ブログトップ

紡ぐ夢 綴る夢

fashearts.exblog.jp

タロット占い師ASのブログです。

サウザンド・アイランド    3

異世界の島の物語。



サカマキ・ショウゴ         ・・・28歳   検査員
カネムラ・オクトー         ・・・19歳   研究員
エリック・ジェイントン       ・・・5歳    S級会員
マーマレード・リリア        ・・・20歳   保護委員
ワインバーガー           ・・・60歳   ???


第三話 「 エリックはS級会員 」


リリアはにっこりと微笑んだ。
「ごめんなさい。

あなた達は、エリックの級をご存知なんでしょうか?」

サカマキは答えた。
「S級ですよね。知っています」
「その、意味も?」「勿論です」

リリアはゆっくりと言った。
「彼が、勉強は嫌いといったら、従うんです。
私は今までにも、大勢の研究員と検査員の方々に説明して
きましたが、どなたもわかっていなかった。

彼は大切な人ですが、普通のこどもなんです。
計画倒れになる前に、ご忠告させていただきます」

カネムラはサカマキの顔を見つめたが、リリアの方を見ると
言った。

「驚かれるかもしれないと、報告していませんでしたが
私もS級なんです。

エリックの辛さはわかっているつもりです。
それでは一緒に行動する理由にはなりませんか?」

リリアはテーブルに置いた手が震えるのがわかった。


「・・・まさか?!

S級が、2人???

そんな奇跡のようなことがおこる訳がーーー」


・・・・・・・・・・・・・・・・・しまった・・・・・!!!
だから、ワインバーガー氏が、秘密裏に動いていたのか!!!

「し・・・証明章は?」
カネムラ・オクトーは、上着の衿の裏を見せた。

紛れも無い、証明章・・・羽根のマークがそこにあった。

エリックは、初めてみる自分と同じマークを持つ人間に、興味を
もって訊ねた。
「へえ~~~~!!!!
おんなじなんだ?!

・・・マーマレード、僕はカネムラとあっちで話、したいんだ。
2人だけにしてよ」

「・・・・・わかったわ」
リリアの落胆ぶりは、目に見えてわかった。
サカマキはカネムラに頷いてみせると、言った。

「最初から、飛ばすなよ?」
「OK」

2人は並んでそのフロアの端にあるテーブルに向かって歩いていった。

「マーマレード・リリアさん。
そういうことですので、これから私達も打ち合わせをしたいんですが」

「リリア、でいいわ。

・・・つまり、貴方も、カネムラの守護者兼教育者だったってこと?」

「端的に言えば、そうなりますか」

リリアは諦めたように言った。
「何歳から、彼と?」「彼は10歳になっていました。年齢的には遅いくらい
でしたが、それまで、彼と相性の良い人間が誰もいなかったと聞いています」
「あなたは19歳・・・」「私が20歳になってすぐに配属となりましてね・・・」

お茶を飲みながら、サカマキはリリアに話をふった。
「リリアさん。

伺ったところによると、エリックは凄い潜在能力を持つそうですね?」

リリアは言葉を選んでいるようにゆっくりと言った。
「・・・普通の、こどもですわ。

皆、勘違いをしています。

まだ、能力は未知数ですから」

サカマキは首を横に振った。
「ワインバーガー氏はそう思われていないでしょう」
「そうかしら?
私は、正直な見解を報告させていただいたけど」
「貴女は優秀な女性だから・・・」



「サカマキさんは、何故彼が研究員になるというのを、
止めなかったんですか?」
「・・・・・・・・・彼の、意志です」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
[PR]
by f-as-hearts | 2012-05-08 02:09 | SFサウザンドアイランド