ブログトップ

紡ぐ夢 綴る夢

fashearts.exblog.jp

タロット占い師ASのブログです。

サウザンド・アイランド    20

異世界の島の物語。



サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
                             能力者
エリック・ジェイントン       ・・・5歳    S級会員
                             能力者
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
                            アンドロイド
ワインバーガー           ・・・60歳   ???
メラニー               ・・・33歳   科学者
長老                 ・・・??    ???
レゼンダ               ・・・29歳  オーズレーン国
                            カードマスター
                             能力者
イムズ                ・・・47歳   リドル帝国将軍
                             能力者

マドックス              ・・・26歳   リドル帝国空軍兵士 
                             能力者


第二十話 「 マドックス 」


マドックスは指示された地点へと戦闘機を着陸させた。

イムズ将軍は、マドックスに戦闘機の中にいるように言うと、自分は
その無人の滑走路を真っ直ぐに歩いていった。

(聴こえるな?マドックス)
(はい。)
(よく、眼を開いていろ。じゃないと、何が起こったかわからないぞ?)

マドックスは、じっと瞬きしないように、滑走路の端へ向かうイムズ将軍を
見つめていた。


イムズ将軍が、消えた。

歩いていた、その自然な姿は、全く予期せずにこの世界から消えた。
隠れるところは一切無い。
眼の前にあるのは、何もない滑走路だけだ。

(イムズ将軍?!どこに??まさか、テレポーテーションですか?!)

じっと待つ手に、べったりと汗が滲んだ。
消えた??テレポーテーションなら、どこかに移動している筈だ。
どこに???

(ふむ・・・・・・聴こえるな。

テレポート能力ではないんだ。
私の、能力は。

私が今いる世界は、異次元だ。多次元ともいう。
知りたかったのは、テレパシーが、異次元でもできるのかどうか、だ。

OK、今、そちらに出る。)


消えた場所に、再びイムズ将軍が現れた。
空間の切れ間が開く様な、妙な感覚に囚われる現れ方だった。

(イムズ将軍!!!!凄い・・・・・・・・そんな能力が、あるなんて!!)
(実際、この能力のお陰で、革命は成功したんだが。

・・・・・・だが、わかるだろうが、この私のような者は、普通の生活は
しづらいのだ。若い頃から、この力を持て余してきた。

マドックス、君も同じだろう)

マドックスは学生時代を思い出していた。

(・・・・・・・はい・・・・・・)

(では、本題に入る。

今なら、断ることも出来るぞ?
まあ、断るのなら、記憶の操作をせねばならないが。)
(いいえ。引き受けたからには、何があろうと逃げません。)
(良い覚悟だ。

私は、今回、S級能力者を捕獲する特殊任務の最中にいる。

その人物は我々の能力を超えている可能性がある。
したがって、私1人ではこの異次元でも勝機はない。

君に、その戦闘機を操って、異次元へ突入してもらいたいのだ。)


(!!!それは、どうやって??)

(私は戦闘機に乗って、異次元へ行けるか試みたことがある。
しかし、異次元へのゲートを開けながら、戦闘機を操るのは
無理だった。

私の、目の前になら空間を開けることはできるが、戦闘機に
乗っている自分では、戦闘機の中から私が異次元へいくだけで
戦闘機は無人になり、墜落してしまう。

そして、人を頼むにしても、私が外で言うタイミングに合わせる
ことなど、100%無理だとシミュレーションしてみてわかった。

・・・そうなのだ。

もしそれをするなら、何人ものクルーが必要になる。
だが、これは最少人数で行うべきミッションなのだよ。)

(つまり・・・・・・そのタイミングを、時差なくできるのが・・・・)
(そう。テレパシーだ。

知っているだろうが、心の声のスピードは、限りなく光に
近い。思ったことは、瞬時に伝わるだろう?

・・・GO & STOP・・・

異次元空間へのスタートが、一瞬で きれなければ、機体は
バラバラになるだろう。

だから、君に、これからここで、その訓練をしてもらう。

いいな?)

イムズは異次元へジェット戦闘機で突入することの、困難さを
想定していた。だから、それには能力者の、マドックスのような
人材が必要不可欠だった。


マドックスは戸惑いを隠せなかった。

(イムズ将軍の、この能力をもってしても、捕獲できない人物?
・・・・そんな危険人物が、この世に存在するなんて?!

イムズ将軍、お願いがあります。
まず、異次元でのテレパシーの訓練からでも構わないでしょうか?)

(構わないが?どうしてだ?)
(異次元に慣れておきたいんです)
(はは・・・なるほど。俺はそこまで考えもしなかったよ!
わかった。それではこちらの世界で訓練をしよう。)


ジェット機をすぐに異次元へ運ぶことは無理だが、マドックスが
異次元で行動することに慣れてもらうことと、イムズとの
テレパシーの交信精度・・・つまり、正確さや速さだが・・・を
上げることは、どうしても必要だった。

(異次元での声も、変わりないですね)
(そうだな・・・いままでそういう人間に出会わなかったから
わからなかったが。

では、まずは、キャッチボールでもするか)


2人は本物のボールでキャッチボールをしながら、テレパシー
で、ボールの向きや高さを伝える練習をした。

かなりのスピードだ・・・・・・マドックスは冷や汗が流れる
のを感じた。

異次元・・・・・・その空間に居続けることの、その思っても
いない心労。

現実の、時間に戻っても、時間は少しも過ぎていない。
なのに、疲れは、異次元での時間に相当していた。

マドックスは、この能力を使いこなすイムズという人間の
精神力の強さに、心から敬服した。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
[PR]
by f-as-hearts | 2012-10-22 23:51 | SFサウザンドアイランド