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紡ぐ夢 綴る夢

fashearts.exblog.jp

タロット占い師ASのブログです。

サウザンドアイランド 103

異世界の島の物語


サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー          ・・・60歳  サウザンド・アイランド連邦国
                       科学技術省総裁
メラニー             ・・・33歳   科学者
長老               ・・・??    ???
レゼンダ             ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ              ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス             ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト               ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング               ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クイーン              ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者         


第百三話 「  記憶に残されたもの 」


エリックは父の名を聞いて、興奮していた。

「リリア~~~~~~!!

凄いやっ!!ほんとにお父さんが書いたの?

僕、お父さんに今すぐ会いたいな!!」

リリアは生返事で、ノートを凄い勢いで読み始めた。
ノートは15冊あった。
だがリリアはそれらを5分もかからずに読み終わった。

「エリック、このノートに書かれていることが本当なら

この研究所が放棄された意味がわかるわ。

・・・エリック、ここはね、失われた楽園という名の

過去に消えた生物を復活させる実験島だったの。

だから恐竜とかマンモスみたいな、過去に繁栄した種が

一時的に存在していたのね。」


れぜんだちゃんが腕を振り回して怒った。

「一時的じゃないもん!!

みんな、み~~~~~んな、クイーンが生き返らせたんだからっ!!」

その言葉に、リリアとエリックは頷いた。

「やっぱり!ねっ!」


れぜんだちゃんは言った後に真っ青になった。


「・・・あ、 言っちゃった・・・


やばっ・・・




・・・あ、あれれ??

おっかしいな~~~~~~~??

なんか、えりっくに見せたいものがあったんだけどな~~~??

なんだったっけな~~~~~??すっごくいいものなんだけどなっ」

れぜんだちゃんはエリックの顔をちらちら見た。
リリアは構わずに、エリックに話をした。

「クイーンはこの島で、恐竜を見たことがあったのね。

どうやったのか、わからないけど・・・この島にいたんだわ。」

「お父さんは?どこにいるの?」

「これが書かれたのは・・・私がエリックと出会った頃だわ!

でも、実験が行われたのは、14年前?

どうしてこんなに間が空いてしまったのかしら?」

辺りを見回して、リリアはPCを見つけたが、電源がないのに気がつくと
エリックに言った。

「電気が無かったのね・・・それにここはかなり古くなってる。

これの電気を入れたら・・・」

リリアが自分の電源を使おうとするのを見て、れぜんだちゃんがぶんぶんと
顔を振った。

「リリアあああ、何してるのおおお~~~~??

むりむり~~~~~むりむり~~~~~!!

だあって、ここは・・・・・・・・・・」

リリアが、振り向いた。

「だあってここは?」



れぜんだちゃんの顔色はもみじのように真っ赤に変わった。

「だあって・・・・・・・だあって、ねえええええ??



あははははははっ!!

は・・・・・・・・


こ、怖い怖い、リリアが無表情だあああああ!!!

えりっくううううう~~~~~!!あんたならわかるっしょ???ねっ???

ねっ!!なんとか言ってよおおお!!」




「・・・エリックの夢の中だから・・・」


風が流れるように遠くから声が響いてきた。

「クイーンだ!クイーン、リリアがね、ノート読んじゃったよ?」

クイーンは姿を見せずに声だけで返事をした。

「エリック、ここは失われし楽園。

それは、最初に話した通りよ。

エリック、ここを最後の楽園にするかどうかは、ゲームに勝った

エリックが決められるのよ。」

エリックはクイーンの姿を思い出していた。

クィーンは縁取りが金色の紅い薄絹をベールのように纏い、
全体にシャラシャラ音が鳴る金の丸い飾りと、同じ金で出来た腕輪や
イヤリングをつけていた・・・

エリックはクイーンを呼んだ。

「クイーン!!

クイーンがこの島をゲームのステージにしたんだよね。

ここに来てよ!!

僕、お父さんのノート、見つけたんだ!!

クイーンは、もしかして僕のお父さんを知ってるの?

お父さんは今どこにいるの?」

リリアも風の声に耳を澄ましていた。


PCの中で、エリックの叫ぶ声が、レゼンダと執事のいる部屋にも
響き渡った。
2人も、エリックの問いかけにクイーンがどう答えるのか、興味があったのだ。

それはキングも同じだった。

クイーンは姿を見せずに答えた。

「・・・リリア・・・

あなたはこれを読んだのですね。


それなら、私が言う意味がわかりますね。」

リリアは上空の風を見上げていた。

「わかりました。

この島が、地図上から消されていた理由も。」




・・・・・・・・ワインバーガーの研究所・・・・・・・・・


クラウン博士とワインバーガーは、リリアの人工頭脳の記憶を手繰りながら
何故緊急停止したのかを読み解こうとしていた。

ワインバーガーはその状況を説明した。

「ゲームの世界で、かなり大きな雷がリリアの操作していた鉄巨人兵に落ちました。

当然リリアにも雷の電流が流れたのですが・・・

あくまでそれはゲーム内の話で、PCと繋がれた本体のリリアに流れた形跡は

PC同様ありません。

ですが、事実はこのレコーダー部分に残された通り、緊急停止がなされました。

博士、これについてどのような作用が働いたと考えられますか?」

クラウン博士は答えた。

「共鳴作用、もしくは共振作用・・・か、仮想空間と現実空間の間に

エリックの能力が発動して、リリアにも一瞬だが多量の電流が流れたのか。

エリックが、リリアへの敵からの攻撃を通してしまうというのは

信じられないがね。」

メラニーがリリアの視覚を確認しながら言った。

「このゲームには、不思議なことが多々あるのですが、そのひとつに

ゲームに参加できるのは、キングを含むゲームマスターからの招待である

カードを必要としていること。

最初、その為にキングの仮想空間では、エリックの見ているゲーム世界は

外にいる皆には見えませんでした。

それを見えるようにしたのが、エリックの視覚記憶実体化能力でした。

見ている世界を、壁や空間に実体化して見せたのです。

でも、それだけでは、ゲームにリリアが参加できる事はありませんでした。

そこで、リリアはゲーム内での声を聞き、リリアの声をエリックに伝える為に

この時計型通信機を使って、PCとエリックとリリアを繋いだのです。

これによって、リリアはPCと時計を通じてゲーム世界に入れました。


ここで、私が着目したのは、エリックの時計です。

PCには、電流は流れていませんでしたが、もしかしたらこの時計に

電流が流れたのかもしれません。

あくまでも仮定の話ですが。」

ワインバーガーは頷いた。

「成る程・・・時計、か。

ゲームに参加しているものが、皆ゲームに参加を認められている者のみの

認証型ゲームで、リリアが無理やり参加できていたのは、時計があったからか!」


「その時計に、ショックが伝わったのならばわかる。」

今度は、クラウン博士が説明した。

「エリックは雷がリリアに落ちたのを見て、それを本物のように感じたが

事実は時計に弱電流が流れただけだったということなのだな。

リリアが時計と繋がっていたのであれば、十分ショック状態になりうる。

リリアの人工知能はとても繊細に出来ているから。」


研究室のベッドに横たわっているリリアは、今は眠っているようにみえた。

「それぐらいの弱電流であれば、人工脳に損傷がないのは当然と言える。」

クラウン博士は、断言できると言った。

「メンテナンス、だが、記憶部分の容量を増やして欲しいそうだね。

それはすぐにかかろう。」

「よろしくお願いします。」


メラニーは記憶のバックアップが終了していることを博士に知らせると
すぐにメモリーの準備にかかった。



「リリアはまるで熟睡しているように見えますよね。」

「そうだね。

楽しい夢でも見ているんじゃないかな。」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2016-06-03 01:55 | SFサウザンドアイランド