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紡ぐ夢 綴る夢

fashearts.exblog.jp

タロット占い師ASのブログです。

サウザンドアイランド 122

異世界の島の物語


サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー          ・・・60歳  サウザンド・アイランド連邦国
                       科学技術省総裁
メラニー             ・・・33歳   科学者
長老               ・・・??    ???
レゼンダ             ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ              ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス             ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト               ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング               ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クイーン              ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者  
       
ディラルド・ジェイントン博士      ・・・???  超遺伝子科学者 エリックの父



第百二十二話 「  深夜の緊急事態 」


深夜、ワインバーガーは警報の鳴り響くプラントへ急いで向かっていた。
彼は近くのホテルでその時間も明日のプレゼンの準備をしていたのだった。
プラントや研究所の異常は、ワインバーガーの携帯に直接警戒音で知らせる
ようになっていた。
プラントの前で車から降りると警備員が大急ぎで駆け寄り、ワインバーガーに
現状報告をした。

「不審な侵入者が、研究員を人質にしてアンドロイドをー」
「なんだって??何故侵入されたんだ??」
ワインバーガーは走りながら、警備員の話を聞いた。
「わかりません、どこも鍵は壊されていないんです!」
「アンドロイドを開放したというのか?!」
「はい、アンドロイドを盗むつもりでしょうか?」
「それは出来ないだろう。
だが、何をするつもりだ??
その侵入者は」

警備員はイヤホンで状況を逐一確認していた。
「それが、侵入者は未だにプラントから出てこないんです。
現在の様子は警備室から監視モニターで見ることができます!
こちらです!」
ワインバーガーと警備の数名が、地下通路を靴音を響かせて通り抜けて行った。
ワインバーガーはアンドロイドのことを考えていた。

(アンドロイドには新ロボット3原則の他に、アンドロイド5原則がある。
間違っても契約者に対して反抗・反乱を起こすことは出来ない。
ただ・・・人質の問題は・・・)

プラント内の様子を見張っている警備員が、ワインバーガーに席を譲った。
「中の電源は?いきているか?照明は非常時の電源でも点く筈だ。
ここのスイッチを入れてくれ。
よし、点いた。」

アンドロイドのケースに照明が当たると、確かに一体のアンドロイドがいなかった。
ワインバーガーが警備員に訊いた。
「中には誰もいないぞ?
それと、人質にされた研究員は誰だった?」
「さっき、いえ、10分前には侵入者と研究員がいたんです!
私は確認しました。
ビデオも撮ってあります!それに、出口から出て行った者はいません!」
「人質は?」
「メラニー研究員です。」

ワインバーガーはバンッと机を叩いた。
それは一番怖れていた事態だった。

「メラニーは研究所に泊まっていたのか!」
「今、こちらのモニター画面で録画を再生してみます。」

ワインバーガーは頭の中で素早く状況を分析していた。
(中で何があったか、も、問題だが、もし侵入した者が能力者だったらー
人質を殺されるか、またはプラント内を破壊するかもしれない。
それか、他のアンドロイドも連れ出されてしまうかもしれない。
侵入者はアンドロイドと一緒にどこかに隠れているのだろう。
だが、そもそもここにどうやって入ったのだ?)

再生されたモニターにはいきなり現れた黒い服の男がメラニーに命令して
アンドロイドのケースを開けているところだけが映っていた。
そして黒い影がカメラの前から消えて、その後はどのカメラにも映っていなかった。

「軍の出動を要請する。
君達は、ゲートと出入り口をかためてくれ。
軍が到着したら、中に踏み込む。」

警備員はモニターの監視員を残して、すぐに出入り口へ向かった。
ワインバーガーは軍に出動要請をしてから、通路に出、サカマキに電話した。

「アンドロイド・グランドクロスが1体盗まれた。
カネムラに電話を代わってくれないか。」

カネムラはワインバーガーの話を聞いて、驚いた。
「まさか、侵入者は能力者なんですか?」
「君の意見を聞きたい。
君は異次元移動能力があるが、同じような能力者がいたな?
リドル帝国に。」

「は・・・はい、まさかイムズ将軍が??」
「だが彼が動く理由がわからない。

あのアンドロイドはリドル帝国にいくのだというのに。
どうして盗む必要があるのか・・・」
「ワインバーガーさんにもわからないんですか?」
「明確な意図が見えないんだ。

もしもキングの命令だとしたら・・・」

カネムラは言った。
「間違いなくキングの命令です。
イムズという将軍はキングに忠誠を誓っていますから。」

外が急に騒がしくなった。
警備員らが軍を統率する司令官にワインバーガーからの指示を伝えていた。
「では、ゲートを開けます。」
「前列突入!」

ザザザッ!
プラントの中は明るかった。
一瞬、前列の兵士達はその照明の明るさに目を細めたが、次の瞬間
長い槍のような物で横に払われ、頑丈な盾ごとなぎ倒された。
ブーーーーン!!グオッ!!

ワインバーガーはモニターに映るその姿に叫んだ。
「リフ!!」

リフの後ろには、黒い防護服の男が、顔を隠すマスクをつけて立っていた。
男はメラニーの手をねじるように掴んでいた。
メラニーは無事だったが、あきらかに侵入者に捕まってしまっていた。

「リフ!!やめて!!」
メラニーの言葉を否定するように、男が言った。
「メラニー、貴女がリフの人工頭脳のリセットを行うと約束するなら、
貴女は解放しますよ。」
「それは無理だとさっきから言ってるじゃないですか!」
「リフ、聞いた通りだ。
君は私がその気になれば、メラニー共々消えることができるのは
わかっているな。

メラニーを見捨てるか、目の前の兵士達をなぎ倒してここから
私達を出すか。
二つに一つだ。」

ワインバーガーはその言葉に確信し、電話口のカネムラに言った。
「キングは、このグランドクロスの秘密を知っている!
カネムラ、君は今すぐ、リリアと一緒にここに来てくれ!
君の能力で!」

カネムラはすぐにリリアとワインバーガーのいる研究所に向かうと言って
電話を切った。

リフは侵入者を睨んだが、メラニーを人質にとられて言いなりになるしかなかった。
「リフッ!!私のことはいいから、この男を攻撃して!!」
「いいえ、それはできません。」
「その通りだ。
さてそれじゃ、軍隊にはお帰りいただこうか。
リフ、あの軍隊の銃をコピーして、威嚇射撃しろ。」

リフはその手に銃を出現させると、倒れた兵士の足元すれすれに弾を撃った。
前列の兵士達は、じりじりと後退するしかなかった。
司令官は兵士に下がるな、前に出ろと言ったが、リフは数歩ずつ前に進みながら
銃撃を続けた。

「司令官、そこをどけ。」

カネムラとリリアは、異次元瞬間移動能力を使ってワインバーガーの元に着くと
すぐに、そこからプラントの中へと移動した。

カネムラが男の背後から叫んだ。

「イムズ将軍!!」

カネムラの声が響いたのと同時に、カネムラと共に壁から現れたリリアが
隙をついてメラニーの手を掴んで男から引き離そうとした。
だが、その手はしっかりと掴まれたままだった。
「リリア、そして、カネムラ。
その手も想定内だ。」

リリアは男の顔をしっかりと見た。
「イムズ将軍!どうしてこんなことを?」
それには答えず、イムズはリフに言った。
「リフ、人質が増えたぞ。
いいか、お前もこちらに来るんだ。」

イムズは2人を掴んだまま、リフの袖口を引っ張った。

「逃がすかっ!!」
カネムラは壁に消えようとするリフの銃口を掴んで、一緒に異次元へと
引きずり込まれて行った。

兵士らは壁に消えた5人を気味悪そうな顔で追い掛けようとして、壁に
激突して倒れた。
そこへ、ワインバーガーが息せき切ってやってきた。
司令官はワインバーガーにどういう事が起こったのか説明してくれと言った。

「男はたった今人質と共に壁に消えました!
やつらは一体なんなんですか??
ワインバーガー科学技術省総裁殿!!」
「超能力者とただのアンドロイドだ。
無事でいてくれ、メラニー・・・」

司令官は引き続き軍隊を建物周辺に配備し、また先程の侵入者を追跡する方法を
ワインバーガーと共に協議することにした。

その一部始終を観ていたマドックスが、外からキングにテレパシーを送った。

(キング、グランドクロスとメラニーをイムズ将軍が連れ出すことは成功したんですが。
あのう・・・リリアとカネムラとかいう男もくっついて行っちゃいました。)
(そうか、ご苦労だった。引き続き、怪しまれないように状況を報告してくれ)
(了解っす!じゃない、かしこまりました!)


異次元の空間で、イムズはメラニーを掴んで放さなかったが、リリアもまたメラニーを
掴んでいた。

リフはイムズが未だに人質を放さないことと、そのイムズに隙がないことが見て取れた為
次の行動に移った。

「イムズ将軍、人質を解放する条件を言って下さい。」
「それはさっきも言った。
メラニーがリフの人工知能をリセットすることと、私達が安全にこの場所から逃れることだ。」
「それ以外の交換条件はないんですか?」
リフが食い下がった。
どうやら人命救助という使命による交渉術をプログラミングされている。

「ないな。」

メラニーに向けて銃を構えるイムズ。

リリアが言った。
「メラニーは研究員ですが、人工知能プログラミングのプロではありません。
ですから、それが出来る博士のところに、私が連れて行きます。
それではどうですか?」

イムズはじっとリリアを見た。
「アンドロイドは嘘をつかない・・・か!

その博士の名前は?」
「クラウン博士です。」
「その名前は知っている。
では、行き先は決まったな。
リフ、リリアの腕を捕まえろ。
いいか、おかしな真似をしたら、この全員を異次元に置き去りにする。
お前もだ、カネムラ。

・・・そういえば、エリックは元気か?」
「・・・・・・・・」
「沈黙、か。

カネムラ、メラニーを連れて還れ。
ほら、さっさと行け!!」

メラニーをドンッとカネムラに押し付けると、イムズはリリアの腕を片方掴んだ。
イムズが銃を向けると、カネムラはメラニーと共に異次元を脱出した。

「博士の居場所はどこだ。
案内するよな、リリア。」
にっと笑うイムズを睨みながらリリアは言った。
「その前にリフをどうするつもりか、話して。」

メラニーとカネムラは、プラントの壁から唐突に出てきた。
兵士がすぐに2人を保護すると、ワインバーガー達の会議室に連れて行った。

「メラニー!!無事だったか!!」
「すみません、私が油断したばっかりに・・・」
「リフは?」
「イムズ将軍が連れて行きました。」
「どこに??」

メラニーは、すっと目の前にある地図を指差した。

「クラウン博士のところです!」


・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです。)



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by f-as-hearts | 2016-08-31 12:16 | SFサウザンドアイランド