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SF 小説 Eagle.0 -イーグル.ゼロー 27

鷹島尋   達真  (タカトウジン タツマ)  ・・・16歳  高校1年

山藤(ヤマフジ)所長               ・・・59歳  科学研究所 所長

高ノ宮(タカノミヤ)博士              ・・・37歳  ロボット工学博士

時舟(トキフネ)リエ子               ・・・28歳  高ノ宮博士の助手

鷹島尋   晃太  (タカトウジン コウタ)  ・・・14歳  中学2年

レイリー・ミラー博士                ・・・39歳  科学者

モニターの男  サー・ヴァイズ           ・・・???

ヤン老主                       ・・・??? 超能力者(予言者)



第  27  話   「  サー・ヴァイズの島   」



隣国と某国の関係は、常に政治的緊張が伴っていた。
ここにきて、サー・ヴァイズのテロリスト集団、デスサイバーテロの策略にはまり、
お互いの国が、どちらも侵略目的で国会会議場の爆破や暴動を起こしたのは
相手の軍隊で、その後ろには敵である国の政府があると疑わなかった。

・・・何故、そうなったか。それは情報操作、報道関係にまずテロが動いたのである。
軍隊も勿論、彼らの手中にあった。テロの特殊工作部隊が巧妙に敵の部隊
に成りすまして、偽の証拠を残したのだった。

「・・・・・・そこまでは、常套手段だ。しかし、2つの国にこの国が介入して、それを
どう利用する??」レイリー博士はPCと紙、両方を使って情報を整理し始めた。
高ノ宮博士が話しかけた。「もし、これを引っ掻き回すんだとしたら、この大国にも
スパイが?」「いや、この国の兵隊はかなり統率がとれている。隣国のようにはいかない
だろう。どちらかというと、テロの特殊工作部隊が、この国の兵士に化ける方が、
確実だろうな・・・・」「・・・・・・やはり、ゼロに監視を続けてもらうのがいいようですね」

「・・・・ゼロ、いや、タツマ君。まだこの国の兵隊は2つの国には上陸していない。
だが、今の話でわかったかもしれないが、この大国の兵隊に見える者・・・この基地に
いた兵士のように見える者が、何かおかしな行動に出たら、すぐに教えてくれ!」
「了解」


ゼロは暴動が起こっている大通りや、まだ燃え続ける会議場、それに隣国で起こった
某国の国民によるデモ隊がプラカードで抗議している状況をつぶさに映し出した。
ゼロの飛ぶもっと上空を、他国のヘリが取材の為飛んでいるのもわかった。
・・・・本当に、ここにあの国の兵士達が来るのか・・・タツマはどうしても、この国が
ミサイルで某国を狙っている事も、信じることが出来ないでいた。

そのゼロがただ旋回しているのを、苦々しく見つめる視線に、タツマは気がつくはずも
無かった。




「こちらタワー。サー・ヴァイズ、隣国からカメラを切り替える。今、そちらに向かうジェット
戦闘機を発見。監視衛星の映像を送る」「・・・・・・・!何だって??」

そこには、サー・ヴァイズのいる島を何回も旋回して監視するように飛ぶ、戦闘機の姿が
あった。

「これは?!レイリーか?!あいつがよこしたのか?!いや、まさか・・・・・
ここは、誰からも分かる筈がない島だぞ?!何故、戦闘機が・・・・・・」
「サー・ヴァイズ、先程の、軍事基地から発進した戦闘機のようです」

「一体、何故?・・・・・・・どこかに、発信源を突き止めるようなレーダーが???
いや!!そんなものがないから、ここの島を選んだんだ・・・・・・・
ここは、私の・・・・私が所有する多くの島の、たった1つにすぎない。
ありえないんだ!!


・・・・・・まさか、お前達の誰かが、ここを??」

サー・ヴァイズは、引き出しからすばやく拳銃を取り出し、かまえた。

「言え!!!誰だ?!お前か?それとも、お前か??私を裏切ったのは、誰だ!!」

「サー・ヴァイズ!!誰も裏切ったりしません!!拳銃を下ろしてください!!」
部下達は、誰もが服従を示すように両手を上げて、その場に立ち尽くした。

「・・・いや、おかしい、こんな・・・・・・理由のわからない事が続くのは・・・・・・・・・
誰かが、情報を流しているに決まっている!!!

イーグルを捕まえられなかったのも、レイリーが最初のヘリに乗らなかったのも、
そして、この戦闘機も!!誰かが・・・・・・誰かが、裏切って情報を流していると考えた方が、
納得がいく!!!そうだろう?!」

拳銃の銃声が響いた。

「サー・・・・・どうか・・・・・・・我々はあなたを裏切りませ・・・・・ん」
サー・ヴァイズは拳銃を腰のホルダーに差すと、後ろを振り向かずにドアに
向かった。
「ここは、閉鎖だ!!」


サー・ヴァイズは、急いで地下通路を通って脱出用のクルーザーに乗り込んだ。
そして、隣の島へと出航する準備をした。
「タワー、今私はこの基地を離れ、ここは閉鎖する。さっきの戦闘機はどうしている?」

「こちらタワー。戦闘機は自国へ向かっている。今は、監視は無い」
「わかった。また、別の島へ移ってから連絡する。それまで通信を切る」
「タワー、了解」


戦闘機はヤン老主に言われた通りに、数回その島を旋回した後基地へと戻っていった。
そして・・・・・・

「ヤン老主、ここで待っているだけでいいの?」
「ええ・・・・直に船が着くでしょうが・・・・あと2時間はかかりますかねえ」
「ここってさ~~~凄い洞窟だねっ!!俺、探険したいなっ!!」
「いいですよ、退屈でしょうから」「わあい!!じゃあ、2時間だけっ!!」

その洞窟は船が着くのに最適な、広い空洞が外海へとつながっていた。
ヤン老主は洞窟の上に開いた穴から、空を見上げた。
「なんと、美しい場所でしょう・・・・・・ここに来て、やはり良かった・・・・・・」

海は洞窟の中で色を変え、エメラルドグリーンに輝いて見えた。
ヤン老主は、そこにある流木に腰をかけると、海のおもてを見つめていた。



基地のレイリー博士の元に、先程の大尉がやってきて告げた。
「ヤン老主が、サー・ヴァイズのいる場所がわかったので、あなたにも来て欲しい
と伝言があるようで・・・どうしますか?」「本当ですか?!勿論、行きます!!」
「先程の戦闘機が戻っています。あなたを連れてくるようにと言われたようですな」

「高ノ宮博士、私はこれからサー・ヴァイズがいる場所へ戦闘機で向かう。
後の事は、なんでも連絡してくれ!」レイリー博士はガードマンの制止を振り切って、
1人戦闘機へと乗り込んだ。ヤン老主の供の者がレイリー博士に何度もおじぎを繰り
返していた。「・・・ヤン老主、どうかご無事で・・・」



ザザザーーーーーーーン・・・・・・・

白いクルーザーが、その島の入り江から洞窟へと入って来た。
そして、一人の男がそこでエンジンを止めると、船上から浅瀬に下りて来た。
(老人が、流木に腰掛けたままこちらを見ている??)
サー・ヴァイズは、拳銃に手をかけて老人に驚いたように声をかけた。

「・・・・・・・・こんにちは?失礼ですが、どうしてここに?
ここは、観光案内にも載っていない筈ですが?」

「ええ、たまたま私は この島を空から観ましてねえ。一度、立ち寄りたいと
頼んだのです」


「・・・・・・・・戦闘機で、ですか??」サー・ヴァイズは、そう言ったが早いか、
銃口を老人に向けた。「あなたが誰かは知らないが、不法侵入罪で拘束させて
もらう!!!」

「・・・・・・・話を聞いてからでも、遅くは無いと思いますよ?サー・ヴァイズ?」
サー・ヴァイズは驚きのあまり、銃の引き金を引いた。

ズダーーーーーーーーン!!!!老人のはるか頭上を弾が飛んでいった。
「私は、ヤン老主という。予言者なのだよ」

銃弾の音に、コウタは驚いた。「えっっ??---ヤン老主?!」
何だって??まだ2時間はたってない!!慌てて洞窟へと引き返すと、そこに
背の高い男と、老主が向き合っていた。コウタのマウスはちょうど2人の間の、洞窟の
壁の小さな穴から顔を出していた。

「高ノ宮博士!!!!!み、観て!!!」コウタは、すぐに博士の袖を引っ張った。
高ノ宮博士はすぐにゴーグルをつけると、コウタと同じ、その光景を観た。

「ヤン老主!!!」コウタはあまりの事に驚いて声も出なかった。
サー・ヴァイズとヤン老主は、じっとお互いの顔を見ていた。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(このお話は フィクションです)
by f-as-hearts | 2009-11-12 23:58 | SF イーグル・ゼロ

タロット占い師ASのブログです。


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