夢に追いつく夢 16
2011年 06月 09日
・・・・・・・・登場人物・・・・・・・・・
オランティア ・・・・・・・・??? 3賢者の1人 発現のオランティア
シェリマ ・・・・・・・・・29歳 魔法使い ガラティアと黒竜の息子
ルナゲート王 ・・・・・・・・18歳 魔法王国カーライル国王
ユーリ王 ・・・・・・・・・29歳 ラインハルト国王
ツァーランガ ・・・・・・・・・??? 3賢者の1人 覚醒のツァーランガ
アズ ・・・・・・・・・??? 占い師 アズハートの子孫
カイト王 ・・・・・・・・・38歳 ディオリア国 国王
へクトール ・・・・・・・・・??? 3賢者の1人 深闇のへクトール
クオール卿 ・・・・・・・・・??? 元老院 カーライルの魔法使い
スラー元帥 ・・・・・・・・・??? 元老院 カーライルの魔法使い
ネリデ元帥 ・・・・・・・・・・??? 元老院 カーライルの魔法使い
ジジッドー卿 ・・・・・・・・・・??? 元老院 カーライルの魔法使い
ネミッサ ・・・・・・・・・43歳 妖精国ヴァルヌス王妃 魔法使い
ミディ・ジック ・・・・・・・・・27歳 カーライル魔法兵士
第 16 話
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ラインハルト王国・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
王国では、カトリーヌ王女がオランティアと話をしていた。
「・・・あの・・・ユーリは忙しいみたいです」「ええ、わかっています」「はあ・・・ですよね・・・」
「それではシェリマは元老院に捕まった訳ですね。・・・ユーリの言う、人心掌握魔術
についてですが。私の知る限りでは、幻術、くぐつの術、呪縛術・・・
幻術使いの元老院はその場では何も出来なかったはずですから、何かの呪縛と
考えられます。カトリーヌ、魔法学校でシェリマに何か変わったことは起きませんでしたか?」
「いいえ?何も・・・わかりません」「?カトリーヌ?もう一度、シェリマのことを思い出してみて」
「・・・!カトリーヌ、あなたの記憶は一部が消えていますよ?
・・・そう・・・それが、シェリマとの記憶だとすると・・・元老院はシェリマに何かしたということ。
竜であるシェリマの心を呪縛しているということですね」
オランティアは遠くを見つめていた。
「ツァーランガ、聴こえる?あなたに、探してもらいたい人がいるわ」
月の塔のツァーランガは頷いた。「わかりました。すぐに・・・」
「それから・・・」オランティアは続けて言った。「ルナゲート王は、まだ戻られませんか?」
「はい・・・彼とネミッサの声はあの神の社から途絶えたままです」「そうですか・・・」
「オランティア、ここに戻って来れませんか?」「?どうかしたのですか?」「・・・はい・・・」
オランティアはカトリーヌにまた来るからと言い、月の塔へ瞬間移動した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・月の塔・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ツァーランガはミディが寝ているそばに椅子を置いて、座っていた。
オランティアがやってきたのを感じて、すっと立ち上がると、そのままオランティアを
抱きしめた。
「・・・あなたしか、私の今の心を理解できる人はいない・・・
・・・私はあなたがいてくれて、やっと生きていてよかったと思えるようになりました。
シェリマの声が・・・私には自分の叫び声に感じられるのです・・・
オランティア・・・この心を どうしたらいい・・・」
オランティアはツァーランガの心にあるシェリマの声を聴いた。
「・・・きっと私でも シェリマの声は辛かったと思います・・・でも
ツァーランガ、あなたの絶望よりは・・・
・・・あなたは 私を心配してくれたのですね・・・
大丈夫です・・・私は・・・私も あなたが理解してくれさえすれば」
2人は微笑んだ。ツァーランガが言った。
「・・・少しでいい。ここで、休んでいってください」「はい・・・」
月は西へ沈もうとしていた。
ディオリア国のカイト王は伝書鳩を飛ばして、草原の民、騎馬戦士達をオベリスクに
集結させていた。そして砂漠のイース小国にも、オベリスクに注意するよう勧告した。
ラインハルト王国は、ユーリ王がカトリーヌ王女に同じようにオベリスクの周りを封鎖
するように伝えていた。妖精国ヴァルヌスでも、オランティアから国王のフェーンに
その危険は伝えられていた。フェーンもすぐに対策を練って動くと約束した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カーライル王国・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2日目の早朝、ぞくぞくと兵士達が準備を整えオベリスクの前に集結して来た。
元老院の4人と黒竜に変化したシェリマも、その塔のすぐ近くで時を待っていた。
「皆、この出陣はルナゲート王を連れ去った同盟国に対する宣戦布告である!!
未だその行方は知れぬ。我々は正義を貫く!!同盟国側への報復であるという
ことを、皆心してかかるように!!!」
黒竜に乗ったスラー元帥の号令は下った。「全軍出撃せよ!!!!」
うおおおおお!!!!!!鎧と甲冑、剣を携えた魔法兵士達が次々と部隊ごとに
オベリスクの中からそれぞれの国へ向かった。何千何万の兵士が次々と転送されて
いく様は、次元の門が兵士を吸い込んでゆくように見えた。
黒竜は羽ばたくとスラーを乗せて空高く舞い上がった。
「我々も敵地へ向かう!!ネリデ、よいか、司令官達への司令は欠かすな!!!」
「はっ!」
黒竜は気流に乗るとあっという間に見えなくなった。
「あの半竜は是非研究したいものじゃな!!!魔法力も半端ないようだからのう。
さて、と・・・・・・我々の部隊ももう向かったようじゃな。
・・・・おお、そういえば私もスラー元帥に訊ねたいことがあったのだった、急がねば♪」
「ジジッドー卿!!卿の部隊はヴァルヌスですが?」「・・・いやいや、聞き忘れたことが
あってね~」「月の塔へは絶対に行かせません!」ネリデの眼はすわっていた。
「・・・・・・・・・・・あっそう・・・・・・・・・・・・」「・・・やはり相性の問題のようですね」「まあね」
各部隊を率いる司令官は、それぞれ妖精国ヴァルヌス、ディオリア国、ラインハルト国
イース小国のオベリスクに到着すると、すぐにその魔法結界をオベリスクに張り、敵を
警戒した。そしてネリデ元帥の司令を受けて、魔法による巨大な宣誓文を高く空に掲げた。
同盟各国に告ぐ
我々カーライル王国は 同盟各国の策略により
ルナゲート国王が拉致監禁されるという
許しがたき暴挙に対して ここに同盟を破棄し
国王奪還の為 宣戦布告をする
カーライル王国 国王代理
元老院 スラー
その宣誓文は空に浮かび、人々の恐怖を煽った。
カーライルの王が同盟国に拉致監禁された??そんなことが本当に起こったのか??
それぞれの国の王達はオベリスクから現れたカーライルの魔法兵士達を捕らえるよう
指示を出していた。
「宣誓文に書かれていることは偽りである。
しかし我々が カーライル国王を保護したのは真実であり、そのことは
カーライル国王不在の今、説明と明言は避ける。
ルナゲート王はご無事である。
いずれ、国へご自身で戻られようが、今はカーライルを牛耳ろうと画策する
元老院との対決は避けられない。皆が一致団結してカーライル王国の自由と
我々の平和の為に戦ってくれることを、せつに望む」
カイト王の声明は、オベリスクの兵士にも、また敵の兵士達の前でも読み上げられた。
騎馬戦士達が、それぞれの国へ伝令を走らせたのである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・月の塔・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
月の塔ではツァーランガがオランティアに話をしていた。
「スラー元帥と黒竜は、ここ・・・ディオリア国へ攻めて来ているようです。
やはり彼らは我々が事の中心にいると知っているようです。
オランティア・・・あの者は北にいます」
「ありがとう。ツァーランガ・・・感謝します」
「・・・もっと・・・話をしていたかったが・・・」ツァーランガの言葉にオランティアも頷いた。
「・・・・・・・・・私も」オランティアは笑った。「でも言葉にならないけど・・・」
オランティアは消えた。
「・・・・・いつも、さよならは言わないんですね・・・」ツァーランガは手を下ろした。
「それが、とてもあなたらしい・・・・・」
ミディはやっと起き出して来た。ふらふらしているようだったがツァーランガに勧められる
ままに食事を一緒にした。
「賢者様・・・・・・・カーライル王国はこの国と戦争をするつもりなんですか?」
「・・・ルナゲート王が戻られたら、全て片付くと思います」「・・・王は、連れ去られたと
聞きました」「それは元老院の企てなのです。王は操られていました。・・・我々の仲間が
王を助け出し、王を正気に戻しました。今は王は魔法力の向上の為修行を受けておられ
ます」
ミディは元老院の力を知っていた。それを聞いて震える自分に気がついた。
「賢者様、シェリマは?」
ツァーランガの手が止まった。
「シェリマは・・・まさか、元老院と戦うつもりなんですか?!」
ツァーランガは何も言わなかった。
「ダメです!!!元老院には逆らっちゃダメなんです!!!!」
ツァーランガはミディに訊ねた。「何か、知っているんですね?」
ミディはあの光景を思い出していた。
「シェリマは!!!!シェリマは、彼は!!竜の額の鱗を・・・!!!」
ツァーランガは鱗、と聞いて全てを理解した。
「・・・!元老院が、彼を操っています。ミディ、君はここを出てはいけない。
いいですね?彼は元老院の手先になっています。何を見ても何を聞いても
ここを出てはいけません!!」
ツァーランガは元老院が何をしようとしているのか、わかりかけていた。
「ミディ、君はシェリマの大切な人です。
いいね?絶対にここを出たりしないように!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(このお話は フィクションです)
オランティア ・・・・・・・・??? 3賢者の1人 発現のオランティア
シェリマ ・・・・・・・・・29歳 魔法使い ガラティアと黒竜の息子
ルナゲート王 ・・・・・・・・18歳 魔法王国カーライル国王
ユーリ王 ・・・・・・・・・29歳 ラインハルト国王
ツァーランガ ・・・・・・・・・??? 3賢者の1人 覚醒のツァーランガ
アズ ・・・・・・・・・??? 占い師 アズハートの子孫
カイト王 ・・・・・・・・・38歳 ディオリア国 国王
へクトール ・・・・・・・・・??? 3賢者の1人 深闇のへクトール
クオール卿 ・・・・・・・・・??? 元老院 カーライルの魔法使い
スラー元帥 ・・・・・・・・・??? 元老院 カーライルの魔法使い
ネリデ元帥 ・・・・・・・・・・??? 元老院 カーライルの魔法使い
ジジッドー卿 ・・・・・・・・・・??? 元老院 カーライルの魔法使い
ネミッサ ・・・・・・・・・43歳 妖精国ヴァルヌス王妃 魔法使い
ミディ・ジック ・・・・・・・・・27歳 カーライル魔法兵士
第 16 話
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ラインハルト王国・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
王国では、カトリーヌ王女がオランティアと話をしていた。
「・・・あの・・・ユーリは忙しいみたいです」「ええ、わかっています」「はあ・・・ですよね・・・」
「それではシェリマは元老院に捕まった訳ですね。・・・ユーリの言う、人心掌握魔術
についてですが。私の知る限りでは、幻術、くぐつの術、呪縛術・・・
幻術使いの元老院はその場では何も出来なかったはずですから、何かの呪縛と
考えられます。カトリーヌ、魔法学校でシェリマに何か変わったことは起きませんでしたか?」
「いいえ?何も・・・わかりません」「?カトリーヌ?もう一度、シェリマのことを思い出してみて」
「・・・!カトリーヌ、あなたの記憶は一部が消えていますよ?
・・・そう・・・それが、シェリマとの記憶だとすると・・・元老院はシェリマに何かしたということ。
竜であるシェリマの心を呪縛しているということですね」
オランティアは遠くを見つめていた。
「ツァーランガ、聴こえる?あなたに、探してもらいたい人がいるわ」
月の塔のツァーランガは頷いた。「わかりました。すぐに・・・」
「それから・・・」オランティアは続けて言った。「ルナゲート王は、まだ戻られませんか?」
「はい・・・彼とネミッサの声はあの神の社から途絶えたままです」「そうですか・・・」
「オランティア、ここに戻って来れませんか?」「?どうかしたのですか?」「・・・はい・・・」
オランティアはカトリーヌにまた来るからと言い、月の塔へ瞬間移動した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・月の塔・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ツァーランガはミディが寝ているそばに椅子を置いて、座っていた。
オランティアがやってきたのを感じて、すっと立ち上がると、そのままオランティアを
抱きしめた。
「・・・あなたしか、私の今の心を理解できる人はいない・・・
・・・私はあなたがいてくれて、やっと生きていてよかったと思えるようになりました。
シェリマの声が・・・私には自分の叫び声に感じられるのです・・・
オランティア・・・この心を どうしたらいい・・・」
オランティアはツァーランガの心にあるシェリマの声を聴いた。
「・・・きっと私でも シェリマの声は辛かったと思います・・・でも
ツァーランガ、あなたの絶望よりは・・・
・・・あなたは 私を心配してくれたのですね・・・
大丈夫です・・・私は・・・私も あなたが理解してくれさえすれば」
2人は微笑んだ。ツァーランガが言った。
「・・・少しでいい。ここで、休んでいってください」「はい・・・」
月は西へ沈もうとしていた。
ディオリア国のカイト王は伝書鳩を飛ばして、草原の民、騎馬戦士達をオベリスクに
集結させていた。そして砂漠のイース小国にも、オベリスクに注意するよう勧告した。
ラインハルト王国は、ユーリ王がカトリーヌ王女に同じようにオベリスクの周りを封鎖
するように伝えていた。妖精国ヴァルヌスでも、オランティアから国王のフェーンに
その危険は伝えられていた。フェーンもすぐに対策を練って動くと約束した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カーライル王国・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2日目の早朝、ぞくぞくと兵士達が準備を整えオベリスクの前に集結して来た。
元老院の4人と黒竜に変化したシェリマも、その塔のすぐ近くで時を待っていた。
「皆、この出陣はルナゲート王を連れ去った同盟国に対する宣戦布告である!!
未だその行方は知れぬ。我々は正義を貫く!!同盟国側への報復であるという
ことを、皆心してかかるように!!!」
黒竜に乗ったスラー元帥の号令は下った。「全軍出撃せよ!!!!」
うおおおおお!!!!!!鎧と甲冑、剣を携えた魔法兵士達が次々と部隊ごとに
オベリスクの中からそれぞれの国へ向かった。何千何万の兵士が次々と転送されて
いく様は、次元の門が兵士を吸い込んでゆくように見えた。
黒竜は羽ばたくとスラーを乗せて空高く舞い上がった。
「我々も敵地へ向かう!!ネリデ、よいか、司令官達への司令は欠かすな!!!」
「はっ!」
黒竜は気流に乗るとあっという間に見えなくなった。
「あの半竜は是非研究したいものじゃな!!!魔法力も半端ないようだからのう。
さて、と・・・・・・我々の部隊ももう向かったようじゃな。
・・・・おお、そういえば私もスラー元帥に訊ねたいことがあったのだった、急がねば♪」
「ジジッドー卿!!卿の部隊はヴァルヌスですが?」「・・・いやいや、聞き忘れたことが
あってね~」「月の塔へは絶対に行かせません!」ネリデの眼はすわっていた。
「・・・・・・・・・・・あっそう・・・・・・・・・・・・」「・・・やはり相性の問題のようですね」「まあね」
各部隊を率いる司令官は、それぞれ妖精国ヴァルヌス、ディオリア国、ラインハルト国
イース小国のオベリスクに到着すると、すぐにその魔法結界をオベリスクに張り、敵を
警戒した。そしてネリデ元帥の司令を受けて、魔法による巨大な宣誓文を高く空に掲げた。
同盟各国に告ぐ
我々カーライル王国は 同盟各国の策略により
ルナゲート国王が拉致監禁されるという
許しがたき暴挙に対して ここに同盟を破棄し
国王奪還の為 宣戦布告をする
カーライル王国 国王代理
元老院 スラー
その宣誓文は空に浮かび、人々の恐怖を煽った。
カーライルの王が同盟国に拉致監禁された??そんなことが本当に起こったのか??
それぞれの国の王達はオベリスクから現れたカーライルの魔法兵士達を捕らえるよう
指示を出していた。
「宣誓文に書かれていることは偽りである。
しかし我々が カーライル国王を保護したのは真実であり、そのことは
カーライル国王不在の今、説明と明言は避ける。
ルナゲート王はご無事である。
いずれ、国へご自身で戻られようが、今はカーライルを牛耳ろうと画策する
元老院との対決は避けられない。皆が一致団結してカーライル王国の自由と
我々の平和の為に戦ってくれることを、せつに望む」
カイト王の声明は、オベリスクの兵士にも、また敵の兵士達の前でも読み上げられた。
騎馬戦士達が、それぞれの国へ伝令を走らせたのである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・月の塔・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
月の塔ではツァーランガがオランティアに話をしていた。
「スラー元帥と黒竜は、ここ・・・ディオリア国へ攻めて来ているようです。
やはり彼らは我々が事の中心にいると知っているようです。
オランティア・・・あの者は北にいます」
「ありがとう。ツァーランガ・・・感謝します」
「・・・もっと・・・話をしていたかったが・・・」ツァーランガの言葉にオランティアも頷いた。
「・・・・・・・・・私も」オランティアは笑った。「でも言葉にならないけど・・・」
オランティアは消えた。
「・・・・・いつも、さよならは言わないんですね・・・」ツァーランガは手を下ろした。
「それが、とてもあなたらしい・・・・・」
ミディはやっと起き出して来た。ふらふらしているようだったがツァーランガに勧められる
ままに食事を一緒にした。
「賢者様・・・・・・・カーライル王国はこの国と戦争をするつもりなんですか?」
「・・・ルナゲート王が戻られたら、全て片付くと思います」「・・・王は、連れ去られたと
聞きました」「それは元老院の企てなのです。王は操られていました。・・・我々の仲間が
王を助け出し、王を正気に戻しました。今は王は魔法力の向上の為修行を受けておられ
ます」
ミディは元老院の力を知っていた。それを聞いて震える自分に気がついた。
「賢者様、シェリマは?」
ツァーランガの手が止まった。
「シェリマは・・・まさか、元老院と戦うつもりなんですか?!」
ツァーランガは何も言わなかった。
「ダメです!!!元老院には逆らっちゃダメなんです!!!!」
ツァーランガはミディに訊ねた。「何か、知っているんですね?」
ミディはあの光景を思い出していた。
「シェリマは!!!!シェリマは、彼は!!竜の額の鱗を・・・!!!」
ツァーランガは鱗、と聞いて全てを理解した。
「・・・!元老院が、彼を操っています。ミディ、君はここを出てはいけない。
いいですね?彼は元老院の手先になっています。何を見ても何を聞いても
ここを出てはいけません!!」
ツァーランガは元老院が何をしようとしているのか、わかりかけていた。
「ミディ、君はシェリマの大切な人です。
いいね?絶対にここを出たりしないように!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(このお話は フィクションです)
by f-as-hearts
| 2011-06-09 23:59
| ファンタジー小説Ⅶ