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紡ぐ夢 綴る夢

fashearts.exblog.jp

タロット占い師ASのブログです。

サウザンドアイランド 110

異世界の島の物語


サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー          ・・・60歳  サウザンド・アイランド連邦国
                       科学技術省総裁
メラニー             ・・・33歳   科学者
長老               ・・・??    ???
レゼンダ             ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ              ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス             ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト               ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング               ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クイーン              ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者         


第百十話 「 ノートの秘密 」


キングは座ったまま、椅子の肘掛に腕を軽く乗せた。

塔を取り巻く空気に振動が起こった。
それはキングの背後から聴こえてきた。
ジェット噴射の音だった。

ワインバーガーは気がついて窓の方へ目を向けた。

「クイーンの、何をご存知だとしてもー」

キングの目は一瞬で鷹に変わったように見えた。

「クイーンへの干渉は許しません。」

キイイイイイイイーーーーーーーーーーーン!

塔の周りのシールドギリギリを10機のジェット戦闘機が通り抜けていった。

ビリビリビリビリーーーー

バーーーーーーーーーーーーーン!!

「アンドロイド・グランドクロス計画に関する協力は、その約束が

守られているかどうかにかかっていると、ご承知ください。」


長老は、キングに片手を伸ばすような仕草をした。

「キング。

イムズ将軍に伝えるのだ。

この塔への攻撃は、能力者であっても無効である、と。」

「・・・わかっております、長老。


ワインバーガー総裁。

次の、会議までにエリックの問題が解決できることを祈っています。

では、私はこれで。」


キングは来た時と変わらない足取りで、静かに会議室を出て行った。
アンドロイドの秘書が、見送ってドアを閉めた。

ワインバーガーは、ドサッと椅子に腰を下ろすと、長老をちらっと見て
口元に手をやった。

「・・・キングが能力者であるということを、時折忘れるんです。」

「そのようだな。」

「しかしこれで・・・ キングが何を考えているのか、少しわかりました。」

「ワインバーガー、功を焦ってはならん。

・・・先程の資料に、エリックの父のことが書かれていたが、キングは

必ず探し出すだろう。

その時どう動くか、だな・・・」

「長老、何故ディラルド・ジェイントン博士は行方不明なのでしょうか。

ノートを書いてあの島から消えた後、研究に戻っているのではないかと

こちらは考えていたのですが・・・」

長老は ふむ、と頷いた。

「もうしばらく、この塔に滞在することにしよう。

考え事をするのには、最良の場所だから。」

ワインバーガーは外部との連絡を取る為に、ここを出ると長老に告げた。
リリアがエリックのところに着く頃だったのだ。



塔から離れていく戦闘機に乗っているイムズは、別の戦闘機にいる
マドックスと会話をしていた。

「キングが今すぐ塔まで来いと言った声が、頭の中でまだ響いてる。」
「あんなにクリアなテレパシーを聞いたのは、初めてでした!」
「今は何も聴こえないが、あの塔の中で、どんな会議が行われたんだろうな?」
「キングは俺達に、演習のつもりでついてくるようにと言いましたが、空軍の
エリートばかり護衛に10機って、凄くないですか?!」

イムズは先頭で並行して飛ぶマドックスの腕前も凄いと言いながら、
もうひとつ、驚いたことがあると言った。

「知ってるか?

あの塔は、シールドという結界が張られた要塞で、超能力防御にも
完璧と言われているんだ。
あんな塔は、この世界に2つと無い。

なのに、キングの声は、聴こえたんだ。」

マドックスは、血の気が引くのがわかった。

「テレパシーが、結界 を 突き抜けたってことですか??」

「そうなるな。」

言いながらも、イムズの背中はぞくっとしていた。
聴こえる筈のない、声、か・・・

「・・・クリアなテレパシー、か。

マドックス、キングをしっかり護衛するぞ!」

「イエッサー!!」


上空で10機の戦闘機は次々と円を描くようにUーターンし、昇ってきたキングの
超高速小型機の前後左右上下を護衛する形になった。

イムズがマイクで発信した。

「全機、フォーメーション維持。

キングの指示あるまでそのまま航行する。」

キングはパイロットにキングの領地内のヘリポートまで飛ぶように告げると
シートを倒して目を閉じた。



・・・・・・・・・・・・・・サカマキの部屋・・・・・・・・・・・・・・・・

リリアは、研究所から戻って、エリックの様子にショックを受けていた。

「エリックの意識が戻らないなんてことは、今まではなかったわ。

確かにこんなに長時間ゲームの世界にいて、能力を使い果たしたとしても

今までなら、1日あれば目覚めていたもの。」

ーーーリリア、もうすぐ3日目になります。

「リリア、君がエリックの夢にもう一度入ることは?できないか?」

「いいえ、無理です。

あれは、エリックが私を夢のゲーム空間に呼んだから夢の中で実体化

できましたが、私はゲームのキャラとして入っていたので。

エリックがもう一度私を呼べば、入れるかもしれませんが・・・」

サカマキはカネムラに言った。

「カネムラ君、君の異次元移動能力では?」

「夢、の世界は、異次元というよりも因果律が通用しない世界なんだ。

だから時々、カオスフィールドって呼ばれる。

それなのに、クイーンもエリックも、あの世界でゲームが出来てしまう。

凄く精密で現実そのものの世界で・・・

確かにキングに選ばれた能力者だけの世界だった。


だから、俺には入れないよ!」

リリアは頷いた。

「クイーンはあの島にいて、ゲームの世界を創り上げていたから。

キングもクイーンも、現実の姿に近いと思ったわ。」


サカマキは、何かがわかったように言った。

「キングはクイーンの眠りを覚ましたかったんだよな?

リリア、エリックの父親の残したノートには、関係することが書かれていなかった?」

サカマキとカネムラは、リリアの答えを待った。

「ディラルド・ジェイントン博士は、超遺伝子研究で不思議な実験をしていたわ。

でも、あの時点ではクイーンの謎は解明していなかったのよ。」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです。)
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by f-as-hearts | 2016-06-21 22:52 | SFサウザンドアイランド