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召喚師 ミンクの冒険 3

・・・昔々、召喚師が大勢いた頃のお話。


ミンク・デリーシュア       ・・・20歳        召喚師

アーカディ・カッシ         ・・・19歳        魔法使い

ホワン・イーリイ          ・・・28歳        武術師範

ガウル               ・・・???       妖魔

クク・スースルーズ        ・・・???       魔獣王



第  3  話   「 召喚獣ガウル 」


ミンクは窓からひょこっと頭だけ出して、その怪物の姿を見た。
(うっわ~~~~~~~!!!!ホワン、怪物に襲われてるのおお???
どーしよー?!)ミンクは怖いもの見たさと、ホワンがどうなるのか??で、
その場で凍りついたように動けなくなっていた。(怖い~!けど見たい~!!)



ホワンは、その怪物がとても知能が高い事に気がついていた。
「・・・どうした?人間を襲って喰らう怪物、何を考えている?」

「・・・・・・・・・・・・・オマエハ コワガッテイナイナ?ナゼダ?」
「そういうお前も、私が見た限りでは、ただの怪物ではなさそうだ。何故ここに来た?」
「ツヨイニンゲンヲ サガシテイル・・・オマエハ ツヨイカ?」その怪物は一声啼いた。
「コノ オレヨリ ツヨイカ!!!」


怪物はそう言うが早いか、前足の爪で襲い掛かってきた。
瞬きするヒマも無い程の速さで、ホワンはその足を片手で払い、するりと体をかわすと
その首筋を押さえ込んで、地面に叩き付けた。その顔面は地面すれすれで止まると、
片目がホワンを睨んだ。その羽でホワンを切ろうとする怪物。ホワンは垂直に飛び上がると
その羽をかわし、背面跳びで間をとった。怪物は畳み掛けるように飛び込んできた。
それをまたホワンは目線も動かさずに瞬時にその怪物の身体の下に潜り、怪物の腹を
突き上げるように拳を突いた。怪物はたまらずに、よろけると、その場に座り込んだ。

「・・・ホンキデハ ナイナ・・・オマエ ナゼオレヲ コロサナイ?」
「お前が何故強い人間に会いたいのか、知りたいからだ。
・・・強い人間に、何の用があるのだ?」

「・・・オマエニハカンケイナイ・・・オレハツヨクナリタイ、オマエコロス!!!」
怪物は再び体勢を整えると、今度はさっきよりも怒り、激しい攻撃を繰り出してきた。



「・・・・私は召喚する、火の神の眷属火炎の妖魔ガウル!!あの怪物追い払って!!」
妖魔が唸り声をあげて、ミンクの背後から飛び出して怪物に体当たりした。
「おい怪物!!さっきから聞いてりゃ、ごちゃごちゃうるせえんだよ!!!」
ガウルはその真っ赤に燃えるような眼で、睨んだ。「つええ奴ってんなら、オレが最強だ!!」
「フン・・・カエンノバンケン ガウルカ。ジャマガハイッタ・・・」怪物はそれだけ言うと、
空を見あげ、彼方へ飛んでいった。

ミンクは隠れていたが、ホワンはガウルを見ながら言った。
「ミンク、この妖魔は君の召喚ですか。ありがとう、流石は召喚師。ミンク、ここにきて
召喚獣の説明を・・・」「奴ならいないな」ガウルが代わりに答えた。

「すげえ恥ずかしがりやだからな!ま、オレを呼んだだけでも上等ってやつか。おいミンク、
あいつが来たらまた呼べよ、いいな!!」その言葉と共に、ガウルは霧のように消えた。


ミンクはそっと部屋へ戻っていた。廊下をホワンが通るのがわかったが、その影がミンクの
ベッドの傍を静かにすべるように消えると、いつしかミンクも眠りに落ちていた。









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
by f-as-hearts | 2010-07-17 23:59 | ファンタジー小説Ⅵ

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