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紡ぐ夢 綴る夢

fashearts.exblog.jp

タロット占い師ASのブログです。

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・・・南西の風 風力 3・・・


普段特に気になることもない天気予報の文字が、ふと頭に残っていた。
仕事で上司にガンガン文句を言われている最中は、時にこんな調子で訳のわからない言葉が
大挙して並び始める。

・・・wwwうぜええええ~~~~(いや、笑ってるのか、うざいのかどっちだwww)
・・・これはよくあるパターンだな。これがもっと大勢で、MAXで、ぎゃあああああ~~~とか・・・・

「おい!!わかってんのか?!」「はい、すみませんでした。これからは気をつけます」


絞り込まれた訂正箇所をやっつけると、やっと退社時間になった。
メールが速攻で入る。

・・・やられてたなwww大丈夫か?・・・
・・・わかってんなら、いうな!!・・・


胃がきりきり痛む。昼飯抜いたからだ・・・・・俺は一体何をしているんだろうと時々思う。
若い奴らのいる前であの馬鹿上司は、言いたい放題だ・・・もっと若けりゃ、こんな会社
とっくに辞めてるんだが・・・・・

「ここよ、ここ!!」彼女が混み合うスタバの席を確保しながら、手を振ってきた。
「この時間は席がないのよね~~~!!」「・・・・・・今日は疲れたんだ・・・」
俺は精一杯彼女に(・・・今日は帰りたいんだが)という思いを込めて言った・・・つもりだった。
「そうなの?私もね~~~!!!今日は酷いことがあってね~~~~!!!」

(やべっ・・・・・・!!このパターンは!!)「そうか、じゃあ今日は疲れたんだろ?帰ろうか」
「ええ~~~~?!やっと時間がとれたのに~~~~!!!いや、帰らない!!!」
「・・・声がでかいって!周りが・・・」「じゃあ、大丈夫よね?!」「・・・・・・・・ああ」

・・・南西の風 風力 5・・・(あれ?風つよくなっちまったなwww・・・仕方ない・・・)

彼女は延々と今日会社で起こった大変な話をしている。もう、こうなったら黙るしかない。
だが、その話に今日の自分のような話が入っていた。

「・・・・頭の中で、うぜえ~~~~wwwとか、流れなかった?」「うんうん!!!!流れた!!
なんでわかるの?」「やっぱな・・・・多分シンクロしてたんだよ、俺と」「まっさか~~~~!!
あはははは!!!」「・・・・いや、マジで」「ええ?あなたもそうだったの・・・・」

彼女がちょっとうるうるしていた。「私、もう会社辞めたい・・・・・」「そうだな~~~!!」

「・・・でもね・・・言ったっけ?家のお父さん、定年退職でね、この間私が、会社辞めたいって
言ったのね。・・・・そしたら、そうだなって言うのよ」「反対しないんだ?」
「私も、反対するかなって思ったんだけど・・・お父さん、会社やめたら気が抜けたんだと思う。
なんだか、そんなお父さんみてたら、心配かけられなくなっちゃって」
「・・・まあ、俺も、そんなところだな。辞めたらきっとおまえがうるさいし」「うわっひど~~~!!」

なんだか、笑えた。よくはわからないが、こいつはいい奴なんだろうな、なんて・・・
「・・・・おまえの為に頑張れればいいか」

つぶやいた言葉は、彼女に届いたのか届かなかったのか・・・・
繋いだ手は柔らかかった。







・・・・・・・・・・・・・・END・・・・・・・・・・・・・・

(この お話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2010-05-30 23:36 | 短編小説

・・・・・・・さて 珈琲ブレイク・・・・・


よろしければ・・・・・・・

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by f-as-hearts | 2010-05-30 00:00 | 徒然
・・・この地球とは時も場所も次元すら異なる惑星の物語・・・



スーラ・ダ・カシム       146歳     主人公 術士 

シャーシャンデ・ラオ     166歳     戦鬼 

エルギーヨ・ガラド       155歳    軍師

二ーナ・パニーニ        145歳    スーラの恋人

マリシテオラ・ダイオン    167歳    惑星カハク皇帝


惑星トーラスサイド

ラーミス将軍          ???    トーラス艦隊将軍

ラドウェル最高司令官     ???   トーラス軍最高司令官




第  3  話    「 惑星トーラスの戦艦 」



「ガーグ軍曹!!敵の信号を確認しました!あれは惑星トーラスの船団です!」
その宇宙域でいきなり多次元時空ワープ航法で現れた無数の船団・・・・明らかにこのアリオン惑星同盟の船とは異なる形状の船に、最初に対峙したのは勇猛で名をはせるガーグ軍曹の率いる艦隊だった。

「船団の総数・・・1万!!!!交信は全て拒否されました!」
「トーラス何を目論んでいる?!いいか、通信士、すぐに惑星アリオンにこの船団の映像と状況を伝えろ!これは他惑星への侵略と思われる巨大艦隊だ。今すぐ我々はこの船団の後を追う」「軍曹!アリオンから返信です、現在惑星トーラスへこの艦隊の行方を確認するとーーー」突然、映像が揺れ、軍曹の艦隊の護衛船の一機にミサイルが被弾、爆発が起こった。

「!!攻撃を仕掛けてきた!!!全艦、敵の攻撃に備えろ、磁場シールドON!こちらも敵の目的を知る為に戦う。ドイル!敵の戦力をすぐに画面に映してくれ、戦隊長、いけるか?」「はい!」「よし、敵の通信を傍受する為に懐へ飛び込む!艦隊、2つに分かれ敵を誘い敵母艦へ。いいか、分かれて逃げると見せかけて誘導する」「了解であります!」

ガーグ軍曹は敵の戦力をその画面に見て、唸った。「な、なに?!これは・・・惑星アリオンと戦争を始めるつもりか?!」そこにあるのは、その1万ある艦隊の、ほとんど全てが武装艦だという恐ろしいデータの列だった。「アリオンへ緊急回線!!これは、この敵戦艦は、惑星アリオンとの戦争を想定している!!!提督へーーーー」


その通信を最後に、ガーグ軍曹達の艦隊は全て殲滅した。惑星アリオン軍最高幹部であるホルン提督は事態を受けて全同盟惑星へ非常事態宣言を通達、それが150時間前のことであった。



トーラス艦隊のラーミス将軍は部下からの報告を受けていた。
「将軍閣下、敵戦艦は惑星アリオンと交信、アリオンは非常事態としてこれより厳戒態勢をしくようです」
「そうか。こちらの交信は傍受されなかったな?」「はい、通信機器は一切遮断しておりました」
「・・・・噂の通りかなりの手だれだったが、こちらはトーラスの全戦力をもってここにいるのだ。
所詮、恐竜に小船がかなうものか・・・今後しばらくは私も休めなくなる。・・・今のうちに
身体を洗っておくとしよう」「はい、すぐにご用意を」

ラーミス将軍は伸縮自在のそのスーツを脱ぐと、ミストルームに入った。その霧のシャワーは身体の汚れを落とすのと同時に自然の中にのみ存在する細胞活性成分で、短時間でリフレッシュ出来る様に調整されていた。

コンコン・・・・ドアをノックする音にラーミスは返事をした。「誰だ?」「ラドウェルだ」「・・・・どうぞ・・・・」
そこにはトーラス軍最高指令官が立っていた。「相変わらず、美しい」「緊急なら早く用件をいえ!」
「・・・怖い女だ。それも相変わらず、か。そのナイフをしまいたまえ。君は上官に対する礼儀をわきまえ
ていると思っていたが」「この姿の私にそれを期待するのか。非常時の非常識は許されるとでも?」
「冷静な君は好きだが。トーラス皇帝が御呼びだ。これでも私は君を心配しているんだ。急ぎたまえ」

ラドウェル最高司令官とラーミス将軍は揃って皇帝が待っている映像室で皇帝に謁見した。
「ラーミス将軍。今回の戦闘、私は数回繰り返して観たが、何故あのように初動までに時間をかけた?」
将軍は一瞬にして皇帝が何を言わんとしているか察知した。「はっ・・・・皇帝、わたくしはガーグ軍曹と
いう敵将を知っておりました。敵の次の行動を探っておりました」皇帝は、深い溜息をついた。

「それがラーミス将軍、そなたの弱点だと未だわからぬか?!」「!はっ・・・それは」「おそれながら・・・・」
ラドウェルが話に割って入った。「その時間があったので、我々も敵の交信を傍受出来、敵の次なる
行動を読むことが出来ました。これはラーミス将軍の手柄かと存じます」皇帝は、冷たい眼を2人に
向けた。

「ラドウェル最高指令・・・ラーミス将軍は今後全艦隊の指令部から外す。将軍、あなたは前線で戦う
がよかろう。ラドウェル・・・がっかりさせないように」映像はブツッと切られた。冷たいものが背中を流れ
ラドウェルはラーミスを見た。「・・・・・何故私を かばった・・・」「冷静な君は好きだが、もっと好きなのは
やせ我慢をしている君なんでね」「・・・・・趣味が悪いのは変わらないな。早死にするタイプだ」

立ち上がった2人はそれ以上、何も言わずその部屋を出た。





・・・・・惑星カハク・・・・・・

スーラ達術士は、惑星カハクを覆うくもの巣のようなネットワークで、危害や犯罪を起こそうとする異分子のあぶり出しに必死で取り組んでいた。5万隻もの宇宙船が中空に浮かぶその景観は、惑星の人間のみならずその他惑星の人々をも驚嘆させていた。術士が発見した危険はすぐに軍へと通達され、今この眠らない街を護っていた。スーラは皇帝の城、その中でも政治の中枢のシルバータワーと言われる場所の最上階にいた。
術士達は皆、何かを感じ取っていた。その時々、ビリッと走る電磁波のような危険信号が、宇宙の彼方から来るものだと皆は知っていた。


エルギーヨ軍師は皇帝のこの要請に応えるべく戦況を分析始めた。

「不可能な状況は・・・実際に惑星トーラスの武装船団が、多次元時空ワープ航法で大挙して惑星カハクへ急接近した場合だが、すでに、ガーグ軍曹の艦隊がトーラスの船団と遭遇している。それも150時間前。これはその宇宙域に多次元時空ワープで来たと推察出来る。そうでなければ、その宇宙域までどの惑星にも発見されなかったという事の説明がつかない訳だ。多次元時空ワープはその膨大なエネルギーの消費と損失で、船団全てをもってそのエネルギーを創り出したとしても、1度しかワープ出来ない。つまり、ここからは普通の航法で来る。我々がその宇宙域でトーラスの船団を止める作戦を立てればよい。そうすれば、惑星カハクが戦場になる可能性は、少なくなる。

・・・・しかし私は軍師として別の・・・最悪のシナリオもあると考えた。考えうる最悪のシナリオとは・・・トーラスの船団が、我々を超える科学力を持って向かってきた場合だ。多次元時空ワープをもう一度出来るだけの膨大なエネルギーを用意してきた場合か、または船団の数が想定の10倍以上になれば、もう一回のワープが可能だろう。・・・そして私はガーグ軍曹の艦隊が一瞬で撃破されたことから、後者の状況と推定する。つまり、船団の数は1万・・・我々は一刻も早くアリオン惑星同盟の力を借りなければならない」





・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(この お話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2010-05-29 23:59 | SF小説
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花咲く 場所に 

夢を 馳せる 
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by f-as-hearts | 2010-05-25 01:38 | 祈り
・・・この地球とは時も場所も次元すら異なる惑星の物語・・・



スーラ・ダ・カシム       146歳     主人公 術士 

シャーシャンデ・ラオ     166歳     戦鬼 

エルギーヨ・ガラド       155歳    軍師

二ーナ・パニーニ        145歳    スーラの恋人

マリシテオラ・ダイオン    167歳    惑星カハク皇帝






第  2  話    「 紀元節祭 1 」


この惑星に移住する前年に206歳で先代の皇帝はマリシテオラにその玉座を譲ると宣言し、自身は母星にてその天寿を全うすると告げると惑星に残ったのだった。それは先代の皇帝の遺言であり、その惑星が滅びる時に共に・・・という先代の信念とも言うべき美学であった。その先代皇帝と共に惑星に残った者は、惑星の殉教者としてカハク惑星年代記にその名を記されていた。紀元節100年を迎え、その大きな節目は殉教者達がその年この惑星の守護神になるという祝賀の意味もあった。



マリシテオラ・ダイオン皇帝・・・彼は年齢とその体格、引き締まってはいるが細いその身体から信じられない程のエネルギーを発散する人物として、術士達の間では奇跡の潜在的パワーを持つ1000年に1人の皇帝と呼ばれていた。また皇帝には3人の妻があり、それぞれが皇帝の宮殿から等間隔に離れた別の塔に住んでいた。その妻達はそれぞれが権力を持つ大財閥の娘達であったが、ダイオン皇帝はそれぞれととても平等に暮らすことが出来、妻達にも何の不満も無かった。その妻達はこの紀元節でどんなドレスを着るかとか、お互いに牽制し合いながら、そんな井戸端会議を夜通ししていることも多くなり、ダイオン皇帝はこれはこれで良い結果なのだろうと側近の大臣に話をしていた。

「・・・ちょっと前まで、互いの悪口しか言わない関係だったのだが、最近はどこそこの惑星の皇帝夫人の毛皮の趣味が悪いだの、太りたくないから痩せ方教えてだのと、夜中じゅう話し合っている。・・・あんなので仲良くなれるのなら、外交は女性だけでやるべきだな」大臣は笑いながら話した。「皇帝、女性は好きなことをおしゃべりしているのが一番幸せなのですよ。邪魔だけはしない方がよろしいかと存じます」「・・・お陰で時間が出来たが。・・・・大臣、あの話は軍師から聞いていないかね?」「ええ、お時間が出来た事をお伝えしてありますので、じきにこちらに参るのではないかと」「そうか。出来れば明日の夜が良いと伝えてくれないか?」


次の日・・・・

エルギーヨ・ガラド軍師は大臣からの通信で、急いで今までのデータをまとめ宮殿に駆け込んだ。
「・・・紀元節祝賀の儀はあと4日後、皇帝は本当に心配しておられます」2人で皇帝の執務室へと急ぎながら
真剣な眼差しで頷いた。「・・・守護の者から、ここにはスパイはいないと言われておりますので、ご安心を」大臣の言葉にやっと軍師は答えた。「それはなによりだ」

皇帝の執務室に2人が入ると、先に着ていた将軍が挨拶をした。
「お久しぶりです、エルギーヨ軍師。オルリーです。軍師殿、あなたとお会いすることは光栄ですが・・・戦略会議が迫っておりますので、いきなり本題に入らせて頂きたい」「かまわん。こちらも急いでいる」

皇帝とその従者1名、オルリー将軍、エルギーヨ軍師がテーブルへつくと、大臣が早速空中に浮かぶ立体画像を投影しながら説明を始めた。

「昨日ですが・・・カハク惑星時より150時間前、アリオン惑星連盟所属のガーグ軍曹率いる武装船団が、銀河外宇宙を航行して来た船団と交戦状態になり、壊滅させられたという報告が入りました。それは以前から懸案事項として残されていた、アリオンに所属しない惑星群・・・トーラスの軍ではないかと噂されております。
今回ここまで紀元節で、アリオンの中枢部の惑星の要人や皇帝達が一堂に会したことで、トーラス連合側は自分達の権利を取り戻そうと、この時期を待って戦争を仕掛けたのかと・・・」

オルリー将軍が呻いた。「惑星連合トーラスの権利??100年前の決定に未だ不満を持ち続けていると?」

皇帝は静かに話し始めた。
「我々の住むこの惑星カハクは、1億年前にトーラスの科学者が発見し、命名し、そしてその時に彼らの先祖は、このカハクを自分達の領有とする為に、少数民族が移り住んだ・・・それは、事実だ。

・・・しかし、彼らはこの惑星の環境には適合出来なかったと歴史に記されている。また我々の先祖が生まれた母惑星も、彼らが住むのに適さなかった。・・・それは、何度もアリオン惑星連盟とトーラス側で話し合われたが、だからといって彼らは領有権を手放さないと譲らなかった。我々がこの銀河系内で、彼らがぶつかっている銀河の外れであっても・・・発見者であり先に住んだ先住の権利だと主張はどこまでも平行線だった。あの、大英断が下るまでは」

皆がお互いの目を見合った。「・・・彼らが何故100年間動かなかったか・・・それは彼らが100年前の予言を怖れたからだ。カハクへの移住が済みそこに人々が定住しなければ、かなめの星が崩壊を始める。かなめの星が崩壊すれば、この衝突している2つの銀河は、お互いを破壊しつくすだろう」

軍師はここでやっと話を引き継いだ。
「予言は間違っていなかった。かなめの星を救う事が出来たのはカハクに住んだ我々の科学力だったのだから。あとは、我々がどうトーラス同盟をくじくか、ですね。戦争の火種はもう上がったとみてよいでしょう」

皇帝は軍師を止めた。「戦略的には確かに我々の科学力や軍事力が勝るが、この惑星を戦場には出来ない。だからトーラスはこの紀元節を選んだのだろうが。どうにかして、水際で止めねばならぬ」
それは!・・・・と皆が一斉に皇帝を見た。

「・・・・・・・そうだ。不可能を、可能にしてくれと言っているんだ」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(この お話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2010-05-23 23:59 | SF小説
・・・この地球とは時も場所も次元すら異なる惑星の物語・・・



スーラ・ダ・カシム       146歳     主人公 術士 

シャーシャンデ・ラオ     166歳     戦鬼 

エルギーヨ・ガラド       155歳    軍師

二ーナ・パニーニ        145歳    スーラの恋人

マリシテオラ・ダイオン    167歳    惑星カハク皇帝






第  1  話    「 その惑星の名は カハク 」


その母惑星は多重層銀河団(銀河同士が衝突している)の中心近くにあって、高度な科学力と文化を誇っていた。その惑星はすでに誕生から100億年の時を過ぎ老齢期と呼ばれる最後の時期にさしかかっていて、その惑星の双子で子惑星と呼ばれる惑星へ全ての生物が移住しようという計画が持ち上がった。その惑星の名はカハク。

このカハクは、この銀河団の惑星連盟アリオンで共有か領有かを巡って数世紀に渡る戦争もあった。その惨状を憂い、アリオン最高顧問大総帥は予言者の力を借りその母星の未来を知ると、大英断を下した。惑星カハクはこうして惑星連盟アリオンに所属しながら独立し、新たな星の歴史を歩み始めたのであった。


・・・それから100年が過ぎ、カハク紀元節100年祭が行なわれる為に、惑星連盟アリオンの顧問団や、諸惑星の皇帝や大僧正、近隣惑星の代表が次々と表敬訪問、また外交の為に訪れていた。その宇宙船団の数はゆうに5万隻を越え、惑星カハクの紀元節としてはこれ以上は無い壮大な規模となった。


マリシテオラ皇帝の宮殿は、その警護官と警備設備の質の高さで、惑星連盟でも1,2を争う安全な場所として各惑星の要人達の集う処となっていた。

「スーラ、君達の守護の方はどうなっているか報告してくれ」そう言ったのは、細長いあごひげの目つきの鋭い男、この惑星の軍隊の軍師、エルギーヨだった。
エルギーヨ軍師はどんどん増えてゆく宇宙船の登録とそのデータに改ざんが無いか、調べている部署を見回りながら、その若い術士に尋ねてきた。「・・・データが追いつかないんだ。密入国者や犯罪者が増えて現実問題手が足りなくてね」スーラは術士独特の白いロングコートを着ながら応えた。

「・・・今もまた仲間の1人がそのルートを潰す為に動いています。その惑星は花嫁候補を沢山その宇宙船に乗せて、スパイもまたそこにいるようです。名目上は舞台上演のダンサーの集団です。特に大きな犯罪に関わる問題ではないようですが、その一団は式典でそのダンスを披露するということで、暗殺部隊は別です」スーラは目を閉じたまま、独り言をいうような口調だった。「・・・まだその部隊は姿を現しません」

「スーラ、術士達に伝えてくれ。我々は君達の仕事を信頼している。少しでもそういう団体が活動を始めたら、連絡をしてくれないかと」「わかりました。・・・・・はい、皆の意識は了解したようです」スーラは目を開けると、エルギーヨ軍師に微笑んだ。「我々も、軍師の的確なご指示が頼りです」

エルギーヨ軍師は、スーラがいつでも何の通信機器も使わずに話をするのに、やっと慣れてきたところだったが、その他の術士とは一切面識が無いので、いつか軍師はそのメンバーを一堂に会した所で話がしたいと思っていた。スーラの見た目が、本当にそこら辺にいる若者と違わないせいで、特別に術士だといっても緊張しないですんでいた。「・・・・見たら驚かれる人も居りますので、軍師殿は会わない方がよいでしょう」
軍師は驚いて、言った。「・・・何故そう思う?」「術士はあまり人との交流を好みませんし、人の姿の者ばかりではないのです。軍師の声は大きいので、よく聞こえます」

スーラの持っている通信機が鳴り始めた。「すみません、ちょっと席を外します」そう言いながら、スーラはそのホールから出るとすぐに応えた。「スーラ、ニーナよ、今日は会える?」「・・・・ニーナ、まだ仕事中なんだ。君には説明しづらいけど、今夜は会えないよ」「えええ???そんな~~~~!!もう3日も会えないなんて、今までなかったじゃない!!」「だから、説明できないんだけどな」「浮気でしょ!!!」「そういうことは全く無いよ」「術士なんだから、私の気持ちもわかるんでしょ!!!」「・・・・・・・・・でも仕事に口出しはしないでくれって!!頼むから」「もうっ!!!」通信が切れると、スーラは溜息をついた。「こんな時は、彼女も術士だったらよかったのにと思う・・・」

・・・・・・(ははは、スーラでも、そうなんだ?)・・・まあね。オルガの彼女はどう?元気?・・・(相変わらず。マズイ、これ以上言わさないでくれ!じゃあな。)彼は沈黙したようだ。そうだ、オルガの彼女は彼より術が凄いからな・・・それも大変。



惑星カハクに向かう一艘の宇宙船にいる男は、腕組みをしながらカハクの皇帝やその周りの人物のデータを読み込んでいた。

・・・術士・・・特殊能力者。この惑星系では少数民族で多種混合した民族にのみ現れる特殊な才能を持つ集団。他惑星では魔法使い、または超能力者とも言われる。この星の術士の能力その他についてのデータは無い。最高機密。
他惑星では念動力、予知、テレパシーについては報告のデータあり。有名な魔法使い・・・惑星連盟アリオン最高顧問総帥に仕える魔法使いが100年前、予言を残しているとされる。

・・・軍師・・・エルギーヨ・ガラド ・・・皇帝に仕える将軍達を全て動かす権限すら与えられている皇帝の腹心の軍師。詳細データ無し。最高機密。一説によると、軍師には影もいるという。

「ラオ様、お食事になさいますか?」「そうだな、いつもより多めにしてくれ!だんだん戦争の匂いがしてきたからな!!」「はい」

宇宙船の窓からはまだ惑星の姿は小さく、カハクにはまだ数日しなければ到着しないことはわかっていたが、その男は自分がまた戦場を歩く姿を想像していた。「我々に勝利をもたらす星なのかどうか。今にわかる」





・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)

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by f-as-hearts | 2010-05-22 23:59 | SF小説
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月 読
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by f-as-hearts | 2010-05-19 21:03 | 祈り

・・・夜 話・・・


・・・と 書いて いつも徒然・・・

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by f-as-hearts | 2010-05-18 00:29 | 祈り
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蒼の森



森の夢
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by f-as-hearts | 2010-05-13 23:58 | 祈り
 登場人物


ラムズ・シュッツトガルド        16歳

イライザ・シュッツトガルド       34歳   ラムズの母

ディーオ                  16歳   ラムズの友人

魔女 イシュス             ???  世捨て魔女

魔女ザザーランディア        ???  北の魔女

南の魔法使い シーバ        ???  森の魔法使い  

サードニクス王             22歳   サードリア王国国王

グランバードス王            52歳   フォアクロス諸島国国王

隼のイグニス              ???  フォアクロスの魔法使い

黒い大熊                ???   森の守り神

ガーシュイン・シュッツトガルド    40歳   ラムズの父



第  27  話   「 願い 」


その地震の予兆をすぐに感じ取ったのは、ヘクトールと森に棲む動物達であった。
ヘクトールはその水流に潜ると、一気に森の外へと逃れた。ヘクトールは何が起こったか
気がついた。

「・・・・・・・シーバ・・・よ・・・・これで・・・よかったのか・・・・・?」
ヘクトールはそのまま 姿を消した。


ザザーランディアとイグニスは森が揺れ始めたのを見ると戦うのを止め、その森の中心、
ラムズがいるであろう場所へと急いだ。「何がおこってんの????」「わからぬ!!!
しかしこれはもしや?!」「もしやじゃわっかんないよ馬鹿!!!!」

動物達は一斉に森の外へと逃げてゆく。「ラムズ!!!!おーーーーーい!!!!」
ひばりのディーオは、必死になってさっき見たはずの樹を探して飛び回っていた。

バキバキバキ!!!!!メリメリドガアアアアアアアアアーーーーーーーン!!!!
「ラムズーーーーーー!!!!!」今までそこに見えなかった筈の神樹が、姿を現すと、
真っ二つに裂けていった。地面が、そこで割れて一瞬蒼い光が樹の真ん中から空へ・・・・
それは神樹を包んでそびえ立つ城のように見え・・・・・「ああ?!城が!!!!」



・・・蒼の城が蜃気楼のように浮かんでいた。そして、その城から声が響いてきた。



「・・・・・・・・我は 魔法使いシーバ・・・・・・・

覚醒と 発現の力の 全てで 我が 愛する者の魂 と 共に

新しい 神樹に 生まれ変わる時が きた・・・・・・

そして その時 この伝承を知る 全ての者の記憶から

伝承と・・・・・蒼の城の記憶を 消そう ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・得難き 願い の 代償として・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・           」



森が 沈黙し・・・・・・・星の光彩が蒼の城へと集まった。

蒼の城は 消滅し・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・星空から 雨が・・・・・優しい 雨が 降ってきた。 

人に 魔法使いに・・・・ 動物達の上にも・・・・・ひそやかに雨は 降り続いた。

すべてを 洗い流していった・・・・・・・・・・・・・・・





・・・・・・何故、皆は その森で倒れていたのか、思い出せなかった。
ただ、森が焼け焦げ破壊され、それを自分達がしたことなのだろう、としか・・・・・
そしてそれは他国との戦争を、誰かが止めようとした、そういうことなのだろうと
・・・・・・・・・・・・・それが、また大きな謎として伝えられてゆくことになったのである。
魔法使い達も、それをそれぞれの国の王に伝え、戦争は終わったのであった。






「ラムズ~~~~~~!!!おお~~~~~~~い!!!」
ディーオは大きなうずらを捕まえて、意気揚々とラムズに声をかけた。
「・・・・・・なんだよ?また木の実を植えてるのか?リスみたいだな!!はははは!!!」

ラムズは土を掘り返しながら笑った。「・・・・リスにも笑われたよ」「ははは!!!」

ラムズは木々を見上げた。この泉のそばで、何があったっけ・・・・・・
何が・・・・・・・・・・・
鳥が忙しげに鳴いて飛んで行った。・・・・ああ、巣を作っているんだな・・・・・・・




「・・・ディーオ・・・・・僕さ・・・・・幸せなんだ。森はきっと何度焼かれたって再生する。
そう思うんだ。僕は、この森を・・・・絶対元通りにするんだ。


あ、あの、鳥・・・・また木の枝を捜してる・・・・・・・・・・



・・・あ・・・・・あれ?・・・・・・・・」




ラムズは左目から涙が流れるのを、不思議に思った。「ラムズ、もう帰ろうぜ!俺
腹減った!!!!」「・・・・ああ!そうだな」2人は走り出した。


白い服の少女がラムズの後姿を 見つめて・・・そして蝶になって飛んでいった。 
青い 空へ・・・・・・・・









・・・・・・・・・・・・・・・・・終わりのない 明日へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


(このお話は フィクションです)

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by f-as-hearts | 2010-05-12 23:59 | ファンタジー小説Ⅴ