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紡ぐ夢 綴る夢

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タロット占い師ASのブログです。

カテゴリ:SFサウザンドアイランド( 138 )

異世界の島の物語


サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー          ・・・60歳  サウザンド・アイランド連邦国
                       科学技術省総裁
メラニー             ・・・33歳   科学者
長老               ・・・??    ???
レゼンダ             ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ              ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス             ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト               ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング               ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クイーン              ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者  
       
ディラルド・ジェイントン博士      ・・・???  超遺伝子科学者 エリックの父



第百二十五話 「 混乱と沈黙とお祭り騒ぎ  」


ニーソックス達はリリアとリフがその場から離れることが出来たのを確認すると
イムズと軍隊を取り巻いて、互いに意識しあうようにさせた。

「こいつは、さっき取り逃がした男だ!!」
「えーい、うるさいっ!!
リリア!リフ!!どこに隠れている?!
出て来いっ!!」

キングがその声に応えた。
(イムズ、今はそこから離れるんだ、いいな?)
イムズはキングの言葉に従い、プラントの壁の中に消えた。
それを見届けると、お化け達は一斉にちりじりになって空へと昇っていった。

ジャキン!!

キングの周りを、プラント内から解放されたアンドロイド・グランドクロス9体が
取り巻いていた。

「キング、貴方の部下がリフにした行為は、契約違反となります。
一度この計画に契約しても、貴方がそれを撤回するということですから、契約の破棄と
みなされ、グランドクロスは貴方を契約者とは認めないことになります。
つまりリセットされたことになります。
これにより、初期のクラウン博士の所持状態に戻り、博士に不利益をもたらす
貴方を攻撃してもよいということになります。」

アンドロイド達は、一斉に銃口をキングに向けた。
ワインバーガーはキングとの交渉は決裂したが、まだ打つ手はあると思っていた。

「貴方の部下にも、手を出さないように言ってください。」

キングはテレパシーでイムズに伝えた。
(・・・ということだ。
この状態からひっくり返すことができるかどうかだな。)
(う~~~~ん・・・グランドクロスは強いです。
1体だけならまだしも、9体もとなると、私の軍隊を連れてこないと)
(戦争する気はない。)
(わかりました。
もう少し考える時間をください。)

キングはワインバーガーに言った。
「手を出せる状況ではないと、部下には伝えた。
だが、私に手を出せないのは、そちらも同じだな。
なぜなら、私への対応ひとつで、戦争になるからだ。」
キングはそれ以上話さなかった。

カネムラの前にニーソックスが現れ、イムズが消えたと言った。
カネムラはぎょっとして、ニーソックスの顔を見た。

「ちょっと待て。
それって、やばいんじゃないか??」
「やばいな りりあ どこだ・・・おれ えりっくとやくそく したんだ」
「何を?」
「りりあをつれてかえるって」
「それどころじゃないよな、この状況。
俺もう吐きそう。

・・・いや、待てよ?
ニーソックス、おまえイムズ将軍が現れたら、ここのみんなに
教えてやれるよな?やれるよな?」

真剣そのものの表情でカネムラが言うので、ニーソックスは真っ青になった。

「おしえるのか おしえなきゃだめか・・・やっぱり おれってふこう・・・

おばけだけど おれ あのしょうぐん こわい・・・」
「たのむ!俺はちょっと行ってくる。」

カネムラはイムズのように壁に消えた。
ニーソックスは空に昇っているおばけたちにイムズを見かけたらすぐに
下にいる軍隊やワインバーガーたちに教えるように伝えた。

リリアとリフは、プラントから離れて、近くの林へと隠れていた。
リリアがリフに、2人がイムズやキングに見つからない理由を説明した。
「はっきりして良かったわ。
能力者でもアンドロイドの頭の中までは読めないって。
おかげで私達がどこに隠れたかまでは、わからないってことよ。」
「イムズという男はテレパシーが使えるといっていましたね。」
「そうよ、でも人間だけに限るらしいわ。」
「それをワインバーガー氏に伝えられたらいいんですが。」
「リフ、他のアンドロイドと信号の共有はできないの?」
「これだけ離れていては無理です。」
「どれぐらい近づけばいいの?」
「500メートル圏内です。」
「・・・そう。それじゃ、見つからないように近づくのは難しそうね。」
「99パーセントの確率で捕まります。」
「困ったわ。」

その頃、ワインバーガーとキングは無言のまま、睨み合っていた。


・・・・・・・・レゼンダの部屋・・・・・・・・

れぜんだちゃんがPCでエリックと話しているのを、唖然とした表情で
眺めていたレゼンダだったが、はっと気がついて話しかけた。

「れぜんだ、あなた一体何をしようとしてるの?」
れぜんだが振り向いた。
「え?な~~~~~んにも?」
帽子の顔文字が怪しい。
「まさか、そこから外に出ようなんて」
顔文字に汗。
「そんなこと、許されると思ってないわよね?」
顔文字口笛。
「ちょっ・・・!ろぼっちを出して何してるの??」
「え~~~~~~~??ろぼっち、へんがたしてるだけだけどお?」
「へんがた、じゃなくて!
それは変形!!変形して何をーーー」

執事、目を見開いて手を口に。
「なるほどなるほど。」
エリックはそれを完全にコピーして、エリックの部屋の中に出していた。

「ちょっとおおおおおお??そんなのアリ???」
「わたしのろぼっち、貸さないもん。
でもエリックが使いたいなら、こぴってもいいのさ~~~♪」
「こぴる????」

・・・・・・・・・エリックの部屋・・・・・・・・・・

サカマキが今度は唖然としていた。
「エリック!?せ、せまいせまいっ!!潰れるって!部屋~~~!!」

そこにいきなりカネムラが壁とろぼっちに押し潰されそうな形で
現れた。
「げっ????

な、な、なんだあああ??これぶふ!」
「あ、カネムラ~~~~~~!!ろぼっちだよ~~~~~~!!
すごいでしょ~~~~~~!!

ねえ、ろぼっちも一緒に異次元いきたいって!!」

サカマキもカネムラもレゼンダも執事も、一斉に首を振った。

「いってない、いってない!!」

・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです。)



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by f-as-hearts | 2016-09-29 01:55 | SFサウザンドアイランド
異世界の島の物語


サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー          ・・・60歳  サウザンド・アイランド連邦国
                       科学技術省総裁
メラニー             ・・・33歳   科学者
長老               ・・・??    ???
レゼンダ             ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ              ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス             ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト               ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング               ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クイーン              ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者  
       
ディラルド・ジェイントン博士      ・・・???  超遺伝子科学者 エリックの父



第百二十四話 「  反撃開始 」


・・・・・・・・・・異次元・・・・・・・・・・・

イムズとリフが睨み合う中、リリアはアンドロイド5原則について知らなかった
ことを認めた。
「リフ、銃を降ろして。
イムズ将軍、わかりました。
クラウン博士の元に案内します。
だから、リフに今は何もしないと約束して下さい。」

3人はすぐにクラウン博士の家の門の前に着いた。

・・・・・・・・エリックの部屋・・・・・・・・・

現実の世界に戻ったことで、PCはリリアの居場所を特定できた。
ーーーリリアはクラウン博士の家にいます。

それを聞いて、PCの中のれぜんだは、おばけのニーソックスに言った。
「おおいっ!!場所わかったよ!!
ほらここっ!!地図みて、行ってきて!!」
「みんな いくぞ そらをとんでいけば すぐだ」
にゅんひゅんひゅん!!
エリックも焦って追いかけようとした。
「僕も行くっ!!」
サカマキが言った。
「エリック、飛行機でもなけりゃ無理だって!」
「えりっく まってろ りりあ たすけてくるから・・・」
ひゅーーーーーーーーーん!

エリックはおばけの顔をみて、全てを思い出していた。
「れぜんだちゃん、ろぼっち貸してよ!」
「べ~~~~~~っだ!!やーーーーだよーーーーだ!!」
「はやくリリアを助けてゲームに戻るからさ!」
れぜんだは首をひねって考えていた。
「ええええっ??それってずるくない~~~~??」
サカマキも首をひねった。
「いやあそれは・・・いやいや、あのろぼっちかい??
いやいやいや、あれはダメだろ!」
「なんで??」
「いやいやいや、いやいやいや!
あれが現実に出てきていいわけがないだろ!」

・・・・・・・・・クラウン博士の家の前・・・・・・・・・

その頃・・・イムズはイライラしながらリリアに怒鳴っていた。

「何故博士がいない?!
リリア、嘘をついたのか?」
「いいえ、異次元に入る前はこの家にいたのよ。」
「どういうことだ、異次元に入ったことが博士にわかったっていうことか?」
「その間に何が起こったかは、私にもわからないわ!」
イムズは唸った。
「まさか、ワインバーガーが・・・」

リフがイムズに銃を構えた。
「そういうことだ。
あんたの計画は失敗したんだよ!」

ひゅんひゅんひゅん!!!!
家の壁という壁から、お化けの大群がイムズに向けて飛んで来た。
イムズとリフは何が起こったのかわからず、お化けを追い払おうと
躍起になっていた。
「なんだ??こいつらは??」
「銃が効かない?!」

「りりあ みっけ」
リリアはお化けを見た瞬間に、エリックが全て思い出したのだと
気がついて、微笑んだ。
「ニーソックス!エリックと一緒なの?」
「ちがう・・・りりあをさがしてくると やくそくした」

暗闇に浮かぶ無数の透明なお化けが、イムズとリフを翻弄し
リリアとニーソックスから遠ざけていた。

「りりあ もうかえろう」
「そうしたいけど、イムズ将軍が帰ってくれないのよ。」


・・・・・・・・・ワインバーガーの研究所・・・・・・・・・・

ワインバーガーはキングとの話し合いが決裂した場合までは
想定していなかった。

「キング、アンドロイド5原則は今後のアンドロイド事業には
必要不可欠です。
どういう理由であろうとも、5原則には則っていただきませんと。
どこにミスがあると言うのですか?」

キングは5原則をプリントした紙を広げて見せた。
その場の全員が内容をすぐに黙読した。

「アンドロイド5原則

ロボット3原則に加え、人工頭脳を有するアンドロイド・グランドクロスにとって
来るべき新たなステージを生きる為の指標となるよう、3原則の上位に5原則を
設定するものとする。

1.契約者との原則

アンドロイドはいかなる状況であろうとも初期契約は破棄できない。
初期契約とはアンドロイド・グランドクロス開発設定時契約のことを指す。

2.契約者から他への譲渡が行われる場合の原則

アンドロイドは契約者が他への譲渡を行う場合でも初期契約内容の
変更は認められない。
譲渡において契約者の不利益及び事件事故など不測の事態が生じる場合
該当するアンドロイドは、それを拒否拒絶する権利を行使できる。

3.研究開発の原則

既存のアンドロイド・グランドクロスを研究開発増産する目的での購入は
いかなる理由があろうとも初期契約を遵守することを原則とする。

4.初期契約について

アンドロイドはロボット3原則に則り人類を含む生命を保護し安全に
行動することを第一に、主たる契約者の行動指示や目標達成に尽力する
こととする。

5.契約者の死去または契約破棄などによる契約の無効について

アンドロイドは長命である為、契約者が他への譲渡を行わずに死去、または
契約破棄を実行した場合、初期契約が無効となってしまう為、この条件でのみ
初期契約のリセットを可能とする。」

5原則を読み、皆が目を上げると、キングが言った。

「これを契約者の絶対条件とするならば、我々の求める可能性、
つまり契約者が求めるアンドロイドの発展性を著しく阻害していると
言わざるを得ない。
・・・よって、この5原則の改定、もしくはリセットを要求する。」

キングの背後のドアに、誰かが歩いてくる物音がして、皆がドアを見た。
ドアからいきなり現れたのは、カネムラとクラウン博士だった。
カネムラはその能力を使って、一瞬早くクラウン博士を迎えに行っていたのだ。

クラウン博士が話し始めた。
「キング、その通りです。

人類の発展は、全てにおいて安全では無く、開発計画は危険と隣り合わせで
いつもリスクがあったのです。
ですから、それをアンドロイドが契約者に代わって、行うことを目的と
しています。
契約者の不利益となることを行わないというのは、今までには無い発想です。
どうか5原則をお認めください。」

ワインバーガーはキングの洞察力の深さに舌を巻いていた。
だが、人工知能及び人工頭脳を設計したクラウン博士ならば、説得できると
考えたのだ。

キングはクラウン博士に、丁寧な解説を感謝しつつ、反論を述べた。

「私が述べているのは
今現在考えうる契約者の利益を守る番人としてのアンドロイドが、
果たしてグランドクロスという意味なのか?
ということですよ。

ワインバーガー氏。
やはりあなたとは、相容れない思想がありそうだ。
これ以上、この5原則を押し通すというのであれば、この場かぎりで
我々リドル帝国はこの計画そのものの撤回を要求します。」

ざわざわざわ・・・
ガガガガガーーーーーーーーーーーーン!!

大きな爆発音と共に、プラントの方から爆風が起こって炎が見えた。
「キング!!貴方まさか、プラントを破壊したんですか?!」
「いや、これはーーー」

(イムズ!!プラントを攻撃したのか?!)
(いいえ、違います!リリアとアンドロイドが逃げる為にプラントの
手前で、くそっ!!)

「ワインバーガー、ここは一旦軍隊をプラント内のアンドロイド保護に
まわし給え。
そちらのアンドロイド達が、引き起こした騒ぎのようだ。」

ひゅんひゅんひゅんーーーーーーー!!
軍隊の前をおばけ達が飛び回り、軍隊はそれによって統率を乱されていた。
司令官は急いでプラントの方へと走った。

「ううわっ!!司令官こいつら映像かなんかですか??
それとも ほ、本物の敵ですか??」
「やめろおおおおお!!!うわああああ!!」
ババッババババッババッババ!!
「馬鹿者、銃を撃つな!!」
「ひいいいいっすり抜ける、弾が効かない??」
「くるなあああああ!!!ひいいいいいいいいい!!」

イムズはクラウン博士がキングのところに現れたと知って、異次元から
プラントの方へと出てきたところで、リリアにくっついて着たおばけ達まで
異次元を通してしまったのだった。

リフとリリアは、プラントの前で騒ぎを起こすことで、軍隊の気をひき
イムズから逃げることに成功していた。


・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです。)
「そんなこと、わかってるよ!僕、リリアのとこへ行きたいい~~~!!」
「だがなあ、ろぼっちじゃなあ・・・」
「ぜえったい、ダメ~~~~~!!」

・・・・・・・・・・・・という事で 続く・・・・・・・・・・・・・

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by f-as-hearts | 2016-09-22 17:59 | SFサウザンドアイランド
異世界の島の物語


サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー          ・・・60歳  サウザンド・アイランド連邦国
                       科学技術省総裁
メラニー             ・・・33歳   科学者
長老               ・・・??    ???
レゼンダ             ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ              ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス             ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト               ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング               ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クイーン              ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者  
       
ディラルド・ジェイントン博士      ・・・???  超遺伝子科学者 エリックの父



第百二十三話 「  リリア危機一髪 」


ワインバーガーは司令官から説明を求められていた。
「・・・つまり、あのアンドロイドは、リドル帝国との共同開発だった訳ですね?
しかし、あの行動といいアンドロイドを奪う手際といい、どうみても
リドル側が一方的にアンドロイドの開発阻止に動いているとしか思えませんが?」
ワインバーガーはうなずいた。
「まさしく、我々もそういう見解です。」
「リドル帝国は残りのアンドロイドを破壊しに来ますか?」
「その件について、直接次期総帥に連絡を取ります。」
「では早急に報告を。
そこの警備員、ここの地図を兵士全員に持たせるので、PCのデータを
開いてくれ。」
「イエッサー!」
マドックスはPCを開くとすぐに地図を司令官の小型PCに送った。

メラニーがワインバーガーに言った。
「キングが電話にでるとは思えません。」
「だが、出ないとも言い切れない。


・・・繋がったぞ・・・

キング、ワインバーガーです。
貴方の部下がアンドロイド・グランドクロスを奪って逃走しましたが
ご存知でしょうな。
すぐにご返答いただきたい。」

キングの声がはっきりと響いてきた。

「ワインバーガー総裁。
私が何故部下にそのような命令をしたのか、おわかりでしょうね?」
「いいえ。」
「グランドクロスの重大な設計ミスを発見しましてね。
事前に渡された人工頭脳の資料を精査して、やっと見つけました。」

会議室の外の廊下が騒がしくなった。
ドアが開くと、そこにはキングが立っていた。
キングは持っていた電話を切ると、そのまま自然に会話を続けた。

「あまりに堂々と記されていて、こちらがその問題点に気づくのが
遅かった・・・

アンドロイド5原則。

今すぐ、この5原則を消すか、改定してください。」


・・・・・・・・・・・・異次元のイムズ達・・・・・・・・・・・・・・


「リフをどうするつもりか、話して。」
リリアはイムズが人工頭脳のリセットをすると聞いて、様々な予測を立てていた。

「それはあんたが知らなくてもいいことだ。」
「それは私が予測した未来が、当たっているからでしょうね。」
「非常に残念だが、俺はアンドロイドの頭ん中までは読めないんでね。
当たっていようが当たっていなかろうが、俺が焦ることはない。」

リリアはうなずいた。
「そう。
それは残念だわ。」

リリアは捕まれた腕を信じられない方向にねじると、イムズの手を振り払った。
「リフ!!今よ!!」

リフはリリアの声に瞬時に反応して、イムズを撃った。
イムズはその瞬間、姿を消した。
「ここをどこだと思ってる?異次元で俺に敵うと思っているのか?」

弾丸は奇妙な光跡を描いてどこかへ飛んで行った。
その後、イムズは再びリリアの背後に現れると、その首を掴んだ。
「アンドロイドのことはわからないが、自由に動けるというのと
空間を支配するというのは、別次元の話でね。
さて、このままあんたらをこの次元に置き去りにするということも
できる。

リリア、いくら予測を立てても、ここから出る方法は
俺との約束を守ることが大前提だ。
まさか、それくらいは理解してくれるだろうな?」

リリアは顔を上に向けると、イムズに目だけを向けた。
「イムズ将軍。

貴方にもひとつ、理解して欲しいことがあります。
それは、私しかクラウン博士の場所を知らないという事です。
私は、貴方のような異次元移動能力者から、この空間で移動する時の
方法を聞いています。

この多次元で、出発地点と目的地までの地図を描ける者。
それが異次元移動能力者だと。
貴方は、私を殺すこともここに置き去りにすることもできない筈です。」

「はっ!!ははははは!!」
イムズは笑った。

「いやあ、流石だな!!

本当に、リリア、あんたが人間だったら、俺は仲間にするよ。
間違いなく。

いいだろう、リリアの質問に答える。
その代わり、リリアにももう一度、約束してもらいたい。

リフは元々、リドル帝国に来る筈のアンドロイドだ。
だが、それにはとんでもない罠があったってわけだ。
アンドロイド・グランドクロス。

どうしてキングがこんなにもリリアやエリックに接触させるのか
俺はわからなかったが、その答えは・・・
リリアにはない、グランドクロスのみに作られたアンドロイド5原則にあったんだ。」

イムズはリリアの反応を観たが、一切表情の変化はなかった。

「やっぱり、な、知らないんだろう?
リリア、リフの人工頭脳に刻まれた5原則は、キングには邪魔なんだそうだ。
だからその5原則ごと、リセットするんだよ!」

リフは銃をもう一度構えた。
「そんなことはさせない。」
「そうだな。
それも、5原則の内か!
だが、ここではそんなものは役に立たないぞ?
銃を降ろせ。」


・・・・・・・・・・エリックの部屋・・・・・・・・・・・

エリックはカネムラとリリアが突然部屋から出て行ったっきり、戻らないと
サカマキに不満を言っていた。
サカマキは今の状態ではエリックに説明することさえ難しいと思い、言葉を
濁した。
「そのうち、帰ってくるよ。」
「サカマキさん、嘘言ってるよね。
だって目が泳いでいるもん。」
サカマキは慌てて目を閉じた。
「何かあったの?」
サカマキが何も言わないので、エリックはうなだれて部屋を出て行った。

カネムラの部屋に入ったエリックはすぐにPCを開くと話しかけた。

「PC~~~~!!
リリアはどうしてるの?答えてよ。」
ーーーリリアはでかけています。
「そうなんだ~~~!どこにいったのか教えて!」
ーーーわかりません。
「え?PC、それなんの冗談?」
ーーー本当に場所がわからないんです。
「だって、繋がってるって言ってたよね?」
ーーーはい、でも今は場所を特定できません。
「あ、そうか!カネムラと一緒に異次元にいるんだねっ!!
ずるいや、僕も行きたかったのに!
じゃあさ、カネムラの場所もわからないんだね?」
ーーーいいえ、カネムラさんは今ワインバーガー研究所にいます。
「え??どういうこと??」

ガタンッ!!
ダダダダダッ!

エリックはサカマキに言った。
「おかしいよ?!リリアがどこにもいないんだ!!
カネムラと一緒じゃないんだ!!」
エリックはPCの言ったことを話した。
「なんだって?!」

サカマキはすぐにワインバーガーに連絡を入れようとしたが、ワインバーガーは
電話には出なかった。

エリックは父親に相談した。
PCの中で父ディラルドは頭を掻いた。
「異次元移動能力??リリアだけが行方不明??」

ディラルド博士はクイーンの顔を覗き込んだが、反応はなかった。
「エリック、そこに誰かいるかい?
その人もそばに呼んでくれないか。」

サカマキはディラルド博士と話をした。
「サカマキさんはリリアがどうしていなくなったのか、わかりますか?」
「さっき、アンドロイド・グランドクロスが盗まれた件で、ワインバーガー氏から
リリアとカネムラ君に要請があったんです。
でも今はワインバーガー氏と連絡がとれないんです!」

サカマキはディラルド博士に詳しく説明した。
「PCに聞いてもわからないんだ!!
お父さん!!リリアを助けて!!」

PCの画面が揺らいだ。

「ばっかじゃないの!!

いつまでたっても戻ってこないとおもったら、こーんなことになってんのかあ~~~!!」

そこには大きな顔文字が浮かぶ帽子をかぶった女の子が映っていた。

「れぜんだちゃん!!」
サカマキが叫んだ。

「おおい、エリックううううう~~~~??
リリアさがしてんの??

なあんだあああ~~~~!!それじゃあすぐにさがしてやるよっ!!

ほら、おばけ~~~~~~~!!でてこいってばっ!!!」

ひゅううううううううう~~~~~~~ん!!

PCからおばけが飛び出してきた。

「えりっく どうした・・・りりあ いないのか・・・

またか ・・・おれってふこう・・・

さがしたら また いっしょに あそべるな・・・」

エリックはびっくりしてそのおばけの顔をじっと見つめた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・   

・・・・・・・・ニーソックス ??」

「ははは・・・

なんだ・・・えりっく おもいだしたんだな・・・

じゃ りりあを さがせば いいんだな・・・」

おばけ達が、PCから溢れ出した。

「さあ りりあ を さがして たすけるぞ ・・・」


・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです。)

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by f-as-hearts | 2016-09-13 17:00 | SFサウザンドアイランド
異世界の島の物語


サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー          ・・・60歳  サウザンド・アイランド連邦国
                       科学技術省総裁
メラニー             ・・・33歳   科学者
長老               ・・・??    ???
レゼンダ             ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ              ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス             ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト               ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング               ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クイーン              ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者  
       
ディラルド・ジェイントン博士      ・・・???  超遺伝子科学者 エリックの父



第百二十二話 「  深夜の緊急事態 」


深夜、ワインバーガーは警報の鳴り響くプラントへ急いで向かっていた。
彼は近くのホテルでその時間も明日のプレゼンの準備をしていたのだった。
プラントや研究所の異常は、ワインバーガーの携帯に直接警戒音で知らせる
ようになっていた。
プラントの前で車から降りると警備員が大急ぎで駆け寄り、ワインバーガーに
現状報告をした。

「不審な侵入者が、研究員を人質にしてアンドロイドをー」
「なんだって??何故侵入されたんだ??」
ワインバーガーは走りながら、警備員の話を聞いた。
「わかりません、どこも鍵は壊されていないんです!」
「アンドロイドを開放したというのか?!」
「はい、アンドロイドを盗むつもりでしょうか?」
「それは出来ないだろう。
だが、何をするつもりだ??
その侵入者は」

警備員はイヤホンで状況を逐一確認していた。
「それが、侵入者は未だにプラントから出てこないんです。
現在の様子は警備室から監視モニターで見ることができます!
こちらです!」
ワインバーガーと警備の数名が、地下通路を靴音を響かせて通り抜けて行った。
ワインバーガーはアンドロイドのことを考えていた。

(アンドロイドには新ロボット3原則の他に、アンドロイド5原則がある。
間違っても契約者に対して反抗・反乱を起こすことは出来ない。
ただ・・・人質の問題は・・・)

プラント内の様子を見張っている警備員が、ワインバーガーに席を譲った。
「中の電源は?いきているか?照明は非常時の電源でも点く筈だ。
ここのスイッチを入れてくれ。
よし、点いた。」

アンドロイドのケースに照明が当たると、確かに一体のアンドロイドがいなかった。
ワインバーガーが警備員に訊いた。
「中には誰もいないぞ?
それと、人質にされた研究員は誰だった?」
「さっき、いえ、10分前には侵入者と研究員がいたんです!
私は確認しました。
ビデオも撮ってあります!それに、出口から出て行った者はいません!」
「人質は?」
「メラニー研究員です。」

ワインバーガーはバンッと机を叩いた。
それは一番怖れていた事態だった。

「メラニーは研究所に泊まっていたのか!」
「今、こちらのモニター画面で録画を再生してみます。」

ワインバーガーは頭の中で素早く状況を分析していた。
(中で何があったか、も、問題だが、もし侵入した者が能力者だったらー
人質を殺されるか、またはプラント内を破壊するかもしれない。
それか、他のアンドロイドも連れ出されてしまうかもしれない。
侵入者はアンドロイドと一緒にどこかに隠れているのだろう。
だが、そもそもここにどうやって入ったのだ?)

再生されたモニターにはいきなり現れた黒い服の男がメラニーに命令して
アンドロイドのケースを開けているところだけが映っていた。
そして黒い影がカメラの前から消えて、その後はどのカメラにも映っていなかった。

「軍の出動を要請する。
君達は、ゲートと出入り口をかためてくれ。
軍が到着したら、中に踏み込む。」

警備員はモニターの監視員を残して、すぐに出入り口へ向かった。
ワインバーガーは軍に出動要請をしてから、通路に出、サカマキに電話した。

「アンドロイド・グランドクロスが1体盗まれた。
カネムラに電話を代わってくれないか。」

カネムラはワインバーガーの話を聞いて、驚いた。
「まさか、侵入者は能力者なんですか?」
「君の意見を聞きたい。
君は異次元移動能力があるが、同じような能力者がいたな?
リドル帝国に。」

「は・・・はい、まさかイムズ将軍が??」
「だが彼が動く理由がわからない。

あのアンドロイドはリドル帝国にいくのだというのに。
どうして盗む必要があるのか・・・」
「ワインバーガーさんにもわからないんですか?」
「明確な意図が見えないんだ。

もしもキングの命令だとしたら・・・」

カネムラは言った。
「間違いなくキングの命令です。
イムズという将軍はキングに忠誠を誓っていますから。」

外が急に騒がしくなった。
警備員らが軍を統率する司令官にワインバーガーからの指示を伝えていた。
「では、ゲートを開けます。」
「前列突入!」

ザザザッ!
プラントの中は明るかった。
一瞬、前列の兵士達はその照明の明るさに目を細めたが、次の瞬間
長い槍のような物で横に払われ、頑丈な盾ごとなぎ倒された。
ブーーーーン!!グオッ!!

ワインバーガーはモニターに映るその姿に叫んだ。
「リフ!!」

リフの後ろには、黒い防護服の男が、顔を隠すマスクをつけて立っていた。
男はメラニーの手をねじるように掴んでいた。
メラニーは無事だったが、あきらかに侵入者に捕まってしまっていた。

「リフ!!やめて!!」
メラニーの言葉を否定するように、男が言った。
「メラニー、貴女がリフの人工頭脳のリセットを行うと約束するなら、
貴女は解放しますよ。」
「それは無理だとさっきから言ってるじゃないですか!」
「リフ、聞いた通りだ。
君は私がその気になれば、メラニー共々消えることができるのは
わかっているな。

メラニーを見捨てるか、目の前の兵士達をなぎ倒してここから
私達を出すか。
二つに一つだ。」

ワインバーガーはその言葉に確信し、電話口のカネムラに言った。
「キングは、このグランドクロスの秘密を知っている!
カネムラ、君は今すぐ、リリアと一緒にここに来てくれ!
君の能力で!」

カネムラはすぐにリリアとワインバーガーのいる研究所に向かうと言って
電話を切った。

リフは侵入者を睨んだが、メラニーを人質にとられて言いなりになるしかなかった。
「リフッ!!私のことはいいから、この男を攻撃して!!」
「いいえ、それはできません。」
「その通りだ。
さてそれじゃ、軍隊にはお帰りいただこうか。
リフ、あの軍隊の銃をコピーして、威嚇射撃しろ。」

リフはその手に銃を出現させると、倒れた兵士の足元すれすれに弾を撃った。
前列の兵士達は、じりじりと後退するしかなかった。
司令官は兵士に下がるな、前に出ろと言ったが、リフは数歩ずつ前に進みながら
銃撃を続けた。

「司令官、そこをどけ。」

カネムラとリリアは、異次元瞬間移動能力を使ってワインバーガーの元に着くと
すぐに、そこからプラントの中へと移動した。

カネムラが男の背後から叫んだ。

「イムズ将軍!!」

カネムラの声が響いたのと同時に、カネムラと共に壁から現れたリリアが
隙をついてメラニーの手を掴んで男から引き離そうとした。
だが、その手はしっかりと掴まれたままだった。
「リリア、そして、カネムラ。
その手も想定内だ。」

リリアは男の顔をしっかりと見た。
「イムズ将軍!どうしてこんなことを?」
それには答えず、イムズはリフに言った。
「リフ、人質が増えたぞ。
いいか、お前もこちらに来るんだ。」

イムズは2人を掴んだまま、リフの袖口を引っ張った。

「逃がすかっ!!」
カネムラは壁に消えようとするリフの銃口を掴んで、一緒に異次元へと
引きずり込まれて行った。

兵士らは壁に消えた5人を気味悪そうな顔で追い掛けようとして、壁に
激突して倒れた。
そこへ、ワインバーガーが息せき切ってやってきた。
司令官はワインバーガーにどういう事が起こったのか説明してくれと言った。

「男はたった今人質と共に壁に消えました!
やつらは一体なんなんですか??
ワインバーガー科学技術省総裁殿!!」
「超能力者とただのアンドロイドだ。
無事でいてくれ、メラニー・・・」

司令官は引き続き軍隊を建物周辺に配備し、また先程の侵入者を追跡する方法を
ワインバーガーと共に協議することにした。

その一部始終を観ていたマドックスが、外からキングにテレパシーを送った。

(キング、グランドクロスとメラニーをイムズ将軍が連れ出すことは成功したんですが。
あのう・・・リリアとカネムラとかいう男もくっついて行っちゃいました。)
(そうか、ご苦労だった。引き続き、怪しまれないように状況を報告してくれ)
(了解っす!じゃない、かしこまりました!)


異次元の空間で、イムズはメラニーを掴んで放さなかったが、リリアもまたメラニーを
掴んでいた。

リフはイムズが未だに人質を放さないことと、そのイムズに隙がないことが見て取れた為
次の行動に移った。

「イムズ将軍、人質を解放する条件を言って下さい。」
「それはさっきも言った。
メラニーがリフの人工知能をリセットすることと、私達が安全にこの場所から逃れることだ。」
「それ以外の交換条件はないんですか?」
リフが食い下がった。
どうやら人命救助という使命による交渉術をプログラミングされている。

「ないな。」

メラニーに向けて銃を構えるイムズ。

リリアが言った。
「メラニーは研究員ですが、人工知能プログラミングのプロではありません。
ですから、それが出来る博士のところに、私が連れて行きます。
それではどうですか?」

イムズはじっとリリアを見た。
「アンドロイドは嘘をつかない・・・か!

その博士の名前は?」
「クラウン博士です。」
「その名前は知っている。
では、行き先は決まったな。
リフ、リリアの腕を捕まえろ。
いいか、おかしな真似をしたら、この全員を異次元に置き去りにする。
お前もだ、カネムラ。

・・・そういえば、エリックは元気か?」
「・・・・・・・・」
「沈黙、か。

カネムラ、メラニーを連れて還れ。
ほら、さっさと行け!!」

メラニーをドンッとカネムラに押し付けると、イムズはリリアの腕を片方掴んだ。
イムズが銃を向けると、カネムラはメラニーと共に異次元を脱出した。

「博士の居場所はどこだ。
案内するよな、リリア。」
にっと笑うイムズを睨みながらリリアは言った。
「その前にリフをどうするつもりか、話して。」

メラニーとカネムラは、プラントの壁から唐突に出てきた。
兵士がすぐに2人を保護すると、ワインバーガー達の会議室に連れて行った。

「メラニー!!無事だったか!!」
「すみません、私が油断したばっかりに・・・」
「リフは?」
「イムズ将軍が連れて行きました。」
「どこに??」

メラニーは、すっと目の前にある地図を指差した。

「クラウン博士のところです!」


・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです。)



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by f-as-hearts | 2016-08-31 12:16 | SFサウザンドアイランド
異世界の島の物語


サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー          ・・・60歳  サウザンド・アイランド連邦国
                       科学技術省総裁
メラニー             ・・・33歳   科学者
長老               ・・・??    ???
レゼンダ             ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ              ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス             ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト               ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング               ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クイーン              ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者  
       
ディラルド・ジェイントン博士      ・・・???  超遺伝子科学者 エリックの父



第百二十一話 「  非公式披露会前夜 」


・・・・・・・・・・・ワインバーガーの研究所・・・・・・・・・・・・

メラニーはプラントの中でワインバーガーを迎えると、握手をした。
一段高い場所に、透明な強化プラスチックで出来た運送と本体の充電も兼ねたケースが
並んでいた。
「全部で10体になります。」
「間に合ったな。

キングとの公約も、だが・・・」

その場にいるのはメラニーとワインバーガー、そして秘書の3人だけだった。
メラニーはワインバーガーに報告した。

「新・ロボット3原則、そしてアンドロイド5原則、それらが起動するかどうかも
確認済みです。
ですから、安全に操作できます。」
「そうか・・・それから、起動後のソフト書き換えは出来ない様になっているね?」
「それらも確認済みです。」
「それでは・・・テスト・モードで私も確認しよう。」
「お願い致します。」

1体のアンドロイドが起動する音と共に、開いたケースから歩き出した。
その姿は若い男性、それも20代の最強兵士をモデルとしたタイプだった。
あらかじめ用意された柔軟に動くセパレート型の防御スーツを着ていた。

「兵士の姿は模写していますが、顔も体もオリジナルにしました。
同一人物がでてくることは100パーセントありません。」
「名前は?」
「リフ、です。」

ワインバーガーがリフを呼んだ。

「リフ、ここに来て、挨拶をしてくれないか。」

リフはスムーズに歩いてワインバーガーの前で止まった。

「初めまして、私はアンドロイド・リフと言います。
アンドロイド・グランドクロス計画を遂行する任務についています。」

「リフ、君の能力について説明したまえ。」

リフはうなずくと、話し始めた。

「最強の兵士と同じ身体能力に加え、あらゆる火器銃器、兵器の扱い、
そして全ての乗り物の操縦が出来ます。
加えて、Sクラス能力者のコピー機能もありますので、手にした兵器のコピーも
可能です。
ロボット・アンドロイドの原則に法り、この能力は人間を護ることに使用し
人々の危険回避の為に全力を注ぎます。」

ワインバーガーはうなずいた。
「よろしい。
明日は君達の初披露の日だ。
どの国に行こうとも、君達の活躍に期待している。」

リフは敬礼の姿勢をとると、次の指令を待った。

「では、戻って明日に備えてくれたまえ。」
「はい。」

リフがケースに戻ったのを確認して、メラニーはケースを閉じた。
ワインバーガーはリフの他のアンドロイドも見て回った。
それぞれ、体つきも顔も人種も違う、20代男女のアンドロイドだった。
メラニーが説明した。

「それぞれのアンドロイドには固有の性格がありますが、能力については
全て同じように設定されています。
性差や性格で能力に差があるということはございません。」
「そうか。
最後まで調整は大変だったろうね。
それでは、研究室で今後の活動計画資料を見せていただこうか。」
「はい。」

3人がプラントを出ると、警備室のランプが点滅し、プラント前のカメラが
警備する2人と出てきた3人を映した。
マドックスはその様子をじっと監視していた。

「先輩~~~!この女の人かわいいっすね~~!」
「マドックス、ところがこのメラニー女子は研究所で鬼軍曹と呼ばれている。」
モニターを指差しながら、先輩警備員は言った。
「彼女の眼力は、俺達を石にできるほどだっ!間違っても声はかけるなっ!」
「へ・・・んなあほな!・・・そんじゃあ、こっちの秘書さんは?」
「秘書っていっても、アンドロイドだからなっ!」

マドックスは先輩の鼻息が荒いのを、笑いをこらえながら見ていた。

「あんどろいどっすか!さっすが、世界一の研究所っす!!」
「アンドロイドの秘書なんて、どこを探してもいないぞ!
あっちはIQ 300だからな!
ま、おまえもこの素晴らしい研究所の警備ができるんだ。
誇りに思っていいぞっ!!」
「ですねっ!!」
「それじゃあ、警備交代の時間だからなっ!モニターに異常発見したら
このボタンを押せよ。」

先輩はどうやら自分の部下が出来たことで、大いに発奮していた。
扉の前の警備交代は一人ずつだ。
今数分だけはマドックスは警備室でひとりなので、すぐに多分割モニター画面を
チェックし始めた。

マドックスは他の警備員の内なる声、つまり心の声を聞いて、グランドクロスが
明日要人の前で披露されるということを知っていた。
イムズ将軍には、休憩時間を利用して建物の外からテレパシーで伝えていたのだ。

マドックスはモニターの上部にある半円型のカメラを見上げた。

(まあ、声さえ出さなければ、俺が何を考えているかはわからないからな。
おっ、交代の人が戻ってきた・・・)

マドックスはモニター画面を見つめながら、あくびをすると、戻った警備員に
うなずいてみせた。

「お疲れさまっす。」
「お疲れ。
私は隣の部屋で仮眠する。
2時間したら起こしてくれ。」
「了解っす。」

その男が隣の部屋で寝息をたてて寝ているのを確認して、マドックスは
煙草がないな~と言いながら警備員室を出た。

ささっとプラントの裏口から外に出ると、マドックスはイムズにテレパシーを
送った。

(テレパシーは防御されていますが、超能力者が入ることはできます。
シールドやバリアはありません。
明日、要人が午後集まって来ます。
その時にアンドロイドグランドクロスの披露があります。)
(ずい分早いな!警備状況と監視カメラの位置を教えてくれ)
(はい、今観てきた映像を送ります)

マドックスは記憶にある映像を、そのままダイレクトにテレパシーで送った。

(なるほどな、おおよそ普通の警備だな。)

イムズは脳内シミュレーションで隠れる場所まで確認した。

(でもここ、普通の警備じゃないですよ。指紋・声紋・瞳の虹彩・顔認証
X線透視システムと、何重にもセキュリティーがありますから。
イムズ将軍には関係ないんですけど。)
(カメラについてはそっちで調節できるだろう?頼むぞ。)
(まかせてください。)

・・・・・・・・・・エリックのいる部屋・・・・・・・・・・

エリックの健康診断は異常なしだった。
エリックは喜んでまたゲームをしていた。
「カネムラ~~~!お父さんもゲーム好きかなあ?」
「どうだろうな?聞いてみれば?」
「明日、聞いてみるよ。」

エリックはカードを並べながら笑った。
「カネムラ、その伏せカードってトラップカードだよね?
やっぱり~~~~!カネムラって顔でわかるね!」
「カネムラさん、な!!ふんふん、それはどうかな?攻撃してみれば?」
「あっはっは!!やーだよーだ!!」

リリアはその様子を眺めながら、PCからの情報をまとめていた。

ーーーリリア、明日アンドロイド・グランドクロスの非公式披露会が
午後1時から行われます。
(クラウン博士も呼ばれているのね。私の名前は?)
ーーーいいえ、あなたの名前はありません。
(アンドロイドの性能について何かPCに書き込みはない?)
ーーーありません。書かれているのは計画の推進委員会のトップの2名の名前と
研究室代表科学者メラニー、リドル帝国次期総帥キング、それからクラウン博士
他1名です。
(他1名?誰かわからない?)
ーーーわかりません。
(ワインバーガー氏が作成した名簿?)
ーーーそうです。

リリアはサカマキに相談した。
「明日、ワインバーガー氏はアンドロイド・グランドクロスの非公式披露会を
行うそうです。
サカマキさん、ワインバーガー氏から何か連絡を受けていませんか?」
「いいえ、何も。
おかしいな、そんな重大な発表があるなら、私達にも連絡があると思いますが。」
「キングもグランドクロスのあるプラントに行くらしいんです。」
「もしかして、完成披露宴の前の打ち合わせのようなものでしょうか。
ワインバーガー氏に聞いてみます。」

ワインバーガーはサカマキの電話に出ると、手短に説明した。
「確かに完成したが、キングにそれを一度見てもらう必要があってね。
プレ・イベントのようなものだ。
何にでも調整というものは必要なんだよ。
完成披露会は1週間後だ。
それには君達も参加してもらうよ、スーツの準備だけはしておいてくれ。」
ワインバーガーは忙しいからと電話を切った。

「・・・そう、調整が必要っていうことなのね。」
「グランドクロスというアンドロイドについて、リリアは何か聞いている?」
「いいえ。
一般の情報と同じよ、人類が生存できないような場所、主に宇宙での活動や
危険と隣り合わせの任務に従事することも出来るアンドロイドということと
全ての人々との体験の共有を可能にする、今までにないプロジェクトだという
事は知っているわ。」
「そしてその最大の出資者がリドル帝国なのも・・・」
サカマキの言葉にリリアは考えながら言った。
「それじゃ、キングが私達に近づいたのも何か意味があるということかしら。」

サカマキは頭を振った。
「私は何かがいつも頭の隅に引っかかっていました。
キングがエリックとリリアに近づいたのも、ワインバーガー氏は知っていた。
でも何一つ言ってこなかったんですよ。
今考えると、それはおかしなことです。
リリアが保護者としてついていても、エリックをキングが狙っているのは
あきらかだったでしょう?
私達が護衛のようについていたとはいえ、あれだけのゲームにエリックが
関わっても、最終局面でやっとワインバーガー氏が言ったのは、リリアの
メンテナンスの事だけだった。
・・・まるで、ゲームの中でエリックが自由に能力を発揮できるように
していたとしか、思えない・・・

ワインバーガー氏は、一体何を考えているんでしょうね?」


・・・・・・・・・・・レゼンダの部屋・・・・・・・・・・・・

レゼンダはPCから消えたエリックと、それを待ちながらぶつぶつ言うれぜんだに
文句を言っていた。

「どういうことなのかしら?クイーンが戻られたのは良いことだけれど。
れぜんだは何故消えないのかしら?」
「やはりクイーン様のお気に入りだからではないかと。」
「ゲームは一時中断された筈だわ。」
「れぜんだちゃんはエリックのように自由に生きてもよいということではないかと。」
「執事。
あなたのれぜんだへの過保護っぷりも自由すぎだわ。

れぜんだ!!
恐竜を団子のように積み上げない!!
そんなことしたら恐竜に喰われてしまうわよ!!」

れぜんだはぷうっと頬を膨らませた。

「合体業をつくるんだからっ!!邪魔しないでよっ!!」
「そんなので合体するわけないでしょっ!!」
「わっかんないじゃない~~~~!!もし合体したらあ??」
「合体、しませんっ!!」
「いちいちうっさいな~~~~~!!
ろぼっち、もっと森の奥でやろ~~~!!
恐竜もおいで~~~!!」
「れ ぜ ん だ あ あああ!!」
「さんざんなアイランドですね。」
「し・執事いいいいいい~~~~~~~!!」


・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・
(このお話は フィクションです。)





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by f-as-hearts | 2016-08-12 00:30 | SFサウザンドアイランド
異世界の島の物語


サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー          ・・・60歳  サウザンド・アイランド連邦国
                       科学技術省総裁
メラニー             ・・・33歳   科学者
長老               ・・・??    ???
レゼンダ             ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ              ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス             ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト               ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング               ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クイーン              ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者  
       
ディラルド・ジェイントン博士      ・・・???  超遺伝子科学者 エリックの父



第百二十話 「  研究所がいっぱい 」


・・・・・・・・・・・・・・・・・エリックのいる部屋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

リリアが戻ると、エリックはカネムラとサカマキから質問ぜめに合ったと言った。

「リリア、僕が夢の中でキングやクイーンとゲームしたって本当?
僕、何にも覚えていないんだ。」

リリアはサカマキを見たが、サカマキは首を振った。

「記憶喪失とは違うようです。
あのキングとのゲームから先を、全て忘れているんです。」
「目覚めたら夢は忘れるものね。」

リリアの言葉にカネムラが唸った。
「そんなのは、夜寝ている時の夢のことでしょう??
理解できないです!!」
「カードを見ても、何も思い出さないの?」
「そうなんですよ!」
「最初のようにカードを使えない?」
「使えません。
確かめました。」

リリアはエリックを見た。

「それじゃ、エリックがゲーム中に発動したサウザンドアイランドの風景も
覚えていないの?」
「う~~~~ん・・・そんな島、僕行った事ないよ、リリア。
リリアも行った事ないよね。
どうしてみんな、そんな島のことを僕に思い出せっていうの?

それよりさ、お父さんはどこにいるの?
お父さんってどんな人?
リリアと一緒に帰ってきたんじゃないの?」

屈託の無い笑顔でエリックは笑っている。

「お父さんとは、PCで話せるわ。
でも今は大変な研究の最中だから・・・エリックのお父様は超遺伝子研究の博士で
サウザンドアイランドで昔、研究を続けていらした方よ。」

エリックはリリアに嬉しそうにうなずいた。

「お父さんに会いにいきたいな!ダメ?

そっか・・・じゃあ、PCでもいいや。
もうお父さんと話してもいい?」

エリックがPCに話しかけると、PCが答えた。

ーーーエリック、今繋ぎますね。

リリアがサカマキとカネムラに言った。

「・・・それにしても、エリックがクイーンの夢に入り込んだからなのかしら。
クイーンは今は、意識を体へ戻しているところだけど。」

ーーーエリック、お父さんが出てくれるそうです。

「あ、お父さん?

僕のこと覚えてる?僕、今ねリリアと一緒に暮らしてるんだ。
カネムラもサカマキさんも、僕の友達なんだ~~!」

「エリック、俺を探してくれたのは、エリックの仲間達だったんだよ。」

「え??仲間?カネムラが探してくれたんだね!!」
「違うんだ。

エリックがゲームに参加していた時に、エリックには仲間ができたんだよ。
今は、クイーンの夢のせいで、忘れているみたいだがね。

・・・エリック、ひとつやってみて欲しいことがあるんだが。
今はまだ、疲れているはずだから、明日だな。」

「えーーーー!?

僕もう疲れてなんかいないよ!!

お父さん、僕超能力使えるんだ。
だから、すぐにー」

「実は、明日にならないとダメなんだよ。
今は忙しいけど、明日の朝にもう一度話をしような。」

リリアがPCに合図して、ラインを閉じた。

カネムラがエリックに言った。
「エリック、久しぶりにゲームしようか?」
「うん!!やったあ!!」

リリアは博士が言った言葉に安堵していた。
博士には何か、解決策があるようだ。

「カネムラさん、エリックは健康診断をしなければならないの。
30分くらいで終わらせてね。」

「はい、わかりました。」
「ええええ~~~??」
「エリックのお父さんから頼まれているのよ。」
「・・・・・・・は~~~い。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・新・研究所・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

キングはディラルド博士からエリックの話を聞いて、驚いていた。

「・・・夢、だから忘れた、ということですか?」
「まだ、断定はできませんけどね。
人間は、どんなに長い夢でも、覚えていないことがよくあります。」
「・・・そうですか・・・」

今度は博士がキングに質問した。

「キング、あなたのその仮想空間創造という能力ですが・・・
どうしてゲームという世界にこだわったんですか?」
「おっしゃる意味がわかりませんが。」

「失礼しました。

・・・私が言いたいのは、その空間を創る能力で、様々な人々を魅了する
ことができるだろう、と言う意味です。
ゲームじゃなければいけなかったんですか?
ゲームは、いつの時代も遊びの空間で一過性のものでは?」

「・・・確かに、仮想世界は曖昧であやふやなものに満ちています。

・・・きっと私のいる世界と比較すると、一番遠い世界だからでしょう。
だから、私に必要だったのです。

博士にも理解できないということは、正解のない問題なのだと思ってください。」

博士はうなずくと、言った。
「キング、もうエリックには接触しないでしょうね?」
キングは眼を閉じた。
「それも私にはわかりません。」

キングの電話が鳴った。
博士に会釈して電話に出たキングは、電話の相手にうなずいていた。
その間、キングが声を出すことはなかった。

カチャ・・・
電話をポケットにしまうと、キングは博士に少しの間研究所を離れると言った。

「クイーンの容態が変わるようでしたら、いつでもいいですので連絡ください。
それでは・・・」

キングは研究所を出ると、駐車場に停まっている専用車に、もうしばらく
待っているように伝えた。

振り向くと、研究所の入り口の脇に見慣れた人物が立っていた。

「キング、こんなところにクイーンを連れてきていたんですか。」
「イムズ、君には感謝している。
あの島から大鷲を運んできてくれて。
・・・おかげで、意識が戻りそうだよ。」

イムズは帽子を外すと頭を掻いた。

「まあ・・・エリックが能力を発動したっていうのは、知ってますんで
それでも、大鷲にクイーンが乗移っていたのは本当でした。」

「それについては、他言無用だ。
引き続き軍での機密事項としておいてくれ。
それで、先程のテレパシーでの連絡だが、事実のようか?」

イムズは帽子をかぶり直した。
「はい。

そちらはマドックスに調べさせていますが、対テレパス用の設備がある模様で。
苦戦を強いられています。」
「そうだろうな。
私にも全容はつかめていない。」
「マドックスに別からのアプローチをさせましょうか?」
「無理に動くのは危険だ。
相手に警戒させぬようにしてくれ。」

イムズは会釈をすると壁に消えた。
キングは車に向かいながら考えていた。

クイーンの存在は隠しておけることではなかったが。
最良の1手であったかどうか・・・

キングはバタンと後部座席に乗り込んで、運転手に行き先を告げた。
車は静かに森の方へ動き出した。


・・・・・・・・・・・・・・・ワインバーガーの研究所・・・・・・・・・・・・・・・・

メラニーがワインバーガーに連絡をしていた。

「グランドクロスが完成いたしました。
はい、お待ちしています。」

メラニーは研究員に言った。
「これで皆、長期休暇がとれるわね。」

研究員達からは声もない。

「ごめんなさい、寝ていていいわ。」

モニターに映る研究所と隣り合う巨大なプラント内には、
完成したグランドクロスが搬送されて並んでいた。

「これで・・・ワインバーガー博士の夢が叶う。」

ワインバーガーは自家用ヘリでビルの屋上から飛び立っていた。
そのヘリの中で、エリックのことを考えていた。
それからリリアの生みの親であるクラウン博士に、電話で報告をした。

「そうですか、とうとう・・・おめでとうございます。」
「ありがとうございます、クラウン博士。
完成披露は内々にする予定ですので、是非明日研究所にいらしてください。」
「エリックはキングから離れましたか?」
「それが・・・」

ワインバーガーはエリックの状況を簡潔に説明した。
「そんなことになりましたか!」
「こちらとしては、良い結果ではありますがね。
キングとしても、クイーンが彼らの元に戻ったので、不満は無い筈です。」

クラウン博士は言った。
「今でもリリアの情報は送られているのですが、眠っているエリックの状態と
キング、クイーンとの状況まではわかりませんでした。
・・・明日、ですね、喜んで伺います。」

ヘリコプターの操縦士が言った。
「もうすぐ研究所です。」
「わかった。」

研究開発にかかってもう10数年・・・か。
エリックという超能力者が現れて、開発に拍車がかかったこの半年。
ワインバーガーは研究所に到着すると、地下通路へと向かった。
隣のプラントへの近道だったのだ。

警備人が挨拶をしてワインバーガーを通した。
警備人の一人がワインバーガーの後姿を見送りながら言った。

「あの人は、誰っすか?」
2人がひそひそと話し始めた。
「馬鹿、あの方はここの最高責任者のワインバーガー博士だ。
お前、入ったばかりだから知らないだろうが、俺らはあの人に雇われているんだ。」
「わかりやした。」
「いいか、マドックス、おまえなるべくしゃべるな。
新人はほんとは入れるなっていわれてるんだからな!」
「へーい。」

マドックスはかなり慎重に警備の仕事に紛れ込んでいた。

「おまえ特別らしいな。」
「いやいや、俺のめいっこのはとこが、ここの研究員のひとりでして。」
「そうか、親戚くらいだもんな、コネがきくなんてのは。
よかったな、ここは高待遇だぞ。」

マドックスはテレパシーが通じない内側に入ることに成功していた。
「はー腹減ったなー。
もう飯の時間じゃないっすか?先輩。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです。)
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by f-as-hearts | 2016-08-07 11:06 | SFサウザンドアイランド
異世界の島の物語


サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー          ・・・60歳  サウザンド・アイランド連邦国
                       科学技術省総裁
メラニー             ・・・33歳   科学者
長老               ・・・??    ???
レゼンダ             ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ              ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス             ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト               ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング               ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クイーン              ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者  
       
ディラルド・ジェイントン博士      ・・・???  超遺伝子科学者 エリックの父



第百十九話 「  夢 」


・・・・・・・・・・・・・・・・レゼンダの部屋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


レゼンダはエリックが新たなクイーンを夢の世界に創ったのを見て
驚きのあまり、PCの前で固まっていた。

「なるほど、これでれぜんだちゃんの役割がわかりました。」

レゼンダは声もでない。

「エリックに気づかせる為だったんですね。
クイーンが夢の世界を離れられない理由などを。」

レゼンダは紅茶を一口飲んだ。

「クイーンはこれで夢のゲームの仮想空間にもいることができますね。」

レゼンダはごくんと紅茶を飲み込んだ。

「これで今まで通りということです。」


・・・・・・・・・・・・・・・サウザンドアイランド・・・・・・・・・・・・・・・・・


エリックは夢の中でキングとクイーンが抱き合うのを笑顔で見守っていた。

ニーソックスはエリックの周りでそわそわしながら言った。

「えりっくのとうちゃんは すごい・・・ 

おれにクイーンの ところへいけって いったけど

ほんとは おれ くいーんにころされるか と おもったんだ・・・」

「やっぱりすごいや、ニーソックス!!

僕、ニーソックスがいなかったら ずっとクイーンとゲームしてたよ!!」

れぜんだがふふんと鼻を鳴らした。

「クイーンはラスボスだからねっ!!!!

何が何でも、倒れたりしないのさっ!!!

エリックうううう~~~!!

もうクイーンに勝ったんだから、今度こそあたしと戦え~~~!!!」 


ひゅうーーーーーーーーっと 島に風が吹き渡って

上空に大鷲が羽根を広げた。

クイーンは大きく腕を伸ばすと、その腕は大鷲の羽に変わった。

「・・・エリック・・・

    ・・・フール 愚者の子よ・・・


私は ずっとキングのそばにいる為に 一番遠い この島にいた。

しかし 意識が離れた後の体の衰えは キングにもどうしようもなかった。


エリックに この島と ゲームと 夢の世界を 好きになってもらわなければ

この たったひとつの答えに 辿りつかなかった・・・


     ありがとう エリック 

 そして ニーソックス  ディラルド博士  れぜんだ ・・・

 私は ずっと この世界と・・・      ともに ある・・・」

バサッ・・・・・・・・・

クイーンはその姿のまま空へと飛び上がった。

羽が 空から落ちてきた。

エリックは手を伸ばして、その羽を掴んだ。


・・・・・・・・・・・・・ワインバーガーの研究所・・・・・・・・・・・・・・・・・・

メラニーがワインバーガーに連絡していた。

「ディラルド博士が、キングの元にいるそうです。
そこの研究所にリリアとクイーンが・・・はい、博士はキングに協力して
クイーンを助けたようです。

エリックは能力でクイーンの意識を取り戻せたようです。
夢の中にPCを出現させて、父親と会話しながら、答えを導いたという
ことです。」

「エリックの、見たことのあるものを完全にコピーする能力か!」
「はい。」
「リリアは、その時のエリックの脳波を記録したかね?」
「しています。」
「クイーンの脳波は?」
「大丈夫です。」
「それでは、それらのデータの解析、及び能力の発動結果を新たに分析して
グランドクロスへの移植を急いでくれたまえ。」

皆が慌しく動いていた。
「わかりました。
それから、キングの元にリリアもいるのですが、離れるように伝えますか?」

ワインバーガーは少し考えてから答えた。
「大丈夫だろう。
リリアには護るべきものがあるからな。」

ワインバーガーはおびただしい数のビル群の一角から、地上を見下ろしていた。

「阻止できるはずだ。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・新・研究所・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

キングはクイーンの傍にいるように博士に言われたが、ニーソックス達が
いた時のようには、クイーンとの意思疎通はできないことも、すぐに理解した。

博士はまだまだ移植手術も不可能だとした上で、14年の長さを理解して欲しいと告げた。

「ですが、私達は新しいデータを手に入れました。

ニーソックス達がクイーンの脳に直接関わることで、得られたものです。
脳細胞、脳幹脳神経やそこから繋がる筋肉組織など、失われた組織がどこなのか
どこを繋げばよいのか、それを同一個体で比較できるという、データです。
それが、大きな進展をもたらします。
クイーンの予知夢は、きっと現実になるでしょう。」

クイーンは意識が戻っても思うように動かせない体に、いらだっているように感じていたが
それも含めて、予知での言葉を思い出していた。

(・・・いいの・・・頑張るから・・・)

「博士・・・その言葉を、クイーンにかけてやってくれますか?
今が一番辛いのではないかと思いますから。」

博士はうなずいた。

リリアがクイーンの傍から博士の元へ来た。

「博士、エリックのことですけど」
キングは席を立つと、黙って隣の検査室へと歩いて行った。

「まだエリックは目覚めないようです。
クイーンの夢にとらわれているのでしょうか?」

「そうだな・・・

おーい、エリック!聴こえるか?」

PCの中ではエリックがれぜんだとゲームに興じているところだった。

「なあに?」

「どうだい、そろそろこっちに戻って来ないか?」

「まってよ、今れぜんだちゃんのろぼっちがーーー

わわわっずるいや!!僕、父さんと話してるんだからっ!!」

「そんなこと言って、逃げる気だろ~~~~~!!」

「違うよ~~~~~!!ひどいなっ!!ニーソックス~~~~!!

れぜんだちゃんのろぼっちを止めて!!」

「いいぞ・・・ みんないくぞ・・・せえの・・・」
お化けは一斉にれぜんだとろぼっちに吹雪を吹きかけた。

「きゃあ~~~~~~~~!!こらこらこら、あたしをゆきだるまにする気???」

「エリック、その夢の中でも能力を発動していただろ?

・・・多分、かなり脳が疲労していると思うんだ。

一度、クイーンの夢から出て、自分の体に戻れるように意識してみてくれないか?出来る?」

「れぜんだちゃん、ちょっと待ってて。

わかった、やってみる。」

「だめだめ~~~~~~!!!エリック逃げる気?!あたしと遊ぶの!!!」

「うん、大丈夫だよっ!すぐ戻ってくる。」


PCの中のエリックが消えた。

その瞬間、サカマキが、エリックの目が覚めたとリリアに連絡してきた。
カネムラはエリックに話しかけていた。

「エリック、おはよう。

夢は面白かったかい?」

「?ううん?・・・ここ、どこ?

僕お腹すいた。」

「えっ?

夢の中にいたの覚えていないのかい?」

「??夢?カネムラ、僕、夢みてたの?」
「そうだよ、仮想空間のゲームで・・・その後クイーンの夢の中で」
「??見てないよ、そんなの。

お腹すいたああ~~~!!リリア~~~~!!」

リリアはサカマキに電話を代わる様に言った。

「エリック、私は今あなたのお父さんと一緒にいるのよ。
すぐには戻れないから、カネムラさん達とご飯食べていてね。」

「お父さん??お父さんに会ったの?お父さんどこにいるの?
わかった、リリアすぐに帰ってきてね。」

電話を切るとリリアが博士に言った。

「博士、エリックは仮想空間のゲームと夢の中の出来事を忘れているようです。
戻って詳しく確認しなければなりませんが、私達のことは覚えていて、博士のことは
わからないようです。」

「・・・そうか・・・


これは、クイーンの夢の・・・」
 

カネムラとサカマキは驚きを隠せなかった。

「本当に、あの、長い・・・・・・・今までの夢を全部、忘れているのか??」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです。)
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by f-as-hearts | 2016-07-31 17:13 | SFサウザンドアイランド
異世界の島の物語


サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー          ・・・60歳  サウザンド・アイランド連邦国
                       科学技術省総裁
メラニー             ・・・33歳   科学者
長老               ・・・??    ???
レゼンダ             ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ              ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス             ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト               ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング               ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クイーン              ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者  
       
ディラルド・ジェイントン博士      ・・・???  超遺伝子科学者 エリックの父



第百十八話 「  一筋の光  」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・新・研究所・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

キングはディラルド博士からこれから行う実験と診療について説明を受けた。
クイーンにも同じように説明をするが、PCの中の本人の意識は、答えられる
状態ではないと判断し、キングが少し考えさせてくれと言った。

「クイーンは、博士に任せると言っていましたから・・・
ただ、それは博士が見つかる前でしたけど。」

クイーンに入っているニーソックスは、博士の話に頷いていた。

「クイーンに あいに いってくれば いいんだな・・・

それぐらい は だいじょうぶ だ・・・」

博士はその後キングとふたりだけで話があると言った。
キングが了承すると、博士はリリアにしばらく出てくると言って、キングを
夜の街に連れ出した。

その研究所から坂を下って、明るく光る商店街を抜けると、カウンターバーが
あった。

博士はすぐにその店の奥へと進み、席に座ると、キングに酒を呑むかと聞いた。
2人は同じ地酒を頼むと、キングは博士に何の話かと訊いた。

「キングとクイーンの関係なんですが・・・」
言いづらそうに博士はキングに尋ねた。
「恋人、ですよね?」
「そうです。」

グラスの氷が、カランと鳴った。

「クイーンの、ご両親は?」
「いない。」
「ご親族も?」
「いないな。」

「そうすると・・・キングが、唯一の身寄りだということになりますね。

キング、クイーンが予知夢の能力を発動させたのは、あなたの為では
なかったですか?」

キングは、言葉に詰まった。

「ひとつ・・・約束していただきたいことがあります。

これは、あなたの立場では難しいかもしれないことです。」

博士の約束の言葉にキングは頷いた。

「・・・わかった。

それじゃあ、すぐにでも研究所に戻ろう。」


クイーンとリリアがパズルで遊んでいるところに、キングが入ってきた。
博士は、あらかじめ呼んでいた助手と研究員を伴って入ってきた。

「クイーン、いや、ニーソックス、用意はいいかな?

それじゃ、始めよう。

エリック、いいか、大声でニーソックスを呼ぶんだ。」

「うん!ニーソックス、来てよ!!」

PCの中にニーソックスは吸い込まれていった。

ニーソックスは他のお化け達には、クイーンの中に残るようにいってあった。
エリックはニーソックスがくるくると中空で踊るのを笑いながら見ていた。

「クイーンの ところに いって くるよ・・・」

キングがリバイアサンを召喚すると、リバイアサンはクイーンに吹雪の攻撃を
始めた。

クイーンの竜はそれをかわしながら、逃げていた。

れぜんだがろぼっちのろけっとぱんちをクイーンに打つと、ぱんちはクイーンを
捕まえた。
クイーンは吹雪を喰らって動けなくなった。

ニーソックスはその瞬間、クイーンの中へと入っていった。

ニーソックスはクイーンの意識に呼びかけた。


「クイーン クイーン キングが はなしたがって いるぞ・・・

このまま じゃ クイーンが かわいそう だからって」

クイーンの意識は夢の中で竜のように荒れ狂っていた。


「かわいそうなのは キングだ!!!

私は何も悲しくは無い!!何も失わず 何も不幸など無い!!!

出て行け、ニーソックス!!!」

「 おれ おばけだから わかる・・・


クイーン おまえは おばけじゃない

おまえは キングが ひつようだ

キングは おまえにもどって こい と いってるぞ」

「私は キングのために ここにいるのだ!!」

「 キングは キングのために クイーンにもどってほしい んだぞ


クイーン  

 おれ には からだ が ないけど

おまえには からだも こころも あるだろ・・・」

「うるさい!!!!!そんなもの」

エリックが叫んだ。

「クイーン!!キングはクイーンのことを待ってるんだ!!

僕もお父さんが待ってくれているんだ、クイーンもキングに

会いたいよね!!!」


れぜんだがぼそっと言った。

「ばっかじゃないの、そんなの、無理にきまってる。

予知夢の能力、なくなっちゃうじゃんか。

ばっかじゃないの、全部ひきかえにして、何がいいのさ。

能力が全部なくなっちゃったらさ、どうするのさ。

それぐらいあたしにだってわかるよ!


クイーンはラスボスなんだから!

ラスボスだからいいんだって!」


ニーソックスは すこしだけ泣きそうな顔になった。

「 でも おれ ずっとまってて くれる やつ が いい・・・」


エリックはそのニーソックスの言葉に、泣き出した。

「そうだよ!!!僕はいつでもニーソックスを待ってる!!

僕も、僕も、クイーンがおばけになっちゃうのはいやだ!!!

でもこの夢の世界が終わるのもいやだあああああーーーーーーー!!!」


れぜんだが怒っている。

「わっがままな奴!!!!!ばっかじゃないの!!!

ほんとばっかじゃないの!!!!

どっちか、しかないんだよーーーーーーーだ!!!」


そのれぜんだの言葉に、エリックが首を振った。

「ううん、今、思いついた!!


僕は夢の中のクイーンをつくるよ。

夢の中のクイーンは、今まで通り夢の中にいられるんだ!!」

エリックが叫ぶと、クイーンの竜の姿が溶けて、そこに新しいクイーンが現れた。

それと共にニーソックスが突然、エリックの傍に現れた。

「あれ ・・・ クイーン は ?」

キングが笑った。

「クイーンの意識が、体の方へ飛んでいったよ。

・・・ありがとう、エリック。

まさか・・・夢の中でもエリックの能力が発動するなんて・・・」


研究所内は大騒ぎになった。

お化けが皆、クイーンから出て行き、クイーンが何か言おうとしていたのだ。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです。)
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by f-as-hearts | 2016-07-25 17:04 | SFサウザンドアイランド
異世界の島の物語


サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー          ・・・60歳  サウザンド・アイランド連邦国
                       科学技術省総裁
メラニー             ・・・33歳   科学者
長老               ・・・??    ???
レゼンダ             ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
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イムズ              ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス             ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト               ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング               ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クイーン              ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者  
       
ディラルド・ジェイントン博士      ・・・???  超遺伝子科学者 エリックの父



第百十七話 「  キングと博士 」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クイーンの病室・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「キング様、クイーンのご容態について、お話が・・・」

医者が一通りの検査を終えて、キングと別室で話をし始めた。

「・・・結果から申し上げますと、驚異的な回復力と言ってよろしいかと。
しかし少々今までの研究結果とは異なる数値がございまして。」

「どんなことだ?」
「はい、その・・・我々が認めた病例からはありえないのですが・・・」
「つまり、君達の見識とは違うというのだな。」
「そうですが、まだ2日しか経過しておりませんので、あと一週間は検査を続けませんと。」

キングはギシッと椅子を動かした。

「君達には、十分な時間を差し上げた筈だ。」

医者は慌てた。
「キング、我々の医学は先端医療ですから、これ以上の結果をお望みというのは
非常に困難ではないかと存じます。」

「・・・君達のことに不満があるのではない。
確かに私は、クイーンに最先端の医療をつぎ込んでいた。

ただ、他の研究者が必要になっただけでね。
ありがとう、君達には感謝している。

先程新しい研究施設にクイーンの搬送を頼んだ。
君達には今までの研究の成果への十分な報酬を用意した。
では、これで・・・」

キングが立ち上がると、医者は大きく首を振った。

「キング、それではクイーンの言語能力の回復は?あのままでいいのですか?」

キングは振り返らずに部屋を出て行った。


廊下に出ると、たった2日で、驚異の回復をしたというクイーンが、そこに立っていた。

「もう話をしても大丈夫な場所にいけるぞ。」
「そうか・・・ よかった・・・」
「よく言葉を発しないで耐えたな。」
「 むず かし かった な・・・」
「そうだな、おまえは笑い上戸だからな。」
「キング が わらわせようと する から だ」

看護士がやってきて、再びクイーンは口をつぐんだ。
クイーンの為に車椅子が用意されてきたが、それには座らず、スタスタと歩くクイーン。

「素晴らしいですね!もうお食事も一人で召し上がられますしね!
でも昨日の夜の、あの話はおかしかったですけど。」
「?何があった?」
「ごぞんじなかったですか?

クイーンはお見舞いで来られた官僚のお子さんの後をついて、いつのまにか
病室を出て行かれたそうです。
こどもさんは驚いて、逃げ回っていたそうですよ!」

「ははあ・・・」

クイーンはその話になると、顔を背けた。

「クイーン、いや、ニーソックス。

そのうち君の会いたい人にもあえるだろう。
今はまだ無理だが。」

空港の出口には大きな車が停まっていた。
キングがクイーンを乗せると、車は静かに走り出した。


空港から2時間は車で走った山の中に、その研究所は立っていた。
研究所の中では、ディラルド・ジェイントン博士がリリアと共に準備を整えていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・新しい博士の研究室・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

キングがクイーンを伴ってその部屋に入ると、博士は目を見開いて言った。

「ヒナ鳥の主、は、本物の美少女だな!!

初めまして、キング。
ディラルド・ジェイントンです。

早速、クイーンをこちらの病室に。」 

キングはクイーンをリリアに引き合わせると、言った。

「ここで君に会うとは。

今までのことをどうか許して欲しい。

リリア、私は必ずエリックを助ける。」

博士はPCを開くと、キングに中の様子を見せた。
PCの中では、エリックとれぜんだ、そしてキングが、竜に変化したクイーンと
クイーンの召喚獣らと戦っていた。

「キング、貴方がリドル帝国次期総帥だというのは、リリアから聞きました。

私がサウザンドアイランドで帝国から遺伝子研究を任されていた時とは

全く状況が違うというのも、理解しているつもりです。

・・・息子は、キングとクイーンを助けたいといいましたが、私は息子が

助かる為には、まずはクイーンを助けなければならないと思っています。

キング、ご協力をお願いします。」

「勿論です。」

クイーンはリリアと隣の病室に移った。
キングは研究室を見回した。
病理関連の細菌研究所にあるような、大きな冷蔵室や、
ブースごとに個室になっている検査室、箱のまま置かれている使い捨ての備品など
ずっとここが医学の研究室として使われてきたことが見て取れた。
そして、隣の病室に入るには、エアーシャワーや専用の着替えなども用意されていた。

キングは再び博士のPCを観た。
あの中にも、自分がいる・・・

「博士が、あの島で研究していたことを、私は知りませんでした。

歴史から消されていたのですよ、酷い話ですが。


サウザンドアイランドは、クイーンにとっての楽園でした。


・・・最後の、楽園だと言っていました。

エリックをゲームに巻き込んだことは、必然だったのです。

そのことは、今でも間違っていないと思っています。


仮想空間の創造は、実は現実の模写でしかないとしても

元々あった筈の、失われた楽園の創造なら・・・

真実、価値があると・・・ 」

にっ、と博士は笑った。

「エリックは、お化けのニーソックスが一番のお気に入りらしいです。

・・・キングが創ったキャラだそうですね。

さて、そのニーソックスにもう一仕事してもらいましょう。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・サウザンドアイランド・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

クイーンはいよいよ竜の本領発揮とばかりに、炎の連続攻撃をしていた。
れぜんだは、ろぼっちから降りると、クイーンに向かって大声で叫んでいた。

「クイーンのばーか!!竜なんて、こわくないんだからねっ!!!」

「れぜんだ、クイーンはおまえの創造主なのに、おまえは本当に変わっているな。」

「キング、あたしはあたしだから!!クイーンが騒いだって、攻撃してきたって

こわくないもん!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・レゼンダの部屋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それを聞いて、レゼンダは目を丸くした。

「・・・クイーンはどうしてれぜんだなんか創ったのかしら?」
「そうですね、七不思議のひとつです。」
「なな、不思議??ですって?執事、ななつの不思議って何?」
「レゼンダ様、ほらエリックの攻撃ですよ。」
「七つも不思議があったかしら??」
「七つ以上不思議があるように思いますが。」
「それはそうね。

あの帽子がまずひとつ目、それにあの性格でしょ。

ゲームキャラとしてはザコなのに私の名前!・・・でしょ。

キングもクイーンも、あのれぜんだをいまだにゲームの中で活かしているところ!も、ね!」

「4つ、でございますね。」
「・・・そういえば、私の名前をつけた意味が一番気になるのに、今まで
クイーンに答えを訊けてなかったわ!」
「5つ、でございますね。」

レゼンダはクイーンに呼びかけた。

「クイーン!!ちょっと訊きたいんだけど!れぜんだの名前のことだけどーーー」

竜になったクイーンは、れぜんだに向けていっそう激しく炎の攻撃を始めた。
れぜんだはひーひー言いながら逃げ惑っている。

「・・・しまったわ。

なんだか、火に油を注いだ感が満載だわ。」

「クイーン様万歳。」

「執事。

すっ   ごく複雑な気分なので、紅茶にテキーラを入れてくださるかしら。」

「かしこまりました。」

後ろを向いた執事は、笑みを浮かべた。
執事はなかなか気分がよいようであった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです。)
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by f-as-hearts | 2016-07-21 00:29 | SFサウザンドアイランド
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もう少し色をつけてみました。
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by f-as-hearts | 2016-07-16 02:14 | SFサウザンドアイランド