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タロット占い師ASのブログです。

カテゴリ:SFサウザンドアイランド( 133 )

異世界の島の物語。



サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
エリック・ジェイントン       ・・・5歳    S級会員
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
ワインバーガー           ・・・60歳   ???


第三話 「 エリックはS級会員 」


リリアはにっこりと微笑んだ。
「ごめんなさい。

あなた達は、エリックの級をご存知なんでしょうか?」

サカマキは答えた。
「S級ですよね。知っています」
「その、意味も?」「勿論です」

リリアはゆっくりと言った。
「彼が、勉強は嫌いといったら、従うんです。
私は今までにも、大勢の研究員と検査員の方々に説明して
きましたが、どなたもわかっていなかった。

彼は大切な人ですが、普通のこどもなんです。
計画倒れになる前に、ご忠告させていただきます」

カネムラはサカマキの顔を見つめたが、リリアの方を見ると
言った。

「驚かれるかもしれないと、報告していませんでしたが
私もS級なんです。

エリックの辛さはわかっているつもりです。
それでは一緒に行動する理由にはなりませんか?」

リリアはテーブルに置いた手が震えるのがわかった。


「・・・まさか?!

S級が、2人???

そんな奇跡のようなことがおこる訳がーーー」


・・・・・・・・・・・・・・・・・しまった・・・・・!!!
だから、ワインバーガー氏が、秘密裏に動いていたのか!!!

「し・・・証明章は?」
カネムラ・オクトーは、上着の衿の裏を見せた。

紛れも無い、証明章・・・羽根のマークがそこにあった。

エリックは、初めてみる自分と同じマークを持つ人間に、興味を
もって訊ねた。
「へえ~~~~!!!!
おんなじなんだ?!

・・・マーマレード、僕はカネムラとあっちで話、したいんだ。
2人だけにしてよ」

「・・・・・わかったわ」
リリアの落胆ぶりは、目に見えてわかった。
サカマキはカネムラに頷いてみせると、言った。

「最初から、飛ばすなよ?」
「OK」

2人は並んでそのフロアの端にあるテーブルに向かって歩いていった。

「マーマレード・リリアさん。
そういうことですので、これから私達も打ち合わせをしたいんですが」

「リリア、でいいわ。

・・・つまり、貴方も、カネムラの守護者兼教育者だったってこと?」

「端的に言えば、そうなりますか」

リリアは諦めたように言った。
「何歳から、彼と?」「彼は10歳になっていました。年齢的には遅いくらい
でしたが、それまで、彼と相性の良い人間が誰もいなかったと聞いています」
「あなたは19歳・・・」「私が20歳になってすぐに配属となりましてね・・・」

お茶を飲みながら、サカマキはリリアに話をふった。
「リリアさん。

伺ったところによると、エリックは凄い潜在能力を持つそうですね?」

リリアは言葉を選んでいるようにゆっくりと言った。
「・・・普通の、こどもですわ。

皆、勘違いをしています。

まだ、能力は未知数ですから」

サカマキは首を横に振った。
「ワインバーガー氏はそう思われていないでしょう」
「そうかしら?
私は、正直な見解を報告させていただいたけど」
「貴女は優秀な女性だから・・・」



「サカマキさんは、何故彼が研究員になるというのを、
止めなかったんですか?」
「・・・・・・・・・彼の、意志です」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2012-05-08 02:09 | SFサウザンドアイランド
異世界の島の物語。



サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
エリック・ジェイントン       ・・・5歳    S級会員
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
ワインバーガー           ・・・60歳   ???


第二話 「 会員はクラスが存在 」


「エーーーリック!!!エリック・ジェーーーイントーーン!!!」

間延びした呼び方は、嫌いだったが、この先生はもっと嫌いだと
エリックは思った。

「はい先生」
エリックはちょっと顔を上げると、砂場に突っ込んだ手を隠した。

「ミス・マーマレードがもうすぐ着くそうです。着替えなさい」
「はい」
エリックがぐずぐずしていると、先生は手をつかんだ。

「きゃ!!!!!!」

その手には、大きなカエルがいた。
「な、なななな!!!!!はやくそんなもの、捨ててきなさい!!」

エリックはにっこり笑うと、すばやくそのカエルを先生の首筋に投げた。

「ぎゃああああああ!!!!!は、はやく誰かっっ!!!カエルが
背中にい~~~~~!!!!!!」

他の子ども達は、げえっといって、顔を見合わせている。
エリックは大騒ぎを尻目に、さっさと外へ出て行った。



エリックは今年5歳になった。
海外勤務の多い父に連れられて、この国ーー
サウザンド・アイランド連邦国にやってきた。

そこで・・・この施設に入ることになったのだ。

エリックは父が言った言葉をよく覚えていた。
「エリック。おまえは賢い。きっとすぐに出られるからね」

短めの茶色っぽい髪の毛をぐしゃぐしゃに手でかきむしって、エリックは
怒った。

「お父さん!!!どこに行くの?!」
「仕事なんだ。・・・今度はーーーー」

なんて言ったのか、その後の言葉はジェット機の騒音で掻き消され、聞こえ
なかった。

マーマレード・リリアはエリックに言った。
「大丈夫よ。私達は上手くやれそうだわ」

その意味は、すぐにわかった。
「エリックは、普通のこどもです。ただとてもいたずらが好きですけど」

マーマレード・リリアは大人達にいつもそう、言っていた。
「お勉強は嫌いみたいです」

先生の背中にカエルを入れたことは、すぐに施設の先生達の話題になるだろう。
カエルが可哀想だったかな?・・・

マーマレードの車が、前にあった。

「おはよ。さあ、お仕事よ。
・・・元気、みたいね?う~~ん・・・手は、洗ってね。
・・・今日は、ちょっと頑張らないといけないから・・・

私が、なんだけど。
今日もよろしくね」


車に乗って、2人は海が見える小さな赤い屋根の家に入っていった。
明るいフロアのあるテーブル、そこに待っていたのは、2人の若い男性だった。
リリアはエリックを紹介すると、椅子に腰掛けた。

(サカマキ・ショウゴ   28歳   検査員
データの顔と一致・・・検査員か。
黒い長い髪、細い指、声は・・・思ったより通る声だわ。

カネムラ・オクトー    19歳   研究員
う~~~ん・・・彼は19歳には見えないけど。赤い短い髪・・・
体育会系??かしら。)

「失礼、カネムラさん、あなたは格闘技はお得意なの?
それから、眼はコンタクトかなにか?」

「格闘技ではありませんが、古武道を少々。
眼は何も・・・この色は遺伝です。もともとがヘイズ民族の出なので」

「そうなんですか!ヘイズ民族のことは知っています。
失礼をお許しくださいね」
「いえ・・・いつも訊かれますから」

サカマキはリリアに話し始めた。
「私達は、エリック君の学習計画を立てる為にやってきました。
マーマレード・リリアさんにはご協力とご理解を頂きたいのです」

「多分、お役には立てないと思いますわ」
「・・・そうだね」エリックはすかさず、答えた。

「僕は、勉強は嫌いなんだ」

サカマキはそれに応えて言った。
「勉強とは違いますよ。

学習というのは、楽しいものです。
そういう計画を立てる為に来たんですから」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2012-05-04 02:50 | SFサウザンドアイランド
異世界の島の物語。



サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
エリック・ジェイントン       ・・・5歳    S級会員
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
ワインバーガー           ・・・60歳   ???


第一話 「 研究は永遠に続く困難 」

「上記人物の検索結果について
サカマキ・ショウゴ・・・彼についての詳細な記録は無い。
カネムラ・オクトーについても同上。
記録の削除、変更、操作の形跡は無い。

調査及び探索については、2人には権限が与えられている。
ワインバーガー氏から直に配属、転属の指令が出されている。

・・・以上。」


「それでは納得がいかないわ。隠し事が好きなPCちゃん?
ワインバーガー氏の最近の動向を教えて頂戴」


「ワインバーガー氏は現在コリエルティア島に滞在中。」

「・・・そう。ありがと。それで十分よ。


ところでね。
コリエルティア、には、島は無かったわ?
変換ミスね」


(つまりコリエルティア塔にいるって話よね。成る程)

「ご指摘通りです」
「いつも感謝してるわ。ありがと」

マーマレード・リリアは椅子から立ち上がると、PCを見ずに
急いでドアを出て行った。

彼女は今度の2人には注意が必要だと思った。
何しろ、彼女のボスであるワインバーガー氏が送り込んで
くるのだ。

リリアは洗面所でそのぼさぼさになった髪をブラシで梳きながら
黒い髪の表面に青と水色のグラデーションが戻るのを確かめた。


「いつも通りとはいかないかな?・・・いいえ、大丈夫よ。
きっと大丈夫よ」


マーマレード・リリアは鏡の中の自分を見つめた。

「ワインバーガー氏、研究は順調ですから」

独り言?いや・・・彼女のボスは全てにおいて抜かりがなかった。
科学者でもあるワインバーガー氏を、彼女はよく知っていた。

外へと向かい、車に乗り込むと、彼女は行き先を告げた。
静かに走り出した車の中で、最新の音楽が流れた。
(・・・リインカーネーション・ドリーム・・・DDの曲ね・・・)

車はゆるいカーブを描き、スピードを上げていた。
地下から地上のチューブロードに出て、そのまま高速道路へと。

彼女の住む島にはほとんど住民がいなかった。
空をゆくカモメが、車の横に並んで飛ぶ。
首都への道は多数あったが、この道が一番好きだとリリアは
思っていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2012-05-03 17:42 | SFサウザンドアイランド