鷹島尋 達真 (タカトウジン タツマ) ・・・16歳 高校1年
山藤(ヤマフジ)所長 ・・・59歳 科学研究所 所長
高ノ宮(タカノミヤ)博士 ・・・37歳 ロボット工学博士
時舟(トキフネ)リエ子 ・・・28歳 高ノ宮博士の助手
鷹島尋 晃太 (タカトウジン コウタ) ・・・14歳 中学2年
レイリー・ミラー博士 ・・・39歳 科学者
サー・ヴァイズ ・・・47歳 サーの称号をもつ科学者
テロリストの首謀者
ヤン老主 ・・・78歳 アジアの超能力者(予言者)
リ・スウフォン ・・・14歳 ヤン老主の小姓
リー大公 ・・・75歳 中国皇帝一族の末裔
第 11 話 「 銀の渦 」
スウフォンの必死の説得も、そこにいる委員の皆を納得させることは出来ずにいた。
「スウフォン、お前もヤン老主の1番弟子なら、この大事件がどうなるのか予知出来る
筈だろう?一体どうなるのかな?」
ニヤニヤと笑う顔に、スウフォンは、ぐっと唇をかんだ。
何を言われても、我慢しなければならない・・・・
「時の花は 咲く時を待つ」・・・ヤン老主は言われたではないか。
「恐らく・・・この事件の裏で糸を引いている人物を、私は掴んでおりますが、スウフォンは
知らないと思いますよ。
スウフォンのことは、ヤン老主より伺っております。この子の能力は、予知ではない。
全く違う能力です。それよりも、皆様にはご協力を願いたいが、何か問題でも?」
「問題は大ありだろう!!この映像の場所は、香港の基地じゃないか!!
こんな重要な場所が、テロに占拠された上に、その事実を今まで誰も知らず、おまけに
老主まで捕まったとなれば!!こんなことが起こった例がない!!我が国の軍の威信に
関わる大問題だ!!!これは絶対にこのヤン老主は偽者だ、これは起こり得ない!!」
皆が、この信じられない事件を口々にしゃべりだした。
「大体、何故ヤン老主はここに捕まったのかね?」「ヤン老主がどうして日本のクルーザー
を助ける為にここまでするのか、スウフォン、もっと正確に話しなさい」
「・・・・わかった!!もういい!!!」レイリー博士は研究室中に響き渡るような大声で
叫んだ。
「全ミラーショットで香港の港湾で拿捕された日本のクルーザーを探査する!香港のマップ
から港湾全てをマーク、全速で発見せよ!!!全機、 発進!!!」
「レイリー博士、すぐにこのモニターを分割して大スクリーンに映します。私も手伝います」
「高ノ宮、頼むぞ!この港湾全てを、バラバラに探さなければならない。こんな事は、始まって
以来だからな。
・・・スウフォン、ありがとう。お前は、良くやったよ。・・・私達は、まず人質がどこにいるか
探さねばならない・・・今も敵の司令塔で1人、人質の為に戦ってくれているヤン老主に
悪いからな」
スウフォンの目から涙がこぼれた。
「皆様、科学者のレイリー博士が、ご自分のロボットでクルーザーを探して、人質と
ヤン老主様の為に戦ってくださるそうです。・・・皆様、お願いです、クルーザーを
捕まえたものも、ヤン老主様を捕まえたものも、わが国のものではありません。
どうかどうか、皆様・・・・・」
「よくわかりました」
その声は奥の扉から聞こえてきた。
「・・・・・・・・・!大奥様!!!」そこにいた皆は、一斉に立ち上がると、頭を垂れ挨拶をした。
その老婦人はゆっくりとイーグルのところまで来ると、その背を撫でた。
「わたくし達はその昔、ヤン大公に命を救って頂いたのです。その大恩をどうしたら返せる
ものかと思っておりました・・・本当に、長らく生きながらえてきて、よかった・・スウフォン、
わたくしから、皆様に頼んでみましょうね。クルーザーの人質とヤン大公を救ってくださいと」
「はい!」「・・・・・・・・わかりました、すぐに」
全員がまた老婦人に挨拶をして部屋を慌しく出て行った。館の主は、イーグルに頷いて
話しかけた。
「・・・この方は、前国家主席夫人、そして私の母です。博士、クルーザーを見つけるのは
時間がかかりそうかね?」
レイリー博士は即答した。
「30分。それ以上はかかりません」「わかりました。いいでしょう、すぐに私も軍用機で
そちらに行きましょう。イーグル、案内を頼むぞ」
「イーグル01、軍の戦闘機を率いて来てくれ!」「了解。スウフォン、また通訳して!」
スウフォンは真っ赤にはらした目をこすりながら、返事をした。「はい!!タツマさん」
「ノーティ、まだチームからの連絡はないか?基地を離れる準備はどうなっている?」
「サー、イーグルはまだ発見出来ないようだぜ。司令塔だが、こっちの俺の部下も
みんな引き上げる」「証拠隠滅は大丈夫だろうな?」
「特殊工作部隊に任せるから心配ない。・・・もうエレベーターで地上に着いた」
エレベーターの前には兵隊がいた。「大佐!戦闘機までお送りいたします」
兵隊はヤン老主の手錠のロープを掴むと、大佐の後ろを歩いた。
戦闘機がもう見えてきた時、突然ヤン老主が大声を出した。「・・・・・いたたた!!」
皆がどうしたのかと振り向くと、ヤン老主がお腹を抱えて座り込んでいた。
「なんだ?じじい、病気か?・・・おい、お前老人をおぶって歩け」「・・・・・いえいえ」
苦しそうに手をひらひらさせて老主は言った。「ご心配には及びません。・・・ちょっと
腹痛が出ただけですよ。もう、大丈夫です」少し息を整えると、老主は戦闘機の方を
じっと見た。それから、ゆっくりとふらふら歩き出した。
「・・・どうした?ノーティ?」「なんでもない。もう戦闘機で出発する」「わかった」
ノーティ達の戦闘機は古城に向けて発進した。
「緊急連絡!大佐、クルーザーの周りを銀色の小型未確認飛行物体が飛び回って
います! ・・・うわっ!!どんどん数が増えています!!レーダーに・・・」
「なんだって??サー、未確認飛行物体が・・・」「な・・・・に?!」
ノーティの言葉に、サーはモニターをつけて衛星からの映像を拡大した。
「ノーティ!!そいつは、レイリーのミラーショットだ!!すぐに戦闘機で打ち落とせ!」
「緊急事態だ!すぐその飛行物体を破壊せよ!!全機戦闘態勢!!チームB、すぐに
クルーザーのところへ!!ロボット破壊命令だ!!」「了解」「Bチーム了解」
クルーザーと戦闘機を翻弄するように、銀色のミラーSは飛び回っていた。それは
あっという間に数百、数千の巨大な塊となって、クルーザーを取り巻いた。
クルーザーの中の兵隊は、最初レーダーの中で限りなく増えてゆくその星に、ミサイルか
と恐怖した。そして、今それは、クルーザーの周りを高速で回転し始めた。
「大佐!!飛行物体はクルーザーを取り巻いて飛び回っています!!これでは
戦闘機は攻撃出来ません!!クルーザーに当たってしまいます!!」
「こちら、クルーザー!!これは一体なんだ???機関銃がきかない?!全て、弾かれ
てしまう!!」
それは、銀色の渦、まるで海の中のいわしの群れのようにみえた。
「・・・これは凄い!!こんなシールドは見た事が無い!これは、宇宙空間でも役立ち
そうですね!」
「そうだな。だが、もう目が回って倒れそうだ。次回は絶対オートパイロットにするよ」
「レイリー博士!もうすぐイーグルも着きます。頑張ってください」
「ああ、頼む。・・・もう三半規管がイカレそうなんでね」
そのシールドは、唸りを上げて風を巻き起こし、中からも外からも完全にクルーザーを
守っていた。
「サー・ヴァイズ!!手が出せん!!もうこの人質は、皆殺しでいいな!!!」
「待て。・・・戦闘機は全機でクルーザーを包囲していろ!・・・・・
くそっっ!!!レイリーめ!!!」
予測不可能なミラーショットの防御シールド・・・サー・ヴァイズは、また自分が
レイリー博士に負けたのを感じていた。握り締めたこぶしが白くなっていた。
「こうなったら、ヤン老主だけでもリー大公に・・・・・・・」
リー大公の電話が通じた。
「・・・聞いたよ。・・・・基地からは逃げられたらしいね。良い判断だ。
イーグルは、もういい。 それから、ヤン老主だが・・・・
君が、殺すんだ。・・・・そうすれば、全てが上手くゆく。
私のところには、証拠となるものを届けてくれれば、それでよい」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(この お話は フィクションです)
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