闇色の魔法使い~ブラックウィザード
2014年 02月 03日
第 5 話 「 精霊 」
ラウムグルーズの飛んでいく先に、赤い光が光った。
「エークメリア・・・・・」
黒鳥はエークメリアがひとりで空に浮かんでいるところまで飛び
その目の前で、止まった。
「師匠・・・・」
「もう、師と弟子ではないと言った筈だが。」
エークメリアは首を横に振った。
「いいえ。
過去に師と仰いだ貴方を、師匠と呼ばないのは、ただの恩知らず
でしょう。
それに・・・・あの巫女との会話を聞いては。
師匠、どうかお止め下さい。
あのような立場の者と、関わるなど、もっての外というものです。」
黒鳥は飛び去ろうとした。
「お待ち下さい。
もしこのまま、話を聞き入れて頂けないのなら、あの巫女
無事ではすみませんよ?」
黒鳥は振り向かずに飛び去った。
エークメリアはミーリアのいる神殿の中庭へとあっという間に
飛んできた。
エークメリアはミーリアが座っている庭を、炎で燃やそうとした。
「ラウムグルーズ様に近づく者は、誰であろうと許さない!!!!」
紅蓮の炎がエークメリアのその杖から放たれた。
庭の上空にその炎の塊はドオオーーーーーーンと音を立てながら
墜ちてきた。
バシイイイイイーーーーーーン!!!!
空中に氷のヒビが入るような音がして、炎は止まった。
炎が氷に掻き消された後、その宙に水の精霊が浮かんでいた。
「今度は炎使いのエークメリアね。巫女に攻撃しようとは。
ラウムグルーズの手下か。」
「水の精霊ごときに、私が負けるものか!!!!」
「勘違いもはなはだしい。勝ち負けなどと言う言葉は私達には
関係がない。ミーリア、ここから離れて、神殿に行って。」
水の精霊が両手を伸ばすと、その指の先から
10本の凍る風がエークメリアへと吹き始めた。
その風は細かな氷片となって10本の網のように、捕らえると
魔法使いを包む雪の蕾のように閉じようとした。
「何をっ!!!!」
炎を最大にしてエークメリアはその蕾を焼こうとしたが、その雪は
あっという間に魔法使いの杖を凍らせた。
巨大な雪の蕾は、ドドーーーーーンと地上に墜ちて、パラパラと
その花弁を散らした。
エークメリアは凍ったまま、地上に横たわった。
「氷は自然に融ける。それまでは動けないだろう。」
水の精霊は静かに空中に消えた。
神殿へと戻るミーリアの肩に、炎の精霊カグウが乗ってきた。
「みーりあ、水のしゅーりんはおこるとこわいよね。
でもぼくほどじゃないけどさあ!」
ミーリアはカグウの手を握った。
「カグウ、あなたは怒らないでね。あの魔法使いは、また
私のところに来てくれるのですって。」
カグウはソワソワするのか、ミーリアに訊いた。
「なんでさあ?らうむぐるーずはみーりあにあいにくるの??
みーりあ、もしかして すきだってこと?
ねえねえ、そうなの?ぼく、だれにもいわないから
おしえてよ!!」
ミーリアはちょっと微笑んだ。
「ええ??ほんとにい??」
そこへ水の精霊が戻ってきた。
「このおばかっ!!!ブラックウィザードのことを知らないの??
カグウは何にも知らないくせに!!!
ミーリア、彼に優しくしてはいけません!!!!」
ミーリアは倒れているエークメリアを見た。
そしてシューリンに話しかけた。
「シューリン、私もブラックウィザードのことを知らないの。
だから怒らないで訊いて。
神々のこともラウムグルーズは知っているようだったわ。
私は彼を知らないのに、彼が悪い人には見えなかった。
どうしてなのか、知りたいの。」
シューリンは笑った。
「そうだった。カグウ!さ、行くよ!
ミーリア、いつでも私達はそばにいるからね。」
「ありがとう。いつもそばにいてね。」
精霊達は姿を消した後もミーリアを見つめながら話していた。
「カグウ! 神様はミーリアと魔法使いを近づけさせないように
言ってるわ。」「え?そうかな?しゅーりんそれうそっぽいよ~!」
「カグウこそ!何故私の言う事を聞かないの?」
「だってみーりあがあいたいっていってるし」「それでも駄目なの!」
「もしかしてしゅーりん、らうむぐるーずにやきもちやいてるっしょ?」
「あ、ちめたいちめたいっっ!!!!やややっちめたいっっやめて
やめてっ!!!!」「ちめたいじゃないわ!炎のまま凍らせてあげる。」
「ごめんよ~~~~!!でもやっぱりやきもちじゃないか~~~!!」
「違うわ。」
シューリンはカグウの頭をコツン!と叩いた。
「ミーリアは神様のお気に入りよ。
私達がしっかりしなきゃ!カグウ、あなたもね!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(このお話はフィクションです)
ラウムグルーズの飛んでいく先に、赤い光が光った。
「エークメリア・・・・・」
黒鳥はエークメリアがひとりで空に浮かんでいるところまで飛び
その目の前で、止まった。
「師匠・・・・」
「もう、師と弟子ではないと言った筈だが。」
エークメリアは首を横に振った。
「いいえ。
過去に師と仰いだ貴方を、師匠と呼ばないのは、ただの恩知らず
でしょう。
それに・・・・あの巫女との会話を聞いては。
師匠、どうかお止め下さい。
あのような立場の者と、関わるなど、もっての外というものです。」
黒鳥は飛び去ろうとした。
「お待ち下さい。
もしこのまま、話を聞き入れて頂けないのなら、あの巫女
無事ではすみませんよ?」
黒鳥は振り向かずに飛び去った。
エークメリアはミーリアのいる神殿の中庭へとあっという間に
飛んできた。
エークメリアはミーリアが座っている庭を、炎で燃やそうとした。
「ラウムグルーズ様に近づく者は、誰であろうと許さない!!!!」
紅蓮の炎がエークメリアのその杖から放たれた。
庭の上空にその炎の塊はドオオーーーーーーンと音を立てながら
墜ちてきた。
バシイイイイイーーーーーーン!!!!
空中に氷のヒビが入るような音がして、炎は止まった。
炎が氷に掻き消された後、その宙に水の精霊が浮かんでいた。
「今度は炎使いのエークメリアね。巫女に攻撃しようとは。
ラウムグルーズの手下か。」
「水の精霊ごときに、私が負けるものか!!!!」
「勘違いもはなはだしい。勝ち負けなどと言う言葉は私達には
関係がない。ミーリア、ここから離れて、神殿に行って。」
水の精霊が両手を伸ばすと、その指の先から
10本の凍る風がエークメリアへと吹き始めた。
その風は細かな氷片となって10本の網のように、捕らえると
魔法使いを包む雪の蕾のように閉じようとした。
「何をっ!!!!」
炎を最大にしてエークメリアはその蕾を焼こうとしたが、その雪は
あっという間に魔法使いの杖を凍らせた。
巨大な雪の蕾は、ドドーーーーーンと地上に墜ちて、パラパラと
その花弁を散らした。
エークメリアは凍ったまま、地上に横たわった。
「氷は自然に融ける。それまでは動けないだろう。」
水の精霊は静かに空中に消えた。
神殿へと戻るミーリアの肩に、炎の精霊カグウが乗ってきた。
「みーりあ、水のしゅーりんはおこるとこわいよね。
でもぼくほどじゃないけどさあ!」
ミーリアはカグウの手を握った。
「カグウ、あなたは怒らないでね。あの魔法使いは、また
私のところに来てくれるのですって。」
カグウはソワソワするのか、ミーリアに訊いた。
「なんでさあ?らうむぐるーずはみーりあにあいにくるの??
みーりあ、もしかして すきだってこと?
ねえねえ、そうなの?ぼく、だれにもいわないから
おしえてよ!!」
ミーリアはちょっと微笑んだ。
「ええ??ほんとにい??」
そこへ水の精霊が戻ってきた。
「このおばかっ!!!ブラックウィザードのことを知らないの??
カグウは何にも知らないくせに!!!
ミーリア、彼に優しくしてはいけません!!!!」
ミーリアは倒れているエークメリアを見た。
そしてシューリンに話しかけた。
「シューリン、私もブラックウィザードのことを知らないの。
だから怒らないで訊いて。
神々のこともラウムグルーズは知っているようだったわ。
私は彼を知らないのに、彼が悪い人には見えなかった。
どうしてなのか、知りたいの。」
シューリンは笑った。
「そうだった。カグウ!さ、行くよ!
ミーリア、いつでも私達はそばにいるからね。」
「ありがとう。いつもそばにいてね。」
精霊達は姿を消した後もミーリアを見つめながら話していた。
「カグウ! 神様はミーリアと魔法使いを近づけさせないように
言ってるわ。」「え?そうかな?しゅーりんそれうそっぽいよ~!」
「カグウこそ!何故私の言う事を聞かないの?」
「だってみーりあがあいたいっていってるし」「それでも駄目なの!」
「もしかしてしゅーりん、らうむぐるーずにやきもちやいてるっしょ?」
「あ、ちめたいちめたいっっ!!!!やややっちめたいっっやめて
やめてっ!!!!」「ちめたいじゃないわ!炎のまま凍らせてあげる。」
「ごめんよ~~~~!!でもやっぱりやきもちじゃないか~~~!!」
「違うわ。」
シューリンはカグウの頭をコツン!と叩いた。
「ミーリアは神様のお気に入りよ。
私達がしっかりしなきゃ!カグウ、あなたもね!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(このお話はフィクションです)
by f-as-hearts
| 2014-02-03 00:00
| ブラックウィザード