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紡ぐ夢 綴る夢

fashearts.exblog.jp

タロット占い師ASのブログです。

サウザンドアイランド 120

異世界の島の物語


サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー          ・・・60歳  サウザンド・アイランド連邦国
                       科学技術省総裁
メラニー             ・・・33歳   科学者
長老               ・・・??    ???
レゼンダ             ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ              ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス             ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト               ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング               ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クイーン              ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者  
       
ディラルド・ジェイントン博士      ・・・???  超遺伝子科学者 エリックの父



第百二十話 「  研究所がいっぱい 」


・・・・・・・・・・・・・・・・・エリックのいる部屋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

リリアが戻ると、エリックはカネムラとサカマキから質問ぜめに合ったと言った。

「リリア、僕が夢の中でキングやクイーンとゲームしたって本当?
僕、何にも覚えていないんだ。」

リリアはサカマキを見たが、サカマキは首を振った。

「記憶喪失とは違うようです。
あのキングとのゲームから先を、全て忘れているんです。」
「目覚めたら夢は忘れるものね。」

リリアの言葉にカネムラが唸った。
「そんなのは、夜寝ている時の夢のことでしょう??
理解できないです!!」
「カードを見ても、何も思い出さないの?」
「そうなんですよ!」
「最初のようにカードを使えない?」
「使えません。
確かめました。」

リリアはエリックを見た。

「それじゃ、エリックがゲーム中に発動したサウザンドアイランドの風景も
覚えていないの?」
「う~~~~ん・・・そんな島、僕行った事ないよ、リリア。
リリアも行った事ないよね。
どうしてみんな、そんな島のことを僕に思い出せっていうの?

それよりさ、お父さんはどこにいるの?
お父さんってどんな人?
リリアと一緒に帰ってきたんじゃないの?」

屈託の無い笑顔でエリックは笑っている。

「お父さんとは、PCで話せるわ。
でも今は大変な研究の最中だから・・・エリックのお父様は超遺伝子研究の博士で
サウザンドアイランドで昔、研究を続けていらした方よ。」

エリックはリリアに嬉しそうにうなずいた。

「お父さんに会いにいきたいな!ダメ?

そっか・・・じゃあ、PCでもいいや。
もうお父さんと話してもいい?」

エリックがPCに話しかけると、PCが答えた。

ーーーエリック、今繋ぎますね。

リリアがサカマキとカネムラに言った。

「・・・それにしても、エリックがクイーンの夢に入り込んだからなのかしら。
クイーンは今は、意識を体へ戻しているところだけど。」

ーーーエリック、お父さんが出てくれるそうです。

「あ、お父さん?

僕のこと覚えてる?僕、今ねリリアと一緒に暮らしてるんだ。
カネムラもサカマキさんも、僕の友達なんだ~~!」

「エリック、俺を探してくれたのは、エリックの仲間達だったんだよ。」

「え??仲間?カネムラが探してくれたんだね!!」
「違うんだ。

エリックがゲームに参加していた時に、エリックには仲間ができたんだよ。
今は、クイーンの夢のせいで、忘れているみたいだがね。

・・・エリック、ひとつやってみて欲しいことがあるんだが。
今はまだ、疲れているはずだから、明日だな。」

「えーーーー!?

僕もう疲れてなんかいないよ!!

お父さん、僕超能力使えるんだ。
だから、すぐにー」

「実は、明日にならないとダメなんだよ。
今は忙しいけど、明日の朝にもう一度話をしような。」

リリアがPCに合図して、ラインを閉じた。

カネムラがエリックに言った。
「エリック、久しぶりにゲームしようか?」
「うん!!やったあ!!」

リリアは博士が言った言葉に安堵していた。
博士には何か、解決策があるようだ。

「カネムラさん、エリックは健康診断をしなければならないの。
30分くらいで終わらせてね。」

「はい、わかりました。」
「ええええ~~~??」
「エリックのお父さんから頼まれているのよ。」
「・・・・・・・は~~~い。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・新・研究所・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

キングはディラルド博士からエリックの話を聞いて、驚いていた。

「・・・夢、だから忘れた、ということですか?」
「まだ、断定はできませんけどね。
人間は、どんなに長い夢でも、覚えていないことがよくあります。」
「・・・そうですか・・・」

今度は博士がキングに質問した。

「キング、あなたのその仮想空間創造という能力ですが・・・
どうしてゲームという世界にこだわったんですか?」
「おっしゃる意味がわかりませんが。」

「失礼しました。

・・・私が言いたいのは、その空間を創る能力で、様々な人々を魅了する
ことができるだろう、と言う意味です。
ゲームじゃなければいけなかったんですか?
ゲームは、いつの時代も遊びの空間で一過性のものでは?」

「・・・確かに、仮想世界は曖昧であやふやなものに満ちています。

・・・きっと私のいる世界と比較すると、一番遠い世界だからでしょう。
だから、私に必要だったのです。

博士にも理解できないということは、正解のない問題なのだと思ってください。」

博士はうなずくと、言った。
「キング、もうエリックには接触しないでしょうね?」
キングは眼を閉じた。
「それも私にはわかりません。」

キングの電話が鳴った。
博士に会釈して電話に出たキングは、電話の相手にうなずいていた。
その間、キングが声を出すことはなかった。

カチャ・・・
電話をポケットにしまうと、キングは博士に少しの間研究所を離れると言った。

「クイーンの容態が変わるようでしたら、いつでもいいですので連絡ください。
それでは・・・」

キングは研究所を出ると、駐車場に停まっている専用車に、もうしばらく
待っているように伝えた。

振り向くと、研究所の入り口の脇に見慣れた人物が立っていた。

「キング、こんなところにクイーンを連れてきていたんですか。」
「イムズ、君には感謝している。
あの島から大鷲を運んできてくれて。
・・・おかげで、意識が戻りそうだよ。」

イムズは帽子を外すと頭を掻いた。

「まあ・・・エリックが能力を発動したっていうのは、知ってますんで
それでも、大鷲にクイーンが乗移っていたのは本当でした。」

「それについては、他言無用だ。
引き続き軍での機密事項としておいてくれ。
それで、先程のテレパシーでの連絡だが、事実のようか?」

イムズは帽子をかぶり直した。
「はい。

そちらはマドックスに調べさせていますが、対テレパス用の設備がある模様で。
苦戦を強いられています。」
「そうだろうな。
私にも全容はつかめていない。」
「マドックスに別からのアプローチをさせましょうか?」
「無理に動くのは危険だ。
相手に警戒させぬようにしてくれ。」

イムズは会釈をすると壁に消えた。
キングは車に向かいながら考えていた。

クイーンの存在は隠しておけることではなかったが。
最良の1手であったかどうか・・・

キングはバタンと後部座席に乗り込んで、運転手に行き先を告げた。
車は静かに森の方へ動き出した。


・・・・・・・・・・・・・・・ワインバーガーの研究所・・・・・・・・・・・・・・・・

メラニーがワインバーガーに連絡をしていた。

「グランドクロスが完成いたしました。
はい、お待ちしています。」

メラニーは研究員に言った。
「これで皆、長期休暇がとれるわね。」

研究員達からは声もない。

「ごめんなさい、寝ていていいわ。」

モニターに映る研究所と隣り合う巨大なプラント内には、
完成したグランドクロスが搬送されて並んでいた。

「これで・・・ワインバーガー博士の夢が叶う。」

ワインバーガーは自家用ヘリでビルの屋上から飛び立っていた。
そのヘリの中で、エリックのことを考えていた。
それからリリアの生みの親であるクラウン博士に、電話で報告をした。

「そうですか、とうとう・・・おめでとうございます。」
「ありがとうございます、クラウン博士。
完成披露は内々にする予定ですので、是非明日研究所にいらしてください。」
「エリックはキングから離れましたか?」
「それが・・・」

ワインバーガーはエリックの状況を簡潔に説明した。
「そんなことになりましたか!」
「こちらとしては、良い結果ではありますがね。
キングとしても、クイーンが彼らの元に戻ったので、不満は無い筈です。」

クラウン博士は言った。
「今でもリリアの情報は送られているのですが、眠っているエリックの状態と
キング、クイーンとの状況まではわかりませんでした。
・・・明日、ですね、喜んで伺います。」

ヘリコプターの操縦士が言った。
「もうすぐ研究所です。」
「わかった。」

研究開発にかかってもう10数年・・・か。
エリックという超能力者が現れて、開発に拍車がかかったこの半年。
ワインバーガーは研究所に到着すると、地下通路へと向かった。
隣のプラントへの近道だったのだ。

警備人が挨拶をしてワインバーガーを通した。
警備人の一人がワインバーガーの後姿を見送りながら言った。

「あの人は、誰っすか?」
2人がひそひそと話し始めた。
「馬鹿、あの方はここの最高責任者のワインバーガー博士だ。
お前、入ったばかりだから知らないだろうが、俺らはあの人に雇われているんだ。」
「わかりやした。」
「いいか、マドックス、おまえなるべくしゃべるな。
新人はほんとは入れるなっていわれてるんだからな!」
「へーい。」

マドックスはかなり慎重に警備の仕事に紛れ込んでいた。

「おまえ特別らしいな。」
「いやいや、俺のめいっこのはとこが、ここの研究員のひとりでして。」
「そうか、親戚くらいだもんな、コネがきくなんてのは。
よかったな、ここは高待遇だぞ。」

マドックスはテレパシーが通じない内側に入ることに成功していた。
「はー腹減ったなー。
もう飯の時間じゃないっすか?先輩。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです。)
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by f-as-hearts | 2016-08-07 11:06 | SFサウザンドアイランド