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SF 小説 Eagle.0 -イーグル.ゼロ ・ 1- 12

鷹島尋   達真  (タカトウジン タツマ)  ・・・16歳  高校1年

山藤(ヤマフジ)所長               ・・・59歳  科学研究所 所長

高ノ宮(タカノミヤ)博士              ・・・37歳  ロボット工学博士

時舟(トキフネ)リエ子               ・・・28歳  高ノ宮博士の助手

鷹島尋   晃太  (タカトウジン コウタ)  ・・・14歳  中学2年

レイリー・ミラー博士                ・・・39歳  科学者

サー・ヴァイズ                   ・・・47歳  サーの称号をもつ科学者
                                    テロリストの首謀者

ヤン老主                       ・・・78歳  アジアの超能力者(予言者)

リ・スウフォン                    ・・・14歳  ヤン老主の小姓

リー大公                       ・・・75歳  中国皇帝一族の末裔



第  12  話  「 不確定要素  」


サー・ヴァイズは、リー大公の言葉が一瞬わからなかった。
「・・・・・なんですって?」

「聴こえなかったかね?ヤン老主はもう必要ないんだよ。
我々に必要なのは、不安定な未来の予知ではない。確固たる我々の勝利、それのみだ。
そうすれば、約束しよう。君の望む、力が手に入る世界を、ね」


・・・プツ・・・・・・

あたりを沈黙が支配した。



それから何分か後、携帯のシグナルが点いた。
「・・・・・・ノーティか?・・・もう着くんだな?わかった、屋敷の地下へ降りて来い。
こっちのボディガードが迎えにいく・・・クルーザーか?いいぞ、もう攻撃開始しても。
・・・・条件が変わった。・・・・・・・後で説明する」

携帯をきった後、サーは椅子に腰掛けたままボディガードの顔をチラッと見た。
「・・・・・・君に、頼みたい事があるんだが、いいか?」
「サー、なんでしょうか?」

「まず、地下に大佐ともうひとり、老人が到着する。
大佐には戦闘機に戻るように告げてくれ。私は老人に用がある。
・・・私が行くまで老人を、地下の倉庫に閉じ込めておいてくれ。
手錠は外すな。そして、そのまま、倉庫の前で見張っていてくれ」
「イエス・サー」

ボディガードが部屋を出て行ったのを確認し、サー・ヴァイズはノーティに携帯で
連絡した。「・・・いいか、これから言うことを誰にも言うな。いいな?返事もするな・・・・」


ボディーガードは言われた通りに倉庫の前で待っていた。
「ご苦労。今、大佐のところに寄って基地へ帰るように伝えた。・・・君は私が任務を
終えるまでここで待っていてくれ。・・・リー大公に渡して欲しいものがある」


ガチャッ・・・・・・・ギイイイイイイ・・・・・・・・・・

「・・・・ヤン老主。何か言い残す事は無いですか?」
「・・・・君に、かね?それともリー大公に、かな?」

「ふふ・・・・・・・・ふふふふ・・・・・・さあ?・・・・・・・・・
・・・・・・・・ヤン老主、ひとつだけ訊いておきたい事があります」
ヤン老主は黙って頷いた。

「・・・・なんだ・・・質問しなくてもいいんですか・・・・それが、答え・・・・」

ダーーーーーーーン・・・・・



ガチャ・・・・・・・・

「・・・・・この箱を、リー大公に渡してくれ。君は開けるな。いいな?
私は、ここの後始末をしてから戻る」


ボディーガードはその箱をリー大公の待つ部屋へと運んだ。そして、事の顛末を
説明した。「・・・・そうか、 わかった。ご苦労だったな。・・・・君にはまた面倒をかける
が、もう今日は休んでいいぞ」「御意」

しかし、ボディーガードは、その箱の中身が気になっていた。それで、ドアの外で耳を
当てて中の様子を伺っていた。

「・・・・・・・ヤン老主、とうとうこの日がやってきた。どれ程あなたには煮え湯を
飲まされたことか!・・・・・・やっと、これで終わりだ・・・・」

リー大公は机の上で箱を開いた。

「!!!!うっ?!!ぎゃああああ!!!」
その声に、ボディーガードは部屋に飛び込んだ。「どうされました??」
「ね、ねずみが!!!」


「ハロ~~~!!ええっと、これね~~ポチッとなっっ!!」


箱の中で携帯を開けてマウスは電源を入れた。そして、急いで飛び降りると開いている
ドアから走り去った。

2人は一体何が起こったのかわからずにいた。そして、今のがロボットだということも
気がつかず喚いた。
「なんだ?今のは??おい!!ヤン老主は??本当に死んだのか?!早く確認してこい!!」
「はい!!!!」気が動転したリー大公は、そこにあるのが携帯電話で、電源が入っている
意味もわからずに椅子にへたり込んでいた。


その頃・・・・・・・・・

イーグルと軍の戦闘機はクルーザーの周りの敵戦闘機と交戦中だった。
しかしその数で圧倒する軍は、敵が爆破しないようにミサイルは使わず、機銃掃射で追い
落としていった。イーグルはクルーザーの中の人質を救出すべく、ミラーショットと連携し
あっという間に敵を囲んで動けないようにした。
「スウフォン、タツマ君、よくやった。もう、ここはいいから、ヤン老主のところへ行って
あげてくれないか?」レイリー博士の言葉に、2人は頷いた。
「アニキ~~~~!!!俺、携帯の電源入れたんだぜ~~~~!!!」
「そうか、すげえじゃん!!スウフォン、さあ、ヤン老主のところへ急ごう!!」「はい!!」




「・・・・・サー、これでよかったのか?俺は、納得できねえな!!」
「・・・・そうだな。だが、リー大公という人物は、私を飼い犬だと思っていたらしい」
「はっっ!!!とんだ大馬鹿野郎だったってえことかよ?!サー・ヴァイズ様をなんだと
思っていやがる!!!」
2人は戦闘機の爆音の中で、大きな声で話していた。


「・・・・・・・ふふふ・・・いや突然、私は馬鹿なことを思いついたんだ。マウスを見ていてね。
もし、このまま逃げ続けられたとしたら、またヤン老主と・・・・・・」

「ええ?なんだって??」「なんでもないよ!!そんなことより、お前の隠れ家は安全なんだ
ろうな?」「ああ!!!この世のものとはおもえねえ、怖~~え女が、守ってるからな!!」
「それはいい」「後悔すんなよ~~~!!俺は絶対逃げるぜ!!!」「ははは!!」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
by f-as-hearts | 2010-01-23 23:59 | SFイーグル・ゼロ1

タロット占い師ASのブログです。


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