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紡ぐ夢 綴る夢

fashearts.exblog.jp

タロット占い師ASのブログです。

サウザンド・アイランド    32

異世界の島の物語。



サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン        ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー           ・・・60歳   ???
メラニー               ・・・33歳   科学者
長老                 ・・・??    ???
レゼンダ               ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ                ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス              ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者


第三十二話 「 アンドロイド・リリア 」


ワインバーガーはアンドロイド製作の世界的科学者である人物と共に
会議が行われるエッジ・タワーに向かっていた。

「今の電話は、興味深いですね。」
科学者は隣に座っているワインバーガーに話しかけた。
「この車の中で、電話をおとりになるということは、私にも聞かせたい
ということと受け取りましたが?」

「その通りです。
あなたのアンドロイドであるマーマレード・リリアが関係する案件です。」

「そうでしたか。
それにしても能力者と行動を共にしているとは伺っていましたが、
随分と危ない敵に狙われているのですね。
リドル帝国将軍のお話は、多少は伺っております。」

ワインバーガーは笑った。「多少・・・・ですか。

まあ、そういうことにしておきましょう。
それで、科学者であるあなたに、参考までに伺いたいのですが。
能力者がその能力を発動させる条件やそれまでの行動での
予測もですが、そういった研究は進んでいるんでしょうか?」

「・・・・エリック、のことですか?」
「全般として捉えていただければ」

科学者はワインバーガーをじっと見た。

「・・・さすがに、貴方のことは騙せませんね。

リリアの集めた情報は、確かに私の手元にあります。
・・・貴方が私の研究をご存知だから、黙って認めている、そう
解釈してよろしいですか?」

「その通りです。」
「では、本題に入りますか。

私の研究である脳科学の分野では、能力の有無は脳の特定の部分に
顕著であると言えます。

ただし、その能力者がどういう能力かによって、その部位は変わります。
Sクラスの能力者においては、脳細胞の信号が異常に早いのは
確認されています。そしてその特徴は活性化された原始からの細胞にあります。
・・・つまり眠っている、普段使われていない筈の脳です。」

「それは、どう使われているか調べられたのですか?」
「リリアの能力のひとつに、人間の熱を感知できる視覚があります。
エリックが能力を発動させている時の、熱伝導の情報を送らせていました。」
「・・・・かなり微細な熱ではありませんか?」
「AAAは伊達じゃありません。」「全くですね。」
「・・・・・詳しいことは省きますが、将軍イムズとの戦闘、そしてレゼンダという
カードマスターとの戦いで、彼は怒りの感情が引き金になる時と・・・・
それとは別に、興奮状態の時にも発動がみられました。」

「・・・・ということは、ほとんどの能力者も同じと思って間違いないですか?」
「・・・・もうひとつ。

実は能力者は我々とは違い、我々の脳の興奮状態が、通常の状態なんです。
ですから、それ以上の興奮がある状態が、発動している状態ということです。」

ワインバーガーは驚いたように言った。
「そんな状態で、長くいればーーー」
「ええ。制御不能に陥ると思います。
ですから、リミットがあり、長くは続かない、そう予測ができます。」
「なるほど。能力者のエネルギーという概念が、少し理解できたように
思いますが。
それではエリックが発動後眠くなるというのは・・・・」
「脳が信号をさばききれなくなる状態といえばわかりますか?」
「混沌としているということですか?」
「昏睡状態に移行する手前ですね。」

ワインバーガーは最後に、と言った。
「リリアに、エリックのことを私に報告させなかった理由を
教えて下さい。」

科学者は前を向くと、少し首をうなずくように下げた。
「リリアには、エリックの能力を見極めるように伝えてあります。

そのせいです。
どこまでの能力か、わからない為、まず私に彼の保護をすると
彼女自ら言ってきました。

不思議ですか?
リリアには私は、自分で考え、最良の方法を見つけられるだけの
脳を与えました。裁量することまでを試行錯誤しながら見つけられる
アンドロイドですから。」
「最良の裁量・・・・思考が錯誤したりしませんか?」
「人間なら、ね。」
「人間ではないから脳も違うということですか?」
「人間とアンドロイドの違いを、脳科学から説明するには
ここでの時間ではとても足りません。

・・・・どうやら、会場に着いたようですね。

ワインバーガー氏。
いづれ貴方の為に、リリアも動くでしょうから、結論を急がずに
待っていて頂けると嬉しいですな。」

「・・・・そうですね、専門書を開くとしましょう。
ありがとうございました。では会場へ」そう言ってワインバーガーは
笑った。





ーーートレーラーの中---

「これは・・・・まるで迷路のようだな!」

そのタブレットの立体映像は、巨大な城の内部を透明な板で
造って、入り口から目的地であるゴール・・・中心部にある扉へと
迷路を抜ける作りになっていた。

「RPG・・・・・・まるでロールプレイングゲーム、ですね。
実際にある城を、映像にして、床を半透明にしてる。
この城はどこかで見たような覚えがあるけど、どこだろう
・・・・何か重要なことが・・・・」

「・・・・エリックが起きたら、このダンジョンを見せるしか
ないかも。

レゼンダがエリックを仲間にする前提で作ったカードなら
きっとこれがゲートへの入り口なのね。」
「危険、ですよね。」
「レゼンダが、何を仕掛けてくるか、が、わからないけど・・・・

・・・・こちらには、サカマキさん、検査員の貴方がいるから
何も心配ないと思うわ。」

サカマキは驚いてリリアを見た。
「・・・・?どうしたの?」
「私を信用してくれているんですね。」
「ええ」

サカマキはぎゅっとリリアを抱きしめた。

「・・・・・ありがとう」

リリアが微笑んでいた。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
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by f-as-hearts | 2013-03-15 17:55 | SFサウザンドアイランド