師

セト伯爵              ???        時間城の謎の人物

エル・シェラタイン        ・・・???      森のドライアドの妖精王




第  35 話   「 召喚師の会議 」




・・・・・召喚師の村・・・・・・


カロンの伝令は大召喚師へと届き、村では会議が開かれることになった。
大召喚師が着席すると、その集会所はやっと静まった。村長が議長となり、カロンの
伝令の意味を皆に説明した。

「・・・数ヶ月前の、カロンから報告を受けた村の悲劇・・・それが、どうやら破法の・・・
掟が破られた為と、今回初めて連絡があった。カロンは妖精の村に行っているのだが
そこで事実を知ったらしい」
数人が立ち上がって質問をした。「では、最近の怪物騒ぎも、そのことと関係が?!」
「そのようだ」「村は全滅だったと聞いたが、どういう掟を破ったんだ?」
「・・・カロンが言うには、ホワン師範はその村の出身ながら、親が掟を破った、と・・・
ということは、ホワンは本来は召喚師になるべき者だったのだ」

ざわざわ・・・・

大召喚師が話を続けた。
「親の因果だね。でもね、継ぐべき者が誰なのかを親が決めてはいけないのが
召喚師なのね。どうしてそうなったかは、我々ももう知りえないからね、それより
カロンは破壊の魔法使いが現れたと言ってきててね。そっちの方が問題よ。
この前のあの魔法使い・・・神々も手を焼いていたから」

「まさか、我々も狙われると??」「我々の世界と、幻獣界らしいです」村長は
手で大きな円を2つ空中に描いてみせた。「まさかと思うが、もしかしたら・・・
幻獣達が我々に襲いかかってくるのかもしれない」「なんだって??」「馬鹿な!!」
「幻獣の王は我々と共に、互いの世界の平穏の為に共闘すると誓っていた筈だ!」

「魔法使いがもし・・・その王すら凌駕する力を持っていたら、わからない。
幻獣は元々こちらの世界の住人だったのだ。今まで黙っていたのは、王に逆らえな
かったからだろうが・・・あの魔法使いがそれをひっくり返したらどうなるかわからない」
「大召喚師様は、どう思われますか?そんなことがありうるのですか?そんなことに
なったら、この世界はめちゃめちゃになってしまいます!!」
女性の召喚師の、悲鳴に似た言葉に、皆が息を呑んだ。「あの怪物、1体でも大変
だったのだ、それを・・・」・・・ざわざわ・・・



「・・・ミンクがね・・・ノルンの後を継いだのね。

皆は知らないでしょうが、ノルンは時間魔法継承者だったから。
・・・もう、わかってもいい頃だと思うのだけど、いい?風神様・・・・」

ばさっと大きな羽を、大召喚師の背中で広げて、風神が現れた。そしてそのまま
大召喚師の肩にふわりととまると、大きな声で告げた。

「皆に告げる。
幻獣界とこの世界を隔てし結界魔法を、時間魔法と呼び、妖精族に伝承されたものを
また魔法陣と呼んだ。我々の干渉出来ぬ魔法である。
召喚師よ、おごるなかれ。今にその結界が崩れ去った時、幻獣同士、また魔法使いと
召喚師、また神々との大戦争が起こる。そなたらは妖精族と共に戦うのだ」

ざわざわ・・・・・・・
村長が代表して応えた。
「風神様、それが避けて通れない道であるのならば、我々は妖精族と共に・・・・・
我々が、ミンク達を護る・・・・世界中の召喚師に即刻、このことを伝えるのだ!
皆、備えよ!!そして妖精族の村にもすぐに飛ぶ!!!
大召喚師様、私も妖精の村へ行きますが、他にどの者を向かわせますか?」

「・・・私も行こうかな」「えっ?!・・・しかしそれは!!!」「ここよりは、私も役に
たつと思うからね。気にしなくていいよ」「そんなまさか、気にさせてください!!!
いいか、村へは精鋭部隊で行く!!!怪物との戦闘だ、自信の無い者は来るな、
いいなっ!!!!」「はい!!!」皆が慌てて集会所から出て行った。


「私は神々に伝える」風神はばさっと羽ばたくと、空中に消えた。

「神々も、大変なのよね・・・さて、明日には出発できる?」「は、はい!」
大召喚師はじっと彼方の山を見つめていた。「山は寒いよね?」「そうですね」
一人の少女が部屋に花瓶にいける花を持ってきた。
「・・・その花、咲いたのね・・・ありがとう。綺麗だねえ」



・・・・・・・・・妖精族の村・・・・・・・・・・・・・


妖精族の長老はミンクを連れてカロン達が待つ庭へと戻ってきた。
「ミンクはもう時間魔法を理解したからして・・・・もう大丈夫じゃな」

ミンクはふらふらしていた。「大丈夫か?顔色が悪いが??」ホワンはミンクを
支えようとさっと手を差し出した。「大丈夫じゃない・・・・ちょっと無理」
ミンクが倒れそうになったところをホワンが抱きとめた。「ミンク?!」
「ああ、まあその・・・魔法陣を連続で何度も創ったからね。精神力が続かなかった
かな?」「・・・そんなに消耗するものなのですか?」「時間魔法については知らないが
・・・連続で召喚出来るのは、余程精神力が突出した、魔法力が膨大な者だけだ」
カロンは感慨深げにミンクを見ながら言った。「・・・まさか、ミンクが・・・」
「ミンクに出来たのですか?」「出来たよ、見事だったよ。・・・そうそう、妖精王から
ミンクは大切なことを聞いてきた、ミンクはそれは言えない本当に大切なことだと言った。
・・・そういうことは時々あるからして」

「おお、雨が降ってきた・・・早く私の家へ」長老はふわりと走り出した。
ホワンはミンクを抱きかかえて雨の中走った。雨はそれから激しくなっていった。







・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2010-10-26 23:59 | ファンタジー小説Ⅵ
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ガウルとミンク

ガウル、人型バージョン
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by f-as-hearts | 2010-10-25 17:54 | 祈り
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ミンクのみた夢
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by f-as-hearts | 2010-10-25 00:26 | 祈り
・・・昔々、召喚師が大勢いた頃のお話。


ミンク・デリーシュア       ・・・20歳        召喚師

アーカディ・カッシ         ・・・19歳        魔法使い

ホワン・イーリイ          ・・・28歳        武術師範

ガウル               ・・・???        召喚獣 火炎妖魔 

カロン・デリーシュア      ・・・51歳         ミンクの父 召喚師

セト伯爵              ???        時間城の謎の人物

エル・シェラタイン        ・・・???      森のドライアドの妖精王




第  34 話   「 心の声 」


・・・・・妖精族の村・・・・・・・・


妖精のこども達がホワンに武術を習おうと、彼を広場へと連れ出していた。
静かになった庭で、カロンはホワンの母親のことを考えていた。
そしてあの怪物になってしまったアーカディ・・・魔法使い。

掟を破ると、どうなる?・・・・・・・・
それは皆が、召喚師になってすぐに大召喚師に訊く事でもあった。

「そうね・・・ま、皆は大丈夫でしょう。掟は契約、絶対条件だから・・・神々は召喚師
全てに紐を繋ぐのね。だから、なんでもお見通し。村にひとりでも召喚師としてある
まじき行為をしたり、逃げ出す者が現れたら、どれだけ神々を怒らせるか・・・
神々の力をお借りする我々は、召喚師としての生き方をまっとうしなければね」

・・・そう、繰り返し聞かされたが、その召喚師への罰がどんなものか、大召喚師も
知らないとのことだっだ。何故なら、その罰が下された村はもう存在しなかったから
である。
事実、起こった惨状を見たカロンは、ホワンの母がホワンを村から逃がした罪の重さを
思った。そして、カロンはあのアーカディが全てを破壊すると言ったことを聞いてはいな
かったが、幻獣界のことといい、怪物が次々現れることといい、まだこれからあの魔法
使いが何か仕掛けてくるだろうと思った。火の神の言葉も、ホワンの行く末を暗示して
いた・・・これは大召喚師様へ報告しなくては・・・

「風神よ、旅と伝達の神よ、我の声を大召喚師のもとへ届けたまえ!!
アーカディは破法によりて降り立った破壊の魔法使い、ホワンは掟を破った召喚師の
息子。この世界と幻獣界を巻き込んだ争いの種は撒かれた、と」

その声は透き通った風の小鳥となって飛んでいった。

ホワンは一心に妖精の子ども達にその武術の形を伝授していた。と、いっても、子ども
達にとっては新しい遊びのようであり、真似すればする程、まるで新しい形が生まれて
きて、ホワンもその内これは妖精達の方が、こういう自然の流れのような形をよく知って
いるのだと思わざるを得なかった。「どういうことなんだろう?君達には、自然の気の流れ
が見えるのかい?」妖精達はくすくす笑いながら皆で揃って火の形を作った。
「だって見えるもん」「これは熱」「これは空気」「動く動く」あはは!「よく見ればわかるよ」
胸を指して「ここにも火がある」「これが飛び移るんだ」あははは!

ああそうか!この子達は自然の中にいつもいるんだった。これはこの子達に教わろう。
「わかった!それじゃあ、火と水が組み合わさるとどうなる?」あははは!!「面白いね!」
ホワンは何かを掴みかけていた。


・・・・・その頃・・・・・・

ミンクは妖精王の激しい精神攻撃に耐えながら、魔法陣をそこに発現させる為、ふらふらに
なりながらも立っていた。
「どうした?ミンク!!おまえは妖精族を嘲笑う人間と同じ血が流れているから、弱いのか?
何の為に召喚師になったのだ?人間と同等になりたかったか?!おまえは自分がどっちなの
かわかっているのか!!!!」一言一言の重みが、王の全身から発せられる重力となって
ミンクの身体を押し潰そうとした。

妖精王エル・シェラタインはドライアドの木々の精霊を呼び出した。
それは木で出来た巨大な人形で土の中から何体も生えてくると、ミンクにその枝で攻撃し始め
た。ミンクは魔法を詠唱しようとしたが、その攻撃の前に、何度も詠唱は途切れ、魔法陣を創り
出せなくなった。ミンクはその直接攻撃に、おもわず武術の形でかわし、反撃していた。
「あっ・・・」妖精族の王がじっと見つめているのがわかった。

ミンクは呼吸を整えると、その今では数限りなく増えた木の人形に向かって、静かに構えた。
「私は、妖精、私は、人!召喚師であり妖精の魔法使い、そして武術見習い!
神よ、王よ、師よ!!!私に力を!けっしてくじけぬと心に誓った、火の幻獣ガウルよ!!
私を護りたまえ!!!!」

妖精族の長老はその時のミンクを、火の精霊が乗り移ったと後に語った。
ミンクのオーラは火のようにうねり、紅く光ると人形を焼き尽くす波動と共にその場から広がった。
ミンクはその波動に乗せて魔法を詠唱していた。

「発現せよ!!!炎のように!風のように拡がれ!!!聖なる妖精の魔法陣よ!!!!!」

エル・シェラタイン王はばっとその襲い来る波動に備えるように両の腕をクロスした。
その火の魔法陣は、まばゆく爆発する光球になり、結界を創った。王は、そのエネルギー波の
中に入ると、その他のものを排除しその中心にいるミンクに話しかけた。



「よくやった。ミンク、そなたの勝ちだ」



結界はエル・シェラタイン王が感嘆する程、完璧であった。
結界を出入り出来る妖精族は、その壁の強さを感じることもできるのだ。
ミンクの顔が輝いていた。「王・・・・・・・ありがとうございます!!私・・・妖精であり、
人間である自分を、どうしても許せなかったんです。今まで・・・」

王はその姿を縮めて、ミンクの父と同じ背格好にすると、笑いかけた。

「自分を、誇り、他人を、敬うのだ。妖精族なら出来る。人間ならわかる。
おまえにはこの2つの種族の、未来があるのだ。・・・それは、簡単なことではなかった筈だ。
何故我々が人間と結界を隔ててまで、共存しようとしたか。良いか、我々はおまえを、誇り
に思う。我々は共に在る。それを、忘れぬことだ」








・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2010-10-20 23:59 | ファンタジー小説Ⅵ
「またまた ある日のミンクとガウルの会話だったりして・・・」



「・・・ガウルって~~見た目すっごく怖いよね~~」
「なんだとお~~?!中身が、だろうがっ!!!!!」「え~~~~??中身い??」
「ちょっと待てっっ?!なんだあ???その、中身い~~~??っていうのはよっ!!!」
「だって中身なんて、怖くないもん」「てっっ!!!てめえええ!!!!!馬鹿チビっっ!!
俺をなんだと思ってやがるんだ!!!!!てめえの飼い犬だとでもおもってやがるのか?!」
「・・・・・・・え・・・・・・そうかも」「馬鹿チビ!!!!!いや!!くそばかだなっ!!!いいか!!
俺は幻獣界で王に実力を認められてるんだっっ!!!てめえに、いわれたかねえ!!!!
どんだけ馬鹿なんだあああ???てめえはよっ!!!!」

「・・・・・・ムキになってる~~~」「あああああ?????お、おまえっ!!しにてえのか?!」
「馬鹿じゃないから、死にたくないよ~~だ!!」「当たり前のこといってんじゃねえ!!!
けっ!!!・・・・馬鹿チビのお守りなんかしてられるかっ!!!じゃあな!!!!」










「・・・・・ガウルって・・・・




・・・・・・・・・・・・・・やっぱ、可愛いかも・・・・」









「このやろーーーー?!やっぱり殺す!!!!てめえにだけは言われたかねえ!!!」
「・・・・なんでもどってくるのよ~~~~~!!!」
「うるせえ!!!!勝手に言ってんじゃねえ!!!」
「・・・・・・・・・・変なの~~~!!!」
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by f-as-hearts | 2010-10-17 02:12 | ファンタジー小説Ⅵ
・・・昔々、召喚師が大勢いた頃のお話。


ミンク・デリーシュア       ・・・20歳        召喚師

アーカディ・カッシ         ・・・19歳        魔法使い

ホワン・イーリイ          ・・・28歳        武術師範

ガウル               ・・・???        召喚獣 火炎妖魔 

カロン・デリーシュア      ・・・51歳         ミンクの父 召喚師

セト伯爵              ???        時間城の謎の人物



第  33 話   「 集結 」




・・・・・・・・・幻獣界・・・・・・・・・・・


黒い谷と紅い山脈が連なる幻想的な風景が広がっていた。そこは幻獣界では神聖
な、エキドナの住処としてこの世界では知らぬものとて無い、弱い者は近づく事すら
出来ない場所であった。そこに今、エキドナはアーカディを招き入れていた。

アーカディは人の姿のままでエキドナ率いる怪物軍団を操ろうとしていた。
その額にはエキドナから譲り受けた朱色の鱗をぐるりと付け、深い紅色のマントに
身を包んでいた。
その威容は軍神のようでもあり、地獄の不死の将軍のようでもあった為、冥界神
ハデスの生まれ変わりではないかとスフィンクスは言った。
「アーカディ殿はハデス神になられるのではないですか?」
「・・・いいや。冥界の神の座は永遠に揺るがない。私は死を司りたいとは思わぬ。
むしろ、地上を我々の楽園にしたいのだ。私は時間城の主として君臨する。
我々を異形の忌み嫌われる生き物として地上より追放した神々と、妖精族を、
この手で根絶やしにしてからな。スフィンクス、君になら理解出来るな?」
「はい、それはもう・・・我々は狭い世界に閉じ込められておりましたから・・・
神の、またその僕どもの小賢しい術によって!それが、いよいよ解かれる時が
近づいておりまする。ご覧くださいませ、あの今にも千切れそうな空の色を!」
確かに空はまるでひび割れんばかりに光が屈折し、その薄い膜から夜空の星が
流れ出しそうに見えた。それを見る度にアーカディは力が増すように感じるのだった。


「・・・エキドナ、今そなたの元にいる兵力はどれほどか?」エキドナは物憂げに顔を
あげると、あくびをしてから答えた。「・・・ざっと1万・・・わらわが産んだ子は99体だが
その者どもがすでに部下や兵隊を創っておる・・・不服か?」
その、古代神話の最古の怪物や英雄の母は山の周りをぐるりと取り巻いている大蛇の
身体を、一度振るわせるように動かすと艶やかな髪の毛を手で掻き揚げた。
「上々だ。エキドナ、将軍とその99の部隊はもう集まっているか?」
エキドナはぞっとするような笑みを浮かべて応えた。
「もう、そなたの後ろに控えておる・・・アーカディ、そなたが我らを真に解放するのなら
永遠にそなたは我らの主じゃ。このエキドナ、神との戦で後れを取ったことなど一度とし
て無い。・・・いずれわかるであろうがな・・・」それだけ言うと、エキドナは再び眠りにつ
いた。

アーカディはエキドナの言葉に頷くと、スフィンクスをぐいっと引き寄せた。
「・・・おまえは、私の勝利を確信しているか?」「はい、アーカディ様・・・」
「裏切りは、許さない・・・」「は・・・・・い・・・・」「オマエハ シタガウシカナイノダ」
アーカディはすでに幻獣と人の境界を力ずくで踏み越えていた。力が全ての世界・・・・
スフィンクスは今までに無く自分がアーカディに心酔しているのを感じていた。



その頃・・・・・・・・・

ガウルは幻獣界を駆け巡っていた・・・・火の鳥のその言葉を胸に。
「何があっても、俺は幻獣界を護る!それが俺の役割なら!!」
ガウルの元にもまた幻獣達が集まり始めていた。

「おい!!おまえばかりが王のお気に入りだと思うなよ!!!いい加減その番犬面に
も嫌気がさしてきたぜ!!!」火の眷属のサラマンダーが、その鎧の様な鱗から炎を
噴出して吼えた。「・・・番犬、言いえて妙だ。それはなかなかいい」角を振りかざして水の
ように青白いユニコーンが首を振った。「我々なら、さしずめ王の護衛軍というところか」

「けっ!!!言ってろ!!!!おまえらみたいな大所帯じゃあ、機動力はねえ!!!
俺は俺しか出来ないことをやるっ!!!さっさと仲間を集めやがれ!!!!」
ガウルが遠吼えで号令をかけた。
「風の!!!翼の軍はいるか?!」

「ああ、よーく聴こえている。なかなかいい眺めだ。これだけの軍隊はいままで見た事が
ない。ガウル」そう応えたのは、妖魔ハーピーの軍だった。「私達ならいつでもいける」

ぞくぞくとその数は集まっていた。「まだだ。まだ足りねえ!!!!いいな!!!」
ガウルはとある一族のことを考えていた。「動くか、あいつらは?!」

すべてが動き出そうとしていた。








・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・
(この お話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2010-10-14 23:59 | ファンタジー小説Ⅵ
・・・昔々、召喚師が大勢いた頃のお話。


ミンク・デリーシュア       ・・・20歳        召喚師

アーカディ・カッシ         ・・・19歳        魔法使い

ホワン・イーリイ          ・・・28歳        武術師範

ガウル               ・・・???        召喚獣 火炎妖魔 

カロン・デリーシュア      ・・・51歳         ミンクの父 召喚師

セト伯爵              ???        時間城の謎の人物



第  32 話   「 妖精王 」



妖精族の長老は、庭で朝食後、3人に話し始めた。
「・・・一晩考えたのだが・・・ミンクは時間魔法をよくは知らないのではなかろうか?
ならば、我々の村にいても時間魔法を修行するのは難しい。この私なら、その場所
まで連れては行けるが・・・何分歳だからな。なんとなれば、あとはミンク、カロン殿
ホワン殿のことだがのう・・・」

髭を触りつつ、長老は考えていた。
「・・・そこは、妖精以外は立ち入ることが出来ぬのだ。すこうし、お待ちいただこうか」
「はい、私達は構いません」カロンはホワンに同意を得てから、そう答えた。
「なに、この妖精の村でゆるりとされよ。・・・皆はよい客人と歓迎しておるからして。
それじゃ、ミンク・・・ほいほい、ついておいで」
妖精のこどもがついて行きたそうに見ていた。だがすぐにカロンとホワンを遊び相手に
しようとじゃれつき始めたのを見て、今度はミンクが戻りそうになった。
「おいおい、遊んでいる場合かね?おいてくぞ」「!!・・・・・・は~い・・・・・」


長老は不思議な森への道をてくてくと歩き出した。どこが年寄りだと言いたくなりそうな
くらい、明るい声でミンクを呼ぶので、その度に「なにおじいちゃん?」と返事をしていた。
「・・・これこれ、おじいちゃんはやめとくれ。私はこれでもまだ120歳じゃからして」
「・・・!!超おじいちゃんじゃないっ!!!」「おやおや、おまえ何も知らないのだね。
妖精族は200歳でもぴんしゃんしてるのだよ、私など、ひよっこだよ」「うそっ?!」
「ほっほっほっ!!なんだ、本当に何も知らないと?これは面白いのう!!ほっほっほ」
「え~~~~?!じゃ、ミンクも?・・・ミンク、200歳のおばあちゃんになっても生きてる
なんてヤダ!!!」「ほっほっ・・・おお、そろそろ現れるぞ・・・」

森の木々がざわざわと騒ぎ出した。「森のドライアド達の王・・・エル・シェラタイン!!」

妖精の王はミンクの知っている神々とはまったく違う姿だった。
巨人族かと思う程大きく、その顔は若者のようににこやかで、それでいて威厳もあった。
まるで狩人のような巨大な弓を持ち、腰には大きな短剣を差していた。
エル・シェラタインはかがむと2人の前にその大きな手のひらを差し出した。
「ここに来なさい。我が一族の者よ」2人は言われた通りにした。2人をその手の中に包み
王は静かに歩き出した。そこから見る景色はさっきまでとは異なった。王は巨人だった筈
なのに、その王を見下ろすような木々が鬱蒼と周りを囲んでいた。
「王が連れて行ってくれる、ほれ、そこがー」長老が指差した場所は荘厳な森だった。
「白羊宮に輝く真珠色の城がある森だ」

「長老、ずいぶんかわいい連れだな?新しい恋人か?」
「ごほごほっ!!王よ、この者は私の孫でございますよ。ほっほっほっ」
「・・・・・・ミンク・デリーシュアです・・・」ミンクはちょっと口をへの字にしていた。
「そうなのか。それで、また私にこの者を預けに来たのだな?」「その通りでございます」

エル・シェラタインはミンクをまじまじと見つめていた。
「・・・召喚師か・・・また、変わった娘を連れてきたものだ。
神の眼が見つめている・・・それでは早速、ミンクにはここで自分の周りに魔法陣を
創る事を命じる。長老よ、一切の口出し無用だ、よいか?」「はい」

ミンクは一気に心臓が冷たくなるのを感じた。
さっきまでの穏やかな王とは別人の、ミンクに試練を与えた召喚師の神々と同じか、それ
以上の威圧感を覚えて、震えた。「どうした?出来ぬのか?」「いいえ」

「ミンク、おまえは妖精族の魔法を得たのだろう?妖精族の血は人と交わったとて
薄まることなどありはしない。召喚師であろうとも妖精族の歴史には遠く及ばない。
おまえが誤った考えを持つ内は、真の力は開放されない。私は神ではない。
だが、ミンク、妖精族であるからにはそのエネルギーは人のそれとは比べものにならぬ。
母、ノルンを思い出すのだ」

ミンクの脳裏にノルンの白いオーラが浮かび上がった。

「・・・よいか・・・私が何故王であるか、教えておこう。
私は妖精族の歴史を語り継ぎ、そしてその原始からのエネルギーを呼び起こせる者
だから、王と呼ばれるのだ。

ミンク・デリーシュア、最初に人々をかの地へ導いたのは我々だ。我々の技術が人々を
育んだのだ。そのプライドはのちに邪魔になった。
・・・だが我々は幸いにも人と争うことの愚を悟った。それゆえ、時間城の伯爵は我々に
魔法を伝授した。我々は人と境界を持ち同一世界に住み続けることを選び取った。
・・・それが、我々と人間の共存出来る唯一の方法だったのだ」

ミンクはまだ震えていた。
「魔法陣で・・・幻獣界に結界を張ったのは、どうしてなんですか?」

一段と冷たい見えない手が首筋を掴んだように感じた。
「人間が・・・幻獣達に襲われ始めたからだ。その時、召喚師の神々は我々に力を
貸すように求めた。時間城の伯爵は、そのことに腹を立て、条件をだしたのだ。
聖なる結界、魔法陣を唱えられる者を、護ること。
・・・もう一つの条件は、ミンク、おまえが完全な魔法陣を唱えられた時に教えよう」

ミンクはそれを聞いて、やっと心が落ち着いた。

・・・おかあさん、ガウル、私 本当のことが知りたい。だから頑張るね・・・






・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2010-10-11 23:59 | ファンタジー小説Ⅵ