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SF 小説 Eagle.0 -イーグル.ゼロー 30

鷹島尋   達真  (タカトウジン タツマ)  ・・・16歳  高校1年

山藤(ヤマフジ)所長               ・・・59歳  科学研究所 所長

高ノ宮(タカノミヤ)博士              ・・・37歳  ロボット工学博士

時舟(トキフネ)リエ子               ・・・28歳  高ノ宮博士の助手

鷹島尋   晃太  (タカトウジン コウタ)  ・・・14歳  中学2年

レイリー・ミラー博士                ・・・39歳  科学者

モニターの男  サー・ヴァイズ         ・・・47歳  サーの称号をもつ科学者
                                    テロリストの首謀者

ヤン老主                       ・・・78歳  アジアの超能力者(予言者)



第  30  話   「  絵  」



デスサイバーテロ集団は、その後国際警察が動き捕まったと報道された。
サー・ヴァイズ他の科学者達はそれぞれの国で刑罰の決定を待つ間も、その世界に
及ぼす影響の大きさから、裁判は新たな法律を制定するところから始めねばならない
という、異例づくしの決定があり、本当の裁判が始められるまでの間に、あらゆることが
検証されてその審議に持ち込まれる資料は、ゆうに普通の裁判の10倍はありそうだった。
しかし確実にテロの実態を掴む1つの大きな裁判になると、人々は今後そのようなテロを
防ぐなんらかの指針が生まれる事を期待していた。


ヤン老主はレイリー博士に説得されてその超能力の解明の為、自国に帰るのを
引き伸ばされていた。そして勿論、あのミラーショットに付けられたチップの事も、
徹底的に研究される事になった。

「ヤン老主ってさ、すっごい超能力者だって、自分で言うし~!
おもしれ~じいちゃんだよ!!
でもさ、ホントだったからさっっ!!・・・・だからレイリー博士がすげーーーんだ、
もうストーカーかよっっていうくらい、いっつも一緒」「コウタ君、それ、私に失礼」
「うぎゃあああああ!!!!・・後ろに立たないでよっ!!!レイリー博士!!!」
「君ね、私はまだ翻訳機つけてるんだからね!誰にしゃべってるんだい?アニキ?」
「あ~~~~!!えっと、そのう・・・・」「レイリー博士、高ノ宮です」「ああ、君か」


レイリー博士は話し始めた。
「・・・そうだね、何から説明しようか・・・

ヤン老主の能力は、未来予知だけど、可能にしているのは究めて科学的な事象
ではないか、という私の研究なんだ。
・・・君も知っての通り、物質は光のスピードを超えられない。素粒子物理学を学ば
なくても、時間を遡れるエネルギーを考えるのは、無限の穴を覗くようなものだろう。

・・・・しかし、私は一つ疑問を持った。

つまり、問題になっているのは、質量なんだ。
質量があるものは、光の速度を超えられない。
じゃあ、思考は? 人の、思念は質量があるんだろうか?

私は、仮定してみた。もしかしたら、人の思念、思考波というものが存在するとしたら
それを捉える能力がある人間が、未来から光を超えて届く思念を予知、としているのでは
ないだろうか、と・・・・・・・・・・・

そうでなければ、あまりに多数この世に存在する予言書の意味がわからない。
やはり、予知は科学が解明する事で意味をもつのではないかな」

「それじゃ、あのチップは・・・・?」「それなんだが・・・・ヤン老主が言うには、そのチップを
作れる人物がいたらしい。でもよくわからないんだ・・・・・そのことになると、ヤン老主の
記憶が曖昧になるんだよ。私は、またこれから研究に戻る。マウス君がそろそろ帰りたい
と言っていたね。よかったら特別便を用意しよう」
「ええっどんなの?」「ミラーショットが4機で君をかごに入れて運ぶんだよ」
「うっそ~~~~!!!かっこいいかもっ!!」「だろ?」


季節は秋へと移り変わっていた。
コウタもタツマも授業が始まり、学生としての普通の生活がまた始まっていた。
・・・少しだけ変わったとすれば、2人とも時々友人に質問されるようになった事だった。

「お前さ~あのニュースのイーグル操縦してたってホントかよ?」
「・・・・・・・・・・・ん」「・・・・・・・・そおなんだ?!・・・じゃあ、大変だったんだな」
「・・・・・・・・・・・・・・」「研究所でさ、また作ったりできねえの?」
「・・・・・・・・・・・・・・」「新しいの出来たら、俺も動かしてみてえな!!」

「・・・・・・・わりい、俺その話、したくないんだ」「・・・・・・え?なんで?」

「俺が・・・・・・・ゼロに爆弾運ばせたんだ・・・・・
あんなの、あんな危険なもの!俺は簡単に考えてた。俺が、ゼロを壊したのと同じだ」
「そうか・・・・・・・・知らなかったよ、ごめん」
「・・・・・・・・・・それなのに、誰も・・・・・・俺を、責めないんだ」

「そんなの、当たり前だろ!!お前も、イーグルも、みんなの為にした事だろ?
なんで後悔するんだよ?おかしいだろ?お前は、立派だったじゃんか!!」

「お前は何も知らないじゃないか!!
・・・・・・・・・・・・違うんだ・・・・・・・・・・違う・・・・・・・・・
俺・・・・・・・・・俺は、立派なんかじゃない!!俺は、本当はゼロにもうどこでもいいから
爆弾を落として欲しかったんだ。ゼロが無事なら、どうでも良かったんだ!!
・・・・俺は、最低だ。    なのに、みんなは知らないんだ・・・・・・・・
それに俺・・俺がゼロの足を作ったから・・・・・・俺の、責任なんだ・・・・」



「・・・・・確かに、俺は知らないけどさ、なあ・・・
俺の親がよく言ってた。
 
壊れないものなんて、この世にないんだってさ。
タツマ、俺は、そう思うぜ」

友人はタツマの背中をぽんっと叩いた。
「・・・・もう帰ろうぜ。また、明日な!」








タツマは高校から帰ると、机の上に紙が置いてあるのに気がついた。

それはコウタの描いた絵だった。
ゼロがマウスをつかんで飛んでいる絵だった。

「・・・・へったくそ・・・・・・・・・」

絵の裏に、コウタが一言書いていた。

     

         アニキへ

        

      オレ達は   最強コンビだぜ!!










タツマは笑った。

「・・・・・・・・・・・・・・・そうだったな・・・・・

・・・・・・・・・・・でも極悪の間違いだろ?

・・・・・コウタ、もう帰ってるんだ」


タツマはその絵を持って、コウタを探しに部屋を出た。


コウタの絵、博士やリエ子さんに見せてやる、と思いながら。








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・END・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






・・・・・・・・いつも 拙ブログにお越し下さいましてありがとうございます。


SFというジャンルで、また今回も書かせて頂きました。
SFは、いつもそうなのですが、消化不良になりつつ、なんとか・・・・・・・・
好きなのにいつも片想いなのと似ています。
・・・本当に、下手なのに、書いてるので・・・・辛いな~~~!!
それに、本当はもう少しはちゃめちゃにするところで・・・・・・・・

「ええええ???ちょっとまったあ!!はちゃめちゃ、じゃなくて
俺!!俺の活躍すくなくねえ??それにさっ!アニキのゼロ、
壊したのも、作者の勝手じゃん!!!ひでーーーーよ!!」

「・・・・・・・・・・まあ、確かに・・・・・・」「アニキ!!!言ってやれよ!!」




・・・・・・・・ええっと・・・・そのう・・・・・・・
最初に、ラスト、決めてたもので・・・・・ええ、いつものことなんですけど。
まあ、登場人物には悪いですけど、そういうことで。

「うわああ!!作者極悪人!!!」





・・・・はいはい。

それじゃあ、いつか第二部つくるかもしれないから。
(いや、それもどうかと思うんだが)
主人公はまた君達ね。よろしくね。

・・・・・・・・・・・それでは皆様 ごきげんよう。
by f-as-hearts | 2009-11-17 23:59 | SF イーグル・ゼロ

タロット占い師ASのブログです。


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