森の蒼い城 ブルーキャッスル 5
2010年 04月 03日
登場人物
ラムズ・シュッツトガルド 16歳
イライザ・シュッツトガルド 34歳 ラムズの母
ディーオ 16歳 ラムズの友人
魔女 イシュス ??? 世捨て魔女
魔女ザザーランディア ??? 北の魔女
南の魔法使い ???
第 5 話 「 2人の魔法使い 」
魔女イシュスに起こった異変は、耳ざとい北の魔女や南の魔法使いの
すぐに知るところとなった。一番鶏が鳴く前のまだ真っ暗な夜の内に、
その2人はイシュスの所にやってきた。
1人は 透けるように白い肌に黒曜石で出来た杖を持っている北の魔女
もう一人は見上げるように背が高く手足も体も細い、南の魔法使いだった。
「・・・・会いたくない時には絶対間違いなくやってくるね、ザーランディア!」
「ザザーランディア・シュリーマンだって何十年言ってるよ全く!あんたが
どうなろうと関係ないけど、面白いものを見逃すほど、落ちぶれちゃ
いないからね!イシュス、いいザマだ!!はははは!!!これはもう
皆に言いふらさないと、私が皆に怒られるよ!!!」
「・・・・・ま、そうであっても、だ。イシュスほどの大魔女の魔法を破るとは
どこの大魔法使いがやって来たんだね?」冷静な南の魔法使いは言った。
「見たまえ、可愛そうなこの小さき手を!魔法返しに遭ったのを見たのは
私が知る限りこれで2度目だ」
イシュスは、鼻で笑った。「ふんっ!人間、だよ!ただの青年に、伝承の
書かれた羊皮紙を渡したのさ、この、私が!」
2人の顔色が変わった。「・・・・伝承の少年か?!」「あんた!何のんきな
こといっちゃってんのさ?!魔法使いのプライドはどこにいったんだ?
ダメだこいつは魔法返しのせいで、頭がおかしくなっちまったんだよ!!!」
「・・・ザザラン、おまえほどはイカレちゃいないから安心しな。
それにねえ・・・・・・・・・
こんな 小さい私でも、あんたの魔法には勝てるんだからね。
・・・・・・・・・試してみるかい?」
イシュスの目が暗闇の猫のように光った。それは、ブラックオパールの
ように不思議な七色の瞳だった。
その目を見て、ザザーランディアは総毛立った。
「お~~~~~~~!!!いやだいやだ!!!
全く、いくらあたしでも、それくらいはわかるって!!!ねえ、南の・・・
イシュスかまってないで、その伝承少年を捕まえちゃおうよ!!」
「事が、そんなに簡単ならいいんだが?イシュス、本当に本物なのか?
その少年は?伝承の蒼い城に辿り着ける者なのか?」
「・・・・・・・・・・ふんっ・・・・・・・・・・」
イシュスは2人から視線を逸らして、窓の外の朝日が昇ってくるのを
見つめながら言った。「あの血統は、ずっと城を探して来たってことだけさ。
だから、私はあの家族に関わってきた・・・・そんなところさ。
世捨て魔女とまで言われながら、こんなところに居続けたのも、伝承の城の
せいさ。・・・・もうあきあきだよ!」
そういうが早いか、イシュスの姿は小さな鳥になって窓から飛んで行って
しまった。
「きゃ~~~~~~!!!!逃げたわ逃げたわ!!!ねえどうする?」
南の魔法使いは静かだった。「・・・・・ほう?・・・・それより、ザザーランディア
君はいつからそんなに熱心に蒼の城のことを考えるようになった?」
「そんなの、決まってる!イシュスの顔を潰せるチャンスじゃないっ!!!」
「まあそうだろうね、そういうと思ったよ。非常にわかりやすい。それだから
イシュスには勝てないのだ」「南~~~~~!!!」
「・・・私にも名前くらいあるんだが。たまには、呼んでくれないか?」
「えええ??なになになに???とうとう、私にプロポーズする気になった?」
「・・・・・・・・非常にわかりやすい勘違いだ。ふふふ・・・それじゃあ月に尋ねて
みるといい」「いやあだ!今夜って満月じゃないっっ!!!ああああ、やられた!
それじゃあ、イシュスの魔法が半減したって、そのまた半分は戻るんじゃない」
「私は、伝承の少年を追うことにしようかな」「だから、あんなに自信満々だった
わけね・・・・あっ南の~~~~!待ちなさいよ!!!」
2人の魔法使いは朝の光の中で姿を消した。
ラムズは夜通し歩き続けて、もう少しで村に着くところだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(この お話は フィクションです)
ラムズ・シュッツトガルド 16歳
イライザ・シュッツトガルド 34歳 ラムズの母
ディーオ 16歳 ラムズの友人
魔女 イシュス ??? 世捨て魔女
魔女ザザーランディア ??? 北の魔女
南の魔法使い ???
第 5 話 「 2人の魔法使い 」
魔女イシュスに起こった異変は、耳ざとい北の魔女や南の魔法使いの
すぐに知るところとなった。一番鶏が鳴く前のまだ真っ暗な夜の内に、
その2人はイシュスの所にやってきた。
1人は 透けるように白い肌に黒曜石で出来た杖を持っている北の魔女
もう一人は見上げるように背が高く手足も体も細い、南の魔法使いだった。
「・・・・会いたくない時には絶対間違いなくやってくるね、ザーランディア!」
「ザザーランディア・シュリーマンだって何十年言ってるよ全く!あんたが
どうなろうと関係ないけど、面白いものを見逃すほど、落ちぶれちゃ
いないからね!イシュス、いいザマだ!!はははは!!!これはもう
皆に言いふらさないと、私が皆に怒られるよ!!!」
「・・・・・ま、そうであっても、だ。イシュスほどの大魔女の魔法を破るとは
どこの大魔法使いがやって来たんだね?」冷静な南の魔法使いは言った。
「見たまえ、可愛そうなこの小さき手を!魔法返しに遭ったのを見たのは
私が知る限りこれで2度目だ」
イシュスは、鼻で笑った。「ふんっ!人間、だよ!ただの青年に、伝承の
書かれた羊皮紙を渡したのさ、この、私が!」
2人の顔色が変わった。「・・・・伝承の少年か?!」「あんた!何のんきな
こといっちゃってんのさ?!魔法使いのプライドはどこにいったんだ?
ダメだこいつは魔法返しのせいで、頭がおかしくなっちまったんだよ!!!」
「・・・ザザラン、おまえほどはイカレちゃいないから安心しな。
それにねえ・・・・・・・・・
こんな 小さい私でも、あんたの魔法には勝てるんだからね。
・・・・・・・・・試してみるかい?」
イシュスの目が暗闇の猫のように光った。それは、ブラックオパールの
ように不思議な七色の瞳だった。
その目を見て、ザザーランディアは総毛立った。
「お~~~~~~~!!!いやだいやだ!!!
全く、いくらあたしでも、それくらいはわかるって!!!ねえ、南の・・・
イシュスかまってないで、その伝承少年を捕まえちゃおうよ!!」
「事が、そんなに簡単ならいいんだが?イシュス、本当に本物なのか?
その少年は?伝承の蒼い城に辿り着ける者なのか?」
「・・・・・・・・・・ふんっ・・・・・・・・・・」
イシュスは2人から視線を逸らして、窓の外の朝日が昇ってくるのを
見つめながら言った。「あの血統は、ずっと城を探して来たってことだけさ。
だから、私はあの家族に関わってきた・・・・そんなところさ。
世捨て魔女とまで言われながら、こんなところに居続けたのも、伝承の城の
せいさ。・・・・もうあきあきだよ!」
そういうが早いか、イシュスの姿は小さな鳥になって窓から飛んで行って
しまった。
「きゃ~~~~~~!!!!逃げたわ逃げたわ!!!ねえどうする?」
南の魔法使いは静かだった。「・・・・・ほう?・・・・それより、ザザーランディア
君はいつからそんなに熱心に蒼の城のことを考えるようになった?」
「そんなの、決まってる!イシュスの顔を潰せるチャンスじゃないっ!!!」
「まあそうだろうね、そういうと思ったよ。非常にわかりやすい。それだから
イシュスには勝てないのだ」「南~~~~~!!!」
「・・・私にも名前くらいあるんだが。たまには、呼んでくれないか?」
「えええ??なになになに???とうとう、私にプロポーズする気になった?」
「・・・・・・・・非常にわかりやすい勘違いだ。ふふふ・・・それじゃあ月に尋ねて
みるといい」「いやあだ!今夜って満月じゃないっっ!!!ああああ、やられた!
それじゃあ、イシュスの魔法が半減したって、そのまた半分は戻るんじゃない」
「私は、伝承の少年を追うことにしようかな」「だから、あんなに自信満々だった
わけね・・・・あっ南の~~~~!待ちなさいよ!!!」
2人の魔法使いは朝の光の中で姿を消した。
ラムズは夜通し歩き続けて、もう少しで村に着くところだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(この お話は フィクションです)
by f-as-hearts
| 2010-04-03 23:59
| ファンタジー小説Ⅴ