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夢に追いつく夢 15

・・・・・・・・登場人物・・・・・・・・・


オランティア     ・・・・・・・・???     3賢者の1人 発現のオランティア

シェリマ       ・・・・・・・・・29歳      魔法使い  ガラティアと黒竜の息子

ルナゲート王    ・・・・・・・・18歳      魔法王国カーライル国王

ユーリ王      ・・・・・・・・・29歳      ラインハルト国王

ツァーランガ    ・・・・・・・・・???     3賢者の1人 覚醒のツァーランガ

アズ         ・・・・・・・・・???     占い師     アズハートの子孫

カイト王       ・・・・・・・・・38歳      ディオリア国 国王

へクトール     ・・・・・・・・・???     3賢者の1人 深闇のへクトール
 
クオール卿     ・・・・・・・・・???     元老院 カーライルの魔法使い

スラー元帥     ・・・・・・・・・???     元老院 カーライルの魔法使い

ネリデ元帥     ・・・・・・・・・・???     元老院 カーライルの魔法使い

ジジッドー卿    ・・・・・・・・・・???     元老院 カーライルの魔法使い

ネミッサ       ・・・・・・・・・43歳      妖精国ヴァルヌス王妃 魔法使い

ミディ・ジック    ・・・・・・・・・27歳      カーライル魔法兵士




第  15  話



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カーライル王国・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ユーリ王はスラー元帥が黒煙を解き、黒竜を従えて城へ戻る姿をじっと隠れて
観ていた。ユーリ王は元帥がどんな人心掌握魔術を使うのか、聞いたことが
あった。

「おいカトリーヌ、至急オランティア様と連絡を取ってくれ。スラー元帥の魔術を
破る方法を知りたい!」
(お兄様、直接お話したら?)「嫌だ」(いつまで怖がっているの?)「嫌だ」
(もうっ!そりゃあ、あの方は心が読めるけど・・・)「わかってるなら、お前が
連絡してくれ!シェリマはまるで人形のようだった!!あいつは操られる程
心は弱くない!!何か、シェリマの大切なものをスラーは握っているんだ!!」


ユーリ王はスラー元帥が「用意周到な男」という言葉を使った訳を考えていた。

・・・普通、あんな状況で言わないよな?大体、あいつは嘘つきなんだ。
・・・つまり、あの時、俺に周囲を警戒させて何もさせないようにしようと
  あんなことを言ったってことか!!ふん、わかってみればたいしたこと
  じゃない。じゃあ、俺は俺流でやらせてもらうぜ!!

ユーリ王は樹の精霊達に呪文を唱えた。精霊達は鳥に変化して飛んでいった。
「まあ、悪くないんじゃないかな?こんな感じで」自分もまた鷲に変化すると、大空へ
飛び立った。

カーライル城では、スラー元帥とネリデ元帥、そして黒竜が揃って中庭へ降り立つところ
だった。

スラー元帥がネリデの手を縛っている綱を切ろうとした瞬間、綱が生き物のように
スラーとそこにいた兵士達を襲った。スラー元帥は慌てずにその手に持ったナイフを
剣に変化させると、綱を切り落とそうとした。

兵士達の一人が綱を焼き切ろうとした。「馬鹿者!そんなことをしたら」
綱は燃え上がると、その伸びた先まで全て燃え上がり、炎は魔法のせいでその中庭に
燃え移った。

「水の精霊よ、この炎を消したまえ!!」クオール卿の呪文は大雨を中庭全体に降らせ
そこに居た全員を濡れ鼠にした。綱の魔法も消えた。
「随分と、凝った魔法ですね。呪縛のロープとは・・・」クオール卿が綱を見ながら言った。
「ほほう~~?この手の条件発動呪文・・・もしやあのいたずら坊主かな?」
「その通りです」ネリデがジジッドーを見ないように言った。「ユーリです」縛られていた手を
さすりながら、スラー元帥にネリデは言った。

「ラインハルト王国への軍の指揮は、是非私にさせてください!!このままでは私の
誇りが・・・!!!」「ユーリとそなたでは、相性が悪すぎる。冷静さを欠いては、あやつを
出し抜けぬぞ?」「そこは克服致しますから!!!」「・・・どうかな?・・・それを今話している
ヒマはない。皆に告ぐ。黒竜は捕らえた。この者は我々の駒として働かせる。

火、土、風、水の部隊をそれぞれ率いる司令官よ、この地図に従って敵国を攻めるのだ!!」

空中に浮かぶ地図にそれぞれの印が浮かんだ。
「ネリデ元帥、風の伝達者としての使命だ、総指揮者としてカーライルに残れ。
そなたは相互通信を送り続けるのだ、よいな?」「・・・わかりました」


ジジッドー卿が皆を見回すと言った。

「さて・・・それでは元老院の最大の魔法、転送の塔オベリスクから、皆をその国々へ一挙に
送りましょうぞ!各々準備出来次第、オベリスクの前に!!!」
「ジジッドー卿、ネリデも疲労困憊しています。もう少しの猶予を」「うむ、そうであったな」
「では明後日の早朝に総進撃を開始する」スラー元帥はそういうと、黒竜についてくるよう合図し
城の中へ消えた。


スラー元帥はシェリマに人間の姿に戻るように言い、城の奥深く、元老院達が魔法で創り出した
部屋へと連れて行った。今は全ての兵達が準備に追われていて、シェリマとスラー元帥は誰に
も会うことなく、その部屋へと辿り着いた。

その部屋・・・それは宮殿が一つ出来上がっているかと思える程の広さで、塔の内部が吹き抜け
になっているような造りであった。

「シェリマ、ここは我々の主が造られた宮殿だ。
外からは我々が、中からは主が・・・

オベリスクを造ることを推し進めたのも、主の為だ。

この世界が1つになれば、それは素晴らしいことだ!!

我々が、魔法の世界を統治するのだ!!!

竜族よ、そなたらの悲願も、叶うということだ!!!!

それは、お前が竜の魔法使いとして敬われる世界でもある!!

はははは!!!!

もう少しだ!!!


もう、ルナゲート王は必要ない。





・・・お前がいるからな、ははははははは!!!!!!!」


辺りの松明全てに炎が上がり、シェリマの銀色に輝く瞳に反射していた。







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
by f-as-hearts | 2011-06-04 23:59 | ファンタジー小説Ⅶ

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