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SF 小説 Eagle.0 -イーグル.ゼロ ・ 1- 6

鷹島尋   達真  (タカトウジン タツマ)  ・・・16歳  高校1年

山藤(ヤマフジ)所長               ・・・59歳  科学研究所 所長

高ノ宮(タカノミヤ)博士              ・・・37歳  ロボット工学博士

時舟(トキフネ)リエ子               ・・・28歳  高ノ宮博士の助手

鷹島尋   晃太  (タカトウジン コウタ)  ・・・14歳  中学2年


サー・ヴァイズ                    ・・・47歳  サーの称号をもつ科学者
                                    テロリストの首謀者

ヤン老主                       ・・・78歳  アジアの超能力者(予言者)

リ・スウフォン                    ・・・14歳  ヤン老主の小姓

リー大公                       ・・・75歳  中国皇帝一族の末裔




第  6  話    「  サー・ヴァイズの予測   」



「ゼロ1、クルーザーが消息を絶った海上に到着しました。船は、見えません」
「アニキ、海、すげえ荒れてるね!!」「そうだな・・・博士、船の最後の通信って、どれ位
前だったんですか?」「うん、海自からの連絡だったんだが、今から約1時間前らしい」
「今、低気圧がこの海域に近づいているから、もし転覆したのだったら、大きな波のせい
かもしれないわ」リエ子助手が天気図を画面に表示して見せた。

「・・・いや、それは無いだろう」レイリー博士がヤン老主と共にモニターの部屋にやって来て
言った。「ヤン老主、クルーザーは乗っ取られたんでしょうか?」「・・・・・・ええ」

ヤン老主は、香港を指差しながら言った。「・・・クルーザーは、香港に引き戻されています」
「待ってください、そんな情報は・・・」「高ノ宮博士、サー・ヴァイズが関わっているかもしれ
ないんだ。彼なら、やるだろう。ヤン老主、イーグルはどうしたらいいでしょう?」

ヤン老主は目を閉じて考えていた。
「人質の安否が心配ですねえ・・・彼らが要求してくるのは、イーグルと私なので」
所内がざわざわと騒がしくなった。
「本当ですか?!それは!!!」「まさか・・・何故?」

「わからなくはない・・・ヤン老主は超能力者だ。そして、ロボット・イーグルも手に
入れたら、世界で怖いものはなくなるだろう」そう言ってレイリー博士は、奥歯を
噛み締めた。
「どうやって?!イーグルは武器でも兵器でもないぞ?!」






「・・・いわば、世界への威圧です。自国を調べようとするスパイや何らかの動きに
先手を打って、イーグルを飛ばす・・・・そうすれば、何もかも見通したかのように
イーグルが来るだけで、大国が動くぞという、脅しになる」
サー・ヴァイズはリー大公に、ヤン老主とイーグルをどう使うか説明していた。

「それは良い。私の紋章には、鷲が象られている。私の使者が来たと思うだろう」
「・・・・御意。それと・・・これとは別の案件ですが、そちらが成功した場合の報酬は」
「もう動いているらしいな。・・・東のテロリストの総括、だったかね?
デス・サイバーテロの時に約束した、君の国への援助、それでいいかね?」
「ありがとうございます。それで結構です」
サー・ヴァイズは、PCでヤン老主の情報を整理しながら、通信を続けていた。

「リー大公、何故、あなたがこんな危険を犯してまで、私を保護して仕事を
与えるのか、そろそろ教えてくださいませんか?」

リー大公は笑った。
「君には牢獄は似合わない。違うかね?・・・君は私と同じ貴族だ」
「感謝にたえません・・・」

(・・・さすがに、簡単に真相は語らない・・・か。まあいい・・・)
サー・ヴァイズは冷静にヤン老主の次の動きを予測しようとしていた。
超能力だと?つまりは、予測だ。捕捉出来る可能性を99パーセントにすれば、
どんなことも逃れられるわけが無い。
サー・ヴァイズは、自分が珍しく熱くなっているのを感じた。
このゲーム、私の頭脳が、勝つ・・・・

リー大公はサー・ヴァイズがここまで力があるとは思っていなかった。
ただ、最初にサー・ヴァイズがデス・サイバーテロを利用して2つの国を戦争へと
駆り立てる計画を聞いた時に、その狡猾なやり方が自分と似ていると驚いたのは
確かだった。同じ闘いでもヤン大公にはよくぎりぎりでかわされて、そのやり方が
どうにも理解出来なかったが。

リー大公はここにきて、サー・ヴァイズをヤン老主が助けた意味が、わかった気が
していた。
・・・・・・つまり、サー・ヴァイズを私の敵にしたかったのだろう・・・・
ヤン老主は今の・・・私が牛耳る国を、良くは思っていない。それは闘争の歴史から
しても、わかっていた。あの、すっとぼけた老人が、隠居などしていられるものか!
言葉を鵜呑みにする程、私は老いてはいない。

・・・・・そうはいくか・・・・・・サー・ヴァイズは、もう私の飼い犬だ。

「サー・ヴァイズ、君はもっとも有能な私の片腕だ。これからの活躍を期待している」
「・・・・・ありがとうございます」



ヤン老主はレイリー博士、高ノ宮博士にリー大公の事を一切話さなかった。
「私は香港へ向かいます。・・・大急ぎですのでねえ、また私だけ戦闘機に乗せて
頂けないでしょうか?スウフォンはすみませんがここでお世話になっても良いですか?」
「・・・・・本当に・・・そんなことが起こるんでしょうか??」
「はい・・・そうそう、携帯電話というものを用意していただけると、助かります」

「ヤン老主、香港が見えてきました」タツマがモニターを見ながら言った。
「へえ~~~~!!すげえや!船も人も港にいっぱい・・・こっちは天気がいいよ!!」
「おお!懐かしいですねえ・・・・さて、始めますかな」




・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(このお話は フィクションです)
by f-as-hearts | 2009-12-19 23:59 | SFイーグル・ゼロ1

タロット占い師ASのブログです。


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