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紡ぐ夢 綴る夢

fashearts.exblog.jp

タロット占い師ASのブログです。

サウザンドアイランド 104

異世界の島の物語


サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー          ・・・60歳  サウザンド・アイランド連邦国
                       科学技術省総裁
メラニー             ・・・33歳   科学者
長老               ・・・??    ???
レゼンダ             ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ              ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス             ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト               ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング               ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クイーン              ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者         


第百四話 「  父 」


クイーンは姿を見せずに言った。

「エリック。

何故あなたのお父さんがここにいたか、知りたい?」

「うん!!」

風が渦巻きながら山の上へと昇っていった。

「それじゃ・・・ 見せてあげるわ。

14年前のーーー」



エリック、リリア、そしてれぜんだちゃんは、目の前の研究室が、一瞬で
真新しく変わった事に驚いた。

「な、ななななになになに??」

「まさか14年前の・・・島」

「あ、お父さんがいるっ!!」


研究室の隅の机のPCにむかっている背中は、エリックの父だった。
研究室には他に人はいなかった。

ドアが荒々しく開くと、そこに軍服を着た兵士が数名入ってきた。

「博士、すみやかにこの研究室から撤退するように厳命した筈ですが。」
「わかっています!

でもこの資料を残さなければ」

兵士の後ろから、一段と格式の高い軍服の男が博士の前に進んできた。

「超遺伝子研究所ディラルド・ジェイントン博士。

理由はすでに書面と電話で説明しましたな。」

ギシリと軋む椅子の背を回すと、ディラルドは振り向いて、じっとエリックを
見ていた。

リリアはエリックを見たが、エリックは父の顔が見れた嬉しさで、興奮していた。

「お急ぎを。


もうこの島の電力は断たれました。

この島にはもう、あなたしかいない。

我々は博士を無事に我が国の研究所までお送りする任務を遂行しなければ

なりません。

ひとつだけ例外的に、あなたが申請した研究対象を運ぶことは認められましたが。

どれですか?」

軍人が手を伸ばしたのを博士は拒むように、振り払い、言った。

「触れてはいけない!

ここの動物や実験体には、触れないように言われている筈だ!」

軍人は、一瞬博士の勢いに押されたが、その手にはめられた手袋を撫でた。

「お怒りはごもっともですがね。

我々も一刻の猶予もないので。

さあ、どうぞ外に待たせてある飛行機に乗ってください。」

開かれたドアから回転するプロペラの音が聴こえ、博士は抱えた大きな箱を
しっかりと持って外へと出て行った。

博士は軍人に尋ねた。

「国は大丈夫だったのか?」

「何も変わりありません。」


飛行機が島の上空を周遊するように飛び、眼下の風景はめまぐるしく移った。

「あの恐竜達は、処分されるそうですね。」

軍人は興味なさそうに言った。

「少し・・・黙っていてくれないか。」

「博士は素晴らしい業績をあげられましたね。」

「・・・・・・・・・・・・・」

「2階級特進は間違いないでしょう。」

「・・・・・・・・・・・・・」

「研究なら新しい研究室でいくらでもできるそうです。」

「・・・黙っていてくれと言っている。」

「そうもいきませんのでね。

サウザンド・アイランド連邦国がこの一件で動いています。

あなたにおかしな行動をされては困るんですよ。

ここは、我々の島です。

特にあの連邦国に情報が流れては、ね。」

博士は目の前に広がる海を見た。

「・・・あなたはただ、遺伝子操作の、動物実験をしていたにすぎない。

様々な能力者が生まれたとしても、それはあなたの責任ではない。」



突然、リリアが大きな声でクイーンに叫んだ。

「止めなさい。

夢の中だと言って、私達に妄想を見せる気なの?!」


再び、時間が戻って壊れた研究室の中に皆が立っていた。

クイーンの声が静かに話しかけた。


「リリア。

あなたはエリックの保護者でありながら監視者でもあるわ。

本当のあなたは、エリックの味方なの?

それとも敵?」

「私はエリックの味方よ。」

「でもあなたを創ったクラウン博士は、そう思っているかしら?」



部屋の中で、レゼンダが言った。

「クイーン、リリアはガッチガチのエリック派ですけど。」
「まったくその通りですね。」
「今更なんでそんなこと、確認してるの??」
「それにしても、エリックの父親だったんですね。」
「何が??」
「能力者を生んだ研究者っていうのが。」
「ええええええええ???」

執事は咳払いをした。

「何を聞いていたんですか?レゼンダ様。」

「えええええええええ??だって・・・



ちょっと待ってよ、14年前????

あれが14年前って言った??」



クイーンが風の中でエリックに言った。

「エリック。

私は、あの島で・・・観ていたのよ。


能力とひきかえに、眠りの世界に入ってしまった。

私の心と意識は、夢の中。

時々、他の生き物に乗っているけど。

あの箱の中に、私はいたの。


ふふ・・・



エリック。

あなたはこの世界も、引き継ぐことができるのよ。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2016-06-06 01:00 | SFサウザンドアイランド