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サウザンドアイランド 101

異世界の島の物語


サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー          ・・・60歳  サウザンド・アイランド連邦国
                       科学技術省総裁
メラニー             ・・・33歳   科学者
長老               ・・・??    ???
レゼンダ             ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ              ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス             ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者

ナイト               ・・・???  キングの配下のゲームマスター
                            オーディーンのナイト

キング               ・・・40歳   リドル帝国次期総帥
                             仮想無限城の王

クイーン              ・・・???  ゲームマスター
                             予知夢の能力者         


第百一話 「  ノートの謎  」


クラウン博士はワインバーガーの危惧する内容に、異議を唱えた。

「エリックの能力については、疑いの余地はないが。

リドル帝国がそのような仮想空間を、現実にコピーしたとして・・・

それでこの世界に何のインパクトを与えるというのかね?」

「今までは、失われた楽園を封じる事で、科学者達は責任をとってきました。

ですが、この島々がコピーで完全に復活し

皆の目に触れるような事態になればどうでしょう?

・・・そこが完全で安全な島であれば有るほど、現実のあの島の悲劇は薄れ

人類が目の当たりにした恐怖が無くなってしまう。

その上、ゲーム上の仮想空間でも様々な試みが成されたら

過去の実験までが正当化されてしまう。」


長老が、口を開いた。

「過去の実験とは・・・異種生物の創造のこと、だな。

すでに絶滅した生物や異種遺伝子操作、交配による亜種の。

ワインバーガー、君は一貫して反対を唱えていた。

異種生物が生物兵器に成り得ること。

世界はその研究を封印した。

その存在を隠し、そこを訪れることを禁じねばならなかった。

それらは厳重に人々の記憶からも消さねばならなかった。

島にある研究や生物を、持ち帰らせない為だ。


つまり・・・リドル帝国が、その切り札を手に入れた、ということか。」

クラウン博士は声を荒げた。

「何故、リドル帝国がそんな真似をするんだね?

そんなことをしたらーーー」

メラニーがうなずいた。

「生態系がめちゃめちゃになります。

生物の様相が一変し、人類も破滅するかもしれません。

それはリドル帝国でも同じです。」

メラニーが画像を変えた。

そこには大挙して現れた恐竜や怪物の姿があった。

「エリックは今、休息中です。

ゲームは終わったのですが、エリックが勝った為、このゲームの

キングになりました。

それが、キングとクイーンの目論見だったのです。

・・・私達は、気づくのが遅すぎました。」


長老は、腕を椅子の肘掛に伸ばして、正面のワインバーガーを見た。

「だから、この塔で会議となったのか。

ワインバーガー、リドル帝国次期総帥と会うのかね。」

「そうです、長老、あなたにお願いしたいのは、キングと私達を直接

会えるようにして欲しいのです。」

「わかった。」

長老はゆっくり立ち上がると、会議室から出て行った。

クラウン博士はワインバーガーに質問した。

「それで・・・エリックを彼らの手から取り戻す手段はあるのか?」

「今、我々の研究所でリリアのメンテナンスと修理を行っています。

リリアしか、エリックの世界に侵入できる者はいませんから。」

「それでは私も研究室に行こう。」

「お願い致します。」

メラニーはPCをしまうと、アンドロイドの秘書に手を振った。

「リリアによろしくお伝えください。」

「わかったわ」



・・・・・・サウザンドアイランド・・・・・・・


エリックはれぜんだちゃんのノートを素早く取り上げた。

「ゲーム、しようよ~~~~!!

こんどはね~~~私が敵になってやるよ~~~!!」

ノートの絵には、様々な生物が描かれていた。

「れぜんだちゃん、あのさ、なんでPCがあるのに

ノートに絵、描いたんだろう?」

「わっかんな~~~~い!!

でもさあ、PC動かないからノートに描いたんじゃない?」

「うん??

そうだね・・・電気無いもんね。」




その様子はレゼンダと執事にも見えていた。

「絵、描いてあったのね。」「そのようですね。」
「ほんと、あの孤島じゃ、研究するの大変そう。」
「電気が止まっていたんじゃ、お食事も作れませんね。」

「・・・・・・・待って?

もしかして、電気が止まってからノートに書いた人がいるってこと?」

キングが頷いた。
「その島が閉鎖されたのは、10年以上前だ。

その頃はまだ電力もあった。

電力が止まってから、誰かがここに入って研究ノートを書いたことになる。

内容からみて、ここの研究者だった可能性が高い。

クイーン、君は誰が戻ってきたか知っているのか?」

「いいえ・・・」

「ノートに書いたとしても、この島からは何一つ持ち出すことは出来ない。

そういう規則があるから、軍に頼んでも無理だ。」

クイーンはじっとエリックの様子を見つめている。


「エリックは、この島の謎を解けるかしら・・・」

クイーンの問いに、キングは黙ってクイーンの頬を撫でた。



レゼンダはその様子を見て、頬を赤らめた。

「クイーンが羨ましいんですけど!」
「キングが羨ましいですね。」
「ちょっとっ!真似しないでよ!」
「同感ですね。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ええ~~~~??キングとクイーンをもっと映してよ!」「同感ですね。」
「私の話も少ないじゃないのっ!」「そこはどうでもいいですね。」

(このお話は フィクションです)
by f-as-hearts | 2016-05-31 01:20 | SFサウザンドアイランド

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